協力プロジェクトの概要(PDF:90KB)

TM5 協力プロジェクトの概要
2016 年
3 月
1.TM5 協力プロジェクトについて
TM5 では、年次会合及びフォローアップのための中間会合を開催しており、各庁の最近の
施策や互いの審査運用等の情報交換を行っているほか、特に実務レベルでの検討、対応を行
っていくことが TM5 各庁間で合意された取組についてはプロジェクト化しており、現在 13
のプロジェクトについて協力が進められている。
2.JPO リードのプロジェクトについて
(1)国際商標出願の情報提供拡充による利便性向上プロジェクト
①プロジェクトの概要
一つの出願で複数国への出願が可能となる商標の国際出願(マドプロ)制度については、
指定国レベルでは、権利を取得するための制度や手続が異なる場合があり、言語の違いもあ
ることから、出願人が必要な情報を入手し難い状況となっている。
本プロジェクトは、統一したフォーマットで、マドプロ出願手続に関する TM5 各庁の情報
をマドプロ出願人に提供することによって、マドプロ出願制度の利便性向上を図ることを目
的としている。
②これまでの主な取組
2014 年 12 月の第 3 回 TM5 年次会合において、マドプロ出願手続に関する TM5 各庁の国内
手続に関する情報を入力するための統一フォーマットについて合意。
2015 年 12 月の第 4 回 TM5 年次会合において、JPO が取りまとめた TM5 各庁の国内手続に
関する情報(ガイド)について合意。
③今後の取組
今後は、一層の情報拡充のため、JPO が世界知的所有権機関(WIPO)と協力して、合意さ
れたガイドの有効な活用方法等について検討していく予定。
(2) 悪意の商標出願対策プロジェクト
①プロジェクトの概要
悪意の商標出願が世界共通の問題となっている。本プロジェクトは、悪意の商標出願につ
いて、TM5 各庁の制度・運用に関する情報交換を行うとともに、ユーザーに対して情報提供
を行うことを目的としている。
②これまでの主な取組
第 1 回悪意の商標出願セミナー(東京:2013 年 10 月)、第 2 回悪意の商標出願セミナー
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(香港:2014 年 5 月)、第 3 回悪意の商標出願セミナー(東京:2016 年 3 月)を開催。
2014 年 12 月の第 3 回 TM5 年次会合において、「悪意の商標出願」に関する報告書を取り
まとめ、2015 年 4 月に同報告書を TM5 ウェブサイト及び JPO ホームページ内で公表。
③今後の取組
今後は、悪意の商標出願に関する TM5 各庁における最新の事例集を作成する予定。
(3)図形商標のイメージサーチプロジェクト
①プロジェクトの概要
JPO の商標審査における図形商標の検索には、現在ウィーン図形分類に基づく検索キーが
用いられているが、現在、イメージサーチシステムのみを利用して審査している TM5 官庁は
いない。
本プロジェクトは、TM5 各庁のイメージサーチシステムの取組に関する情報の共有を図り、
各庁におけるイメージサーチシステムの開発促進を目的としている。
②これまでの主な取組
2014 年 12 月の第 3 回 TM5 年次会合において、図形商標をイメージ検索する場合の課題及
びその解決策、イメージサーチシステムを導入する場合の利用方法など、これまでの共同研
究の成果を報告書に取りまとめ、2015 年 5 月に同報告書を TM5 ウェブサイト及び JPO ホー
ムページ内で公表。
③今後の取組
今後は、イメージサーチシステムにおける TM5 各庁の取組に関する情報を引き続き収集し、
必要に応じ専門家会合等の機会を設けて、TM5 各庁及び WIPO の取組に関する情報の共有を
図っていく予定。
(4)TM5 ユーザー参画プロジェクト(JPO・OHIM 共同)
①プロジェクトの概要
TM5 の各協力プロジェクトにユーザー団体を参画させること及び一般ユーザーへの情報
発信のためのワークショップを開催することを目的としている。
②これまでの主な取組
2015 年 12 月の第 4 回 TM5 年次会合において、JPO と OHIM が共同でプロジェクトを新規提
案し承認。
③今後の取組
今後は、既存の TM5 各協力プロジェクトのリード庁が、個々のプロジェクトにおけるユー
