地方が自ら考える地域活性化戦略 全国知事会 4月22日(水) 資料1 地域活性化のための担い手の育成 地域再生マネージャー(ふるさと財団) 地域活性化伝道師(内閣官房) 総務省地域力創造アドバイザー、地域経営の達人(総務省) 国家検定食の6次産業化プロデューサー段位認定委員(内閣府) 斉藤俊幸 経営学の世界的権威 東京大学の藤本隆宏教授と私は 小学校の同級生。 地域再生と経営学は近い存在 1 地域再生の成功のポイントは何か。 • 能力構築競争の本をかざしながら • 「創発とパッションだ!」 • と藤本君は答えた。 • 1999年のことだ。 2 創発(セレンディピティ)とは何か。 • 「何もやらない人は(偶然に物事を発見する能力である)セレンディピ ティに接する機会はない。一生懸命やって、真剣に新しいものを見 つけようとやっている人には顔を出す」 ノーベル化学賞を受賞した鈴木章北海道大学名誉教授 • 「思惑倒れ」「怪我の功名」「瓢箪から駒」といったように、事前の意 図とは異なる形で、組織能力の蓄積が進んでゆくことを「創発」という。 ころんでもただでは起きない、しぶとい組織学習能力が重要。 「能力構築競争」著者の藤本隆宏東京大学大学院教授 3 ノーベル物理学賞 青色LEDの開発 「故障の窯」が奏功(NHKニュース) • 赤崎さんの研究室で研究していた天野浩さんが 結晶を作るため熱を加えるのに使っていた窯が故障し、 高い温度にならなくなってしまいました。 そこで天野さんは、故障している窯でも可能な実験をしようと、 低温のまま結晶を作る研究を進めました。 その結果、偶然、青色発光ダイオードに必要な 結晶ができるようになったということです。 (NHKニュース) 4 「創発」 今治タオルの ・安いタオルが海外から流入し苦戦する中、ブランド化を何度もトライし ていた今治タオル業界。 ・そんな今治タオルのブランドが中国で勝手に登録商標されたニュー スは全国を駆け巡った。 ・今治タオルのブランドは実は予想だにもしないことで全国ブランドとし て認知される契機を作った。これも「怪我の功名」。まさに「創発」 5 創発(セレンディピティ) 東洋大学大学院生 • きっと、地域再生の種となる何かを探しているときに、探しているも のとはまったく別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉 なのでしょう。 • 何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見する「能力」。簡単 に言えば、ふとした偶然をきっかけにひらめきを得、幸運を掴み取る 能力なのでしょうね。 6 「棚からぼた餅」、偶然ラッキー • 「棚からぼた餅」はお腹がすいていればこそだ。 • 偶然ラッキーは餅投げに似ている。定量的に空間に流れる偶然ラッ キーは掴み取る姿勢なくして餅を手にすることはできない。 • 小さなラッキーをありがたいと思えるほどの底辺にいることが重要。 7 安藤百福(日清食品創業者の小さな工場) いろんな商売を経て即席ラーメンにたどり着いた。しかしスタートは小さな小屋だ。 まさに瓢箪から駒で展開した即席ラーメン 8 時は平成16年、地域再生事業スタート 9 追浜商店街からまちづくりに参加して欲しいと 関東学院大学に声がかかった (神奈川県横須賀市) 10 まちなか研究室「追浜こみゅに亭」 (横須賀市・関東学院大学+山形県白鷹町) 11 「追浜こみゅに亭」で授業開始 12 「商店街ワイナリー」 (追浜こみゅに亭/神奈川県横須賀市:協同組合追浜商盛会) 13 「商店街ワイナリー」 1ヶ月に1回ボランティアでワインを仕込み その収益でまちづくりをする 14 「商店街ワイナリー」 