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安 全 報 告 書
安 全 報 告 書
1.ご利用のお客様、沿線地域の皆様へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2.平成 26 年度(2014 年度) 安全行動目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
(1) 安全確保に関する基本的な方針
(2) 安全目標
(3) 安全行動指針・サービス行動指針・原価低減行動指針
3.安全管理体制及び安全確保に関する役職と責任体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
4.事故・災害等の発生状況と再発防止対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4~13
(1) 鉄道運転事故
(2)-1 輸送障害(部内原因)
(2)-2 輸送障害(部外原因)
(2)-3 輸送障害(災害等)
(3) 行政指導等
(4) 再発防止対策
5.安全・安定輸送の取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13~18
(1) 施設の改修・車両更新等
(2) 鉄道施設・車両等の安全に関する維持修繕費の状況
(3) 社員の教育訓練
(4) 自然災害への備え
(5) 列車遅延時におけるお客様への情報提供
(6) 安全対策会議の開催
6.駅施設等の改修 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
7.平成 27 年度(2015 年度) 重点安全施策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
(1) 安全目標
(2) 設備整備計画
8.平成 27 年度(2015 年度)事業 高架事業・新駅の設置・相互乗り入れ事業について ・20~24
(1) 高架事業について
(2) 新駅の設置について
(3) 相互乗り入れ事業について
9.問い合わせ先 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
1
ご利用のお客様、沿線地域の皆様へ
日頃より、えちぜん鉄道をご利用いただきまして誠にありがとうございます。また、沿線地域
の皆様および沿線自治体におかれましては、弊社の利用促進に多大なるご支援とご協力を賜
り厚く御礼を申し上げます。
弊社は、平成 15 年度の開業から、鉄道事業の基本である「輸送の安全確保」を最重要課題
と位置づけ、社員一丸となって安全への取組みに傾注して参りました。そのような中、平成 26
年度は、開業以来最悪となる 6 件の踏切障害事故が発生しました。いずれの事故も死亡事故
には至りませんでしたが、弊社としましては、この事態を非常に重く受け止めるとともに危機感
を抱いております。特に、第 3 種および第 4 種踏切道における事故が多発しているため、県・
沿線市町と踏切道の保安度向上に向けた協議会を立ち上げ、踏切啓発活動の強化や同種踏
切道の統廃合および第 1 種化への整備を着実に進め、踏切道における事故防止に最大限努
めて参ります。
今後も、列車の安全・安定輸送の確保を目指して、一層の安全性向上のための設備改善を
進めるとともに基本動作の徹底・社内における組織間コミュニケーションの充実・知識技能の向
上が一層求められることを全社員が深く認識し、お客様と地域住民の皆様にとって心から安心
して利用できる鉄道となるよう、真摯に努力を続けて参ります。
この安全報告書は、平成 26 年度における弊社の「輸送の安全確保」に関する取り組みや安
全の実態をまとめ、広く皆様のご理解をいただくために公表するものです。皆様からお寄せい
ただいたご意見やご感想は、今後の取り組みや輸送の安全確保に役立てて参ります。皆様の
貴重なご意見をお待ち申し上げます。
え ち ぜ ん鉄 道 株式 会 社
代表取締役社長
1
豊北 景一
2
平成26年度(2014年度) 安全行動目標