ザーとの関わり方について検討を行っていく予定。
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3.他庁リードのプロジェクトの概要について
(1) TM5 ウェブサイトプロジェクト(KIPO リード)
TM5 のウェブサイトを構築し、TM5 各庁間の情報共有及びユーザーへの情報発信を行うプ
ロジェクト。ウェブサイトには、共同声明、各プロジェクトの概要や進捗状況等が掲載され
ている。2015 年 9 月にウェブサイトデザインがリニューアルされた。
(2)ID リストプロジェクト(USPTO リード)
商標出願で指定する商品・役務の表示として、TM5 各庁が審査において相互に受入可能な
商品・役務表示のリスト(ID リスト)を構築し、ユーザーに提供するプロジェクト。
現在の ID リストプロジェクトへは、TM5 各庁に加え、カナダ、フィリピン、メキシコ、
シンガポール、ロシア、コロンビア、チリが参加している。
(3)タクソノミー及び TM クラス(OHIM リード)
「TM クラス」とは、OHIM の開発した EU 域内を中心とした各商標庁において認められる商
品・役務表示を一括して検索照会することができるツールであり、タクソノミーとは、この
TM クラス内に蓄積されている商品・役務表示を階層構造化して表示しようとする試み。
本プロジェクトは、OHIM が EU 域外の官庁の TM クラス及びタクソノミーへの参画を促す
ことを目的としている。
(4)TMView プロジェクト(OHIM リード)
TMView とは、OHIM が管理運営する EU 域内を中心とした各商標庁の商標検索及び詳細情報
の照会を一括して行うことができる検索ツールのこと。本プロジェクトは、TM5 各庁が持つ
情報サービスの TMView への統合可能性について検討を行うことを目的としている。
USPTO は 2013 年 12 月 18 日に、KIPO は 2014 年 2 月 14 日に TMView 上で情報提供を開始。
JPO は 2015 年 11 月 23 日に TMView 上で情報提供を開始。
(5)比較検討プロジェクト(KIPO リード)
TM5 パートナー庁における異なった審査ガイドライン、基準及び実務について理解を深め
ることを目的とするプロジェクト。TM5 各庁を指定したマドプロ出願を対象に比較分析を行
う予定。
(6)共通統計プロジェクト(OHIM リード)
各パートナー官庁で合意された共通の統計指標に基づき、各庁の統計データを定期的に交
換するとともに、共通の統計指標について検証するプロジェクト。
現在、交換する統計指標の追加・削除・修正、各指標の定義、周期及び交換頻度、TM5 ウ
ェブサイトでの公表の範囲、予測データの交換について、担当者間で議論が行われている。
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(7)共通ステータス表示プロジェクト(USPTO リード)
TM5 各庁のユーザー向け商標情報の提供において、一般ユーザーに分かりやすい商標案件
の状態(出願中、登録、最終処分、等)の表示を、TM5 各庁間で共通化するプロジェクト。
2014 年 12 月の第 3 回 TM5 年次会合において、共通のステータスに関する定義が合意され
た。今後は、ステータスを一目で把握できるアイコン表示についても共通化する予定である。
<合意された共通のステータスに関する定義>
Common Status Descriptors(英語版定義一覧表へ)(PDF:335KB)
*日本語仮訳(日本語版定義一覧表へ)(PDF:81KB)
(8)非伝統的商標へのインデックス付け(USPTO リード)
非伝統的商標の検索方法について、TM5 各庁間で情報共有することを目的とするプロジェ
クト。
(9)製品名の記載方法に関するユーザー向け情報提供(KIPO リード)
TM5 各庁における商品・役務の記述方法に関する情報を TM5 ウェブサイトに掲載すること
を内容とするプロジェクト。
2015 年 12 月の第 4 回 TM5 年次会合で KIPO がプロジェクトを新規提案し承認。
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