序章 1 計画策定の概要 計画策定の趣旨 近年、結婚や出産、子育てに対する意識の多様化が進み、また、過疎化の進行、 核家族化、共働き家庭の一般化など、子どもを取り巻く環境は大きく変化 してい ます。また、出産に伴う女性の就労継続も依然として厳しい状況にあるなど、子 育て環境を取り巻く社会や環境の変化によって、就労の有無や状況にかかわらず、 子育ての負担や不安、孤立感が高まっている状況です。 このような状況を鑑みれば、子どもの育ちと子育てを、行政や地域社会を 始め 社会全体で支援していくことが必要です。 これまで、国においては、平成 15 年7月に「次世代育成支援対策推進法」を 制定し、子育て支援を推進してきました。 しかし、依然として出生率の低下に伴う少子化が進行し、核家族化の進展や 地域とのつながりの希薄化など、祖父母や近隣住民等から、日々の子育てに対 する助言、支援や協力を得ることが困難になってきていることから、子育てに 不安を覚える家庭も少なくありません。 こうした現状を踏まえ、西和賀町(以降「本町」という)では、安心して子ども を産み育てることのできる環境をつくり、子どもが育つ喜びをともに分かち合い、 地域のつながりを深めることを計画の基本理念とし、平成 19 年3月に「西和賀 次世代育成支援行動計画(前期行動計画)」を、平成 22 年3月には「西和賀町次 世代育成支援行動計画(後期行動計画)」を策定し、次代を担う子どもたちの育成 を支援するために様々な事業を展開してきました。 こうした中、平成 24 年8月に成立した「子ども・子育て支援法」、「認定こど も園法の一部改正法」、 「子ども・子育て支援法及び認定こども園法の一部改正法 の施行に伴う関係法 律の整備等に伴う関 係法律の整備等に関 する法律」の子ど も・子育て関連3法が施行され、特に子ども・子育ての分野について、質の高い 幼児期の学校教育・保育の総合的な提供や、地域の子ども・子育て支援の新しい 制度が創設されました。 本町においては、これまでの「次世代育成支援行動計画」を継承しながら、子 ども・子育て支援法に基づいた市町村計画の内容を新たに盛り込み、より手厚い 次世代育成支援を推進するために「西和賀町子ども・子育て支援事業計画」を策 定します。 1 2 計画の性格と位置づけ 本計画により、国から示された「子ども・子育て支援法に基づく子ども・子育 て支援事業計画の基本指針」に基づき、西和賀町の独自性を踏まえながら、西和 賀町が取り組むべき対策と達成しようとする目標や実施時期を明らかにし、事業 ごとに財政状況や事業実績も勘案しながら、計画的に取組みを推進します。 (1)計画の位置づけ 本計画は、子ども・子育て支援法第 61 条第1項に基づく「市町村子ども・子 育て支援事業計画」です。また、次世代育成支援対策推進法第8条第1項に基づ く「市町村行動計画」として、これまで進めてきた「西和賀町次世代育成支援行 動計画」を引き継ぐ計画として位置付けます。 (2) 計画の期間 本計画の期間は、平成 27 年度から平成 31 年度までの5年間とします。計画最 終年度である平成 31 年度には計画の達成状況の確認と見直しを行います。 また、5年間の計画期間中であっても、様々な状況の変化により見直しの必要 性が生じた場合、適宜、計画の見直しを行っていくものとします。 平成25年度 平成26年度 ニーズ調査 計画策定 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成31年度 西和賀町子ども・子育て支援事業計画 西和賀町子ども・子育て支援事業計画 ・計画の見直し ・次期計画(H32年度~) 西和賀町次世代育成支 援行動計画を継承 (3) 計画の対象 子ども・子育て支援新制度では、地域及び社会全体が、全ての子どもの健やか な成長を保障するという社会全体の目的を共有し、各々の役割を果たすことが必 要であるとの観点から、本計画の対象は、子ども、子育て家庭、地域住民、各種 団体、学校、企業、行政等、地域社会を構成する全ての個人および団体とします。 (4) 本町における他計画との関係 本計画の策定にあたっては、本町において策定している西和賀町総合計画や関 連する各分野の計画と連携・整合を図り策定しています。 また、計画の推進にあたっては、各計画との連携を十分に考慮するとともに、 2 新たな課題や環境の変化に柔軟に対応できるよう、配慮します。 (5) 計画の策定体制と経緯 ① ニーズ調査の実施 計画の策定に先立ち、子育て中の保護者の意見やニーズを的確に 反映した計 画とするため、平成 26 年4月1日現在で0歳以上 12 歳未満の児童を養育し ている保護者を対象として、平成 26 年3月に「子育て支援に関するアンケー ト調査」を実施しました。 ② 西和賀町子ども・子育て支援事業計画策定のための協議会 本町では、本計画の内容を審議するため、既存の次世代育成支援地域協議会 を「地方版子ども・子育て会議」とし、策定に向けて審議を行いました。 3
© Copyright 2024 ExpyDoc