ソーシャルビジネスの原型(2004年) 15 まちなか研究室「青研」 熊本県荒尾市に行かないかとふるさと財団 16 商店街の人たちによるワイナリー工事 17 商店街の人たちによるワイン醸造 ボランティアで仕込み収益は地域づくりに還元 醸造設備は一口1万円で300口集める 18 ろ過、瓶詰め、低温殺菌 19 日本初の国税局認可の酒造企業組合 (マドンナと金物屋、電気屋、ガス屋、写真屋、自転車屋) 20 商店街の人たちによるワインづくり 21 まちなか研究室 青研 小地域マーケットの成立と維持、各地区配置へ 高齢者が歩いて来られる150人のマーケット 出荷者は多品種少量通年生産 22 住民により建設された まちなか研究室「ありあけの里」 23 農協倉庫を再活用 タイラギ、あさり、つけあみが売りの まちなか研究室「ありあけの里」 24 加工品を置く部屋 25 台風13号で壊れたありあけの里 26 みんなで作る上棟式 27 上棟式記念撮影 28 新ありあけの里竣工 29 駅前商店街の空き店舗活用 まちなか研究室「にんじん畑」 (農産市研究会、梅酒・惣菜加工) 30 自家焙煎珈琲の木 31 日本一小さな喫茶店 32 オープンカフェ「シルクロード」 過大投資せず収容力拡大 33 コミュニティレストラン「梨の花」 気合の入った家庭料理 ワンデーシェフによる働くチャンスの確保 800円20食限定、高級なのに割安感あるマーケット 34 コミュニティレストラン「梨の花」 新装オープン 35 3つの徒歩圏内マーケットで 生活を安定させてから出店 (パン屋さん、花屋さん) 36 地域再生プロジェクト商品 小さな資金循環を作ろう 完成したもの 海苔、芋焼酎、ワイン、焙煎コーヒー、 健康酢ドリンク、みかんジュース、乾物 梨ぽん酢、納豆 37 のりやののりこばあちゃん (海苔漁民;水産加工研究会) 38 のりやののりこばあちゃん 金賞受賞(熊本県優良新商品審査会) 39 のりやののりこばあちゃん 金賞受賞(熊本県優良新商品審査会) 40 芋からつくる芋焼酎づくり (農業者が儲かる荒尾産焼酎ブランド化) 41 芋からつくる芋焼酎づくり (農業者が儲かる荒尾産焼酎ブランド化) 42 荒尾ブランドの芋焼酎「小岱」 (1反30万円で芋を買う「荒尾産芋焼酎を育てる会」) 43 箱・のぼり 44 荒尾乃葡萄酒 (ワイン研究会:企業組合中央青空企画) 45 浜ちゃんこーひー (フェアトレード研究会:株式会社珈琲の木) 46 小岱山でとれた手づくりみかんジュースたい (農産加工研究会:果汁飲料企業組合化) 47 あら、おいしいす (酢研究会:下赤田地区、梨工房) 48 梨酢ポン酢 (有明高専+下赤田地区) 49 梨酢ポン酢 (有明高専+下赤田地区) 50 高齢化社会に対応した 徒歩圏内コミュニティの多店舗展開 51 徒歩圏内マーケットマニュアル (熊本県商工労働部) 52 厚生労働省パッケージ事業シンポジウム (荒尾はトリプルA) 53 衆議院内閣委員会 (渡辺行革大臣;荒尾は地域再生事業の成功事例) 54 渡辺大臣を訪問 (地域活性化伝道師) 55 地域活性化伝道師に就任 (内閣官房) 56 首相官邸訪問 57 地域づくり総務大臣表彰受賞 (平成19年度) 58 地域力創造アドバイザーに就任(総務省)中央が佐藤総務大臣 59 クローズアップされる買い物難民 60 フードデザート(食の砂漠、食料難民問題)で 中心市街地活性化パンフに掲載 (経済産業省中心市街地活性化室) 61 少子高齢化・共生社会に関する調査会 (参議院) 62 珈琲焙煎機を代用品で作る (熊本県荒尾市2005年) 63 冷蔵庫とヒーターで納豆製造器を作る 温蔵庫は高いので(熊本県荒尾市2007年) 64 シュウマイ蒸し器でハーブ蒸留器を作る (キルギス共和国、JICA×イシククリ大学2007年) 65 大粒厳選から生まれるクズ米で米焼酎を造れないか。 