平成27年 第2回 蕨市国民健康保険運営協議会 ■日 時 平成27年8月20日(木) 午後3時~午後4時 ■場 所 市役所4階 第1委員会室 会議録 ■出席者(敬称略) 委 員 : 植田富美子(会長) 、梶原秀明、橋岡昌子、先﨑隆、安田公年、本吉義博 賴髙英雄市長 事務局 : 佐藤慎也(市民生活部長) 、田上正行(納税推進室長) 、 阿部泰洋(医療保険課長) 、佐藤昌史(医療保険課長補佐)、 白鳥幸男(医療保険課長補佐) 、平塚悟(医療保険課国民健康保険担当係長) 、 安治久美子(医療保険課主任主事) 、野田直美(医療保険課主任主事) ■次 第 1.開会 2.会長挨拶 3.市長挨拶 4.審議事項 (1) 議案第1号 平成27年度蕨市国民健康保険特別会計補正予算(案)について (2) 議案第2号 平成26年度蕨市国民健康保険特別会計歳入歳出決算について (3) その他 ■内 容 【1.開会】 開会に際して、欠席者の報告があった。 【2.会長挨拶】 各委員には、当協議会に出席いただき感謝申し上げる。去る7月14日の埼玉県国保協 議会の総会にて、埼玉県の国保医療課長から「埼玉県の国保の現状について」と題して、 平成30年度からの国保事業の広域化に向けての取組についての話があった。今年度から 平成29年度を計画期間とした第三次広域化等支援方針が策定され、埼玉県として国保財 政の安定化や国保事業の広域化、収納率の向上、特定健診の受診率の向上のキャンペーン などの支援を行っていくということだった。 特定健診については、現在、受診率の目標は 60%と掲げているが、現在、蕨市を含む埼 玉県内の市町村の受診率はそれほど高くはない。特定健診については、10月末までの期 間中に一人でも多くの方が受診していただけるように、各委員にも是非働きかけをお願い したい。 また、今年度蕨市が参加する埼玉県の「健康長寿埼玉プロジェクト」のモデル事業につ いて、私個人として申し込みをしたところであるが、委員の皆さんにも是非とも御参加い ただき、自身も含めた市民の健康づくりにこれまで以上に意識を持っていただきたい。 本日は2議案の審議があるが、各委員には忌憚のない御意見をお願い申し上げる。 【3.市長挨拶】 国保運営協議会委員の皆さんには、平成27年第2回蕨市国民健康保険運営協議会に御 出席いただき感謝申し上げる。また、委員の皆さんには日頃から蕨市国民健康保険の円滑 な運営に御尽力いただき、市長として感謝申し上げる。 本日の協議会の議案については議案としては2件あり、平成27年度の補正予算と平成 26年度の決算である。国保については国民皆保険制度を支える要であり、市民の健康を 支える大変重要な制度であるが、構造的な問題もあり、平成26年度の決算においても財 政的に大変厳しい状況であった。特に保険給付費については、平成26年度では、総額で 約 50 億 5 千 6 百万円となり、平成25年度と比べて 4.7%伸び、被保険者一人当たりでも 約 22 万 4 千円から約 23 万 7 千円に伸びた。その背景には、医療の高度化や高齢化の進行 などがあり、年々保険給付費が増えていくという状況である。こうした状況の中、既にこ の協議会で今後の国保のあり方について御審議いただいたところではあるが、昨年4月か ら消費税が上がり、市民の暮らし向きは楽ではないという声がある中で、国民健康保険税 については据え置き、平成26年度では、約 10 億 2 千万円を一般会計から繰り入れ、国保 を安定的に運営しようと努力したところである。また、国民健康保険税の収納率について は、公平性や財源確保の観点から向上に努めており、平成26年度は現年分では 87.2%と 前年度の 86.5%からさらに上昇させることができ、ここ数年は少しずつではあるが伸びて きている状況である。国民健康保険については、広域化等の様々な改革が進められている 中ではあるが、市民の暮らし、健康を支える大事な制度であるので、委員の皆さまの御協 力をいただきながら、安定的な運営に努めていきたい。 また、埼玉県の健康長寿のモデル事業について、蕨市では『ウォーキングと筋力アップ で健康密度も日本一プロジェクト』と題して、150人のモニターに御参加いただき、ウ ォーキングや筋力アップのトレーニングをしながら健康度を上げていこうとするものであ り、今準備を進めているところである。モデル事業は3ヶ月であるが、その成果を検証し ながら最終的には全市民が健康的な生活を送れるようなまちづくりを進めていきたい。 本日の審議事項について、委員の皆さんには、忌憚のない御意見をいただきながら御協 議くださるようお願い申し上げる。 【3.審議事項】 (1)議案第1号 平成27年度蕨市国民健康保険特別会計補正予算(案)について 上記のことについて、事務局から説明した。 (議案第1号資料参照) ⇒議案第1号 平成27年度蕨市国民健康保険特別会計補正予算(案)については、議 案第1号資料のとおりとすることで了承された。 (2)議案第2号 平成26年度蕨市国民健康保険特別会計歳入歳出決算について 上記のことについて、事務局から説明した。 (議案第2号資料・議案第2号資料(概要 版)参照) その後、次のとおり質疑応答を行った。 委 員: 歳入の国民健康保険税の調定額が前年に比べて約 6,393 万円減ってお り、調定額の減少傾向は、ここ数年続いているようである。調定額の減少 の原因として、被保険者の所得が減っていることが考えられるが、所得階 層別の世帯数はどのようになっているのか。 また、自営業者のここ数年の所得状況と、非正規等で会社に勤めていて も社会保険に加入しない人の国保への加入状況はどうか。 事務局: まず、歳入の国保税の調定額の減少傾向については、さまざまな要素が 関わっているが、一番の要因は、国保税滞納繰越分が減少していることで あると捉えている。所得階層別の世帯数については、所得 300 万円以上が 約 1,600 世帯、100 万円以上 300 万円未満が約 4,600 世帯、未申告を含む 100 万円未満が約 7,200 世帯であり、100 万円未満の割合が一番高くなっ ている。 次に、自営業者の方の所得状況についてであるが、営業所得のある被保 険者のデータを見たところ、一人当たりの営業所得の平均では、ここ数年 は横ばいでそれほど大きな増減は見られない状況である。 最後に、社会保険に加入しない非正規労働者等の国保への加入状況につ いては、データがないためお答えできない。 委 員: 歳出の2款保険給付費について、一人当たりが 4.7%増えている要因につ いて、市長から高齢化や医療の高度化によるものではないかという話があ った。近年では医療費が年々増えていくのが当たり前といった感覚もある が、平成25年度は前年度に比べてわずかに減っていた。平成25年度と 平成26年度とでは、何か目立った違いがあったのか御説明いただきたい。 事務局: 保険給付費について、前年度との比較で平成25年度が減少し、平成 26年度が増加した要因は、入院に係る医療費が関係していると考えてい る。平成26年度と平成25年度の一件当たりの給付額を比較すると3万 円強増えている。また、件数も約 30 件程度増えており、入院に係る給付総 額は、平成25年度に比べて約 1 億 3,000 万円増加している。平成26年 度では、医療費全体で約 2 億 2,600 万円の増加であり、このうちの大部分 を入院の医療費の増加が占めているが、平成25年度では、この医療費全 体に占める入院の医療費の割合が低かったという違いがあった。 委 員: 特定健診の受診率の目標は 60%ということであるが、蕨市は今回 40.5% で、目標には届かないものの、前年に比べて1ポイント増えている。また、 受診件数も100件以上増えているようであるが、このことについてどの ような努力を行ってきたのか。 事務局: 特定健診の受診率向上対策の一つに、未受診者に対する受診勧奨はがき の送付がある。これは、受診期間が始まって1、2ヶ月過ぎても未受診の 方のうち対象を絞り、平成26年度では、50歳代の未受診の方に対して 受診勧奨のはがきを2回に分けて送付したものである。平成26年度は、 通知した方のうち約 7%程度がはがきの送付後に受診していただいてお り、一定の成果はあったものと考えている。 特定健診の受診率向上対策については、この他にもホームページや広報 紙、被保険者証送付時に同封する冊子により周知しているほか、関係機関 やコミュニティバス等にポスターを掲示していただくなど啓発に努めてい る。 特定健診の受診率、受診件数が伸びた要因としては、こうした諸々の成 果が出たものと考えております。 委 員: 国民健康保険税の収納率について、蕨市は県内ではどれくらいの位置に あるのか。 事務局: 蕨市の現年分と滞納繰越分を合わせた国民健康保険税全体の収納率は、 県内40市の中では上から36番目、下から5番目となっている。収納率 が低い理由としては、県南地域では転出、転入などの住民の異動が多く、 滞納を抱えたまま転出し、それを追いかけきれずに滞納になってしまうと いうことがある。なお、蕨市の下位に位置するのは、川口市、戸田市、所 沢市、吉川市といった県南地域の団体となっている。 委 員: 口座振替を進めると収納率を上がると思うが、蕨市では口座振替で納付 している方の割合はどのくらいか。 事務局: 蕨市の国保税の口座振替の割合は、平成26年度では 27.1%となってい る。