23年度成果報告書 - 国立精神・神経センター

平成23年 度厚生労働科学研究 費補助金 (障 害者対策総合研究事業 (精 神障害分野))
「医療観察法制度 の鑑定入院 と専門的医療 の適正化 と向上に関する研究」
分担研究報告書
指定入院医療機関モニ タリング調査研究
hJl究 分担者
菊池
安希子
独立行政法人国立精神
精神保健研究所
研究要 旨
神経医療研究 セ ンター
司法精神医学研究部
室長
:
【目的】心神喪失者等 の状態で重大な他害行為 を行った者の医療及 び観察等 に関する法律 (以
下、医療観察法 )の 施行か ら6年 が経過 した。 医療観察法 をめ ぐる病床数の推移や治療 の現
状をマ クロ的な視点で把握 し、政策 の影響 を分析 して い くことは重要 な社会政 策上の一課題
である。 評価 を適切 に行 うためには、モニ タリングデー タを収集 し、適切 な手法を用 い た分
析 を行 うことが重要で あ る。本研究では指定人院医療機関における対象者 の概要 を把握 し、
適切な治療や運用が行 われているのかを検討す ることを 目的 とした。
方法10千 究 1は 、本年度に収 集 したモ ニ タリングデー タ暫定値 について、現時点 までにク
【
リーニ ングを終 えたデ ー タの基礎集計 報告である。2011年 7月 15日 時点で医療観察法指定入
院医療機関である26施 設 に調査 を依頼 した。調査時点 までに各施設 に医療観察法による入 院
を した全対 象者 とした。研究 2と 研究 3は 、昨年度 まで実施 されて きた モ ニ タリング研究
デー タを二 次解析 した もので あ り、研究 2は 人院処遇 開始時期によって群別 された各群につ
いて在院期間をカプ ラ ン マ イヤ ー法により推計 した。研究 3は 入院時共通評価項 目お よび
退院前共通評価項 目を用 いてクラスター分析 を行った。
結果と考察】
【
研究 1で は、2012年 3月 までにデー タ収集が終了 した対象者434名 について報告 した。対象
者 の人 EI統 計学的変数 の経年推移は安定 してお り、制度開始か ら本年 まで一定 の対象につい
て安定 して制 度運用が行われて い ると考えられる。 一方 で在院期間が 1年 半 を越 えてい る者
が在院者の 3分 の 1を 占め、制度運用の当初 の 日標 とは大 きくか い離 してい ると考 えられる。
研究 2で は、入院処遇対象者 を入院処遇開始時期 ごとに区切 った分析 を行 った結果、2008
年 7月 16日 ∼2009年 7月 15日 に入 院処遇開始 となった者がそれ以前の者 よ り推計人院機関が
長 く、入院期間の長期化が進んで い ることが示 された。入院処遇期 間の短期化に向けての政
策が出されたのは、 この後 の期間であるため、今後 も引 き続 き同様 の手法 で分析 を行 い、検
討 してい くことが求め られるであろう。
研究 3で は、対象者 を 4群 に分類で きた。全体的 に課題 の改善が見 られる群、改善傾向が
見 られるが、物質乱用に課題 の ある群、全体的な改善度は劣 るものの非社会性 と対人暴力 の
課題 に改善が見 られた群、全般的に課題が あ る ものの対人暴力に改善の見 られた群 に分類で
きた。
結論】今後 も入院状況の変化 をモ ニ タ リングしてい くとともに、在 院が長期 となって い る
【
対象者へ の治療提供 の在 り方や、それに対す る制度運用の在 り方 を検討 してい くこ とが必要
である。
-79-
長沼
洋一
(国 立 精 神 ・ 神 経 医療 研 究 セ ン
ター 精神保健研 究所 )
岡田
幸之
A
(国 立 精 神 ・ 神 経 医療 研 究 セ ン
平林
直次
幸宏 (長 崎県精神医療 セ ンター)
良蔵 (鹿 児島県立始良病院)
(国 立 精 神
研究 目的
心神 喪失者等 の状態 で重大 な他 害行為 を
行 った者 の医療及 び観察等 に関す る法律 (以
ター 精神保健研 究所 )
中澤加 奈子
信治 (山 口県立 こころの医療センター)
(国 立 精 神 ・ 神 経 医療 研 究 セ ン
ター 精神保健研 究所 )
安 藤久美子
村 藤 畑
磯 安 山
研 究協力 者
神 経 医療 研 究 セ ン
下、医療観察法)の 施行か ら6年 が経過 した。
ター 病 院 )
各地域 の指定入院医療機関の設置 は着実 に進
(国 立 精 神 ・ 神 経 医療 研 究 セ ン
んでお り、病床 につ い て も徐 々 に増 えて き
ター病 院 )
てい る。 まだ地域偏在 はみ られるものの、病
長沼
葉月
(首 都 大学東京 )
床数 の不足 は以前 よ り緩和 されつつ あ る。 と
佐野
雅隆
(早 稲 田大学 )
はい え24条 通報な どで対応 された事件 などを
中嶋
