県産食材ニーズ調査の結果(概要)(PDF:343KB)

県産食材ニーズ調査の結果について(概要)
目的
県産食材の地産地消、地産訪消を促進するため、県産食材の県内におけるニーズ調査を行うことに
より、県産食材の供給面での課題、実需者の要望、新たな需要を生み出す品目の発掘などに取り組み、
魅力ある県産農畜産物を供給するための一助とする。
調査概要
○調査対象者
・レストラン・飲食店(甲府市中心街・ワイン産地)、ホテル・旅館(県内主要地)
・食品加工業者(県内)
・学校給食関係者(県内各市町村)
対象数
有効回答数
回収率
レストラン・飲食店、ホテル・旅館
585
194
33.2%
食品加工業者
79
42
53.2%
学校給食関係者
31
31
100.0%
695
267
38.4%
計
○調査方法:①調査票による調査:郵送にて調査票を送付し、郵送による回収により実施
②フォローアップ調査:アンケートの回答内容を踏まえたうえで、聞き取り調査
○調査内容
①調査票による調査
質問内容
品目別
(
果
樹
畜
産
物
ブ
ラ県
ン産
ド
肉
○
○
○
(
米
農
食 野産 、農
育 菜物 そ産
の物
他
)
共
通
)
レストラン・飲食店、ホテル・旅館
○
食品加工業者
○
学校給食関係者
○
○
○
加
工
原
料
○
○
○
○
○
②フォローアップ調査
アンケート調査の回答先より、レストラン・飲食店を7先、食品加工業者を3先、合計10先を
調査対象として抽出し、以下について聞き取りを行った。
・主に取り扱っている食材(加工原料)およびその産地
・県産食材(加工原料)の利用促進に向けた課題
・県産食材(加工原料)の利用促進のための要望(行政からの支援含む) など
調査結果
1.共通
(1)食材(加工原料)選択時の産地の考慮
「考慮する」が 89.5%と9割弱を占めており、産地を意識する事業者が非常に多く、業種別に
みると、酒類製造、学校給食関係者は全ての事業者が「考慮する」と回答している。
(2)現在利用の食材(加工原料)の産地の割合
「すべて国産」が 17.6%、
「国産が多い」が 71.9%と合わせて9割近くを占めており、主に国産
を使用する事業者が多く、業種別にみると、食品加工業者(酒類製造、パン・菓子製造)は、比較
的外国産を使用する事業者が多くみられる。
(3)食材(加工原料)の選択基準(複数回答)
「品質」が 80.9%と最も多く、次いで「価格」が 68.9%となっており、業種別にみると、酒類
製造は「品質」
、ホテル・旅館、学校給食関係者は「価格」を重視する傾向にある。
(4)国産食材(加工原料)利用時の産地の考慮
「考慮する」が 56.6%、
「考慮しない」が 41.2%で、6割程度の事業者が産地を意識している
傾向にあり、業種別にみると、食品加工業者(酒類製造、パン・菓子製造)は、特に産地を意識
する傾向にある。
(5)県産食材の地産地消、地産訪消への関心度
「関心がある」が 62.5%、
「少しある」が 27.7%と合わせて9割以上を占めており、業種別にみ
ると、酒類製造、学校給食関係者は、「関心がある」が9割以上を占め、特に関心を持つ傾向にあ
る。
2.食材(加工原料)の県産食材利用率
<加重平均利用率(※)>
(
米
、農
そ産
の物
他
果
樹
畜
産
物
ブ
ラ県
ン産
ド
肉
加
工
原
料
全体
64.6%
60.3%
66.5%
46.8%
28.3%
40.7%
レストラン・飲食店
73.1%
67.7%
76.7%
40.7%
18.8%
-
ホテル・旅館
62.1%
52.0%
70.2%
52.1%
40.8%
-
酒類製造
-
-
-
-
-
59.1%
パン・菓子製造
-
-
-
-
-
35.0%
学校給食関係者
41.0%
54.4%
38.3%
-
-
-
(
野農
菜産
物
)
)
(※)
全品目の「県産食材を利用している」の合計回答数
全品目の「県産食材を利用している」、
「過去に利用したが今は利用していない」
、 ×100
「県産食材を利用していない」の合計回答数
◆全体的:果樹、農産物(野菜)
、農産物(米、その他)の利用率が6割以上と比較的高い一方、加工
原料は4割、県産ブランド肉は3割程度と低い。
◆業種別
・レストラン・飲食店:果樹、農産物(野菜)、農産物(米、その他)の利用率が比較的高い。
・ホテル・旅館:畜産物、県産ブランド肉の利用率が比較的高い。
・食品加工業者:パン・菓子製造は利用率が低い状況にある。
・学校給食関係者:
「県産食材の地産地消、地産訪消に関心がある」が9割以上を占めるものの、全
般的に県産食材の利用率が低い状況にある。
3.品目ごとの利用理由および使用量増加のために実施すべき取組み(複数回答)
○農産物(野菜)
1位
2位
利用理由
品質が良い
(美味しい・新鮮)
山梨県産へのこだわり
(地域の活性化)
使用量増加のために
必要な数量を
67.7%
調達できる
61.3%
45.7%
価格を下げる
59.7%
67.4%
使用量増加のために
必要な数量を
59.4%
調達できる
60.0%
価格を下げる
76.0%
使用量増加のために
必要な数量を
56.0%
調達できる
60.7%
価格を下げる
○農産物(米、その他)
1位
2位
利用理由
品質が良い
