汚 泥 脱 水 の た め の 薬 品 を 使 用 し た 調 質 ( 汚 泥 調 整 )

1
汚 泥 脱 水 の た め の 薬 品 を 使 用 し た 調 質 (汚 泥 調 整 )の
意 味 と そ の 具 体 的 な 方 法 を 述 べ よ
1
.
は
じ
め
に
濃
縮
汚
泥
又
は
消
化
汚
泥
は
水
と
の
親
和
力
の
高
い
有
機
物
を
大
量
に
含
み
、
し
か
も
粒
子
径
や
形
状
も
様
々
に
変
化
す
る
圧
縮
し
に
く
い
汚
泥
で
あ
る
た
め
、
そ
の
ま
ま
で
は
脱
水
が
困
難
で
あ
る
。
こ
の
た
め
、
汚
泥
の
脱
水
性
を
改
善
す
る
た
め
の
予
備
処
理
と
し
て
汚
泥
の
調
質
を
行
う
。
2
.
調
質
の
意
味
汚
泥
の
調
質
は
脱
水
に
先
立
ち
汚
泥
の
性
質
を
物
理
的
・
化
学
的
に
改
質
さ
せ
、
微
細
な
粒
子
を
除
去
又
は
凝
集
さ
せ
る
た
め
に
行
わ
れ
る
。
汚
泥
の
調
質
に
は
汚
泥
の
洗
浄
、
凝
集
剤
の
添
加
等
が
あ
り
、
こ
の
う
ち
薬
品
添
加
は
汚
泥
中
の
微
粒
子
を
結
合
さ
せ
て
フ
ロ
ッ
ク
を
生
成
さ
せ
、
固
液
分
離
を
容
易
に
し
脱
水
性
を
向
上
さ
せ
る
も
の
で
あ
る
そ
の
仕
組
み
は
以
下
の
通
り
で
あ
る
。
汚
泥
の
粒
子
は
負
に
帯
電
し
、
互
い
に
反
発
し
あ
っ
て
い
る
た
め
粒
子
同
士
の
凝
集
が
妨
げ
ら
れ
て
お
り
、
正
の
電
荷
を
持
つ
凝
集
剤
を
添
加
す
る
と
、
電
気
的
中
和
が
生
じ
て
粒
子
の
結
合
が
促
進
さ
れ
る
。
。
2
汚 泥 脱 水 の た め の 薬 品 を 使 用 し た 調 質 (汚 泥 調 整 )の
意 味 と そ の 具 体 的 な 方 法 を 述 べ よ
こ
の
と
き
、
有
機
凝
集
剤
で
は
フ
ロ
ッ
ク
の
架
橋
結
合
等
が
行
わ
れ
、
無
機
凝
集
剤
で
は
水
酸
化
物
が
生
成
さ
れ
て
汚
泥
粒
子
が
粗
大
化
さ
れ
、
そ
の
結
果
汚
泥
の
固
液
分
離
・
脱
水
性
が
改
善
さ
れ
る
。
凝
集
剤
の
使
用
区
分
は
一
般
に
、
汚
泥
脱
水
機
の
機
種
に
よ
っ
て
決
ま
り
、
ベ
ル
ト
プ
レ
ス
ろ
過
機
や
遠
心
脱
水
機
に
は
有
機
性
の
も
の
を
、
真
空
ろ
過
機
や
加
圧
ろ
過
機
に
は
無
機
性
の
も
の
を
使
用
す
る
。
有
機
凝
集
剤
の
薬
品
注
入
率
は
非
常
に
少
な
く
汚
泥
ケ
ー
キ
量
が
増
加
せ
ず
、
汚
泥
の
焼
却
・
埋
立
に
有
利
で
あ
る
。
無
機
性
の
も
の
は
塩
化
第
二
鉄
等
と
消
石
灰
を
併
用
す
る
こ
と
が
多
い
。
3
.
