海外出張報告書 - 保健医療福祉情報システム工業会

海外出張報告書
所属
国際標準化委員会
氏名
特別委員
長谷川英重
出張期間(西暦) 2015 年 4 月 19 日(日)~2015 年 4 月 26 日(日)
出張先
出張目的
報告事項
会議名、開催日時、
場所、主な出席者、
実施内容、所感 等
米国サンフランシスコ Marines Memorial Club ホテル(WG/総会と宿泊)
ISO/TC215 サンフランシスコ WG/総会に WG1 エキスパートとして参加
・会議名と日時:WG1会議(12 カ国 27 名)
、JWG と総会 4 月 21 日(火)-24
日(木)、また会議前日 20 日午前(CIMI 合同)午後(エキスパート会議)、
・主な出席者:国内対策委員会 WG1主査川崎医療福祉大学岡田教授、日本 IBM
社稲岡博士、国内対策委員会委員長豊田 HCI 社 CEO、特別委員長谷川
・主要目的:ISO EN13606EHRCom 改訂再出発 CD 作成に目途を立てる。
・議事内容:①会議前日にベルリン決議に基く 4 作業部会(患者基本、Extract,
データ型と HL7 FHIR による Extract 実装)の WebX 会議検討結果と現地
で CIMI との合同会議結果を反映し作業部会としての検討結果をまとめた。
②21 日午前開会総会で新会長挨拶と事務局連絡後、会議ホストのカイザー
パーマネンテからホスト挨拶で民間世界最大病院グループの低コスト患者
中心の安全で質の高い医療サービス行う努力の詳細が紹介された。
③21 日午後 WG1 会議で参加者に主要改定部分 13606 Part2 と 3 のプレゼ
ン後、作業部会検討内容説明で基本的合意が得られた。
④また、今回急遽日本から、高齢社会向け統合医療サービスに関する国際
ワークショップ協定 ISO/IWA の一環としてプレゼンが行われた。国内及び
WG1 として位置付けが不明確なため、WG1 の主査が 7 月英国で開催され
るワークショップに参加し、情報フィードバックを行い、10 月日本で開催
予定のワークショップ結果を踏まえて 11 月のスイスベルン JWG 会議で取
り上げることになった。TC215 で取り扱う場合にも慎重な対応が必要。
⑤翌 22 日午前、WG4 と Part4 セキュリテイ改定討議を行い、Part4 セキ
ュリテイの考え方(アクセス制御と監査証跡)説明後 WG4 からアクセス制
御仕様粒度と監査証跡実装イメージのコメントが出され、WG1 作業部会検
討結果説明を行い今後検討向けの双方窓口を確認し別途打合せを行うこと
になった。その後 WG1 作業部会検討を反映した Part5 ユーザインタフェ
ース関係打ち合わせを行い、単純明快な仕様とすべく今後の進め方と窓口
を決めた。この結果、次回スイスベルン会議で CD 投票の見通しが立った。
⑥その後 13606 を中核に臨床概念全体(インデックスのみ)と臨床ワーク
フローでケア継続を定義した 13940ContSys(WG3 担当)を SOA で実装する
ためのクラス定義を規定した 12967 保健情報サービスアーキテクチャ HISA
(これら 3 標準を EHR3 点セットと略称)
。これらの並行適用ワークョップ
が 2011 年から年 2 回ペースで行われ 3 標準洗練化が進められ、第 5 回目が
実装の進んだスウエーデンで開催されその成果報告があった。引続き 12967
HISA:2009 定期見直し提案説明で 13606 改訂作業情報モデル部分に有用な
情報が明らかにされた。この後 13940ContSys の FDIS の発行状況報告で
13940 が全体的な位置付けを示し、用語 SNOMED-CT や CIMI/FHIR との関連
が明確になり、今後各標準とオントロジーで関連付けをまとめることが示
された。これで欧州中心に進められてきた EHR 標準の詳細な実態の明確化
がさらに進んだことになる。
⑦米国 EHR 開発に合わせて HL7 で 10 年前から標準化が進められ、合わせ
て ISO 化され、関係者理解粒度を合わせる EHRS-FM(機能モデル)と
PHRS-FM もそれぞれリリーズ 2 と 1 が発行段階まで進んだ。
この 10 年間 ISO
と HL7 の間で融合化が進められ、特に 2011 年以降 EU と米国間 eHealth 協
力協定締結以降相互運用性検討が密に推進されている。EHRS-FM R2 と
PHRS-FM R1 も JIC 関連での投票も済み発行段階にあることが報告された。
EHRS-FM R2 に関して 7 か国の翻訳が予定されている。これにより EHR の基
盤部分概念やアーキテクチャも固まり、EHRS 開発フレームワーク部分も整
理された。さらに米国政府の S&I フレームワーク実装に基く EHRS-FM で具
体的なユースケースやコンポーネント再利用方法論の ISO/NP/DTR ドラフト
が作られ EHR に関連したフレームワークアーキテクチャやモデルがほぼ整
うことになる。
⑧EHR 基盤として欧州では加盟国間患者サマリや電子処方箋(epSOS)が
実装され、患者サマリに関しては欧州と米国を結ぶ Trillium プロジェクト
が進行中である。患者サマリや電子処方箋の国際標準化が TC215 内で進め
られている(電子処方箋 WG6 が担当)
。今回はブラジルが実装した産科と
一般患者サマリ紹介があった。その他 WHO と連携して開発した低中所得
国向け、所得ベースの eHralth TR14639 アーキテクチャの Part1 と 2 が発
行され、その後対応に関する担当カナダが欠席、詳細臨床モデル
ISO/NP/DTS 担当韓国欠席のため次回に繰り越された。
⑨今回の決議事項は、韓国提案 ISO/PWI TS Metadata for structured
clinical genomic sequencing report は NWIP として進めることは合意さ
れたが、重要テーマで WG2 や WG3 との分担検討可能性もあるため CAG2
の検討に付すことになった。
・所感:①今回 13606EHRCom 改定作業が昨年 5 月軽井沢会議でキャンセルと
なり 10 月ベルリン会議で再出発となり、作業管理の充実と WebX を継続的
に行い、今会議の前日も準備打合せし万全を期すことで 11 月の CD 投票に向
けスイスベルン会議での投票に向けた目途が立てられた。
②また今回は欧州の EHR3 点セットと言われる 13606,13940 と 12967 の並
行適用の実績のあるスウェーデンが存在感を示し適用ノーハウも充実した。
③米国もこの 10 年をかけた EHRS も米国内の適用ノーハウを反映した方法
論の技術報告書も作成され,国内にとっても欧米の実装に基く EHR/EHRS
標準はより一層充実したものになってきている。
以上
JAHIS として
のメリット
備考
・先進国から、低中所得国間で、予防から介護まで幅広い医療関係者、標準
化団体や関連組織の動きを把握できる。
・JIC:Joint Initiative Council DCM: Detail Clinical Model CIMI: Clinical
Information Modeling Initiative*アーキテクチャフレームワークモデル
国際標準化
委員長
予算管理者