「新・ものづくり構造革新」への取り組み 石川 修平 丹羽 智明

CREATING
VALUE
特集 2
対 談
「 新・ものづくり構 造 革 新 」へ の取り組み
世 界をより快 適 に 暮らしや すく
していくことが 究 極 の 使 命 で す 。
2 0 2 0 年に向けて「ありたい姿・目標 」を目指す
丹羽 「新・ものづくり構造革新」は、2020年に向けて各事
業部門で定めた「ありたい姿・目標」を目指して「新たな挑戦
活動」に取り組み、日本ガイシグループの中長期的な競争力を
確立することがミッションです。みなさんの担当部門の目標や
取り組みはいかがでしょうか?
石川 エレクトロニクス事業本部の金属事業部では「市場で
の確固たるリーダーの地位獲得」を目指しており、そのための
活動の一つとして、ビッグデータの活用に取り組んでいます。
金 属 材 料の製 造 工 程から得られるビッグデ ータを分 析し、
これまで見過ごしてきた小さな条件の変化を解析することで、
より高品質・高付加価値の製品を、
より効率的・安定的に生産
できるようになると考えています。
松 田 セラミックス事 業 本 部では「ハニセラムのN o . 1サプ
ライヤー」を目指しています。当社の製品は世界市場でも高い
シェアを占めており、その 生 産 を効 率 化・高 度 化 すること
は、日本ガイシグループにも世 界の自動 車 産 業にも大きな
メリットにつながります。国内のマザー工場で省エネルギー・
省 スペ ース・省 人 化 を 追 求した 生 産 プ ロセスを 確 立し 、
世 界 各 地の生 産 拠 点に展 開することで、グローバルな競 争
力を強化していきます。
美 馬 電力事 業 本 部のN A S 事 業 部では「 大 容 量 蓄 電 池の
リーディングカンパニー 」を目指しています。大 容 量で長 時
間 用 途 に適しているN A S 電 池 は 、再 生 可 能 エネルギーの
導 入 促 進と電 力の 安 定 供 給を支える蓄 電 池として注目さ
れています。N A S 電 池の普 及 拡 大を図るためには、コスト
競 争力の強 化が欠かせません。開 発・設 計・調 達・製 造など
課 題 は 山 積 しています が 、高 い目 標 を 掲 げ てチャレンジ
しています。
丹 羽 製 造 技 術 本 部 の 施 設 統 括 部 では「 セラミックスの
ものづくりで N o . 1 の エンジニアリング 集 団 」を目 指して
います。既 存の工 場と比 較してエネルギー 効 率と人 生 産 性
を2 0 0 % 、つまり現 在の2 倍に高めることを目標に、最 先 端
の省エネルギーや自動化などの技術を導入したモデル工場
の建 設を検 討しています。また、生 産を適 切にマネジメント
できるようにするために、現有の生産管理システムに加えて
最 新のIT( 情 報 技 術 )を駆 使し、エネルギー 消 費 量や生 産
状 況 などのデ ータをリアルタイムで 解 析しフィードバック
すると同時に、 見える化 にも取り組みます。
工場の建設を目指します。
09 日 本 ガ イシ C S R レポート 2 015
取締役執行役員
製造技術本部長
ものづくりの過程でも環境保全に貢献する
丹羽 智明
最先端の省エネルギー・自動化技術を導入し、
エネルギー効率や生産性を高めることで、
取締役常務執行役員
エレクトロニクス事業本部長
石川 修平
もの づくりの 技 術を 革 新していくことで 、
地 球 環 境や社 会に資する、新しいものづくりを始めよう
「新・ものづくり構造革新」により、日本ガイシはどのような姿を目指すのか? 新しいものづくりは、地球環境や社会にどのように貢献
するのか? 中長期的なビジョンや、ものづくりにかける思いなどを、4人のキーマンが語り合いました。
執行役員
セラミックス事業本部 製造統括部長
松田 弘人
日本ガイシの自動 車 排ガス浄 化 用
セラミックス「 ハニセラム ® 」が 地 球 環 境を
守っているという視 点で、ものづくりの 技 術を
さらに進 化させていきます 。
「より良い社会環境に資する」ことが究極の使命
松田 「新・ものづくり構造革新」では、技術の先進性と製品
価 値 を高 め 、環 境 や 社 会 に貢 献 するという視 点 も欠 か せ
ません。ハニセラムは大気汚染の防止に役立っており、製品
そのものが環境保全に貢献しているといえます。日本ガイシ
の作った製品が世界中の車に搭載され、地球環境を守って
いると考えると、ものづくりに携わる者として、技術をさらに
進化させていかなければならないと感じます。
蓄電が必要であり、まさにNAS電池の本領を発揮できます。
「新・ものづくり構造革新」に取り組むことでNAS電池の製品
価値を高め、
「より良い社会環境に資する商品」として、低環
境負荷社会の実現に貢献していきたいと思います。
ものづくりの 革 新 が 、次 代 の 人 材 を 育 てる
美馬 製造工程の自動化・省力化を進めていくほど、カギに
なるのは「人」ではないでしょうか。ものづくりの技術が高度に
なるほど、人に求められるスキルも高くなっていきますし、
世代間の技術の継承も重要になってきます。
「 新・ものづくり
構造革新」は人を育てる取り組みでもあります。
石川 日本ガイシの企業理念に「より良い社会環境に資する
商 品を提 供し、新しい価 値を創 造する」とありますが 、私は
これこそが「 新・ものづくり構 造 革 新 」の 一 番 の目 標 だと
考えています。
「より良い社会環境に資する」
とは、人間を取り
巻くさまざまな環境を良くしていくことです。ものづくりの技術
を革 新していくことで、世 界をより快 適に暮らしやすくして
いくことが究極の使命ではないでしょうか。
松田 セラミックス事業でも、グローバルな生産体制を支え
る人の育成が大きな課題です。特に新興国の生産拠点では、
従業員がなかなか定着しない傾向があるため、一人ひとりに
ビジョンを示すモチベーションづくりや、現地従業員の登用を
進める人事制度も重要なファクターになります。
美馬 いま日本の政府では、再生可能エネルギーの導入促
進や水素社会の実現に向けたさまざまな取り組みがなされ
ています。電力の需要と供給のバランスを取り、不安定な再
生可能エネルギーを安定的に使いこなすためには大規模な
丹羽 「新・ものづくり構造革新」を通して次代の人材も育て
ていく。環 境や社 会に貢 献する事 業を通してグローバルに
成長していく日本ガイシグループを目指し、2020年に向けて
全社一丸となりチャレンジしていきましょう。
執行役員
電力事業本部 NAS事業部長
美馬 敏之
®
電 力 貯 蔵 用 N A S 電 池 の 製 品 価 値を高 め 、
「より良い 社 会 環 境に資 する商 品 」として、
低 環 境 負 荷 社 会 の 実 現に貢 献します 。
日 本 ガ イシ C S R レポート 2 015 10