正人
(花 巻病 院 )
考慮す るとまだ不足 してい るとい う報告
中根
潤
(下 総精神 医療 セ ンター )
もみ られる。
[1]
西岡
直也
(久 里浜 アル コー ル症 セ ン ター )
伊澤
寛志
(さ
古田
壽一
(北 陸病 院 )
治療困難事例 の存在、 といった課題が指摘 さ
村杉
謙次
(小 諸 高原病 院 )
れるようにな り、特 に長期化 の要因 として転
舟橋
龍秀
(東 尾張病 院 )
院の 問題 な ど [2]が 報告 されて い る。そ こ
界外
啓行
(榊 原病 院 )
で治療 の適正化 を図って、通院に関す る診療
中谷
紀子
(や
い が た病 院 )
各地 で治療的取 り組 みが蓄積 されて い く中
で、退院後 の通院先の未整備、入院の長期化、
ま と精神 医療 セ ン ター )
報酬 の強化、長期人院者に対する診療報酬の
山口
博之
(賀
茂精神 医療 セ ン ター)
これ らの医療観察法 をめ ぐる病床数 の推移
中川
伸明
(肥 前精神 医療 セ ン ター )
や治療 の現状 をマ クロ的な視点 で把握 し、政
桂木
正一
(菊 池病 院)
策の影響 を分析 してい くことは重要な社会政
大鶴
卓
(IIL球 病 院)
策上 の一課題 で ある。 このよ うな評価 を行 う
武井
満
(群 馬県立精神 医療 セ ンター )
ためには、モニ タリングデー タを収集 し、適
今井
淳司
(東 京都 立松 沢病 院)
切 な手法 を用 いた分析 を行 うことが重要であ
岩間
久行
(神 奈 川 県 立 精 神 医療 セ ン タ ー
る。本研究では これ らの指定入院医療機関 に
芹香 病 院 )
お け る対象者 の概要 を把握 し、適切 な治療や
(山 梨 県 立北 病 院 )
運用が行 われてい るのかを検討す ることを目
斉 也 明 朗 鏡
史 淳 豊 哲 秀
(鳥 取 医療 セ ン ター )
澤 澤 田 田 野
〓一 長 平 野 牧
下 田光 太郎
(長
Ef・
逓減 などの政策的取 り組みが行われてい る。
県 立 こ ころの 医療 セ ン
的 とした。
本報告 では、大 きく3つ の研究 に分けて報
ター駒 ケ根 )
(静 岡県 立 こころの医療 セ ンター)
告を行 う。研究 1は 、本年度に収集 したモ ニ
(大 阪府 立 精神 医療 セ ンター )
タリングデー タ暫定値 について、現時点 まで
山県精神科 医療 セ ンター )
にクリーニ ングを終 えたデー タの基礎 集計報
(岡
―-80-―
告 で あ る。 研究 2と 研 究 3は 、昨年 度 まで実
入院時基本情報管理 シー ト
施 され て きた モ ニ タリング研 究 (厚 生 労 働科
入院情報 継続管理 シー ト (6ケ 月 )
学研 究 費補助 金 障害者対 策総 合研 究事 業
・ 退 院前基本情報管 理 シー ト
心
神喪 失者等 医療 観 察法制度 にお け る専 門的医
・ 新病棟 治療評価 シー ト (1週 間 )
療 の 向 上に 関す る研 究 (研 究代 表者 :吉 川和
・ 新病棟 運営会議 シー ト (lヶ 月 )
男、 岡 田 幸 之 ))デ ー タを二 次解 析 した もの
・ 外 出・ 外 泊計画 シー ト
であ り、研 究 2は 実 際 に入 院期 間 の 長期化 が
収 集 は、 研 究 分 担 者 の KA、 研 究協 力 者 の
マ ク ロ レベ ル でみ られ て い るのか を検討 す る
NY、 NH、
こ とを 目的 と し、研 究 3は 入 院か ら退院 まで
リテ イ管理 の 施 され た フ ラ ッシュ メモ リを用
の 治療 に よる 変化 の パ ター ンを検 討す るこ と
いて デ ー タ を収集 した。 各施設 にお い て は事
を 目的 と して い る。
前 に連絡先 担 当者 を指 定 い ただ き、 当 日には
SMが 各施設 を直接 訪 問 し、セキュ
作業場所 と診療 支援 シス テ ム にア クセス 可能
研究
な PCの 手 配、 各種 調 査 時 の 事 務 的支 援 等 を
1
本年 度 に収 集 した医 療 ljl察 法指 定入 院医療
機 関 にお ける処 遇 の 実態 に関す るモ ニ タ リ ン
い ただ い た。
各種 シー トは、対 象 者 の 氏 名 、 ふ りが な、
グデ ー タに 関 して、基 礎 集計 を提 示す る こ と
住所 、 本籍 、生 年 月 日、電 話番号 、保 護者 の
を 目的 とす る。す べ ての 指 定入 院医療 機 関 に
氏 名、住所、生 年 月 日、電話 連絡 先等 の 情報
関す るデ ー タを得 たわ けで はな い ため 暫 定値
を エ ク セ ル に よる マ ク ロ ッ ー ル (個 人情 報
で はあ るが、 現在 の 処遇 の 実態 をマ ク ロ指標