(1) 安全確保に関する基本的な方針
弊社では、会社設立の経緯を踏まえ、開業から今日まで「輸送の安全確保」を最優先課
題として、社員一丸となって安全・安定輸送の取り組みを続けております。
平成 26 年度も「電車運行の安全確保」を最大使命に、下記の安全目標を掲げて取り組み
ました。
(2) 安全目標
「安全基準の厳守」
区分
目標値
責任事故 “ゼロ” と インシデント “ゼロ”
数値目標
労働災害 “ゼロ”
報告遅れ “ゼロ” と 検査漏れ “ゼロ”
常に安全第一という認識を持ち、目的・する意味を意識して基本動作を実行する
組織間コミュニケーションを図り、安全に係わる認識を共有する
行動目標
法令や規程など、安全基準に係わるルールを遵守し、記録の管理を徹底する
違和感を察知した時や問題が発生した場合は、速やかに報告・連絡・相談する
社員への迅速且つ的確な指示連絡体制とお客様への速やかな情報提供を実施する
(3) 平成 26 年度(2014年度) 安全・サービス・原価行動指針
安全行動指針
● 私達は基本動作の意味、目的を常に意識し、お客様の安全のために確実に実行します。
● 私達は関係者との打ち合わせを正確に行うことで意識を共有し、緊密に連絡をとりあいな
がら安全に業務を遂行します。
● 私達は安全基準を厳守するとともに、報告と記録管理を徹底します。
サービス行動指針
● 私達はお客様の事前期待にこたえ、快適な時間と空間をお客様に提供します。
● 私達は「次工程はお客様」の精神を常に持ち組織間のコミュニケーションを図ります。
● 私達は心をこめた最高の笑顔と親切なお声がけでお客様をお迎えします。
原価低減行動指針
● 私達は会社全体を一つのチームとして捉えムリ・ムダの解消と効率化を通じチームとしての
実力向上を目指します。
● 私達は先を読む力、変化を創る力を伸ばし付加価値の高い仕事を目指します。
● 私達は常に現場を基点に考え、結果を出すための計画と行動を心がけます。
2
3
安全管理体制及び安全確保に関する役職と責任体制
社長をトップとする安全管理組織を構築し、各責任者の責務を明確にしています。
安全確保に関する役職と責任体制
役職
社 長
安全統括管理者
(取締役)
運転管理者
(運輸部長)
乗務員指導管理者
(乗務区長)
施設管理者
(技術部長)
車両管理者
(車両区長)
管理部長
責任体制
輸送の安全確保に関する最終的な責任を負う。
輸送の安全確保に関する業務を統括する。
安全統括管理者の下、運転に関する事項を統括する。
運転管理者の指揮の下、運転士の資質の保持に関する事項を管理する。
安全統括管理者の下、施設に関する事項を統括する。
安全統括管理者の下、車両に関する事項を統括する。
輸送の安全確保に必要な設備投資、財務、人事に関する事項を統括する。
3
4
事故・災害等の発生状況と再発防止対策
【年度別運転事故等発生状況】(鉄道事故等報告規則に基づく届出件数)
鉄道運転事故・輸送障害・インシデント発生状況
35
30
25
20
15
10
5
0
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
インシデント
0
0
0
0
0
0
1
0
0
1
0
0
輸送障害(災害原因)
16
10
19
5
2
1
1
8
2
5
1
2
輸送障害(部外原因)
1
1
2
3
0
3
3
3
3
3
2
3
輸送障害(部内原因)
10
4
7
3
3
1
4
2
3
2
2
2
鉄道運転事故
4
3
0
1
1
2
0
2
2
5
5
6
(1)鉄道運転事故
【踏切障害①】
発生日時
平成 26 年 5 月 10 日 10 時 12 分
発生区間
勝山永平寺線 光明寺 1 号踏切(第 4 種)下志比駅~光明寺駅間
状況
福井発勝山行き下り臨時第 9947K 列車が、当該踏切に差し掛かったところ、同
踏切内に進入する乗用車を認めたため、直ちに非常汽笛吹鳴と共に非常ブレーキを
取るも乗用車と衝撃した。状況を確認したところ、乗用車の前部および当該列車の
車両外板に損傷あるものの運転に支障なし。当該列車に乗車していた社員を事後対
応とし、18 分後に運転を再開した。尚、乗用車の運転手および乗客 6 名にケガは
無かった。
