「新規開業、その後」 Vol.12 [PDF/560KB/1ページ]

連載 第12回
脳神経外科医の経験を生かし、
地域に密着したクリニックを目指して
2012年5月、神奈川県横浜市にオープンされた、東戸塚脳神経外科クリニック。
院長の中山先生に開業の経緯と開業されてからの感想をお伺いしました。
東戸塚脳神経外科クリニック
院 長:中山 敏 先生
開業年月:2012年5月
開業場所:神奈川県横浜市
診療科目:脳神経外科、内科
医院URL:http://htnsclinic.jp/
Q1 開業のきっかけは?
これまで出身大学の医局人事で大学病院や公立病院に勤
務した後に、大学を離れ民間病院の雇われ院長になりまし
たが、自分の思い通りの職場を構築し理想の医療を行うに
は限界を感じていました。
これが開業の直接のきっかけです。
Q2 医師になって本当にやりたいと思っていたことは?
医師になってやりたいと思っていたことは二つあります。
ひとつは小学生の頃からラジオ作りなどの細かい作業が好
きで、医学生の頃から卒業後は手先の器用さを生かして社
会の役に立ちたいと思い、脳神経外科を専攻しました。
もうひとつは、もともと祖父も父も開業医という家系で
幼い頃から開業医の生活を身近に見て育ったため、いずれ
は自分も開業医となり地域に密接した医療を行いたいとい
う思いもありました。
しかし、私が医師になる前に父が他界し医院を閉めてし
まったため、当面は勤務医として診察や手術の腕を磨くこ
とにし、難易度の高い手術でも合併症を出さずに患者さん
が元気に退院してくれることに生き甲斐を感じていました。
開業直前まで手術を行っていましたが、40代後半になった
頃から手術中の集中力の衰えをわずかに感じ始めたため、
50歳を迎えたのを機にもうひとつの夢であった開業医とし
ての道を歩むことにしました。遅い開業かもしれませんが、
その分第一線の病院で診断および手術に携わり臨床力を身
につけられたので、
自信を持って開業することができました。
受付
Q3 開業準備で特に苦労されたことは?
準備の段取り自体は日本光電のコンサルタントの金子さ
んがコーディネートしてくれたのでそれほど苦労はなかっ
たのですが、物件の交渉、建築の内装、銀行の融資、医療
機器の選定など、決めなくてはならない項目が多く、病院
に勤務しつつ仕事の後に業者との打合せをするのが大変で
した。ただし、準備の時点から前の勤務先の医師だった当
クリニック金井副院長と2名体制でスタートしたので、通
常の単独開業よりは肉体的にも精神的にも少し楽だったと
思います。
Q4 日本光電のコンサルタントの価値は?
物件の選定から内覧会まで、開業に関するあらゆること
に関してセッティングをしてくれたので、安心して準備を
進められました。前述の多岐にわたる項目についてどの業
者に頼んだらよいかとか、法令関係の手続きなどは自力で
はまずわからないので非常に助かりましたし、大きな会社
であるという信頼感もありました。
Q5 実際に開業をされた感想をお願いします。
開業して2年近くがたちますが、立地が良いためか順調に
患者数も増え、特に現状での不安はありません。頭痛やめ
まい、手足のしびれなどの症状を心配して来院される患者
さんに即日画像検査を行い結果を説明でき、他の医療機関
との連携も良好で地域医療に貢献しているという実感があ
ります。まさに案
ずるより産むが易
しで、思い切って
開業してよかった
と思います。
画像検査室
(1.5T MRI装置)
ありが とうございました
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