汚泥を中性固化するオデッサシステム

汚泥を中性固化するオデッサシステム
オデッサ・テクノス(株)
オデッサシステムによる汚泥の中性固化処理
オデッサシステムは建設汚泥やヘドロを工事現場内で短時間に造粒固化処理する汚泥再資源化施設です。
本システムの最大の特長は、汚泥を脱水処理せずに砂状に固化処理できること、および、移動式であるた
め汚泥を運搬することなく現場内で処理できるところにあります。また、固化材に特殊中性固化材‘グリ
ーンドロップ’を用いることにより砂状の改良土は土木資材はもちろん、植生土壌としても適用可能です。
特殊中性固化材による汚泥の中性固化処理
弊社が開発した特殊固化材‘グリーンドロップ’は、低含水から高含水、また工法の違いによる多様な
性状の建設汚泥やヘドロなどを造粒固化できる中性固化材です。これまでの汚泥処理ではフィルタープレ
スなどを用い、汚泥の水分を分離させるのが一般的でしたが、グリーンドロップを汚泥に添加・攪拌する
ことで、水分を分離することなく汚泥を改良することが可能です。
従来の中性固化材は含水比の大きな汚泥を処理できるものはなく、また、改良土も強度が低い(コーン
指数 200kN/㎡程度)ものでした。しかし、‘グリーンドロップ’は含水比 400%以上の汚泥に対してもその
能力を発揮し、汚泥を 1∼数日で第 2 種処理土(コーン指数 800kN/㎡以上)に改良するため、良質な土木
資材として適用できるほか、中性であるため植生土壌としても利用可能です。
特殊中性固化材の安全性
特殊中性固化材‘グリーンドロップ’はマグネシウム系鉱物を主材とし、その他、天然植物性高分子吸
水材や pH 調整材等から構成され、有害物質を一切含んでおりません。また、平成 3 年環境庁告示第 46 号
「汚染土壌に係る環境基準」にて有害物質の溶出試験を行ったところ、すべての計量項目において基準値
を下回ることが確認されました。(別紙 1 参照)なお、下表は別紙を抜粋したものです。
これらのことより、‘グリーンドロップ’は環境にやさしい“エコロジー対応製品”と言えます。
グリーンドロップの溶出試験結果(一部抜粋)
単位:mg/
計量項目
計量結果
環境基準値
カドミウム
0.001
0.01 以下
全シアン
不検出
検出されないこと
有機燐
不検出
検出されないこと
鉛
0.001 未満
0.01 以下
六価クロム
0.005 未満
0.05 以下
砒素
0.001 未満
0.01 以下
総水銀
0.0005 未満
0.0005 以下
セレン
0.002
0.01 以下
フッ素
0.6
0.8 以下
ホウ素
0.02 未満
1 以下
改良土の強度発現メカニズム
まず、高分子吸水剤もしくは凝集剤によって土壌中の遊離水を吸水し、土粒子を粒状化します。特殊中
性固化材‘グリーンドロップ’の成分である、酸化マグネシウムの水和反応により水酸化マグネシウム水
和物を生成します。(化学式 1)
MgO + (n+2)H2O → Mg(OH)2・nH2O (化学式 1)
生成された水酸化マグネシウム水和物は、土壌中のリン酸や空気中の炭酸ガスと反応してリン酸マグネ
シウムあるいは塩基性炭酸マグネシウムとなり強度を増大させます。(化学式 2)
5Mg(OH)2・(n-4)H2O + 4CO2 → 4MgCO3・Mg(OH) 2・nH2O (化学式 2)
改良土の土木資材としての性質
前述したように、特殊中性固化材‘グリーンドロップ’により処理された汚泥は短時間にて第 2 処理土
に改良されます。改良土は土木資材としての性質を有しており、埋戻し材はもちろんのこと、路床材、路
盤材、築堤材、盛土材などといった高い性能が要求される土構造物へ適用可能です。下表(別紙 2 参照)
には改良土の土質試験結果を示しています。
改良土の土質試験結果一の例
試
料
名
改
一般
土粒子の密度
ρs
自 然 含 水 比
w
良
g/m3
2.595
%
35.4
n
粒
石
分
75mm 以上
%
―
礫
分
2∼ 75mm