列車影響
遅延 4 本(最大遅延 18 分) 当該列車
4
【踏切障害②】
発生日時
平成 26 年 5 月 16 日 11 時 12 分
発生区間
三国芦原線 三国高校前踏切(第 3 種)三国神社駅~三国駅間
三国港発福井行き上り第 1108M 列車が、当該踏切に差し掛かったところ、線路
状況
と並行する側道を併走していた自転車が見えなくなったと同時に衝撃音がしたた
め、直ちに非常ブレーキを取り停車した。状況を確認したところ、線路脇に自転車
と負傷した高校生(命に別状なし)が倒れていたため救急車を手配し、病院へ搬送
した。搬送後、付近で作業していた社員が駆けつけたため、事後を任せ 20 分後に
運転を再開した。尚、乗客 50 名にケガなし。
列車影響
遅延 5 本 最大遅延 20 分 当該列車
【踏切障害③】
発生日時
平成 26 年 8 月 26 日 18 時 31 分
発生区間
三国芦原線 太郎丸 1 号踏切(第 4 種)鷲塚針原駅~太郎丸駅間
状況
福井発三国港行き下り第 1809M 列車が、当該踏切手前約 100m 付近で進行右側か
ら当該踏切内に近づく軽ワゴン車を認めたため、直ちに非常汽笛吹鳴と共に非常ブ
レーキを執るも及ばず当該軽ワゴン車と衝撃した。状況を確認したところ、軽ワゴ
ン車は線路脇にて中破、当該運転手は軽傷を負っていたため、救急車を手配し病院
へ搬送した。当該列車の車両外板に損傷あるものの運転に支障なしであったため、
当該列車に同乗していた社員に事後を任せ、14 分後に運転を再開した。尚、乗客
約 70 名にケガなし。
列車影響
遅延 3 本(最大遅延 14 分) 当該列車
5
【踏切障害④】
発生日時
平成 26 年 10 月 2 日 7 時 40 分
発生区間
勝山永平寺線 下志比 2 号踏切(第 3 種)下志比駅~光明寺駅間
勝山発福井行き上り第 3716K 列車が、光明寺駅~下志比駅間を運転中、線路と
状況
並行する道路を当該列車と同方向へ走行していた軽トラックが右折し、当該踏切鳴
動中にも係わらず当該踏切へ進入してきたため、直ちに非常汽笛吹鳴と共に非常ブ
レーキを取るも及ばず当該軽トラックと衝撃した。状況を確認したところ、当該軽
トラックは線路内にて大破、当該運転手は負傷及び車内に閉じ込められていたた
め、救急車とレスキューを手配した。(当該軽トラック運転手は重傷も命に別状無
し)当該列車の乗客にケガ無し。レスキューにより負傷した当該軽トラック運転士
を救助、線路内を支障していた当該軽トラックを撤去後、当該列車の車両外板に損
傷あるものの運転に支障なしであったため、70 分後に運転を再開した。
列車影響
運休 4 本 遅延 16 本 最大遅延 70 分 当該列車
【踏切障害⑤】
発生日時
平成 26 年 10 月 24 日 21 時 07 分
発生区間
勝山永平寺線 追分口踏切(第 1 種)越前新保駅~追分口駅間
状況
福井発勝山行き下り第 2055K 列車が、当該踏切に差し掛かったところ、進行方向
右側から当該踏切内に直前進入する乗用車を認めたため、直ちに非常汽笛吹鳴と共
に非常ブレーキを執るも及ばず当該乗用車と衝撃した。状況を確認したところ、当
該乗用車は踏切外にて中破、当該運転手にケガはなかった。また、当該列車の乗客
27名にケガ無し。当該列車は、ブレーキ管が破損し自力運転が不能であったため、
救援列車を運転し車両基地へ回送した。尚、当該列車の乗客は、追分口駅まで徒歩
誘導し運転再開後、後続の列車へ乗り換えた。
列車影響
運休 1 本 遅延 5 本 最大遅延 60 分 第 2048K 列車
6
【踏切障害⑥】
発生日時
平成 27 年 3 月 18 日 6 時 17 分
発生区間
三国芦原線 太郎丸 1 号踏切(第 4 種)鷲塚針原駅~太郎丸駅間
三国港発福井行き上り第 550M 列車が、当該踏切に差し掛かったところ、進行方
状況
向左側の車両側面から衝撃を感知したため、直ちに非常ブレーキにて停車した。停
車後、状況を確認したところ、当該踏切脇に中破した原付バイクと当該バイク運転
手が負傷していたため、直ちに救急車を手配した。乗客 8 名にケガ無し。当該バイ
ク運転手が救急搬送後(当該バイク運転手は重傷)、当該列車の損傷状態を確認し
