海底の生物の多様性 ~底質環境による生物相の相違~ 9グループ 鈴木 建二 宇津城 遥平 松葉 萌香 鈴木 萌 稲葉 早紀 箕浦 広大 貝塚 彩季 江野 彰 石坂 克之 研究の目的 ★普段目にすることができないベントス が、底質環境によってどのような影響 を受けているかを明らかにする。 はじめに・・・ベントスとは? ベントスとは底生生物のことで、 水中に生息する生物の中でも 海底に生息する生物の総称。 1mm 1mmより大きいもの マクロベントス 32μm~1mmのもの メイオベントス 32μm 採泥場所 Station 1 〈東京湾内〉 位置 北緯 35°956’ 東経 139°50.069’ 水深 13.5m 水温 27.98℃ 採泥時刻 13:43:29 Station 6 〈清水港外〉 位置 北緯 35°02.775’ 東経 138°32.140’ 水深 20m 水温 26.99℃ 採泥時刻 8:28:10 Station6 の時点では 水温を計っていなかっ たため、表記してある 水温はstation6に近い 場所であるが厳密で はない。 採泥方法 スミス・マッキンタイヤ型 採泥器で海底の堆積物を 採取する。 スミス・マッキンタイヤ型採泥器 円柱状の透明な筒を 採取した堆積物に差 し込み、高さ0~ 10cm分取り出す。 ①採取した堆積物を網目1mmの 篩にかける。 ②網目32μmの篩にかける。 ③篩に残った生物を顕微鏡で 観察しベントスの特徴を調べる。 篩にかける様子 32μmの篩→ 全硫化物の量を調べる 硫化物について 水質汚染が進むとバクテリアの作用により有機物 の分解が進み、硫黄化合物が増加する。これが 原因で腐卵臭が発生し、海底の硫黄化合物の量 で、水質汚染の被害状況を調べることができる。 方法 ①発生管に採取した 堆積物を入れてふた をし、18N硫酸を加え る。 ②ヘドロテック検 知管法で硫化水素 を吸引し、その値 から全硫化物濃度 を測定する。 Station 1 のマクロベントス 古い貝殻の破片のみ が見られ、生物の姿 は確認できなかった。 Station 1 のメイオベントス 酸素を必要とするベントスは見つからなかった。 Station 6 のメイオベントス Station 6 のマクロベントス 渦虫の動画 全硫化物の測定結果 Station1(東京湾内) 平均値 0.101mg/g wet weight Station6(清水港外) 平均値 0.000mg/g wet weight 結果 Station 1 メイオベントス マクロベントス 底質環境 なし 貝殻(古い) ・Black Clay(粘土質) ・水の交換が少ない →硫化物が多く含まれている →硫化臭がする Station 6 甲殻類:カイアシ類 クーマ類 貝介類 有孔虫 紐形動物 多毛類(ゴ カイ) 珪藻 線虫 クモヒトデ類(2種4個体) 貝殻(新しい) 巻貝1 二枚貝16 多毛類 ヨコエビ類 渦虫類(2種6個体) ・Grayish Black,fine sand(砂質) ・水の交換が多い →硫化物なし →硫化臭なし 考察 湾内などの水の流れが悪い場所では有機物がたまりや すい。 →有機物を分解して硫化物を出すバクテリアが増加 →酸素が減少し、硫化物が増加 →酸素を必要とするベントスが減少 →流れが悪いため酸素が供給されない という悪循環が起こる。 逆にStation6 のように流れの良い場所では酸素が十分 にある。よって酸素を必要とするベントスが多く存在する。 駿河湾の浮遊性と底生性の カイアシ類の比較 浮遊性のカイアシ類 体長 2~3mm 底生性のカイアシ類 体長 1mm以下 駿河湾の浮遊性と底生性の カイアシ類の比較 浮遊性 体の形 尾肢 底生性 水の抵抗を受けや すい 砂に潜りやすい形 魚の尾びれのよう な形 細長い 今後の課題 ・採取回数を増やす:季節変化をみる ・層ごとに採取する ・定性調査:属や種まで同定する ・定量調査:種や層ごとに計数する ・環境要因 酸化還元電位 直上水の溶存酸素量 粒度組成 有機物量(全炭素量、全窒素量) 水質 流向流速 謝辞 本パワーポイントで紹介した研究成果の多くは、 財団法人日本科学協会の皆さま、日本海洋学 会の皆さまのご協力のもと、たくさんの資料、機 会をいただいた。 また、日本財団助成事業、第5回「研究船で海 を学ぼう」の9班「海底の多様性」をご指導いた だいた岩崎望先生、菊地由貴さん、チューター の方々、船上でお世話になった方々に感謝する。 ご静聴ありがとうございました。 おわり
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