矢内 淑子 - 愛知東邦大学

教員の自己点検・評価報告書
所属学部
人間学部
所属学科
職 位
子ども発達学科
教授
最終学歴
国立音楽大学院音楽研究科声楽専攻修士課程修了
氏
名
矢内 淑子
学 位
専門分野
修士(芸術学)
声楽
Ⅰ 教育活動
○目標・計画
(目標)子どもに音楽を指導する際に必要な音楽的能力(音楽的感性・表現力・技術)を育成するとともに、
子ども・家庭・地域への支援者として活躍できる保育者を養成する。
(計画)前年度に引き続き、音楽教室での履修人数をほぼ 26 名(LL 台数 26)に絞り個別指導に配慮すると
ともに、学生が興味を持って授業に臨めるような授業内容を心がけた。
○担当科目(前期・後期)
(前期)基礎演習Ⅰ、幼児の音楽Ⅰ、音楽Ⅰ、音楽表現指導法、専門演習Ⅰ、専門演習Ⅱ、幼児音楽Ⅲ
(後期)基礎演習Ⅱ、幼児の音楽Ⅱ、音楽Ⅱ、音楽表現技術、専門演習Ⅲ、専門演習Ⅳ、幼児音楽Ⅳ、
総合表現技術
○教育方法の実践
音楽表現指導法の授業では、保育所・幼稚園現場・家庭で音楽的遊びをしている子どもの姿を撮影した
DVD や音楽教材の DVD の使用、グループでの学びや発表形式を取り入れることで興味・関心を持たせるよう
にした。基礎技能の授業では、レベルに合わせた教材選択と、曲のイメージを大事した歌唱(ラー、アー)
による音楽把握を導入した。また、どうしたら自分の力でピアノの演奏技術を高めていけるか道筋を示す
ようにした。弾き歌いではこどものうた課題曲認定表を使用し、個々のレベルに合わせた伴奏法の指導や
音楽・表現指導に努めた。授業個別記録表(教員)や授業評価表(学生)で、教員と学生が授業の振り返
りを共有した。前期・後期各 3 回発表形式で行い、クラス(約 9 名)全員で互いの演奏を聴きあい感想を
記述し交換することで、気づきを促すような授業内容を展開するよう心がけた。やる気を増すように努め
た。
○作成した教科書・教材
幼児の音楽表現として、独自の教材とともに『事例から学ぶ 子ども主体の保育』の[7]音楽指導の事
例<音楽に合わせて楽器を表現する>チャイルド本社(2009 年 11 月)を担当した。
○自己評価
「音楽表現指導法」では、音楽的遊びをしている子どもの姿を撮影した DVD を見ることで、臨場感のあ
る指導と子どもの音楽的発達の理解に繋がった。グループでの学びは、一人では知りえない多くの内容の
理解に繋がった。
「幼児の音楽」
「音楽表現技術」では、曲のイメージを大事にした歌唱(ラー、アー)に
よる音楽把握をすることで、ブレスや強弱の表情、緊張など音楽表現の基礎的な理解に繋がった。授業個
別記録表(教員)
、授業評価表(学生)
、こどものうた課題曲認定表を活用しながら、学生のレベルに即し
た細やかな指導ができた。中間試験を少人数の発表形式で行い、互いに演奏を聴き合い感想を言葉にする
ことで、無意識の行われている表現を少しでも意識化することができ、自身の学びの振り返りや気づきを
促し、学生の学ぶ意欲に繋がった。しかしながら、今後も引き続き、授業目標・内容・検証を繰り返す必
要性を感じている。
Ⅱ 研究活動
○研究課題
保育者養成におけるソルフェージュ力の育成。歌曲・童謡作品の研究。幼児教育と小学校教育の連続性
に関する課題の検討。幼児教育と小学校教育における音楽授業研究。
○目標・計画
(目標)保育者養成における音楽的指導のあり方・方法、学生の音楽的資質について研究する。歌曲・童謡
作品について調査・研究を行う。専門分野(声楽)での発表を行う。幼小連携と接続を意識した音楽授業
研究を行う。
(計画)保育者の音楽的資質としてのソルフェージュ力の育成等について研究を行う。その結果を授業に反
映する。中田喜直他の童謡作品の研究と、童謡が生まれる初期の歌曲作品・童謡作品の演奏をする。幼児