たところ、車両側面の台車に接触痕があるものの運転に支障ないため、現場の記録
保全および駆けつけた社員に事後対応を任せ、20 分後に運転を再開した。
遅延 4 本 最大遅延 20 分 当該列車
列車影響
(2)-1 輸送障害(部内原因)
【施設故障①】
発生日時
平成 26 年 12 月 6 日 5 時 45 分
発生場所
三国芦原線 福井口駅~西別院駅間
状況
当該駅間の沿線住民から同区間の電車架線から火花が散っているとの通報を受け
たため、社員を現場に派遣し調査したところ、架線が断線していた。これにより、
当該駅間を含む福井駅~西別院駅間の運転を始発から見合わせ、補修作業を開始し
た。(西別院駅~三国港駅間は電車による折り返し運転を実施)
11 時 30 分 補修完了、試運転の異常なしを確認し、11 時 45 分 開通した。
列車影響
運休 27 本、遅延 20 本(最大遅延 47 分)
7
【施設故障②】
発生日時
平成 27 年 2 月 4 日 11 時 00 分
発生場所
勝山永平寺線 福井駅構内
指令モニターに福井駅の CTC 停電警報表示があがり、福井駅~福井口駅間の信
状況
号制御が不能となった。直ちに技術社員へ点検補修を指示すると共に当該駅間に
おける列車の運転を見合わせ、代行バスの代替輸送を実施した。点検の結果、福
井駅構内信号用トランスのヒューズ溶断と判明、ヒューズを交換したところ CTC
電源が復帰したため、同区間の運転を再開した。
運休 7 本 遅延 2 本(最大遅延 12 分)
列車影響
(2)-2 輸送障害(部外原因)
【列車支障①】
発生日時
平成 26 年1月 8 日 19 時 29 分
発生場所
三国芦原線 中角駅~鷲塚針原駅間
状況
福井発三国港行き第 1909M 列車が当該区間を走行中、鷲塚踏切の特殊信号発光
機の現示を認めたため減速していたところ、当該踏切内で停滞していた乗用車が突
如線路内を走行し、当該列車方向に向かってきた。このため、直ちに非常汽笛吹鳴
と共に非常ブレーキにて停車したところ、当該乗用車は踏切から福井方約 40m 走行
したところで線路内立ち往生したため、レッカーと社員召集を要請した。
20 時 07 分、撤去が完了し運転を再開した。
列車影響
運休 2 本、遅延 13 本(最大遅延 42 分)
8
【列車支障②】
発生日時
平成 26 年 3 月 24 日 18 時 46 分
発生場所
三国芦原線 福井口駅~西別院駅間
状況
福井発三国港行き第 1839M 列車が当該区間を走行中、町屋踏切の特殊信号発光
機の現示を認めたため、直ちに踏切手前に停車し当該踏切内を確認したところ、踏
切内にて落輪し立ち往生している乗用車を発見した。レッカー手配と社員を召集
し、19 時 29 分 撤去が完了したため運転を再開した。
列車影響
運休 2 本、遅延 4 本(最大遅延 43 分)
【施設故障①】
発生日時
平成 27 年 2 月 15 日 9 時 13 分
発生場所
勝山永平寺線 古市変電所
状況
本社指令室にて、当該変電所の地絡警報が表示され、当該変電所の送電範囲の追
分口駅から永平寺口駅間の各信号電源が停電した。直ちに当該変電所の点検及び送
電区間の巡視を実施すると共に契約電力会社へも原因調査を依頼した。この間、福
井口駅~勝山駅間で列車の運転を見合わせて代行輸送を実施した。10 時 34 分
各施設を点検するも、当該変電所および送電区間に異常が認められないため、試験
送電を開始。その後、送電状態を監視するも異常がないため、10 時 46 分列車の運
転を再開した。
※その後も原因調査するも原因特定に至らず。再発無し。
列車影響
運休 4 本、遅延 7 本(最大遅延 90 分)
9
(2)-3 輸送障害(災害等)
【雪害①】
発生日時
平成 27 年 1 月 2 日 18 時 20 分
発生場所
勝山永平寺線 保田駅~発坂駅間
折からの大雪により、福井発勝山行き第 1725K 列車が、当該区間の発坂駅下り場
状況
内信号機付近にて圧雪のため、運転不能となり立ち往生した。現場に社員を派遣
し、人力除雪にて運転を再開した。
列車影響
遅延 6 本(最大遅延 34 本)
【雪害②】
発生日時
平成 27 年 1 月 2 日 20 時 07 分
