ランチョンセミナー LS13 脳神経外科手術 ジャパン品質、 ジャパンプライド。 Japan Quality,Japan Pride. 座 長 大畑 建治 先生 大阪市立大学医学部脳神経外科 教授 演 題1 髙山 隆志 様 株式会社 髙山医療機械製作所 代表取締役社長 江戸時代から続く医療器具製造技術と 脳神経外科手術器具への応用とその未来 演 題 2 谷川 緑野 先生 札幌禎心会病院 脳卒中センター センター長 近未来型手術顕微鏡国内開発と脳血行再建 4 15 2016 年 月 日 (金) 12:40 ∼ 13:40 さっぽろ芸術文化の館 3F 清流の間 〒060-0001 札幌市中央区北1条西12丁目 共催:STROKE2016 三鷹光器 株式会社/株式会社メディカルユーアンドエイ ランチョンセミナー LS13 脳神経外科手術 ジャパン品質、ジャパンプライド。 演題 1 「江戸時代から続く医療器具製造技術と 脳神経外科手術器具への応用とその未来」 髙山 隆志 様 株式会社 髙山医療機械製作所 代表取締役社長 日本での医療器具の製造は寛政 (1790年) に7人の祖により始まりその徒弟制度の中で継承されてきた。 伊藤長之助 石川六郎 前田与吉 佐々木安則 児玉弥助 桐藤新三郎 清水久平の7名である。 もとは刀鍛冶、鉄 砲鍛冶、 飾り職人、 時計工から転業され、 明治時代に帝国陸軍、海軍によりその組織が編成された。 弊社は曾祖父の代で石川家に修行し凹み磨き(車による医療用刀研磨法)を習得し医療用刃物の製造をはじめた。 現在その技術は上山式マイクロ剪刃の上刃部分に応用され再現されている。 日本の刃物技術は欧米とは進化の違いがあり使い方にも違いがある。日本刀に代表される日本製の刃物はその切れ 味に集約される。 その中で重要になるのが、 材質、 熱処理、 研ぎ、 の三要素である。 近年弊社の取り組みとしてcad(コンピューターによる作図)は3次元化されpc上での作図が可能になり、動作確認や 強度評価が行えるまでになった。 またその3次元データを使い樹脂によるモデリングからcam(切削プログラムの自動 化)により工作機械での再現が可能になった。 このような技術を駆使することで医療用手術器具の開発と製造が現在おこなわれている。 脳神経外科手術器具、 特にバイパス用の器具は上山先生の発案により国内で進化の過程を得ている。 Super Bypass においては3次元データーの活用においてその開発がなされている。 手術器具の機能はより研ぎ澄まされその製造技術は常に最新の製造技術が応用されている。 演題 2 「近未来型手術顕微鏡国内開発と脳血行再建」 谷川 緑野 先生 札幌禎心会病院 脳卒中センター センター長 脳神経外科手術の中で特に脳血行再建に要求される手術用顕微鏡の性能は単純である.最低でも20倍程度の高い 拡大倍率と, 限りなく等倍に近い広視野の弱拡大に加え,その最弱強拡大間のズームスピードが短時間であることであ る. 従来の標準的な顕微鏡ではズームスピードは最速に設定しても5秒程度の時間を要していた.私は三鷹光器に依頼 し, 従来型のズーム速度を可能な限り短縮させることに成功し,最弱強拡大間速度を1秒以下に短縮させることを可能と した. この速度は顕微鏡鏡筒内の駆動系に機械的負荷を与える可能性があるため,血管吻合操作の必要な時のみの使用 に限定してはいるが, 血管吻合の遮断時間短縮に有効である. 血管吻合用鑷子として, 私がデザインしたSuperBypass®ピンセットは,先端に10mmと7mmの2種類のプラット ホームを持たせ, タングステンによる特殊な滑り止め加工を施すことにより,微小血管や吻合用マイクロ縫合糸の容易, 且つ, 確実な把持が出来るようにした. 針や組織の持ち直しの回数を減らすことが可能となり,SuperBypass®を使用 することにより遮断時間を短縮することが出来る. 血管内治療の進歩により, 再発動脈瘤の治療機会が増加してきており,頭蓋内血行再建の安全確実な実行は, これか らの脳血管外科に必須である. 特に深部での血管吻合,動脈のみならず静脈の再建の必要性など,再発例では想定外の 血行再建をせざるを得ない状況に追い込まれる場合がある.そのような状況下で,出来るだけ円滑な手術操作を支える 顕微鏡や手術器械の用意と協力的で高いスキルを持つ手術室スタッフの教育が必須である.
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