出雲大社御本殿特別拝観始末記

Vol.25
Vol.25
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「出雲大社御本殿特別拝観始末記」
出雲大社御本殿特別拝観始末記
出雲大社は、毎年10月になると八百万の神が全国から集まって会議をすることで有名な神社です。そのた
め出雲地方では10月を神無月(かんなづき)ではなく、神有月(かみありづき)と呼んでいます。
その出雲大社の御本殿には「大国主大神」が祀られているのですが、今年の4月に60年に1度の
ご修造のため、仮遷座されました。御本殿特別拝観は、めったにない機会だから、修造工事にかかるまでの
間に下々にも拝観させてやろうという企画なのです。
私は島根県安来市の出身なので、子供のころから出雲大社へは数え切れないほど参っていますが、御本
殿は扉のすきまから中を覗うか、塀の外から仰ぎ見るものでしたので、ぜひ拝観したいと思い、8月14日に行
くことにしました。
早朝からただひたすらに並ぶものだと思っていたら、事前に整理券をもらうか、往復はがきで申し込むよう
にと、出雲大社のHPに掲載されていました。さすが大国主大神!やることが大きいねえ。
遅めの時間が混まなくて良いというので16時に予約し、それでも渋滞するといけないのでとずいぶん早め
に出発したおかげで、15時には到着しました。御本殿前にはいくつものテントが張られ、30分おきに拝観す
る集団が注意を受けています。「シャツの裾は、中に入れてください。」「襟なし、袖なしの服はだめです。」「ミ
ュールやサンダルは、履き替えてください。」etc
やっと順番が来ました。下界を隔てる門をくぐって、係員から手渡されたビニール袋に靴を入れ、階段を上
って登殿です。
高さ24メートルの「大社造」のお社は、1744年に御造営されて以来、260年以上経過した木造
建築物で、「心御柱」とそれを取り囲む8本の円柱が大きなお社を支えています。殿内は広い一室で心
御柱から右の柱まで幕がかけられており中の様子をうかがうことはできませんが、ここに大国主大神が居られ
ることが想像できます。
天井を見て驚きました。赤・青・白・紫・黒・・・・それぞれが260年前と変わらぬ鮮
やかさで、くっきりと雲を描いています。八雲なのに7つしかない雲、1つだけ向きが違う雲など、なぜ
だか解らないことばかりだそうです。
長い時間をかけてやっと拝観できたものの、急き立てられてゆっくり過ごすことができず残念でした。しか
し、8月1日~17日の拝観者数が15万人、4月、5月と
合
わせると28万人と
聞
けば、
仕
方ないかな。
特別拝観之証で少しは見たような気分になれましたか?
《
特別拝観
之証 ▼》
《
特別拝観のしおり
▼》