教育と小学校教育の連続性について研究し、初等教育コースの授業に反映する。
○過去 7 年間の研究業績(特許等を含む)
(著書)
・共著:
『
「子育ち」環境を作り出す』愛知東邦大学地域創造研究所編、唯学書房(2008 年 10 月)
1
・共著:
『事例から学ぶ 子ども主体の保育』チャイルド本社(2009 年 11 月)
(学会発表)
・単著:
「保育者養成におけるソルフェージュ力の育成Ⅰ-初見視唱・アンケートを通して-」日本保育学
会第 61 回大会、名古屋市立大学(2008 年 5 月)
・単著:
「保育者養成におけるソルフェージュ力の育成Ⅱ」日本保育学会第 62 回大会、千葉大学(2009 年
5 月)
・単著:
「保育者養成におけるソルフェージュ力の育成Ⅲ-リズム視唱を通して-」日本保育学会第 63 回
大会、松山東女子大学・松山東雲短期大学(2010 年 5 月)
・単著:
「初期の中田喜直歌曲作品研究」全国大学音楽教育学会中部地区研究大会、高田短期大学(2011 年
3 月)
・単著:
「拍感の消失―歌唱を通して―」日本保育学会第 65 回大会、東京家政大学(2012 年 5 月)
(学術論文)
・共著:領域「表現」から教科「音楽」
「体育」への連続性に関する課題の検討。愛知東邦大学紀要『東邦
学誌』41 巻 第 3 号(21012 年 12 月)
・共著:
「リズム感を通したソルフェージュ力の育成」日本保育学会第 66 回大会、中村学園大学・中村学
園大学短期大学部(2013 年 5 月)
・共著:
「リズム感を通したソルフェージュ力の育成Ⅱ」日本保育学科第 67 回大会、大阪総合保育大学・
大作城南女子短期大学(2014 年 5 月)
・共著:
「リズム感を通したソルフェージュ力の育成Ⅲ」日本保育学科第 67 回大会、椙山女学園大学(2015
年 5 月)
・共著「保育者養成機関におけるソルフェージュ力の育成」愛知東邦大学紀要『東邦学誌』第 44 巻第1号
2014 年(演奏)
・童謡コンサート~私からあなたへ歌の贈り物~、倉敷第一病院クリスマスコンサート。主催・会場:倉
敷第一病院(2008 年 11 月)
。
・クリスマスコンサート。主催・会場:聖イエス会使徒教会(2008 年 12 月)
。
・べンジャミン・ブリテン作曲オペラ「真夏の夜の夢」で、ヒポリタ役で出演。指揮:阪 哲朗、演出:
中村敬一、主催:名古屋二期会、
(財)愛知県文化振興事業団、愛知県芸術文化センター、会場:愛知県
芸術劇場大ホール(2009 年 9 月)
。
・クリスマスコンサート。主催・会場:聖イエス会使徒教会(2009 年 12 月)
。
・歌の玉手箱~懐かしき家路へ~童謡の世界、主催:名古屋二期会、会場:しらかわホール(2010 年 6 月)
。
・クリスマスコンサート。主催・会場:聖イエス会使徒教会(2010 年 12 月)
。
・フレッシュコンサート、主催:一般社団法人名古屋二期会、会場:電気文化会館ザ・コンサートホール
(2011 年 3 月)
。
・第 1 回東日本大震災チャリティーコンサート。主催:一般社団法人名古屋二期会、会場:電気文化会館
ザ・コンサートホール。
(2011 年、3 月)
・中田喜直歌曲研究発表。主催:全国大学音楽教育学会中部地区学会、会場:高田短期大学。
(2011 年、3 月)
・全国大学音楽教育学会第 27 回全国大会《東北・裏磐梯大会》研究演奏会出演。会場:裏磐梯ロイヤルホ
テル(2011 年 9 月)
。
・オッフェンバック作曲オペレッタ「天国と地獄」で、世間役で出演。指揮:曽我大介、演出:たかべし
げこ、主催:一般社団法人名古屋二期会、
(財)愛知県文化振興事業団、愛知芸術文化センター、会場:
愛知県芸術劇場大ホール(2011 年 10 月)
。
・歌の玉手箱~心に残る懐かしき愛唱歌、主催:名古屋二期会、会場:しらかわホール(2011 年 10 月)
