は じ め に 我が国の経済は、景気の谷となった平成 21 年3月以降、海外経済の回復による輸出の 増加や政府による消費、投資の刺激策などにけん引されて持ち直しが続いてきましたが、 22 年後半には、輸出の弱さが明確になるとともに、急激な円高がマインドに影響を及ぼし たことなどから、足踏み状態となりました。 そして、23 年3月 11 日に発生した東日本大震災、および福島の原子力発電所事故が日 本中を大きく揺るがしました。本県も一時は混乱に見舞われましたが、寸断された太平洋 側の物流ルートに代わって東北地方への代替ルートとしての役割を果たし、また、被災者 を幅広く県内各市町村において多数受け入れたり、被災した工場に代わって代替生産が行 われるなど、本県も関係機関や県民がそれぞれの立場で東日本大震災からの復旧、復興を 支える一翼を担ってきたところです。本県経済も、一時はサプライチェーンの寸断により 生産が落ち込み、個人消費も低下するなどの影響を受けたところです。 一方、最近の本県経済は、企業収益や景況感で一部に弱い動きがみられ、雇用面で厳し い状況にあるものの、その雇用も持ち直してきています。また、設備投資や生産で持ち直 しつつあるほか、個人消費では持ち直しの動きが続いています。しかし、円高やデフレ等 による企業の先行きへの不安がうかがわれるほか、欧米をはじめとする海外経済情勢に留 意する必要があります。 本書は、このような状況にある本県経済に関するテーマについて、最近の様々な統計デ ータをもとに解説を試みたものです。 本書を通して、本県が置かれている現状及び抱えている課題への理解を深め、本県の更 なる発展のための議論に役立てていただければ幸いです。 おわりに、本書の作成に当たり、資料の提供などご協力をいただきました関係各位に対 して厚く御礼申し上げます。 平成 24 年3月 新潟県総務管理部統計課
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