米焼酎を造る場所は元中学校体育館(高知県本山町) 66 米蒸し機ではなく中古の饅頭蒸し器 北海道北見市の薄荷記念館の薄荷蒸留器を改良 67 米焼酎「土佐天空の郷」は1.9ミリ以下の米を活用 発酵タンクではなくバケツ 68 薄荷蒸留器視察 (北海道北見市薄荷記念館) 69 米焼酎土佐天空の郷 70 ディスカバー農山漁村の宝(内閣官房、農水省) • 「ディスカバー農山漁村の宝」とは、地方が持つ魅力を「発掘」し、こ れらを地域活性化につなげている優良な事例を選定する取組み。 • 「強い農林水産業」「美しく活力ある農山漁村」の実現のため、農山 漁村の有するポテンシャルを引き出すことにより地域の活性化、所 得向上に取り組んでいる優良な事例を選定し、全国に発信。 71 本山町がディスカバー農山漁村の宝に選定 (首相官邸) 72 ディスカバー農山漁村の宝 (首相官邸) 73 秋田県由利本荘市 平成23年2月9日 総務省 地域力創造アドバイザー事業 (最終報告会) 英語合宿 秋田県由利本荘市 英語合宿 総務省地域力創造アドバイザー 斉藤俊幸 74 1市7町で広域合併した由利本荘市 • 市域は広大(神奈川県や東京都の半分以上の面積) • 新生由利本荘市は9つの第3セクターを抱えることになり、7 つが赤字、毎年合計1億円の赤字を抱えることになる。 • 天鷺ワイン(年間1000万円赤字)とホテルユースプラトー(年 間600万円赤字)の再生計画を立案することとなった。 75 ホテルユースプラトー再生に向け教育プログラムを立案 (学生を対象としたスポーツ合宿所) 76 英語強化合宿で協働する 国際教養大学とは • 秋田県に新設された公立大学 • 9月入学、授業はすべて英語で行う、海外留学1年が必修科目など特色 ある取組みを進め理想の人材育成ができ就職率100%を誇る。 • カンブリア宮殿で特集されるなど今話題の大学 • TOEICの学生平均900点 77 国際教養大学は国公立大入試難易度第5位 (東大や東北大に準ずる公立大学) 78 中島嶺雄学長 (東京外国語大学学長選に2度落選、秋田県で夢を実現) 79 国際教養大学サークルJump-Starter結成 80 オープンキャンパスで募集開始 (国際教養大学サークルJump-Starter ) 200人の高校生がオープンキャンパスに参加し、当日申し込み8名あり 81 ブランド化した国際教養大学 (募集はインターネットで簡単に集まった) 国際教養大学学生による高校生向け英語力強化合宿 北海道、福岡、香川、滋賀等からも参加 第一回 2010年12月26日~12月30日(4泊5日) 32名定員到達!(女性28名) 第二回 2011年1月4日~1月8日(4泊5日) 30名定員到達 参加費 70,000円 (参加者一人分、4泊5日、3食付) 冬休み2回、春休み1回、ゴールデンウイーク1回、夏休み1回 合計5回を開催予定 82 30分の講義連続、小集団補習繰り返し、英語論文 83 自立学習のための英語合宿 (年間5回開催、延べ1000泊) 国際教養大学へ15人が合格。 参加者は2回で計62人(男子10人、女子52人) 県外からが36人。高校1、2年生が多かった。 センター試験を控える3年生11人の他、社会人が1人参加 84 自立学習のための英語合宿 (年間5回開催、延べ1000泊) 85 自立学習のための英語合宿 少人数による補習 (年間5回開催、延べ1000泊) 86 英語は秋田の地域資源、英語王国秋田 87 グローバル夢ミーティング (秋田県東成瀬村教育委員会、学力日本一) • 秋田県東成瀬村教育委員会は今夏、村内の小学 6年生と中学3年生全員を対象に、英語でのコミュ ニケーション能力向上を目指し1泊2日の英語合 宿を行う。