発生場所
勝山永平寺線 比島駅~勝山駅間
折からの大雪により、福井発勝山行き第 1755K 列車が、当該区間にて圧雪により
状況
前途運転不能となり立ち往生した。(当該列車の乗客無し)人力除雪による脱出は
不可能であったため、発坂駅で当該区間の除雪開通待ちであった排雪列車で救援し
た。
列車影響
運休 9 本、遅延 12 本(最大遅延 145 分)
(3) インシデント・行政指導等
本年度におけるインシデント・行政指導はありませんでした。
(4) 再発防止対策
施設故障の対策
平成 26 年度は、部内原因(施設故障)による輸送障害が 2 件発生しました。平成 26 年 12 月 6
日福井口~西別院間で発生した架線断線の原因につきましては、エアセクション内の架線と曲引
きの離隔が基準値を越えて接近していたため、アークが発生し架線溶断に至りました。この対策
として、全線の同種箇所の緊急点検を実施し、異常なしを確認すると共に当該箇所においては、
曲引き位置を修正し離隔補正を行いました。また、平成 27 年 2 月 4 日発生の福井駅構内におけ
る CTC 停電原因につきましては、福井駅の CF(高圧用)ヒューズ切れによるものでした。このヒ
10
ューズにつきましては、定期的に交換しているものの今障害を踏まえ、より信頼性の高い CF ヒ
ューズを導入し、全線における信号および踏切等に使用している全 129 箇所の取替えを実施しま
した。今後、同種故障が発生しないよう施設の巡回点検を強化すると共に経年使用による劣化が懸
念される部品等の定期的な交換を順次進め、施設故障による事故・障害の未然防止に努めて参りま
す。
踏切道の安全対策
平成 26 年度は、第 4 種踏切道における事故が 3 件、第 3 種踏切道で 2 件、第1種踏切道で 1
件発生しました。また、第 1 種踏切道における踏切遮断かん折損が 32 件発生しました。第 3 種
および第 4 種踏切道での事故多発を受け、対策としまして、地元および管内自治体と協議し、
規制ポール・規制サークルの設置や踏切幅を示す夜間点滅センサーの設置等の対策を実施しま
した。また、第 1 種および第 3 種踏切道における視認性向上策として、踏切警報機の LED 化や
全方位型警報灯の導入を順次進めております。その他、年 4 回の交通安全運動期間における踏
切啓発活動に加え、警察・沿線市町等関係機関・団体合同による啓発活動を 2 回実施し、踏切
通行者等に踏切一旦停止と列車の安全運行への協力を呼びかけました。また、小学生を対象と
した車両基地の見学会や電車運転体験の参加者に対して、線路上での遊戯・置き石行為の禁止や
緊急時の踏切非常ボタンの操作等について説明し、列車の安全運行への広報活動を実施しました。
今後も、列車の安全運行に対する広報活動の実施と踏切道における安全対策を強化し、特に
第 3 種および第 4 種踏切道につきましては、県および沿線自治体と第 1 種化の整備に向けて協
議を行い、同種踏切道の削減と事故・障害等の未然防止に全力を尽くして参ります。
-7-
11
第 1 種踏切道における遮断かん折損件数
遮断桿折損件数と折損関係者不明件数
85
折損件数
53 53
63
45
関係者不明
49
29
47
31 31
41
32 33 32
36 34
26 34 20
23 22 24
21
第 4 種踏切道の視認性向上対策実施状況
H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26
踏切道の安全対策
太郎丸1号踏切(第4種)
三国高校前踏切(第3種)
12
関係機関・団体合同 踏切一旦停止・事故防止の啓発活動
- 10 -
踏切事故防止チラシ(H26 度 冬バージョン)
【お願い】
踏切は、一旦停止して左右の安全を確認してから通行するようご協力をお願いいたします。また、
万一踏切内で立ち往生した場合やその状況を発見した場合は、速やかに踏切に設置された非常
ボタンを押してください。
13
5
安全・安定輸送の取り組み
(1) 施設の改修・車両更新等
線路・電気施設等の安全性向上のため、老朽化の著しい施設の改修を計画的に進めています。