・音楽劇「おんな忠臣蔵」で、たん役で出演。作曲:森彩音、台本・演出:伊豫田静弘、指揮:倉地竜也、
主催:アド・フォンテス、
(公財)名古屋市文化振興事業団、会場:名古屋市芸術創造センター(2011 年
12 月)
。
・クリスマスコンサート。主催・会場:聖イエス会使徒教会(2011 年 12 月)
。
・第 2 回東日本大震災チャリティーコンサート。主催:一般社団法人名古屋二期会、会場:電気文化会館
ザ・コンサートホール。
(2012 年、3 月)
・歌の玉手箱~心に残るなつかしき愛唱歌~、主催:名古屋二期会歌の玉手箱の会、会場:しらかわホー
ル(2012 年 9 月)
。
・クリスマスコンサート。主催・会場:聖イエス会使徒教会(2012 年 12 月)
。
・日本歌曲連続演奏会Ⅰ「矢内淑子メゾソプラノリサイタル~中田喜直の世界~」ピアノ:安田正昭、会
場:岡山県立美術館ホール(2012 年 3 月)
。
・愛光園創立 20 周年記念演奏会に出演。主催・会場:
(福)鴻仁福祉会、特別養護老人ホーム。
(2012 年 6
2
月)
。
・歌の玉手箱~心に残るなつかしき愛唱歌~、主催:名古屋二期会歌の玉手箱の会、会場:しらかわホール
(2012 年 9 月)
。
・創作音楽劇「荒城の月」で、廉太郎の母(まさ)役で出演。作曲:森彩音、台本・演出:渕本晴都子、指
揮:澤脇達晴、主催名古屋演奏家ソサエティー、会場:名古屋市芸術創造センター(2012 年 12 月)
。
・第 3 回東日本大震災チャリティーコンサートに出演。主催:一般社団法人名古屋二期会、会場:電気文化
会館ザ・コンサートホール。
(2013 年、3 月)
。
・歌の玉手箱~心に残る懐かしき愛唱歌~、主催:名古屋二期会歌の玉手箱の会、会場:しらかわホール(2013
年 11 月)
。
・クリスマスコンサート。主催・会場:聖イエス会使徒教会(2013 年 12 月)
。
・創作劇:
「古事記~矢岐の大蛇~」
、作曲:森彩音、台本・演出:渕本晴都子、指揮:髙谷光信、会場:名
古屋能楽堂(2014 年、2 月)
。
・第 4 回東日本大震災チャリティーコンサートに出演。主催:一般社団法人名古屋二期会、会場:電気文化
会館ザ・コンサートホール。
(2014 年、3 月)
。
・全国大学音楽教育学会第 30 回全国大会《東京大会》研究演奏会出演。主催:全国大学音楽教育学会、会
場音楽の友ホール。
(2014 年 8 月)
。
・歌の玉手箱~心に残る懐かしき愛唱歌~、主催:名古屋二期会歌の玉手箱の会、会場:しらかわホール(2014
年 11 月)
。
・クリスマスコンサート。主催・会場:聖イエス会使徒教会(2014 年 12 月)
。
○科学研究費補助金等への申請状況、交付状況(学内外)
特になし
○所属学会
日本保育学会、日本乳幼児教育学会、音楽療法学会、全国音楽教育学会、日本音楽表現学会、全国大学
音楽教育学会、日本学校音楽教育実践学会
○自己評価
リズム感を通したソルフェージュ力の育成、学生の音楽的資質についての研究を日本保育学会で発表する
ことができた。保育者養成機関におけるソルフェージュ力の育成では、これまでのソルフェージュ力の育成
についてまとめることができた。専門領域で、創作劇:
「古事記~矢岐の大蛇~」に、キクリ姫役で出演す
るなど、日本語の歌唱、音楽総合表現に取り組んだ。授業「総合表現技術」や「音楽表現指導法」の授業に
反映することができた。論文としてまとめるには至らなかった課題については継続研究としたい。
Ⅲ 大学運営
○目標・計画
(目標)全学委員会に関与し、大学運営に関係者と協働して事にあたり、大学運営に貢献する。強化指定ク
ラブ、愛知東邦大学吹奏楽団の活性化を図る。学内行事に積極的に参加する。子ども発達学科の幼稚園実