秋田大から留学生を招き、学習発表か らレクレーションまで会話は全て英語とする。村教 委は「英語を積極的に楽しむことで、 子どもの力を伸ばしたい」 88 グローバル夢ミーティング (秋田県東成瀬村教育委員会) 89 10年後の英語力日本一 (秋田県) • 子供たちの英語力を強化しようと、秋田県教育委員会は小中高 校生約2千人を対象に英語しか使わない2泊3日の合宿「イング リッシュキャンプ」を今年度、11カ所で22回行うと発表。「『英語 力日本一の県』を10年後に実現したい」としている。 90 英語合宿で日本一目指せ (日本の)良い所を世界に向けて発信してゆく力が求められますので NHK全国放送 91 英語村deあそぼう (秋田県由利本荘市) 92 英語村deあそぼう (秋田県由利本荘市) 93 「小布施若者会議」を企画・運営した大宮透君 ハーバードの大学生を招いて、長野県や日本の高校生との交流事業を企画。 高校生の英語力向上やディスカッション力向上を図るための授業を進める。 (長野県小布施町) 94 「英語村」 国際人へ視野を広げたい (徳島県) • 徳島県は新年度、県立牟岐(むぎ)少年自然の家(牟岐町)を拠点にした「TOK USHIMA英語村」を設置する。高校生に英語だけを使う疑似留学体験をしても らい、世界で活躍できるグローバル人材を育成する。 • 応募した高校生が夏休み中に有料で参加し、米ハーバード大や東京大などの 学生と車座で議論をしたり、世界で活躍する企業人や研究者らの講演を聞いた りする。漁業体験や県南の人たちとの交流などの活動も検討されている。ハー バード大の「リベラル・アーツ(少人数で基礎的な教養を磨く教育)」の手法を取 り入れる。 • 「英語漬け」の生活を体験し、コミュニケーションが取れた喜びや自分の英語が 通じなかった悔しさから、英語をより深く学ぶ入り口にもなるだろう。 95 TOKUSHIMA英語村 96 スーパーグローバルハイスクール(SGH)制度の登場 97 統廃合危機の高校に変化が起きている。 高校魅力化の口火を切った隠岐島前高校(島根県海士町) 「島留学」授業改革、学力の保障、寮の完備 公営塾 98 離島の高校 危機からのV字回復 高校があるということは島の未来にとって存続に直結した問題 99 入学者増(人口の争奪戦が始まっている) 100 島外の人で頭のいい人がたくさんいるので 自分もがんばらなきゃなと思う 101 新藤総務大臣(当時)隠岐島前高校の視察 102 生き残りをかけた変異(ダーウィン) 高校のブランド化競争(魅力化)が始まっている! • 鹿児島県立楠隼中高一貫教育校は宇宙航空研究開発機構(JAX A)と協定し、宇宙航空を素材とした教育を推進 • 兵庫県立村岡高校ではクロスカントリースキーなどのスポーツによ る魅力化 • 滋賀県立信楽高校では陶芸の技術や知識を学ぶ講座を設け特化 • 公立高校の入学者に居住地制限を設けておらず、都道府県の判断 により全国公募が可能 103 魅力化による高校生き残りと地域活性化 (地域活性化センター土日集中セミナー) 104 魅力化による高校生き残りと地域活性化 (地域活性化センター) 105 行政職と教員職が話し合ったことがない。 • 高校教育に地域が欠かせない時代。 地域力維持に高校の存在が欠かせない時代。 • しかしそこをつなぐ人材がいない。 そもそも我々は行政職と教員職とが 地域内で話したことがないのではないか。 • 「高校の魅力化に対する自分たちの考え方が 間違っていないことを確認できた」 • 「時代の流れが大きく変わっていることに気が付いた。 