スフェロイドの免疫染色

Application Note No. 12
スフェロイドの免疫染色
目的
NanoCulture Plate で 3 次元培養して形成されたスフェロイドの免疫染色方法を紹介します。
試薬材料
1. 細胞

BT-474(ヒト乳がん細胞株)
: ATCC Cat# HTB-20TM

培地
: NanoCulture Medium M-type(SCIVAX LS Cat# NCM-M)

Methanol
: Wako Cat# 137-01823

PBS(-)
: Invitrogen Cat# 21600-069

Triton®X-100
: nacalai tesque Cat#25987-85

BSA
: SIGMA Cat#A8022

Cytokeratin 7/17(C46) Antibody
: santa cruz biotechnology Cat# sc-8421

Alexa Fluor® 568
: Invitrogen Cat# A-11004

DAPI solution
: Wako Cat#340-07971
2. 試薬
3. 材料

NanoCulture Plate MS pattern, 低接着, 96-well
: SCIVAX LS Cat# NCP-LS96
4. 機器

培養倒立顕微鏡(落射蛍光装置) :Nikon Cat# ECLIPSE TS100 (C-SHG)又は同等品
実験例
【3 次元培養】
① 培地 50 µL/well を NCP に添加する。
② 1,000xg で 5 分間遠心する(気泡除去のため)
。
③ 安全キャビネット内又は CO2 インキュベータ内で 15 – 20 分間静置する(ボトムのマイクロパター
ン内に発生したマイクロバブルの除去のため)
。
④ 細胞懸濁液を調製する (密度:2x105 cells/mL, = 1x104 cells/50 µL)。
⑤ 細胞懸濁液を NCP に播種する (1x104 cells/50 µL/well)。

トータル培養液量は 100 µL/well となります。

ピペットチップでボトムに傷を付けないように注意してください。その部分だけ単層
培養になるなど培養状態に影響する可能性があります。
⑥ 播種した細胞が沈んでボトムに接着するまで 20 – 30 分間、安全キャビネット内で静置する。
SCIVAX Life Sciences, Inc., Kawasaki, Kanagawa, Japan, http://www.scivaxls.com
SCIVAX USA Inc., Woburn, MA, USA, http://www.scivaxls.com/EN
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⑦ エッジ効果を低下させる目的にウェル間の間隙に滅菌水 約 100 µL を添加する。
⑧ 5%CO2, 37℃で 7 日間インキュベートし、スフェロイドの形成を確認する。
【蛍光免疫染色】
注: 染色を始める前に、スフェロイドがウェルの中で浮いていないか確認して下さい。フェロイドの
NCP への接着は弱く、ウェル内での洗浄はゆっくりと注意深く行う必要があります。細胞によっ
ては、スフェロイドが簡単に剥がれてしまう恐れがあります。この場合、固定前に 1.5mL チュー
ブなどに細胞を回収してから染色操作を行うことを推奨します。
⑨ 培養液をゆっくりと除去する。
⑩ 固定:-20℃で冷却したメタノールを 100 µL 添加し、-20℃で 10 分間、静置する。
<あるいは、培養液の 1/10 量の 37%パラホルムアルデヒドを培養液中に直接添加し、室温で 30
分間静置する>
⑪ 洗浄:PBS(-) 200 µL にて室温で 5 分間、2 回洗浄する。
<スフェロイドが NCP から剥がれてしまう場合、ステップごとに 1.5mL チューブに回収して遠心
後、次の操作に進むことを推奨します>
⑫ ブロッキング:3%BSA/0.1%TritonX-100/PBS(-)を 100 µL 添加し、室温で 30 分間静置する。
⑬ 洗浄:0.1%TritonX-100/PBS(-) 200 µL にて室温で 5 分間、3 回洗浄する。
⑭ 1 次抗体:1%BSA/PBS(-)で 100 倍希釈した anti-CK7/17 mouse mAb を 70 µL 添加し、室温で 90 分間静
置する。
⑮ 洗浄:0.1%TritonX-100/PBS(-) 200 µL にて室温で 5 分間、3 回洗浄する。
⑯ 2 次抗体:1%BSA/PBS(-)で 500 倍希釈した AlexaFluor®568 を 70 µL 添加し、
室温で 60 分間静置する。
⑰ 洗浄:0.1%TritonX-100/PBS(-) 200 µL にて室温で 5 分間、3 回洗浄する。
⑱ 核染色:1mg/mL DAPI/PBS(-)を 100 µL 添加し、室温で 5 分間静置する。
⑲ 洗浄:PBS(-) 200 µL にて室温で 5 分間、2 回洗浄する。
⑳ 精製水に置換する。
21 蛍光顕微鏡にてスフェロイドを観察する。
<NCP のままでも観察出来ます。チューブで染色したスフェロイドはガラスプレート等に移して
観察してください>
結果
【NCP 上の BT-474 スフェロイドの免疫染色像】
明視野
CK7/17
核
スケールバー: 100 µm
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