広報などを活用し口座振替の周知はしているが、過去5年と比較して もあまり伸びていない状況である。 委 員: 事務局: 歳入の5款療養給付費交付金の内容はどういったものか。 療養給付費交付金については、退職者医療制度に係る交付金であるが、 退職者医療制度は、被用者年金の受給資格が一定の年数以上ある方で60 歳から64歳までの方が該当する制度である。この制度の趣旨は、一般的 に、被用者保険に加入している現役のときには医療にかかる機会が少なく、 定年等で退職して国保に加入した後に医療にかかる機会が多くなる傾向が あることから、国保の負担が過大にならないように被用者保険と国保の負 担を調整しようというものである。5款療養給付費交付金については、こ の負担調整のための被用者保険側からの交付金であり、その交付金を退職 者医療制度に該当する方々の医療費の一部に充てているものである。 会 長: 特定健診の受診率は、制度の周知により制度開始時よりは上がってきて いるが、目標の 60%にはまだ遠く及ばない状況である。糖尿病など重い病 気の予防や早期発見の手段として、特定健診はとても大事だと思うが、例 えば会社勤めの方や自営業の方などは忙しくて受けられない方も多いと思 う。60歳以上の方の受診率は高く、50歳代以下の方の受診率が低いと いうことだが、忙しい方もなるべく時間を作って受診していただきたい。 ⇒議案第2号 平成26年度蕨市国民健康保険特別会計歳入歳出決算については、議案 第2号資料のとおりとすることで了承された。 (3)その他 事務局から、「医療保険制度改革後の国保運営について」について説明した。 (資料医療 保険制度改革後の国保運営について参照)その後、次のとおり質疑応答を行った。 委 員: 国保が都道府県単位で一体化された場合、市町村で実施している子ども の医療費の無料化について、現在は市町村間で対象年齢にバラつきがある が、これはどうなるのか。 事務局: こども医療費助成制度については、地方自治体が政策的に行っているも のであり、対象年齢についても自治体ごとの判断で決めている。子どもの 医療費の無料化に関するこれからのあり方については、単に国保だけの話 ではなく少子化対策も含めた広い意味での社会保障のあり方ということ で、今回の医療保険制度改革とは別に協議が行われている。 子どもの医療費の無料化による医療費の波及増に対する国の交付金を減 額する制度について、少子化対策として実施している地方の事業に対する 国の交付金カットには批判も出ており、今後議論が進められていくことに なる。 委 員: 子どもの医療費の無料化の実施については、受益と負担を考える必要が ある。子育て支援に関しては必要であると考えるが、例えば、対象を高校 生までに広げるなどやり過ぎるのはいかがなものかと思う。 委 員: 事務局: 医療保険制度改革の必要性はどういったところにあったのか。 国保については、加入者の所得水準が低く、医療費水準が高いなどの構 造的な問題を抱える中で財政基盤が非常に脆弱であり、どの保険者も厳し い財政状況である。こうした国保の危機的な状況に対して抜本的に改善し ていく必要性の議論が以前からあり、今回の医療制度改革はその必要性を 具体化したものである。 この改革の大きな柱は2つあり、1つは国保の抱える構造的な問題の解 決に向け、国・県・市町村の公費拡充を行って財政基盤を安定化しようと いうものである。また、もう1つは、国保の運営主体を市町村という小さ な単位から都道府県単位に規模を拡大し、都道府県が市町村と共同で国保 を運営することで安定した運営を行っていこうというものである。 この2つの柱の改革を実施することで、将来にわたり持続可能な国民健 康保険制度にしていこうというものである。 会 長: 国民健康保険は、加入者に低所得者が多く、財政基盤が脆弱であると言 われていたが、蕨市においては保険税率をしばらく据え置いており、他市 と比べて非常に保険税率が低くなっている。保険税率については、改革後 も市町村で決定するが、蕨市だけが低くていいということはないと思うの で、標準税率に蕨市が合わせることになった時に急激に税が上がる可能性 があるのではないか。また、そうなったときに収納率が今よりも低くなる のではないかと懸念している。 蕨市国保の税率について、平成30年度まで現状のままとするのか、少 しずつ他の市町村に合わせていくのか、平成26年度のその他一般会計繰 入金が約7億円といったことも考えて運営協議会の中で話ができるよう情 報をいただきたい。 事務局: 今後、動きがあれば、その都度、御報告させていただく。 以上
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