具
体
的
な
方
法
( 1 )
有
機
凝
集
剤
の
注
入
一
般
に
下
水
汚
泥
に
は
、
カ
チ
オ
ン
性
ポ
リ
マ
が
用
い
ら
れ
、
0 . 2 ~
0 . 3 %
の
濃
度
に
な
る
よ
う
に
水
に
溶
解
し
、
こ
物
に
対
し
て
ェ
0 . 5 ~
の
水
溶
液
を
汚
泥
乾
燥
固
形
1 . 5 %
に
な
る
よ
う
添
加
す
る
。
凝
集
剤
の
選
定
は
、
ビ
ー
カ
ー
テ
ス
ト
、
ヌ
ッ
チ
テ
ス
ト
な
ど
の
テ
ー
ブ
ル
テ
ス
ト
を
行
い
、
薬
品
、
3
汚 泥 脱 水 の た め の 薬 品 を 使 用 し た 調 質 (汚 泥 調 整 )の
意 味 と そ の 具 体 的 な 方 法 を 述 べ よ
の
種
類
を
選
択
し
、
さ
ら
に
実
機
テ
ス
ト
を
行
っ
て
汚
泥
ケ
ー
キ
含
水
率
、
薬
品
注
入
率
、
固
形
物
回
収
率
等
か
ら
決
定
す
る
。
薬
品
溶
解
タ
ン
ク
は
、
高
分
子
凝
集
剤
と
水
を
混
合
及
び
か
く
は
ん
し
、
溶
解
と
貯
留
に
用
い
る
。
材
質
は
ス
テ
ン
レ
ス
鋼
又
は
強
化
プ
ラ
ス
チ
ッ
ク
製
の
も
の
か
、
鋼
製
に
エ
ポ
キ
シ
樹
脂
等
で
防
食
処
理
を
施
し
た
も
の
を
用
い
る
。
薬
品
溶
解
水
と
し
て
は
一
般
的
に
砂
ろ
過
水
又
は
工
業
用
水
等
を
使
用
す
る
。
高
分
子
凝
集
剤
に
よ
っ
て
は
、
薬
品
と
水
量
と
の
割
合
を
適
正
に
保
た
な
い
と
溶
解
作
業
中
に
塊
が
生
じ
、
供
給
管
等
が
閉
そ
く
し
や
す
く
な
る
の
で
溶
解
に
は
十
分
注
意
す
る
。
ま
た
、
高
分
子
凝
集
剤
は
吸
湿
す
る
と
団
子
状
に
固
形
化
す
る
の
で
、
定
量
フ
ィ
ー
ダ
の
排
出
口
に
乾
燥
空
気
を
供
給
す
る
。
( 2 )
無
機
凝
集
剤
注
入
凝
集
剤
の
注
入
量
は
汚
泥
の
性
状
に
よ
っ
て
異
な
る
が
、
通
常
、
汚
泥
乾
燥
固
形
物
量
に
対
し
て
塩
化
第
二
鉄
5 0 %
程
度
を
注
1 0 %
前
後
、
消
石
灰
2 0 ~
、
4
汚 泥 脱 水 の た め の 薬 品 を 使 用 し た 調 質 (汚 泥 調 整 )の
意 味 と そ の 具 体 的 な 方 法 を 述 べ よ
入
す
る
。
塩
化
第
二
鉄
は
濃
度
に
希
釈
し
て
汚
泥
と
混
合
す
る
。
薬
品
は
2
槽
で
交
互
に
溶
解
す
る
も
の
と
1
は
る
日
の
希
釈
操
作
3 8 %
回
数
の
が
も
2
1 0 ~
2 0 %
溶
解
タ
ン
ク
し
、
そ
の
容
量
3
回
程
度
と
な
の
~
を
よ
う
に
定
め
る
。
消
石
灰
は
汚
泥
量
に
比
例
さ
せ
て
連
続
溶
解
す
る
こ
と
が
多
く
、
こ
の
場
合
、
貯
留
容
量
1
~
2
時
間
の
小
出
し
ホ
ッ
パ
か
ら
少
量
づ
つ
切
り
出
し
て
薬
品
溶
解
タ
ン
ク
で
塩
化
第
二
鉄
溶
液
は
強
酸
性
な
の
で
、
薬
品
溶
解
タ
ン
ク
の
接
液
部
は
ゴ
ム
、
合
成
樹
脂
等
で
ラ
イ
ニ
ン
グ
す
る
か
、
強
化
プ
ラ
ス
チ
ッ
ク
製
の
も
の
を
用
い
る
。
ま
た
、
配
管
及
び
そ
の
他
の
装
置
に
は
硬
質
塩
化
ビ
ニ
ル
管
等
を
使
用
す
る
。
塩
化
第
二
鉄
と
消
石
灰
を
用
い
た
場
合
、
添
加
す
る
順
序
は
は
じ
め
に
塩
化
第
二
鉄
、
次
に
消
石
灰
を
添
加
す
る
の
が
一
般
的
で
あ
る
。
4
.
お
わ
り
に
凝
集
剤
に
よ
る
汚
泥
の
脱
水
改
善
に
よ
り
、
脱
水
1 0 ~
2 0 %
に
溶
解
さ
れ
る
。
5
汚 泥 脱 水 の た め の 薬 品 を 使 用 し た 調 質 (汚 泥 調 整 )の
意 味 と そ の 具 体 的 な 方 法 を 述 べ よ
ケ
ー
キ
の
低
含
水
率
化
、
固
形
物
の
高
回
収
率
、
必
要
汚
泥
処
理
量
の
確
保
な
ど
、
脱
水
機
の
十
分
な
機
能
を
発
揮
さ
せ
る
が
、
特
に
高
分
子
凝
集
剤
は
非
常
に
高
価
な
の
で
添
加
率
の
削
減
が
重
要
で
あ
る
。
そ
の
た
め
に
は
汚
泥
を
新
鮮
な
ま
ま
脱
水
す
る
こ
と
、
最
適
な
凝
集
剤
を
選
定
す
る
こ
と
、
脱
水
機
の
適
正
な
保
全
と
運
転
調
整
が
重
要
で
あ
る
。