地域が自らアイディアを出していく時代になっている」 106 三笠市の北海道三笠高校が2012年春に組織移管 道立から市立に転換し、食物調理科を開設。 道内一の競争率2.2倍を記録。ブランド化に成功 107 再編対象のスキーの名門校、地元「存続へ努力」 長野県立白馬高校 • 生徒数の減少などにより、県教育委員会から今年度、再編対象とされた白馬高 校について、存続を目指す動きが始まった。 • 地元の教育、行政関係者らで作る「白馬高校の将来を考える会を発足。同校は 昭和26年の創立以来、元フリースタイルスキー女子モーグル選手の上村愛子 さんら多くの五輪スキー選手を輩出してきた歴史があり、地元などから存続を求 める声が上がった。 • 同校の生徒数は平成元年の397人をピークに減少し、26年5月1日現在で14 7人。県教委は他校との統合や他校の分校化、募集停止のいずれかの対応を 求めている。 • これを受けて、「考える会」では観光業を中心に発展してきた地域の特色を生か し、同校に「観光学科」を開設、寮を整備して全国募集することによって再編基 準を上回る生徒数を確保したい考えだ。 108 放牧酪農科設置を要望 北海道足寄高校 • 足寄高校振興会が安久津勝彦町長に足寄高校に放牧酪農科設置 を求める要望書を町に提出。 • 来年度の同校入学出願者数が29人と募集定員80人を大きく下回っ たのを受け、振興会は、緊急役員会を開催。 • 出席した委員から「遠方からの生徒を受け入れられるよう、下宿を設 けては」「小中学生に向け、広報やホームページなどで足寄高校の 情報発信に力を入れて」など、存続に向けた意見が出された。 • 反対が多く苦戦®既成事実を積みあげたら 109 鹿児島県立大口高等学校 (東大行ったら100万円) • 鹿児島県の進学指導重点支援校に指定されている大口高校から、 東大や京大、九州大などの国立大や、早大、慶大などの難関私立 大に合格した場合は伊佐市が100万円を支給する。 • 東大や京大、九大といった「旧帝大」のほか、早稲田、慶応などの私 学の難関大学に合格した生徒には100万円。それ以外の知名度の 高い大学の合格者には30万円を支給。 • 尾木ママは「なんてあさましい高校?反教育の極みだ!!教養も良識 のかけらもない」と憤慨。 110 村立北海道おといねっぷ美術工芸高校 • 音威子府(おといねっぷ)村の人口は約850人、北海道で一番人口 の少ない自治体。ここに「奇跡の学校」と呼ばれる村立美術工芸高 校がある。 • 1学年40名、全校生徒120名の小さな高校であるが、公募展・美術 展で毎年多くの生徒が入選するなど、"北海道美術界の将来を担う 人材を輩出する学校"との評価を得ている。 • 「音威子府高校」は定時制高校としてスタートが存続危機。木材加工 を主とする工芸・技術教育の推進」を教育振興策と定め、インテリア 工芸の定時制高校として新たな挑戦を始めた 111 村立北海道おといねっぷ美術工芸高校 • 村では校舎・寄宿舎への投資額(期間15年で約8億円)と、村づくり の柱に据えた芸術・文化及び高校関連予算へ疑問の声があがり、 地域を二分する論争 112 村立北海道おといねっぷ美術工芸高校 • デザインスクールをはじめとする大学での講義や大学教員による本 校での授業は、本校教育の活性化のみならず、生徒の学習意欲や 可能性の向上とキャリア教育に大きく貢献している。 • スウェーデンとの国際理解教育も本校の新たな魅力。 • 最近の平均倍率は2.0倍と高い倍率で推移。 113 村立北海道おといねっぷ美術工芸高校 • ほぼ全員が村外からの生徒であり、寄宿舎で生活している。生徒・ 教職員とその家族を加えると約170名となり、人口の2割を占めるこ とになる。 • 視点を変えると、毎年40名の新規住民を受け入れ、 地域に元気を与える住民が170名定住し、 36000泊の宿泊と108000食の食事が連続するシステムとなる。 • おといねっぷ美術工芸高校は、 地域内循環経済の中心となる組織であり、 何より地域に希望と活力を与える かけがえのない学校に成長した。 114 千葉県立松尾高校 • 山武郡に6校の公立高校 • 中学卒業生は1300人、そのうち30%程度が地元校へ。今は定員ちょうど。 10年後には800人が中学校を卒業と減少が予想される。 • 高齢者福祉に特化した高校 • グローバルエイジングに着目しSGH申請し指定校入り • 2025年問題(団塊世代が病気がちとなる後期高齢者に突入)に着目(介 護人材不足、介護労働者の市場開放は必須) • EPA(経済連携協定)を締結し、看護師・介護福祉士候補者の受入れを開 始(フィリピン、ベトナム、インドネシアの留学生受入はできないか) • 市独自の奨学金制度立ち上げと卒業者の返済期間内の地域内雇用が 実現できれば2025年問題に対応できるのでは。 • 地域にとって必須の高校が誕生する 115 大阪府立能勢高校 • 60年前に交通条件が悪く中学を卒業した生徒たちの多くが高校進 学をあきらめていた現状を打開すべく住民の強い要望により大阪府 第49番目に誕生した能勢高校。 • しかし、能勢高校は3年連続定員割れの高校は統廃合の対象にす るという府条例の成立により存続危機を迎えている。 • SGH指定校入り 116 消滅可能性都市日本創成会議 大阪府能勢町は全国24位 能勢町もピンチ、能勢高校も統廃合のピンチ 117 高校がなくなると年間5∼6億円が逸出 応援団を結成 118 隠岐島前高校公営塾教育ディレクター 藤岡慎二さん、能勢高校で活動開始 スーパーグローバルハイスクールに挑戦してみよう。 119 能勢高校スーパーグローバルハイスクール アソシエーツに指定(平成26年度) スーパーグローバルハイスクール指定 • 大阪府立北野高等学校 • 大阪府立三国丘高等学校 SGHアソシエーツ指定 • 大阪府府立大阪府立豊中高等学校 • 大阪府府立大阪府立四條畷高等学校 • 大阪府府立大阪府立能勢高等学校 • 大阪府府立大阪府立千里高等学校 120 能勢高校に対する文部科学省評価 • 高校を中心に町を活性化するという点で意義深く、全国の同じような 問題を抱えている高校のモデルとなる可能性がある。 • 着眼点は興味深い。大変野心的なプログラムになっており大変面白 い取り組みとなると評価。 121 SGH中間発表会(北野高校、三国ヶ丘高 校) • 大阪府立北野高校。発表するのは高校1年生。評価者からペーパーを見ながら 英語を話すだけで実社会では信用を失うとの厳しい指摘が飛ぶ。 • 2番目に出てきた発表者はペーパーを見ないものの時折そのペーパーをのぞく。 • 質問に対して英語に詰まり日本語で答えてよいかとの許しを得て返答する。 • 悪戦苦闘ではあるがグローバル化教育の現場は貴重な第一歩を記している。 • 大阪府立三国ヶ丘高校では卒業生の川渕三郎氏(日本サッカー協会最高顧 問)が委員。英語での中間発表会に参加して「どうして日本はこうした教育が今 までできなかったのか」と感嘆。 122 島田久仁彦氏講演 スーパーグローバルハイスクール連絡会 • 島田さんは、大阪出身で、21歳のときに国連職員に採用現在は環境省 の参与に就任して、国際舞台の表に立つ一方、国際交渉術、コミュニケー ション技術について、ハーバード大学、ケンブリッジ大学などで教鞭 • グローバル人材とは、英語を話せることが大切であるが、自分の意見を 述べることができ、その意見のもとになる明らかな理由を持っていること が重要。 • 他国の文化を理解することが大切であるが、日本の文化や自分の町のこ とを語れることがもっと重要。 • 生徒にとって、世界で活躍する、いわゆるグローバル人材から直接話を 聴くこと、外国などの現地に行ってみることが大切。 123 スーパーグローバルハイスクール(SGH)から 国際バカロレア校認定へ • 国際バカロレアとはインターナショナルスクールの国際認定で高校 の場合はインターナショナルスクール認定校の卒業生に、国際的に 認められる大学入学の資格証明を与え、大学進学へのルートを確 保するのが大きな目的。 • 英語で授業する公立高校と日本語で授業する公立高校に分れる可 能性がある。注視してゆく必要あり。 • 全国で200校の認定を政府は目指している。SGHはその前段階。 124 能勢高校に午後4時以降9時までの 勉強をする機会や場所の確保が必要である。 • 秋田県の小中学校の学力は日本一。しかし、高校になると学力調査 のランクがぐっと下がってしまう。競争に弱いと秋田県内で聞いた。 • 同じような話を大阪でも聞いた。大阪は小中学校の学力調査のラン クは下から数えた方が早いが公立高校の学力となると上位に浮上 する。競争に強いのだと。 • 大阪の公立高校ではどこでも高校内でしっかり勉強しているものの 午後4時以降9時までの勉強をする機会や場所に恵まれていない高 校は、ここで大きな差が出てしまう。午後4時以降の塾での勉強で熾 烈な戦いをしているのが大阪。 125 能勢高校を応援し、能勢の町を元気にしよう 126 まちづくりのソーシャルビジネス化、6次産業化 自治体の財政が縮小し、切り捨てられた分野の事業化を通じて公共に貢献 • ソーシャルビジネスは地域で「経済的価値」と「社会的価値」の創出 を目指している。 • 「規模の経済」から「価値の経済」へ。 • 地域に張り付いた事業だからこそ存在価値がある。 • 米経営学者マイケル・ポーター氏は「共通価値の創造」(Creating Shared Value)と呼び、新しい資本主義を生み出す源泉としてい る。 127 広島県立世羅高校駅伝部 監督のケニア選手スカウト渡航費は町民カンパ 世羅町民の誇りの駅伝部、町民共有の価値 128 1か月に1回ボランティアでワインを仕込みまちづくりをする 補助金不要の商店街、追浜こみゅに亭 事業協同組合追浜商盛会(神奈川県横須賀市) 129 高齢者のための徒歩圏内マーケット青研 (熊本県荒尾市、企業組合青空中央企画) 130 日本最少設備でくず米を使った 米焼酎を造る藤川豊文さん ばうむ合同会社(高知県本山町) 131 秋田県由利本荘市英語合宿でグローバル化の起点を作った 国際教養大学生の下田君(中央) 132 小さな一番をつくれ! • 地域には地域企業だけが気付くことができる新しくて面白い市場ニーズのネタ がたくさんある。それは大企業が絶対に気付くことができない。こうした地域特 有のニーズは実はその地域だけではなく、世界中の生活の場で共通していて、 やりようによっては世界に市場を拓く可能性のあるものが結構ある。最近、グ ローバル・ニッチと呼んで政府も関心を寄せ始めている。 • 今、日本が必要としているのは「市場創造型のイノベーション」 • 日本が「市場創造型のイノベーション」に取り組むようになれば、地域の再生ば かりでなく、日本経済の再生にもつながるに違いない。 • 地域の特徴を活かした新しい事業、新しい製品の開発と事業化(つまり、イノ ベーション)にもっと関心を持つことを期待する。 133 ありがとうございました 地域再生マネージャー 斉藤俊幸 134
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