また、平成 25 年度に引き続き、1 編成 2 両(7000 形)の車両を更新しました。
安全関連設備投資額(平成 26 年度地域公共交通確保維持改善事業)
安定輸送対策
車両その他
合計
71,762 千円
136,988 千円
208,750 千円
分岐器の重軌条化(あわら湯のまち駅)
橋梁補修(石亀川橋梁)
14
-
継電連動装置改良
入換信号機の新設(永平寺口駅)
上り本線 下り進出用出発信号機の新設
(西長田駅)
施工前
施工後
更新車両(7000 形 7011-12)搬入
(2)鉄道施設・車両等の安全に関する維持・修繕費の状況
千円
120,000
100,000
80,000
60,000
50,607
32,622
26,570
32,943
28,176
27,788
15,000
17,716
22,409
22,902
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
29,458
40,000
27,000
20,000
0
施設区(保線)
施設区(電気)
15
車両区
(3) 社員の教育訓練
日々の安全安定輸送を確保するため、各部署において社員の知識力・技術力の維持向上を目指
して定期的に教育訓練を実施しています。訓練では、実技訓練のほか、作業における基本動作
の意義について、「何故、ルールはあるのか」「何故、基本動作が必要なのか」等、基礎的な
こととは言え、安全の根幹を成す重要な事項ですので、繰り返し教育しています。また、各社
員の安全意識を更に高めるため、些細な事項でもいいので、各々に安全業務に対する行動目標
を設定させて、その目標を達成した際の喜びや充実感を経験することによる士気の向上に取り
組んでいます。尚、本年度は実施できませんでしたが、不測の事態発生時において、迅速かつ的
確な行動と連携体制がとれるよう、警察・消防等含めた関係機関合同による異常時総合訓練を
実施し対応能力の向上に努めて参ります。
運転士の養成については、平成 26 年度は 3 名を養成し、運転免許を取得しました。現在は、次年
度に向け 1 名の運転士候補生を養成中です。
【平成 26 年度 教育実績】
乗務区運転士 計 12 回、指令区指令員 計 12 回、駅務区駅務員(運転取扱者) 計 12 回、施
設区員(保線・電気) 計 12 回、車両区員 計 12 回
動力車操縦者運転免許技能試験
16
運輸部合同 代用閉そく取扱い訓練
(4)自然災害への備え
大雨、強風、大雪等の自然災害に備え、沿線に雨量計を 2 箇所、風速計を 4 箇所設置し、運転
指令に設置した警報監視端末で常時監視しています。基準値を超えた場合は、列車の一時運転見
合わせや徐行運転の実施および線路巡視による警戒体制を強化し、輸送の安全確保に努めてい
ます。また、冬期間においては、雪による列車の運行障害を極力防止するため、大雪注意報・警
報発令時は、昼夜を問わずラッセル車やロータリー車を出動させて、軌道の確保および道路管理
者との連携による踏切道の除雪に努めています。
17
(5) 列車遅延時等におけるお客様への情報提供
列車の遅延や運休等が発生した際に、駅で列車をお待ちのお客様に対して速やかに列車の運
行状況等をご案内できるよう全43駅に監視カメラと放送設備を設置しています。運転指令に設置
した情報案内集中制御装置(ネットワークカメラ音声システム)から各駅一斉に情報案内放送を行
ないます。また、駅構内におけるテロ等の犯罪行為に対する防犯にも活用しています。
ネットワークカメラ音声システム
各駅設置のカメラとスピーカー
(6) 安全対策会議の開催
事故防止の対策(雪害対策・除雪会議・地域イベントに伴う多客輸送計画会議を含む)
を徹底するため、社長以下役職者を招集した安全対策会議を計 7 回開催しました。会議で
は、保安情報による事故事例の周知や直近に発生した事故および社員のヒヤリハット事例を
分析、その対策を協議し事故の再発防止や未然防止に努めました。
18
6
駅施設等の改修
平成 26 年度は、永平寺町の永平寺口駅周辺整備事業(H21~H26 社会資本整備総合交付金事業)
により、永平寺口新駅舎とバスの駅前ロータリー広場が整備され、永平寺町の玄関口にふさわしい空間