削除 ツー ル )を 利用 して、 自動 的 に 削除 して
に よ り概 観す る こ とが 目的であ る。
フ ァイ ル を収 集 した。 紙媒体 の デ ー タの 場合
には、上 記 の 個 人情報 を削 除 した上 で 写 しを
B
研 究 方法
取 り、後 日デー タ化 した。 個 人情 報 削 除 ツー
1)対 象施設
ル が 正 常 に 動 作 しな い 場 合 は、 そ の 場 で、
2011年 7月 15日 時 点 で 医療 観 察 法 指 定 入 院
ツー ルの 改 訂 を行 った 上で作 業 を実施 し、 そ
医療機 関で あ る26施 設 に調 査 を依 頼 した。
れで も正常 に動 作 しな い場 合 は、 各 フ ァイ ル
全施設 か らの調査 へ の 同意が得 られ た。
を一つ一 つ 手作 業 で 日視 し、 該 当情報 を削 除
2)対 象者
した。 この よ う に徹底 して個 人情 報 の 取 り扱
調査 時点 まで に 各施設 に 医療 観 察法 に よる
入院 を した全 対象者 と した。
い に は 厳 密 な注 意 を払 っ て デ ー タ を収 集 し
た。
3)デ ー タ収集項 目
なお デ ー タ収 集 は、 原則 と して、1施 設 ご
医療 観察法病棟 の 診療 にお い て作 成 が 求 め
とに終 日
(9-17時
)、
作 業 員 2名 を予 定 し
られ て い る以下 の 各種 シー トに 記載 され て い
割 り当てた。 これ まで にデ ー タ収 集 を終 了 し
るデ ー タ
た は、 これ にか わ る情報 が 得 ら
た19施 設 の うち、1施 設 に 関 して は作 業 日 2
れ る もの )お よび 各病 院 に導 人 されて い る診
日を割 り当て、 4施 設 につ い ては作 業 員 1名
療支援 システ ム か ら患 者管理欄 で 閲覧で きる
で 実施 した。
(ま
デ ー タを 匿名化 して収 集 した。 各種 シー トは
以下 の 通 りであ る。
2012年 3月 時点 で19施 設 でのデ ー タ収 集 を
終 了 した。
-81-
(倫 理面へ の配慮 )
本研 究 は、 (独 )国 立精神・ 神経医療研 究
セ ンターの研究倫理審査委員会 の承認 を受け
実施 された。 また、デー タを提供する病院に
2-3年 )49名 (113%)、 1080-1439日
3-4年 )29名 (67%)、 1440-1799日
4-5年 )8名 (18%)、 1800-2160日
5-6年 )5名 (1296)で あった。
お いて も、必要 と判断される場合 は、病院 ま
(約
(約
(約
表 4に 、 国際疾 病分類 (ICD 10)│こ よる
たは自治体 に設置 された研究倫理審査 委員会
主たる診断別 の在院患者 の状況 を示す。FO:
の承 認 または、 (独 )国 立 精神
7名 (16%)、 Fl122名 〈
51%)、 F2:356
神経医療 IJl
究 セ ンターで委任 され実施 される研究倫理審
名 (820%)、
査の承認を得 て、調査 を実施 した。
名 (12%)、
デー タの収集 に際 しては上記 のよ うに個人
F3:20名
F7:6名
(46%)、
(14%)、
F6:5
F8:8名
(18%)で あ った。
表 5に 対 象行 為 別 の 状 況 を示 す。殺 人・
を同定 しうる情報は厳密 に削除 した上で収集
してい るほか、デー タを保存す る記憶 メデ イ
殺 人 未 遂 が151名 (348%)、
アについては 2重 に暗号化 を行 うなど、デー
タの取 り扱 い には最大限の配慮 を行って調査
(323%)、 放火・ 放火未遂が105名 (242%)、
強盗・強盗未遂が15名 (35%)、 強姦・強姦未
を実施 した。
遂・ 強制猥褻
傷 害 が140名
強制猥褻 未遂力20名 (46%)
であった。
C
表 6に ステー ジ別 の人数 を示す。急性期が
研究結果
26施 設 の うち19施 設 (延 べ 入 院件 数1,202
件分 )に ついてデー タを収集 した。
85名 (196%)、
会復帰期が111名
回復期が238名 (548%)、 社
(256%)で あ った。
本報告では、2011年 7月 15日 時点に各施設
表 7、 図 1に 、在院患 者 のステー ジ別、在
に入 院 して い た対象者434名 につ いて報告す
院期 間別 の患者構成 を示す。急性期 は、90日
る。
を境 に大 きく減少 してい る。一方、回復期 は
表 1に 在院息者の性別 を示す。2011年 7月
15日 時点 で、 男性343名
女性91名
(79096)、
(21創 り で あ った。
90日 を越 えると増加 し、180日 か ら359日 で最
も多 くなってい る。その後360日 か ら539日 で