習が学生にとって成果あるものとするために、授業担当者と連携を取り調整・学生指導を行う。
(計画)学生委員長として、学修支援副センター長としてセンター長を補佐し、就業力育成支援プログラム
の実践にむけての業務を果たす。愛知東邦大学吹奏楽団の部長として、団の活動状況の把握や学生指導に
努める。平成 25 年度の幼稚園実習の実施及び平成 26 年度の実習計画の業務を行う。
○学内委員等
学生委員長、学修支援副センター長、愛知吹奏楽団部長、幼稚園教育実習担当、愛知東邦大学混声合唱団
の指揮・音楽指導
○自己評価
学生委員長として、委員の教職員の協力得て各業務内容を遂行することができた。新校舎完成を前に学生
を巻き込んだかたちでマナー・クリーンキャンペーンを実施することができた。喫煙場所を 1 か所にするな
ど環境整備を行い、一定の成果と今後の課題見えた。学修支援副センター長として、就業力育成事業の内容
理解と入学前セミナー等の行事や、初年次学修支援として就業力マイスター奨学生への取り組みへの努力を
した。愛知東邦大学吹奏楽団部長として団の監督・音楽指導者・顧問との情報交換を密にとり、学生の状況
把握に努め問題解決のために尽力した。幼稚園教育実習授業担当教員や事務職員と連絡を密に取り、年間計
画、幼稚園実習先の調整、面談等学生指導にあたった。学生の混声合唱団の指揮・音楽指導にあたった。概
ね目標を達成することができたと考えるが、今後も努力を重ねたい。
Ⅳ 社会貢献
3
○目標・計画
(目標)地域のイベントに積極的に関わり、地域社会の文化の向上に貢献する。
(計画)インターカレッジコープ愛知の理事を務める。子ども発達学科の教員・合唱指揮者・声楽家として
地域社会における委員会や団体の役職を務め、指導や演奏会に出演する。
○学会活動等
全国大学音楽教育学会の運営役員(2013 年度)。第 12 回・13 回の日本音楽表現学会分科会の司会
全国保育学会の座長
○地域連携・社会貢献等
第 80・81 回 NHK 合唱コンクール審査委員、平成 26 年度保育士試験実技試験採点委員、第 67 回岡山県合
唱フェスティバル講評委員、第 67 回岡山県合唱コンクール審査員、岡山県合唱連盟相談役、瀬戸内混声合
唱団・女声合唱団萌え木・アンコーラの音楽指導・指揮者。
NHK 全国学校音楽コンクール岡山県大会の審査を務め、講評を行った。合唱指揮者として、岡山県合唱フ
ェスティバル、倉敷サマーコンサート、第 20 回おかやま県民文化祭(2013 年 9 月)
、倉敷市東公民館コン
サート、倉敷合唱フェスティバル、女声合唱団萌え木第 1 回定期演奏会(岡山県立美術館オール、2014 年
3 月)
、
、アンコーラ第 1 回定期演奏会(2014 年 9 月)
、瀬戸内混声合唱団 30 周年記念演奏会(2015 年 1 月)
他にて指揮をする。平成 26 年度「平和の丘春まつり」世代間交流イベントの企画運営に携わる。
○自己評価
声楽家・音楽教育者・合唱指導者・指揮者、合唱コンクールの審査や演奏会を企画・出演する。地域の
イベント(平和が丘春まつり)の企画・運営への参加など、地域における文化向上に貢献することができ
た。
Ⅴその他の特記事項(学外研究、受賞歴、国際学術交流等)
特になし
Ⅵ 総括
教育活動、研究活動、大学運営、社会貢献、バランスを維持しながら行うよう心掛けたが、委員会の業務
等十分に貢献できなかったところが多々ある。教育・研究活動においても、実践力のある保育者を育てるた
めの指導内容と指導方法を改善し効果を感じるものの、一層の研鑽に努めたい。また、幼稚園実習担当者と
して、幼稚園、授業担当の教員、事務担当職員との連携を密に取りながら、実践力のある保育者を育てるべ
く適切な指導を行っていきたい。
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