に生まれ変わりました。また、これまでの永平寺口駅舎(国の登録有形文化財)は、改修を施し、地域住
民の交流施設として整備されました。
19
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平成 27 年度(2015年度) 重点安全施策
平成 27年度の安全目標および設備整備計画を以下のように定め、社員一丸となって「輸送の安全
確保」に取り組んで参ります。
(1) 安全目標
「見える安全・見せる安全」
区分
数値目標
目標値
責任事故 “ゼロ” と インシデント “ゼロ”
労働災害 “ゼロ”
安全・安心の見える化のため、意識と行動の両面での取り組みを行う。
行動目標
全ては「迅速な報告」からという業務基本の徹底
事故・災害等発生時における情報の連絡、作業手順の適応能力向上のため、関係機関
合同での訓練を実施
(2) 設備整備計画
区 分
線路設備(橋梁補修)
計 画 内 容
○三国芦原線
番田~あわら湯のまち間
○三国芦原線
西春江~西長田間
○三国芦原線
三国~三国港間
○勝山永平寺線
防護設備(線路側溝敷設)
越前開発~越前新保間
○勝山永平寺線 発坂~比島間
線路設備(分岐器重軌条化)
○勝山永平寺線 分岐器重軌条化 (松岡駅構内)
落石等防止設備(石積補強)
○勝山永平寺線 越前竹原~小舟渡間
車両設備(重要部検査)
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○4両(6001・6002・6101・6102)
平成27年度(2015 年度)事業 高架・新駅の設置・相互乗り入れについて
(1) 高架事業について
福井県の事業(平成 3 年度~平成 30 年度)である福井駅付近連続立体交差事業の進捗に伴い、平
成 27 年 9 月 27 日から福井駅~福井口駅間において、既に建設されている北陸新幹線福井駅部の高
架橋を使用した仮線運行を開始します。これに伴い、(仮)福井駅および(仮)新福井駅は、新幹線高架
上へ移転、(仮)福井口駅は、新幹線用地(駅舎部は JR 北陸線高架下)へ移転します。その後は、現在
線を撤去し、新たにえちぜん鉄道の単独高架橋の建設に着手し、事業最終年度(平成 30 年度)の完成
を目指し整備を進めます。この事業の完了時は、福井駅~福井口駅間の踏切道 3 箇所(仮宝永・仮日
之出・福井口の各踏切道)が除却されるため、東西道路の交通円滑化と当該踏切道における踏切事故
等が解消されます。※注:仮宝永踏切・仮日之出踏切は、平成27年9月27日の仮線運行開始時に廃
止します。
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(2) 新駅の設置について
上記の仮線運行に併せて、以前から地元要望のあった三国芦原線 福井口駅・西別院駅間に新駅
「まつもと町屋」駅を開業いたします。
まつもと町屋駅の概要
新駅駅名
設置位置
駅の形態
駅設備等
無人駅
行違い設備無し
高床ホーム
◎屋根付きスロープ
(西別院方)
◎ホーム屋根
(西別院方・福井口方)
所在地:福井市町屋 2 丁目 3 番
まつもと町屋
三国芦原線 福井口駅・西別院駅間
(福井口起点1k030m)
福井口駅から約1,030m
西別院駅から約601m
まつもと町屋駅
←西別院方
屋根付き
スロープ
【23.4m】
屋根【8m】
屋根【6m】
えちぜん鉄道 三国芦原線
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福井口方→
(3) 相互乗り入れ事業について
平成 27 年度は、上記の 2 事業に加え、三国芦原線 田原町駅を結節点とした福井鉄道福武線との相
互乗り入れ事業(平成 25 年度~平成 27 年度)の最終年度であり、平成 28 年春の開業を目指し、相互
乗り入れ用 LRV の導入や低床ホームの整備等、開業に向けた準備を進めています。
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郵
便
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