約半数に減少 して い る。 また、社会復帰期 に
表 2に 在 院患者 の 年齢 階級別 の 状況 を示
つ い ては、360日 か ら539日 で大 き く増加 し、
す。20代 46名 (106%)、 30代 137名 〈
316%)、
540日 か ら1029日 までほぼ横 ば い となって い
40代 95名 (219%)、 50代 90名 (207%)、 60代
る。
47名 (108%)、 70代 以上 19名
(4物 )で あっ
た。
始か らの処 遇期 間 につ い て、群 別 に比 較 し
表 3に 入院処遇開始か らの在院期間別 の状
況 を示す。在 院期 間が、1-89日
以下)60名
表 8に 、在院患者 の基本属性 と入 院処遇開
(13897。
)、
90-179日
(約
(約
3ケ 月
3-6ヶ
た。その結 果、性別、年齢階級、対 象行為 い
ずれにつ い て も、t検 定 または分散分析 で有
意差はみ られなかった
(有 意水準 5%)。
月)51名 (118%)、 180-359日 (約 6ケ 月 ―
1年 )99名 (228%)、 360-539日
1年 一
D
考察
(約
1年
本報告では、2011年 7月 15日 時点 に各施設
(122%)、 720-1079日
(約
に入院 してお り、今年度デー タ収集 の終了 し
1年 半 )81D名 (184%)、 54tl-719日
半 -2年 )53名
(約
-82-
た19施 設 の 対 象 者 434名 に つ い て 報 告 して い
少 してい るが、在院期間 1年 半 を越 えた対象
る。 これ は2011年 6月 30日 時点 と して厚 生 労
者 も約 4分 の一存在す る。 これ らの対象につ
働 省 か ら公 表 され た在 院忠 者590名 と比 較 す
いて、今後 どの よ うに対応 してい くの か検 討
る と736%を カ バ ー して い る。 調 査 時 点 に 若
す る こ とが必 要 で ある と考 え られる。 また、
千 の ず れが あ る もの の、 男女比 や ステー ジ別
社会復帰期 については、在院期間 1年 か ら 3
の 書J合 に大 きな違 い は な く、 一 定 の代 表性 の
年 にかけて平均 して分布 しているのが特徴で
あ るサ ンプル とい え よ う。
ある。 これは、制度の 目標通 り人院後 1年 後
在 院患 者 の性 別で あ るが、 例年通 り男性 約
に社会復帰期に達 した として も、その後なか
8割 に対 し、女 tliが 約 2割 であ った。 年 齢 階
なか退院 まで結 びつ か な い ため と考 え られ
級 帰りで は、30千 tが 最 も多 く、40代 、50代 と続
る。一つ には人院地 と居住地予定地が離れて
い て い た。 主 診 断 別 で は、 F2が
8割 以 上 を
い ることが原因 と考え られるが、 各地 に病床
占 め て い た。 対 象 行 為 別 で は 殺 人・ 殺 人 未
が増えて きたことによ りどのよ うに変化する
遂、傷 害 が 3割 強、放 火
放 火 未遂 が 約 4分
か今後 も検 討 してい く必要があるだろ う。 ま
の一 を占めて い た。 これ らは これ までの 新規
た、並行 してこれ らの群に対 して、退院にど
入院対 象 者 の属性 の 推 移 と大 きな違 い は 見 ら
の ような課題があるのか、 もしくはどの よう
れ な い。 制 度 開始 か ら本年 まで 一定 の 対 象 に
に処遇 してい くのか を検討 して い くこ とが必
つ い て 安 定 して制 度運用 が行 われ て い る と考
要であ ろ う。
え られ る。
一 方 で、 入 院 処 遇 開 始 か らの 在 院 期 間 で
研究 2
は、おお よ そ の 日安 で あ る 1年 半 を越 える対
本研究では、医療観察法病棟入院処遇対象
3分 の 1に も上 って い る。 こ れ は
者 に関す るモニ タリングデー タを用 いて、処
11度 運用 の 当初 の 日標 とは大 き くか い 離 して
遇開始年度によって在院期間に違 いがあるか
い る と考 え られ る。 当初 の 予 定 よ り入 院病 床
を検 討す ることを 目的 とした。
象者 が、 約
の 整備 が 遅 れた こ とや 、指 定通 院医療 機 関 の
整備 の 遅 れ な ど も原 因 と考 え られ るため 、今
B
後整備 の 拡 充 に よ り在 院期 間 の 短縮 がみ られ
1)分 析デー タの概要 と分析対象 の選定
研究方法
るこ とも考 え られ るが、 現実 的 には 当初 の 目
本研究は、平成20年 度か ら22年 度 まで実施
標 につ い て、 どこが 想 定通 りの 数値 で、 どこ
