働く人の電話相談室 - 日本産業カウンセラー協会

PRESS RELEASE
No.1504
2015 年 10 月 26 日
第9回 「働く人の電話相談室」結果報告
『職場の悩み』に関する相談相手、上司や家族よりも同僚か公的機関に!
ハラスメントについては、取引先担当者からのセクハラや後輩からのモラハラなども相談
日本産業カウンセラー協会(代表理事:河野慶三)では、連合(日本労働組合総連合会)と協力し、2007
年から毎年、
「世界自殺予防デー(9 月 10 日)
」にあわせて、
「働く人の電話相談室」を開設しています。
この度、本年実施の「働く人の電話相談室」に期間内に延べ 436 人の方から、736 件(※相談者から
の主訴を最大3つまで選択する方式として集計)
、時間にして 217 時間に及ぶ相談を受け、内容につい
て集計を行い、その分析結果をまとめましたのでご報告いたします。
(※相談人数・相談件数ともに、性別不明及び無言電話を除いた数値となっています)
今年度の相談内容から注目できる点は、過去8回の相談結果に比較して、特に今回相談割合の多かっ
たのが『職場の悩み』のうち「ハラスメント」に関する相談で、相談者がどのようなハラスメント被害
について悩んでいたのかを聞き取りデータから抽出いたしました。
なお、今回、全国から受け付けた相談者の数は 436 人で、そのうち約6割にあたる 276 人が女性で、
件数においても 736 件のうち、約6割にあたる 474 件が女性からの相談でした。また、年代別にみても、
20 代から 50 代までの幅広い年代層で、女性からの相談が目立つ結果となっています。
(件) 【男女別・年代別相談件数】
【男女別・カテゴリ別相談件数】
0
50
100
150
93
A:職場の悩み
B:キャリアに関する悩み
C:自分自身に関する悩み
D:メンタル不調・病気
E:家族に関する悩み
14
140
182
46
49
25
53
40
44
21
12
23
43
136
120
100
87
80
52
60
40
91
F:生活上の悩み
G:その他
200
20
男性
女性
0
41
8
(件)
男女別相談人数
及び相談件数
111
■男性
160 人
262 件
78
■女性
276 人
474 件
※性別不明・無言電話を除く
53
39
34
27
27
31
3
2 7
20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代 不明
相談内訳では『職場の悩み』についての相談が最も多く、 【「職場の悩み」相談内訳】
男女合計で 275 件、全体の約 37.4%となりました。さら
物理的職場環境 他者の悩み
その他
1.5%
に、
『職場の悩み』の中でも「人間関係」についてが最も
1.1%
4.7%
多く 275 件中で約 4 割の 104 件となっています。
業務量・
時間外労働
また、この度の電話相談において注目していたハラスメ
3.3%
ントに関する相談は 78 件(
『職場の悩み』の 28.4%)で、
労働条件・
人間関係
「人間関係」の悩みに次いで相談件数が多いという結果に
待遇
37.8%
17.1%
なりました。
解雇
そのハラスメント被害の内容についても、自社内にとど
2.5%
まらず、取引先担当者(異性)からのセクハラや、自社の
休職・復職
パワハラ
後輩からの言葉のモラハラ、そして、暴力が伴う上司から
その他ハラス
3.6%
16.0%
メント
のパワハラなど、さまざまなエスカレートしたハラスメン
セクハラ
9.5%
ト実態が相談から浮き彫りになりました。
2.9%
1
主なハラスメント事例
・後輩から言葉のハラスメント
・仕事に関する不当評価
・暴力を伴う上司からのハラスメント
・退職強要
・取引先の異性からのセクハラ
男女ともに抱えている悩みを相談する相手として、公的機関を利用した人が 319 件中 22.3%の 71 件
となっており、次いで、
「同僚」に相談するという人が 12.5%の 40 件となりました。自身が抱えている
悩みの相談相手は、
「家族」や「上司」ではなく、
「公的機関」や「同僚」を選ぶ人が多いという興味深
い結果が出ています。
【悩みを相談する相手】
(件)
0
同僚
上司
知人
医者・産業医
カウンセラー
知人・友人
家族
親族
近所・顔見知り
弁護士等
公的機関
その他
10
20
30
40
50
60
70
80
40
28
3
33
30
31
30
8
2
23
71
20
また、相談者を雇用形態別に見てみると、正規社員
【性別・雇用形態別
(男女合計)からの相談が 95 人で 21.8%(昨年:
(人)
相談人数】
150
男性
女性
23.4%)
、非正規社員(男女合計)からは 122 人 28.0%
(昨年:25.5%)と、非正規社員からの相談数が増加
100
しており、中でも女性の非正規社員からの相談が 87
人と最も多い結果となりました。さらに、非正規社員
56
悩み』が正規社員より 2.5 倍以上高くなっています。
47
50
3
全体からの相談内容を正規社員と比較すると、「働き
方」や「就職・転職・退職」など、
『キャリアに関する
67
87
39
35
27
16 0
0
正規 非正規
56
3
自営
専業
無職
不明
※第9回「働く人の電話相談室」結果報告における相談内容等の詳細は、別添の「相談内容集計表」を
ご参照ください。
【2015 年度「働く人の電話相談室」 実施概要】
◇実施日
◇実施場所
◇実施方法
◇集計方法
2015 年9月10日(木)~9月12日(土) 午前10時~午後10時
一般社団法人 日本産業カウンセラー協会の各支部
フリーダイヤルによる電話受付
◇集計総数
延べ 436 名、736 件
相談内容をA~Hまで、8つのカテゴリに分類し、それぞれのカテゴリ内に最大11 個の項目を設定し、
相談者からの主訴を1つから最大3つまで選択する方式として集計した。
また、カテゴリA『職場の悩み』のうち、①職場の人間関係、②セクハラ、③パワハラ、④その他ハラス
メント、の4項目については、悩みの対象が誰なのか「1 男性」「2 女性」、相談者との関係性「1 上司
(役員含む)」「2 部下」「3 同僚」「4 非正規社員」「5 その他・不明」に細分化し、項目の選択から悩
みの内容が類推できるようにした。
<本リリースの掲載・内容に関するお問い合わせ>
一般社団法人日本産業カウンセラー協会
広報部
佐藤、三浦
〒105-0004 東京都港区新橋 6-17-17 御成門センタービル6階
TEL:03-3438-4568 FAX:03-3438-4487
2
e-mail:[email protected]