アクアリフト・硫黄菌による海岸に堆積したヘドロの除去 はじめに 近年干潟ではアサリの収穫量が減少していて、その原因がヘドロの堆積と底質の嫌気性化によっ て貝類や魚類を死滅させている。アクアリフト〈硫黄菌〉はヘドロを減少させることにより硫化水素の発生 を制御します。以下に示すのは北九州市の湾でアクアリフトを使った例である。使用後はヘドロの減 少が確認出来、砂が出現している。このような成功事例が増加して実績も増えてきたアクアリフトによ る底質改善事業を実施するうえで現地の環境改善効果を確実に行うために、定期的に底質の分析、 貝類の出現数の観測を行い状況に応じて散布の量、範囲などを実施し底質改善を計る。 図 アクリフトによるヘドロの減少事例 今後、海岸の底泥付近に栄養塩や有機物の堆積が進むことを考えると、底質改善は重要な対策 であり、その効果として以下ことが上げられる。 ・ヘドロ量の低減 ・硫化水素の発生抑止 ・魚介類の生息環境の改善と個体数の回復 ここでは、巻末資料の福岡大学工学部 山崎惟義教授の推薦にあるように多くの実績を有するバ イオ製剤「アクアリフト」による環境復元技術に着目し干潟の再生を行っています。 -1- 硫黄菌・アクアリフトの概要 アクアリフトによる水質・底質浄化は、自然界に多く存在する多孔質の鉱物モンモリナイトにバクテ リア(硫黄菌)を棲みつかせ、この分解能力を利用した手法である。 アクアリフトは生態系への影響が無く、「ヒメダカを使用した毒性試験」や「水道水が有すべき性状 に関連する項目試験」などを満足している。 その浄化メカニズムについては未だ十分には解明されていないものの硫黄菌は、光があれば無機 物及び有機物を餌として取り込み、固定化や分解することが知られており、その機能を最大限活用 するものである。 主な用途を下表に、また、以下の写真には、実際に使用した海岸の状況を示す。 対象地域 ダム・湖沼・農業用ため池・ 公園池 河川・クリーク・ドブ川 海・海岸・干潟 排水処理・浄化槽 効 果 富栄養化の抑制 底泥のヘドロや硫化物を分解、生物環境の改善 透明度の改善 水底のヘドロや硫化物の分解、生物環境の改善 海岸・干潟のヘドロや硫化物の分解、生物環境の改善 臭気の改善、浄化槽の処理能力の向上 ヘドロ堆積湾で期待される効果 湾では潮汐や波浪による巻上げ及び河川からの栄養源の供給が主な負荷源となっている。海岸 に堆積したヘドロは増殖した藻類の遺骸等からなると想定される。 本企画書で提案するアクアリフトは、底泥中の有機物を分解するとともに、栄養塩、特に窒素や硫 化物の分解を促進するものである。 -2-
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