されてきた医療観察法制度にお ける入院処遇
が想 定 通 りで な いの か 再 検討 し、 それ に基 づ
の対象者 に関するモニ タ リング研究 のデー タ
い た 目標 値 の 設 定 が必 要 であ る と思 われ る。
を許可を得て二次分析することによって行っ
在院期 間 とステ ー ジにつ い て 考慮 してみ る
た。
と、 急 性 期 に 関 して は、 90日 を境 に、 大 き
分析 に用 いたデー タベ ースは、平成20年 度
く減少 してお り、 当初 の 推 定 との 岨麟 は大 き
∼22年 度 まで実施 されて きたモ ニ タ リングリr
くな い と思 われ る。 た だ し、少 数例 で は あ る
究 (厚 生労働科学研究 費補助金障害者対策総
が 1年 以_L過 ぎて も急性 期 にあ る対象 者 もお
合研究事業「心神喪失者等 医療観察法制度に
り、検討が必要 で あ ろ う。回復期 に 関 しては、
お ける専 門的医療 の 向上 に関す る研究 J(研
在 院期 間約 半年 か ら 1年 を ピー ク と して、 減
究代表者 :古 川和男、 岡田幸之)で 収集 され
-83-
た もの であ る。 デ ー タ収 集方法 の 詳細 につ い
それぞれの時点で、観察終了時 までの在院
て は、 同報 告書 内「 指 定入 院医療 機 関 にお け
期間を生存変数 とし、退院 したか どうかをエ
るモ ニ タ リ ングに 関す る研 究 J(研 究分担 者
ン ドポイ ン トとし、 カプ ラ ン・マ イヤー法 に
:
菊池安希 子 )を 参照 された い。
よる分析 を行 った。 また LOg Rank検 定 に よ
本研 究 にお い て は、 調査 の協 力 が得 られた
り処遇開始時期 による違 い を検討 した。本研
14指 定入 院医療機 関か ら得 られた2005年 7月
究で は入院処遇 の終了を「退院」 の定義 とし
15日 か ら2009年
7月
15日 まで の 医療 観 察法 に
た。 また、在 院期 間 は、入院処遇継続期間と
よる入 院処 遇対 象 者 を対 象者 と設定 した。既
定義 し、その間転院した場合 は通算 の入院処遇
存 のモ ニ タ リ ング デ ー タで は、 病 院 ご とに入
期間を算出し、分析 した。
院 (な い しは転 入 院 )か ら退 院 (な い しは転
出院 )ま でのデ ー タが一 人の デ ー タと され て
分析 に は、SPSS fOr WllldOws ve■ 19を 使用
した。
い るため 、転 院 の あ る対 象者 に 関 して は複 数
回 デ ー タ ベ ー ス に 登 録 され て い る。 そ の た
(倫 理面へ の配慮)
め、複 数 の病 院 にわた って処遇 開始 日、性 別、
本研究 は、 (独 )国 立精神・ 神経医療研 究
対 象行為 が一 致 す る もの につ い て は転 院 ケ ー
セ ンターの研究倫理審査の承認 を受 け実施 さ
ス と してデ ー タの 結合 処理 を行 い 、 転 入 ・ 転
れたデ ー タベー スの二次分析である。 二次利
出 日につ い てはデー タか ら除外 した。
用 にあたっては適切 な許可を得 てお り、個人
そ の 結 果、 デ ー タベ ー ス に登 録 された延 べ
992事 例 中732事 例 を分 析対象 と した。
へ の連結不可能な匿名化 されたデー タベース
を用 い てマ ク ロ指標 を算出 してお り、倫理面
2)野漱 方法
での課題 は発生 しない。
入 院処 遇 開始期 間 に よって 対象者 を以下 の
C
4群 に郡 別 した。
20%年 群 :2005/7/16-2013/7/15に 入 院 処
遇 を 開始 した者
研究結果
表
9に 対 象 の 概 要 を示 す。2005年 群 は、
133名 中観察期 間中に退院 となった ものが69
20∞ 年 群 :2006/7/16-2007/7/15に 入 院 処
遇 を開始 した者
名、2∞6年 群 は172名 中69名 、2007年 群 は239
名中82名 、2008年 群 は188名 中47名 で あった。
2007年 群 :2007/7/16-211K18/7/15に 人 院 処
遇 を開始 した者
表10、 図 2に カプラン・ マ イヤー法 の生存
分析 による在院期間の推計 とその生存関数 プ
21X38年 群 12008/7/16-2009/7/15に 入 院 処
ロ ッ ト図を示す。2005年 群か ら2008年 群 まで、
遇 を開始 した者
年 々入院期 間 は長期化 してお り、グラフの傾
で あ る。
斜 が よ りゆる くなっている。LOg Rank検 定 で
そ れぞれ の群 の 観 察期 間は、以下 の 通 り と
した。
