サプリメントと薬物検査

from Strength and Conditioning Journal
Column: Nutrition Notes
Dietary Supplement and Drug Testing
サプリメントと薬物検査
Ann C. Grandjean[アン・C・グランジーン、EdD、FACN、CNS、国際スポーツ栄養学センター、ネブラスカ州オマハ]
スポーツ界では競技力向上を目的と
の植物、アミノ酸などの栄養物質が含
物などのドーピングコントロールに関
した物質の使用が一般的である。ス
まれ、濃縮、あるいは合成、エキス化
するリストを出版している。また、
ポーツ界での興奮剤摂取を排除しよう
されたものと定義している。米国アン
NCAAはウェブサイト上に一般向けの
とする動きは約40年前から始まり、今
チドーピング機構(USADA)や全米
Dietary Supplement Resource Exchange
では数百万ドルを動かすビジネスへと
大学競技協会(NCAA)では、アンド
Center(REC)を開設し、健康補助食
成長している。薬物摂取の取り締まり
ロステンジオール、アンドロステンジ
品に関する質問に答えている。また、
の担当機関は、選手の健康と安全を守
オン、その他のホルモン剤を禁止物質
The National Center for Drug Free Sport
ること、大会で選手が人為的な力を用
のリストに入れている。現在、大学で
Resource, Inc.はウェブサイトにNCAA
いることで有利にならないようにする
プレーするすべての選手が、大会開催
の薬物検査プログラムに関する追加情
ことなど、数多くの目標を掲げている
期間中やシーズン中にランダムに行わ
報を掲載している。
が、一般的に掲げられているスポーツ
れるNCAAの薬物検査プログラムの対
サプリメントの使用は過去10年間に
界における薬物取り締まりの目指すと
象となっている。また、USADAはア
急増した。サプリメントの効果には疑
ころは公正な競技の場を提供すること
メリカ国内のオリンピック運動の包括
念の余地はないが、禁止されている薬
である。
的なアンチドーピング・プログラムの
物について知っておくことは選手の責
責任機関となっている。
任である。確信が持てない場合には、
サプリメントを使用した選手が薬物
検査で陽性反応となるケースが増えて
オリンピックの薬物検査が国際的に
まず所属団体や学校などの禁止薬物に
おり、これらのケースは選手や選手の
行われるようになったのは1968年の
ついて知識のある者、もしくは
トレーニング、体調管理を担当する者
ことであり、現在、世界アンチドーピ
USADAの情報サービスなどに問い合
が禁止薬物についての知識を持つ必要
ング機関(WADA)がスポーツ界から薬
わせて確認すべきである。
性を示している。選手は責任を持って
物を排除するための国際間の協力、協
・USADA (800)
233-0393
自分自身を守らなければならない。ま
調を推し進めている。USADAはアメ
・REC (816)
474-7231
た、選手や、選手にアドバイスをする
リカのオリンピック競技のための独自
立場にある者はサプリメントの中には
のアンチドーピング機関であり、ガイ
禁止物質が含まれている場合があるこ
ドラインや統制のためのルール(検体
とに注意を払わなくてはならない
の収集管理や検査方法)を作成、アメ
(1)。
リカにおけるオリンピック選手、パン
1994年の米国サプリメント教育法
アメリカン選手、パラリンピック選手
(DSHEA)ではサプリメントの形状
の違反行為などを取り締まる権限を
と含まれている成分表示について触れ
持っている。
ている。DSHEAではサプリメントに
ついて、1日の摂取量を高めるため
に、ビタミン、ミネラル、ハーブなど
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Volume 11, Number 1, 2004
■サプリメントと薬物検査
NCAA、WADA、USADAは禁止薬
Volume 25, Number 4, page 71