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2010 .12- 2011 .1 合併号
● 化粧品購入のチャネル変化
メディアバリューレポート
トップとなった(図 1)。通販カタログでの購入のほか、ドラッ
グストアの利用が
図 1 1 年間の通信販売での購入商品の推移
40
(%)
定着するなど、化
粧品はチャネルの
30
31.4
28.9
多様化が早くから
30.2
32.6
34.5
化粧品・医薬品
36.1
健康食品
20
進んできた。更に、
食料品
味の素やフジフイ
10
ルムなど、異業種
メーカーの化粧品
婦人衣料品
旅行
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009(年)
(社)
日本通信販売協会「全国通信販売利用実態調査報告書」
の直接販売も活発になる中、インターネットでの化粧品販売
も拡がりを見せている。
生活者が利用するチャネルの変化は、化粧品との関わり方の
変化につながる。今号では、ネット通販で化粧品を買う「ネッ
トでコスメ」な女性に注目する。
Vol.
される商品として、
「化粧品・医薬品」が「婦人衣料品」を抜き
「ネットでコスメ」な女性たち
日本通信販売協会の 2009 年の調査では、通信販売で購入
41
、
これは他のチャネルで購入している人
アンケート」2010 年)
と比較しても高い。実物を手にとって買う店頭での購入とは
違い、
ネット通販では見知ったお気に入り商品を安心して購入
したい人が多いようだ。
そのような中、
“原材料”
や
“成分”
、
“無添加であること”
など、
明確な機能を訴える商品が多く登場し、顧客の心をつかんで
いる。例えば、
悠香の「茶のしずく」は「茶匠」が無農薬で栽培
した茶の葉で作った洗顔石鹸を主力商品とする。サイトやチ
ラシなどのコミュニケーションでは、開発や製造にまつわる企
業の思いの他、使用した顧客の声が実感とともに伝えられて
いる。ネットでの化粧品販売では、顧客との距離を縮めると
ともに、商品の特性や効果・効能を理解してもらい、お気に入
りの商品へと成長させることが重要なのだ。
顧客の「もっと」に応える
通信販売利用者のスキンケア商品購入停止理由を見ると、
「他に気に入るものが見つかった」が上位にあがる。お気に入
40「納得感」
「利便性」
と商品への
、どちらも求める
りとして利用していても、他の化粧品との出会いをきっかけに
35
特に不満がなくても離れていくのだ(図 3)
。つまり化粧品へ
30
メ」な女性は、ネットで情報収集をしたり、店舗へも足を運ぶ
の関心が高く、普
など、幅広く情報に接触。
20 クチコミ情報の交換も活発に行い、
段から化粧品に関
15 (図 2)
化粧品への関心が高い
。 その一方で、通信販売で
する情報に触れる
通信販売利用者の中でもネット通販を利用する
「ネットでコス
25
10
図 3 スキンケア商品の購入停止理由/女性
(%)0
5
10
15
20
25
他に気に入るものが
通販化粧品で見つかった
30
35
33.0
他に気に入るものが
通販化粧品以外で
見つかった
購入する理由とし
機会が多い「ネット
ては、手間が省け
でコスメ」な女性
ることや好きな時
とは、継続顧客で
間に購入できるこ
あっても、
メールマ
となど、利便性に
ガジンや通販カタ
関わる理由が多く
ログなど、ダイレク
あがる
(裏面参照)
。
トにつながり、商品
「ネットでコスメ」
の価値を伝え、理
な女性の、化粧品
解を深め続けなく
の購入を便利にす
てはならない。顧客の肌質や生活の変化に対応する新しい
ませたいという意識は強いが、購入する商品は、様々な情報
使い方の提案や、商品に関わる新しい発見につながる情報を
に触れ、
納得した上で選択しているのだ。
提供するなど、
「ネットでコスメ」
な女性の貪欲な「もっと」を満
25
また、
「ネットでコスメ」な女性は 62.0% がたいてい「お気に
15
足させるコミュニケーションを提供し続けていくことが求めら
入り」を購入しており
(DNP「普段の生活と購買行動に関する
れている。
図 2 化粧品への関わり/女性
5
100
(%)
デパートで化粧品を購入0
80
ネットで化粧品を購入
60
40
ドラッグストアで化粧品を購入
カタログ通販で化粧品を購入
20
よく語り合う
仲間がいる
色々な情報源を
利用する
新商品の
情報が気になる
多くの商品を
比較する
お金を
かけてもよい
関心がある
0
「DNP メディアバリュー研究 2010」
23.2
好みや肌質などが変わり、
購入しなくなった
18.3
このブランド
(メーカー)
に
不満があり、
購入しなくなった
12.6
その他
生活環境が変わり、
通販で化粧品を
購入しなくなった
9.9
3.0
DNP「休眠・離反者動向調査∼通販化粧品編(2009 年)」※
35
30
20
10
5
0
通信販売で化粧 品を購 入する女性
女性にとって化粧品は、日々の生活に欠かせないものであり、こだわり
サービスに関する内容も合わせて意識されるものの、お気に入りの化