は、211115年 群 とその他 の 3群 との 間に有意差
がみ とめ られ るほか、211118年 群 も他 の 3群 と
2∞5年 群 :200シ 7/16-20"″ /15
の間に有意差がみ られた (表 11)。
21X3年 群 :2∝07/16-2008/7/15
D
20"年 群 :2007/7/16-2009/7/15
2008年 群 :2∞ 盤 ヽ16-2010/7/15
考察
入院処遇開始 日を基準 として 2年 間の観察
-84-
期 間 までの「 退院」 とい う事 象 の生 起 に 関
れ に よ り適 した治療 の在 り方 を模索 す る。
して生存分析 の方法論 を用 いて分析 を行った
ところ、2005年 群 は推計平均在院 日数が 1年
B
3ケ 月強で あったの に対 し、2Kll16年 群、2007
1)分 析 デ ー タの概 要 と分析 対象 の選定
年群は有意に増加 し、推 計平均在院 日数は 1
研 究方法
本 DF究 は、 研 究 2と 同様 に平成 20年 度 ∼22
年 半程度 に 達 して い る。 さ らに2008年 群 で
年度 まで実施 され て きた医療 観察法制 度 にお
は、それ までの 3群 よ りもさらに有意に増加
け る入 院処 遇 の 対象者 に 関す るモ ニ タ リ ン グ
し、推計平均在院 日数は約 1年 9ヶ 月になっ
研究 の デ ー タを、 許 可 を得 て 二 次分析 す る こ
てい る。
とに よって 行 う。既 存 デ ー タの概 要等 につ い
入院処遇対 象者 を年度ごとに区切 ったこの
て は先述 の とお りで あ る。
マ ク ロ分析 に よ り、入院期 間 の 長期 化が進
本 研 究 の 対 象 者 を選 定 す るた め、 既 存 の
んでいることが示 された。 この間入院処遇対
デ ー タベ ー ス に基 づ き以 下 の 手順 で 新 た な
象者 のプロフ ィールは安定構成であったこと
デ ー タベ ー ス を再 構 築 した。 (1)転 院 に よ
[3]を 考えると、入院処 遇期間の延長は制度
るデ ー タの 欠損 や重 複 を防 ぐため、入院 処遇
運用 の影響があると考 えられる。入院処遇期
開 始 日付 、 対 象 行 為 、 性 、 年 齢 で ケ ー ス を
間の 短期化 に向け ての政策が 出されたのは、
マ ッチ ン グ した。 その 結 果 こ れ らの 指標 が 同
この後 の期 │で あるため、 今後 も引 き続 き同
一 とされ た者 (転 院者 )に 関 して は、 退 院時
様 の手法で分析 を行 い、指定通院医療 機関の
の 共通評価 項 目の 得 点 を初 回入院時の デ ー タ
拡大や通院に関する診療報酬の強化、長期入
と結 合 し、 単 一 ケ ー スの デ ー タとなる よ うに
院者に対する診療報酬 の削減等 の取 り組みに
した。 (2)診 断、 対 象 行 為 、 年 齢 階級 に 関
よって何 らかの影響がみ られるか どうか、検
して は、 初 回入 院時点 でのデ ー タ を分析 に用
討 して い くことが求め られ るで あ ろ う。 ま
い た。 (3)入 院時 共 通 評 fll項 目得 点 が全 て
た、 おり
度 の入 り国となる入院処遇対象者 の よ
0点 または 欠損値が存 在 したの ケ ー ス や退 院
り詳細 な状況の変化や、 申 し立ての運用状況
前共 通評価項 目得点 に欠 損 の あ るケ ー ス は対
につ いて も変化が見 られないかモニ タ リング
象 か ら除 外 した。以上 の 手続 きを経 て、 指定
を行ってい くことが必要 であろう。
入院 医療 機 関へ の 直接 の入 院 してお り、か つ
F・
2010年 7月 15日 時点 まで に退 院 (転 出 は含 ま
研究 3
な い )し た対象者 154名 を分析 対象 と した。
医療観察法指定入院医療機 関 にお ける処遇
2)分 析 方法
対象者を、入院か ら退院 までの症状変化 のパ
人 院時 と退 院時 の 共通評価 項 目の 得 点 に よ
ター ンに基づいてグループ分け し、それぞれ
り、 クラス ター 分析 を行 った。 そ の 結 果 の解
の特徴 を明 らかにする ことを目的 とする。症
釈 可 能性 に 基 づ き、 対 象 者 を4ク ラス ター に
状変化のパ ター ンの把握には共通評価項 目を
分類 した。 各 クラス ター につ い て、 共 通評価
用 い、 クラスター分析 を行 って解釈可能なク
項 目の 得 点 の 平均値 を算 出 し、 特徴 を明 らか
ラスター に分類 し、比 較 を行った。 この分析
に した。
を通 じて医療観察法指定入院医療機関におけ
る対 象者 の処遇経過の特徴 を整理 し、それ ぞ
-85-
