しずくいし・菜のテクノロジープロジェクトについて

しずくいし・菜のテクノロジープロジェクトについて
1
目
的
菜の花の多段階利用により、農業振興、観光振興、景観形成、福祉及び教育と
いった多面的な展開を図りながら地域資源循環型社会を構築する。
2
農林部門の取組
(1) 南畑コテージむら農地に景観作物(菜の花)を栽培し、交流・農業体験の
場としてふさわしい景観を形成するための環境整備を行う。(H18 年~)
(2) 町内の転作田における作物振興や遊休農地解消対策として菜の花を栽培し、
食用油として搾油に供するため、ナタネを収穫して乾燥・調整を行う。
(3) 転作田への菜の花栽培やナタネ収穫、乾燥・調整については、平成 20 年 5
月に雫石町水田利用担い手協議会が内部組織として「菜の花栽培モデル推進班」
を立ち上げ、しずくいし・菜のテクノロジープロジェクト事業の円滑な推進が
図られるよう町と連携して主体的・積極的に実施している。
3
菜の花栽培
品種:キザキノナタネ(東北農業試験場(現:東北農業研究センター)開発)
(特徴)・人体に有害なエルシン酸を含まない品種である。
・寒害、雪害抵抗性のほか、耐倒伏性、菌核病抵抗性に強い。
(栽培)・自家採種は交雑によりエルシン酸含有量が増えることから、種子は
毎年更新。
・必要に応じて排水対策を講じ、できるだけ排水のよい圃場で栽培す
る。
(栽培行程)・播種:9 月上旬~中旬、播種法:ばら播き又は条播き、
播種量:800g/10a、開花時期:5 月、収穫時期:7 月
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生産に係る管理運営
(1) 乾燥調整施設及びコンバインの管理運営について、雫石町水田利用作物担
い手協議会菜の花栽培モデル推進班に業務委託している。
契約金額 500,000 円
<雫石町水田利用作物担い手協議会>
麦、大豆、そば、菜種の生産に取り組む集落営農組織で構成。13 組織。
うち 7 組織が菜の花栽培モデル推進班
(2) 雫石町水田利用作物担い手協議会菜の花栽培モデル推進班へ菜種種子購入
費を補助。(種子購入費の半額を補助、平成 23 年度まで)
(3)
景観形成の観点から菜の花畑案内看板を作成し、公道から誘導している。
5
施設整備
(1)
乾燥調整施設(農林部門)
年度
項
目
20
○菜種乾燥調整施設整備工事
・乾燥機1基(25 石)
、調整タンク、昇降機、エコーセレクター等
事業費:1,759,275 円
21
○菜種乾燥調整施設増設工事
・乾燥機1基(40 石)、乾燥機増枠(25→40 石)、風選掃塵機等
事業費:7,471,800 円
○電力増設工事(動力 3kwh→13wh)
事業費:241,500 円
(2)
収穫用コンバイン(農林部門)
年度
目
○ヤンマー普通型コンバイン購入
・共通キット、菜種キット
事業費:6,825,000 円
21
(3)
項
搾油施設(福祉部門)
年度
項
目
20
○菜種油搾油施設等新築工事
・菜種油搾油施設:木造平屋建て 57.96 ㎡、搾油室、製品充填室、製
品保管室
・BDF 精製施設:CB 造平屋建て 14.43 ㎡
○搾油機械設備
・簡易型煎釜 S 型、搾油機 S-52 型、原油レシーバー、精油機 HA 型、
油レシーバー、加熱タンク、製品タンク、瓶詰機、圧栓機
事業費:30,944,550 円
20
○備品購入
・穀類水分計、デジタル温度計、テーブル、イス、洗濯機、運搬車、
ブラインド
事業費:935,571 円
21
○備品購入
・食器消毒保管庫、ソリッドシェルフセット、水切り移動台、ろ過機、
ウォータードラフト
事業費:1,239,000 円
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生産から販売までの流れ
生産・調整
種買取
水田利用作物
→
搾油・精製
㈱しずくいし →
担い手協議会
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販売
福祉作業所
→
㈱しずくいし
(かし和の郷)
(道の駅等)
栽培・出荷・販売実績
(1)栽培実績
収穫
年度
平成 27 年 6 月 1 日現在
栽培面積
20
小岩井農場で試験栽培
21
集落営農7組織
22
収穫量
1.50ha
反収(10a) 備考
5,620 ㎏
374 ㎏
15.98ha
14,542 ㎏
91 ㎏
集落営農7組織
18.76ha
20,853 ㎏
111 ㎏
23
集落営農7組織
15.73ha
17,741 ㎏
113 ㎏
24
集落営農7組織
20.81ha
23,731 ㎏
114 ㎏
25
集落営農7組織
19.62ha
17,141 ㎏
87 ㎏
26
集落営農7組織
17.29ha
10,027 ㎏
57 ㎏
(2)出荷・販売実績
菜の雫
区分
ナタネ
使用量
(㎏)
福祉作業
所稼働日
数(日)
菜種油(500ml)
出荷量
(本)
販売量
(本)
平成 26 年 6 月 1 日現在
生オイル
菜種油(300ml)
(120ml)
出荷量 販売量 出荷量 販売量
(本)
(本)
(本)
(本)
21 年産
13,870
176
7,778
6,169
-
-
432
284
22 年産
19,220
174
9,348
6,081
-
-
1,064
726
23 年産
18,769
174
13,188
6,286
-
-
1,200
1,272
24 年産
14,221
130
2,292
7,159
6,480
659
1,200
459
25 年産
8,063
111
1,056
4,770
0
3,976
2,040
2,132
26 年産
1,780
66
720
1,123
552
910
0
573
※ 生オイルは平成 22 年 9 月から出荷開始。
※ 菜種油 300ml は平成 24 年度から出荷開始。
8
課題
・平成 25 年の大雨災害で影響を受けたこともあり、平成 26 年産において、反収
が 57 ㎏/10aと目標(115 ㎏/10a)を下回っている。
・収穫量が伸びない原因に「菌核病」の発生がある。
・高品質・収量増を目指すためにも生産者が魅力を感じる対策が必要である。
・菜の雫の販売促進と他自治体の取り組み・商品との差別化。
・搾油能力を超過した場合の菜種の販売経路を検討していく必要がある。