を持つ人も多いが、お店へ行く手間が省けることや、時間を気にせずに
粧品として継続的に購入されるためには、商品の良さを実感できるこ
買い物ができるなど、利便性の高さを理由に通信販売が多く利用され
とが重要なのだ。
ている。一方、お気に入りの化粧品を継続して購入する理由をみると、
「ネットでコスメ」な女性の約半数が有職主婦。ネット通販は、忙しい生
使い心地や肌との相性など、商品そのものに対する評価項目が多くあ
活の中でも納得できる化粧品を便利に購入できる方法として定着し、
げられる。値引きがされていることや、支払い方法が簡単など、価格や
活用されている。
通信販売でスキンケア商品を購入する理由/女性
化粧品の購入チャネルごとの利用者の年代
(%)0
60
(%)
10
ネット通販で購入 6.5
54.0
20
30
12.9
40
50
60
32.3
70
80
90
25.8
19.4
3.2
48.9
50
100
ドラッグストアで購入
10.9
デパートで購入
10.4
22.3
18.1
18.5
18.1
12.1
40
22.6
カタログ通販で購入
22.1
20
21.3
19.4
14.6
13.9
12.1
20.7
17.6
女性 - 10代
女性 - 40代
13.7
10
7.3
11.1
17.0
9.6
26.4
女性 - 20代
女性 - 50代
26.4
15.4
女性 - 30代
女性 - 60代
「DNP メディアバリュー研究 2010」
6.5
化粧品の購入チャネルごとの利用者の職業
店舗より品揃えが良いから
メイク方法や商品の使い方等、
カタログやサイトに化粧関連の
情報が載っているから
店舗では手に入らない商品を
購入できるから
近くに店舗がないから
店舗で買うより
商品の比較がしやすいから
店舗で買うより商品が
探しやすいから
店舗から商品を
持ち帰る手間が省けるから
店舗で買うより商品の情報が
分かりやすいから
店舗で買うより安いから
希望の商品が通販でしか
手に入らないから
時間のある時にカタログや
サイトを見ること・買い物を
することができるから
店舗まで行く手間が省けるから
0
31.1
2.2
29.5
30
(%)0
ネット通販で購入
10
9.7
20
30
40
12.9
50
60
70
80
45.2
90
100
32.3
1.5
ドラッグストアで購入
18.1
デパートで購入
19.3
12.5
33.6
34.3
0.7
20.0
29.6
30.4
1.1
カタログ通販で購入 4.4 7.7
DNP「休眠・離反者動向調査∼通販化粧品編(2009 年)」※
46.2
学生 / 女性
40.7
OL・アルバイト
有職主婦
専業主婦
その他
「DNP メディアバリュー研究 2010」
通信販売でスキンケア商品を継続購入する理由/女性
現在利用しているスキンケア商品購入のきっかけ
その商品を2回以上購入した理由
70
(%)
60
50
59.7
55.6
43.4
40
40.6
35.9
33.1
37.9 38.9
32.0 31.9
30
20
27.1
31.7
24.9
20.2
22.5
22.5
15.6
12.9
21.5
16.3
10
19.3
15.6
14.5 14.5 13.0
9.7
8.0
2.3
9.4
3.7
3.2
8.5
5.1 7.0
5.3 6.5
5.3
通販の送料が安い
カタログやサイトの情報で
商品特徴が分かりやすい
香りがよい
カタログの誌面や
サイトの画面が見やすい
好きなブランド
︵メーカー︶
カタログやサイトの
商品情報が多い
配合成分がよい
メイク方法や商品の使い方等、
カタログやサイトに
化粧関連の情報が豊富
商品のサンプルや
おまけがついている
効果や品質に見合った
価格である
キャンペーンをしている
通販の注文方法が簡単
サンプルで試せる
通販の支払い方法が簡単
効果
︵潤い、
美白など︶
がある
刺激が少ない
値引・割引がされている
自分の肌との相性がよい
信頼のできるブランド
︵メーカー︶
2.3
使用感、
使い心地がよい
0
19.6
12.2
DNP「休眠・離反者動向調査∼通販化粧品編(2009 年)」※
※自社・競合ブランドユーザー別の、
リピート・休眠・離反の状況と、
それぞれの理由を明らかにするために行った自主調査。
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● DNP 独自の調査・分析をベースに、
マーケティングの新しい「視点」
を提案するプロジェクトです。
●情報環境が変化する中で、生活者のコミュニケーションチャネル
(メディア・チャネル)
を多面的に捉え、企業と生活者との
コミュニケーションデザインをトータルにサポートいたします。
●ご紹介した内容は、メディアバリュー研究「コミュニケーション接点調査」
(訪問留置法、15 ∼ 69 歳男女 900 名対象、
実施:2009 年 10 月)
分析結果を基にしています。
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10.12 -11.1