分 析 に は、 SPSS fOr Windo“
した。
vc■
19を 使 用
C
D
結果
考察
4ク ラ ス ター につ い て、全 共通評価 項 目の
全体的なクラス ター分析か ら、 4群 を抽出
得 点 の 平 均 値 を算 出 した。 結 果 を表 12に 示
してそ の特徴 を検 討 した。 い くつ かの治療
す。
反応性 のパ ター ンが示唆 され、特 に薬物乱用
クラス ター 1群 は、最初 の 症状 は全般 的 に
項 目にお いて は、 治療経過 と して 一つのパ
やや 高 い が、退 院時 に は比 較 的全般 的 な症状
ター ンとして分類 される高 い可能性が示唆 さ
の 改善が み られ る群 で あ る。入 院時 の 共通評
れた。 また、非社会性の課題 を持 つ群にお い
価 項 目合 計得 点平均 と、 退 院時 の 共通評価 項
て も治療反応性 に課題 を抱 えやす い グルー プ
目合計得 点平均 の 差 が最 も大 きい のが この 第
が存在す る可 能性 が示唆 された。 これ らの特
1群 で あ った。
徴 に合わせて どのよ うな治療が実際に行われ
クラス ター 3群 もクラ ス ター 1群 と同様 の
有効 であ ったか、 またはなかったかを検討す
3群 は ク ラ
ることが必要であると考えられ る。本研究で
ス ター 1群 と比 べ て入 院時お よび 退 院時 の 合
は、
「退院」 を入院処遇 の終了 として検討 し
計得 点 はやや 低 い 。 い っぼ うで 物 質乱用 の得
たが、 これ らが通 院処遇へ の移行なのか、処
点 は入 院時 に ク ラス ター 1群 よ り高 い。 した
遇終了、死亡退院なのか、抗告や本人の 申 し
が つて ク ラス ター 1群 とクラス ター 3群 の 違
立てによる退院なのかなどに分けて検討する
い は、 3群 の 方 が症状 は全 体 的 に マ イ ル ドで
ことが必要であろ う。今回の分析 は例数が限
あ るが、 物 質乱用 に 関連 す る課題 を抱 えて い
られた分析 で あるため男女 を合わせて 4群 に
る ことが 多 い、 とい えるだ ろ う。
分類 した ものの、 うち一群は 8名 しかいない
傾 向 が み られ た が、 ク ラ ス タ ー
クラス ター 2群 とクラス ター 4群 で は どち
等 のため よ り詳細 な検討 を重ねることが難 し
ら も退 院 時 の 改 善 度 が 比 較 的低 くな っ て お
かった。今後 は、症例数を増加するとともに、
り、 一 定 の症 状 が 残 存 した ま ま退 院 して い
男女別で クラスター分析 を行 う等工 夫 を重ね
る。 しか し、 ク ラス ター 2群 で は、 退 院時 の
て、 よ り指定人院医療機関の実態 を反映する
共 通評価 項 目にお い て「 非社 会性」 と「 対 人
ような分析を重ねてい く必要があるだろ う。
暴 力」 の 改 善 が 顕著 に あ らわれてお り、 ここ
に介 入効 果 をみ とめ て退 院処 遇 に至 った と考
え られ る。 一 方、クラス ター 4群 は 、入 院時、
E
結論
研究 1で は、本年度、収集で きたデー タに
退 院時 と もに精神 病症 状 、 内省 洞察 、 衝動 コ
ついて報告 した。2011年 7月 15日 時点 で開棟
ン トロー ル、物 質乱用 、 治療
ケ アの継続性
していた指定入院医療機関26施 設 の うち19施
の 問題 が あ る群 であ る。 とはい え退 院時 に は
設についてデー タの収集を行 った。入院件数
「 対 人暴 力 」得 点 は 低 下 して い る。 全 般 的 に
としては延べ1,202件 分、2011年 7月 15日 時点
課題 を抱 えた ままで あ るが、 対 人暴 力 には 改
の入院対 象者434名 につい て分析 した。在 院
善 がみ られ たので、 退 院 となてた と考 え られ
者 の基本属性 は、 これ までの報告 と割合 に大
る。 クラス ター 4群 は、 転 院 な い しは指 定通
きな変化はな く、制度の運用対象 については
院医療 へ の 引 き継 ぎの 際 に、 よ り丁寧 な フ ォ
一定 の安定性 を保って い ると考 えられた。一
ロー ア ップが 必要 な群 とい えるだろ う。
方で、在院期 間については長期にわたる事例
が存在 し、各事例 を検討す ることによ りその
-86-
G
1
2
3
知的財産権の出願 登録状況
月 15日 以降 に処 遇 開始 とな った 対 象者 の 在 院
H
り1用 文献
期 間 の 長期化 が見 られ て い る。 これ 以 降在 院
1)武 井満、赤 田卓志朗、芦 名孝一
課題 を明 らか に して い くこ と、 在 院期 間 の 目