%
17
砂
分
0.075∼ 2 mm
%
79
シルト分
0.005∼0.075mm
%
}4
粘 土 分
0.005mm 未満
度
コンシステ
ンシー特性
最
大
粒
径
均
等
係
数
曲
率
係
数
60
%
粒
10
%
液
%
分類
締 固 め
mm
26.5
Uc
mm
4.76
Uc’
mm
1.29
径
mm
1.00
粒
径
mm
0.21
性
限
界
wL
%
NP
塑
性
限
界
wp
%
NP
塑
性
指
数
wL
%
−
地盤材料の分類名
%
礫質砂
分
類
記
号
%
(SG)
試
験
方
法
%
E−c
3
1.248
最大乾燥密度ρ
最 適 含 水 比
g/m
締め固めた土
%
0.148
%
47.5
平 均
%
43.5
膨
R
%
B
34.3
C
%
試
験
方
貫入試験後含水比
脹
w
d m a x
土
o p t
法
比
C B R
r
e
改 良 土 の 安 全 性
特殊中性固化材‘グリーンドロップ’が環境にやさしい“エコロジー対応製品”であることは前述した
とおりです。しかし、改良土の土木資材としての適用を図るのであれば、改良土の安全性も確認する必要
があります。そこで、改良土について平成 3 年環境庁告示第 46 号「汚染土壌に係る環境基準」にて有害物
質の溶出試験を行ったところ、すべての計量項目において基準値を下回ることが確認されました。(別紙 3
参照)このことより、改良土が安全であり、土木資材としての利用になんら問題ないことが分かります。
改良土の溶出試験結果(一部抜粋)
単位:mg/
計量項目
計量結果
環境基準値
カドミウム
0.001 未満
0.01 以下
全シアン
不検出
検出されないこと
有機燐
不検出
検出されないこと
鉛
0.001 未満
0.01 以下
六価クロム
0.005 未満
0.05 以下
砒素
0.001 未満
0.01 以下
総水銀
0.0005 未満
0.0005 以下
セレン
0.001 未満
0.01 以下
フッ素
0.1
0.8 以下
ホウ素
0.02 未満
1 以下
改良土の植生土壌としての利用
弊社特殊中性固化材‘グリーンドロップ’により改良された改良土は中性を呈すため、土木資材として
の用途の他に植生土壌としての適用も可能です。下に示す写真は、プランターに栽培した小松菜です。左
側がグリーンドロップにて処理した改良土、右側がセメント系固化材を用いた改良土です。両者を比較し
てみると、その差は歴然で、グリーンドロップ処理土の小松菜は発芽・生育したのに対し、セメント系固
化材による改良土では一つも発芽しませんでした。このことから、グリーンドロップ処理土は植生土壌に
利用できることが分かります。
グリーンドロップによる改良土
セメント系固化材による改良土
オデッサシステムによる汚泥処理フロー
オデッサシステムへの投入
特殊中性固化材
グリーンドロップ
を混合・攪拌
汚泥はバックホウにてオデッサシステム上
部の投入ホッパーから造粒機へと投入されま
す。その際、振動ふるいにより、木材などの
雑物が取り除かれます。投入された汚泥は造
粒機内にて自動計量され、あらかじめ設定し
ておいた添加率に従いグリーンドロップが添
加されます。その後、グリーンドロップと汚
泥は造粒機内にて攪拌・混合されます。
改
良
土
の
搬
出
造粒機内にて 1 分程度攪拌した後、造粒固
化された汚泥(改良土)はベルトコンベアに
て排出されます。バックホウにより汚泥が投
ベルコン
にて搬出
入されてから改良土が排出されるまでの時間
は 3∼5 分です。
排出された改良土はダンプトラックにてス
トックヤードに運搬されます。
改
良
土
の
養
生
運搬された改良土はストックヤードにて養
生され、短期間にて第 2 種処理土該当する強
度を確保します。
養生
運搬
オデッサ・テクノス株式会社
技術営業本部
〒983-0004 宮城県仙台市宮城野区岡田西町 1-52
TEL:022-390-7840,FAX:022-390-7841