(美味しい・新鮮)
山梨県産へのこだわり
(地域の活性化)
52.0%
○果樹
1位
2位
利用理由
品質が良い
(美味しい・新鮮)
山梨県産へのこだわり
(地域の活性化)
49.3%
○畜産物
1位
2位
利用理由
品質が良い
(美味しい・新鮮)
山梨県産へのこだわり
(地域の活性化)
使用量増加のために
58.5%
価格を下げる
53.7%
47.2%
知名度・ブランド力の
向上
48.0%
○加工原料
1位
利用理由
山梨県産へのこだわり
(地域の活性化)
90.9%
価格を下げる
使用量増加のために
63.6%
2位
利用客へのアピール
(イメージが良い)
40.9%
必要な数量を
調達できる
知名度・ブランド力の
向上
54.5%
54.5%
4.品目ごとの未利用理由および利用促進のために今後実施すべき取組み(複数回答)
○農産物(野菜)
過去に利用していたが現在未利用の理由
1位
2位
取引業者での
取扱がなくなった
37.0%
必要な数量を
調達できなくなった
35.2%
価格が高くなった
35.2%
過去も現在も未利用の理由
必要な数量を
調達できない
39.4%
取引業者での
取扱がない
39.4%
利用促進のために
いつでも必要な数量
を調達できるように 57.9%
改善
価格の改善
50.4%
○農産物(米、その他)
過去に利用していたが現在未利用の理由
過去も現在も未利用の理由
1位
価格が高くなった
30.9%
取引業者での
取扱がない
2位
必要な数量を
調達できなくなった
27.3%
価格が高い
40.4%
31.3%
利用促進のために
いつでも必要な数量
を調達できるように 47.0%
改善
価格の改善
43.2%
○果樹
過去に利用していたが現在未利用の理由
1位
必要な数量を
調達できなくなった
2位
価格が高くなった
過去も現在も未利用の理由
42.5%
取引業者での
取扱がない
41.4%
32.5%
必要な数量を
調達できない
33.3%
利用促進のために
いつでも必要な数量
を調達できるように 55.9%
改善
仕入れ業者が
44.1%
取り扱う
○畜産物
過去に利用していたが現在未利用の理由
1位
2位
価格が高くなった
41.9%
必要な数量を
調達できなくなった
25.8%
特に理由はない
25.8%
過去も現在も未利用の理由
価格が高い
取引業者での
取扱がない
利用促進のために
41.9%
価格の改善
26.9%
いつでも必要な数量
を調達できるように
改善
仕入れ業者が
取り扱う
46.6%
33.6%
33.6%
○加工原料
過去に利用していたが現在未利用の理由
1位
2位
利用するメリットが
得られなくなった
特に理由はない
過去も現在も未利用の理由
50.0%
50.0%
必要な数量を
調達できない
価格が高い
利用促進のために
50.0%
価格の改善
50.0%
いつでも必要な数量
を調達できるように
改善
知名度・ブランド力
の向上
68.2%
50.0%
50.0%
◆利用理由:食材(農産物、果樹、畜産物)は「品質の良さ」を挙げている事業者が多い一方、加工
原料は「山梨県産へのこだわり」を理由とする傾向が強くみられ、
「品質の良さ」を挙げ
る事業者は少数となっている。
◆未利用理由:「必要な数量を調達できない(できなくなった)」
、
「取引業者での取扱がない(なくな
った)
」
、
「価格が高い(高くなった)」等が挙げられている。
◆今後実施すべき取組み:農産物、果樹は「必要な数量を調達できるようにする」という意見が多い
一方、畜産物、加工原料は「価格の改善」が多くの事業者から求められて
いる。
◆県産食材(加工原料)の利用促進に向けた事業者からの具体的な意見
○川上業者(農家など)への支援
・生産者自身が販売できるチャネルを多く設置する。
・無農薬の畑であることを県や国が証明する。
・通年で栽培できるようなビニールハウス建設の補助を行う。
・農家の営業力を向上させ、自立を促す。
○川中業者(加工業者など)への支援
・加工工場の誘致を行う。
・展示会へ出展するための支援を行う。
○川下業者(レストラン・飲食店、ホテル・旅館、学校給食関係者など)への支援
・県産食材を揃える販売拠点を各地に設置する。
・大口、小口の数量を問わず、自由に配達してもらえる仕組みを作る。
○情報提供・情報発信
・ホームページやパンフレットなどによる県産食材に関する情報提供を行う。
・生産者、加工業者の紹介を行う。
・県産食材をメディアでPRする。
今後の調査結果の活用について
県産食材の地産地消、地産訪消の各種施策を推進するための基礎データとして活用するとともに、
消費拡大につながる支援策を検討する。
加工原料については、加工業者の団体等と意見交換や情報提供を行い、県産農産物活用への理解を
深めていく。さらに、需要がある加工用米等については、市町村と連携し、加工業者とJA、生産団
体等とのマッチングを行い、契約栽培による産地の拡大と品質確保に向けた支援を行っていく。
畜産物については、利用率の向上と価格が課題であり、県産ブランド畜産物の付加価値等への理解
醸成のための各種イベントや意見交換会を通じ、情報発信を行い、活用の促進を図る。また、いつで
も必要な数量を調達できるよう安定した生産と供給に支援していく。