標値 の 再検討 が必 要 で あ る。
研 究 2で は、 処遇 開始時期 に よ り在 院期 間
が長 期 化 して い るか を検 討 した。 そ の 結 果、
特許取得
なし
実用新案登録
その他
なし
なし
年 々 在 院期 間 は増加 してお り、特 に2008年 7
:群 馬県
期 間 の 短縮 に 向 けて い くつ か の 施 策が実施 さ
と全 国における医療観察法対象者 の予測値
れてお り今後 もモ ニ タリ ング して い く必要 が
に関す る研究 厚生 グ働科学研究 費補助全
あ る。
6は ξ者対 策総合研究 事業)「医療観察法 に
研 究 3で は 、退 院 に至 る対象 者 の処 遇 の 経
お′
ナる医療 の質 の′
々上 ′
叩 鍔 %誘究 ゝ 平成
過 の 分 類 を 行 った。 そ の 結 果、 全 体 的 に 課
2,乍 』ぎメ
傘み
子・プ,lξ ttrf争 信
肇,2011,PP 185-203
2)西 村大樹 :入 院対 象者 の社会復帰 に関す
題 の 改 善が 見 られ る群、 改 善傾 向が 見 られ る
:1)指 定入院医療 機関にお ける地
が、物 質乱用 に課題 の あ る群、 全 体 的 な改善
る研究
度 は劣 る もの の 非社 会性 と対 人暴 力 の 課題 に
域移行 にい たるまでの期 間お よび長期化要
改 善 が 見 られ た 群、全 体 的 に課題 をか か えた
因 の検討
ままで あ る もの の 対 人暴 力 に改 善が 見 られて
事首対 策総 合研究 事鶏
退院 に至 る群 に分類 で きた。
ける医療 の質狂
j手 ・
こ
』
盆
る
ξ添
″
犯 ≠
今 後 も入 院状 況 の 変化 をモ ニ タ リ ン グ して
1享生 ガ /」舛
学研究 費補助会 循
医療 ″察″にお
「
に する研究 ゝ 平成″
“
,2011,pp 70-95
い くとともに、 在 院が 長期 とな って い る対象
3)菊 池安希 子、八木深、安藤久美子、佐野
者 へ の 治療提 供 の 在 り方や、 それ に対 す る制
雅隆、 平林 直次、 岡 田幸 之 ;指 定 入院 医
度運 用 の 在 り方 を検 討 して い くこ とが 必 要 で
療機 関 にお ける モ ニ タ リングに 関す る研
あ る。
究 厚生 ″ ″″ 学研 究 費 補助 全 績 書者ヽ
F
1
`Fl肇
策総 合銚究 事業 )7‐ 7ど 、
″ 聾 失 者 争医 療 観察
研 究発表
7_/7ty/F /_お
論文発表
″笏
菊池安 希 子、長沼 洋 一 、安 藤 久美子 、 岡 田幸
ける専 ,■鶴医療 の″ 上
/_‐
平成 2年度 総 ″ ・ 分〃報 繕
κ する
,2011,
pp 7-19
之 :医 療 観 察 法 の 運 用 状 況 SchizOphrcnia
FrOnticr 12(3),17-22,2011
2
謝
学 会発表
辞
本研 究 の 実 施 にあた って は、 全 国 の 指定 入
菊池安 希 子 :医 療 観察 法指 定 入院 医療 機 関 に
院医療機 関 のみ な さまに多大 なる ご厚 意 とご
お け るモ ニ タ リ ン グ に 関す る研 究 第 7回
支援 ・ ご協 力 を い ただ きま した。厚 く御 礼 申
日本 司法精神 医学 会大会 ,岡 山 ,201164
長沼洋 一、菊池 安希子 、安藤 久美子 、 岡田幸
之 :第 31回 日本社 会精 神 医学 会大 会 ,東 京
,
2012316
-87-
し_LIデ まう。
表
1 2011年 7月
15日 時点 の在院者の性別
カバー率
厚労省報告
(2011年 6月 30日
度数
男性
343
79 0
464
78 6
73 9
女性
91
210
126
21 4
72 2
100 0
73 6
100 0
表2
(%)
)
2011年
7月 15日 時点の在院 者 の 年齢階級
20代
46
106
301t
137
31 6
40代
95
219
50代
90
20 7
60代
47
108
70代 以 上
19
44
llll1 0
表3
2011年
7月 15日 時点の在 院者の入院処遇開始か らの在院期間
度数
1-89日 (約 3ヶ 月以下 )
60
138
90179日
3-6ヶ 月 )
51
118
180-359日 (約 6ヶ 月 1年 )
99
22 8
11年 6ヶ 月 )
80
1年 6ヶ 月-2年 )
53
720-1079日 (約 2-3年 )
49
36併539日 (約
(約
3-4年 )
29
1440-1799日 (4-5年 )
8
184
122
113
67
18
18002160日 (56年 )
5
1 2
540-719日 (約
1080-1439日
(約
100 0
計
-88-
表4
2011年
7月 15日 時点の在院者の主診断
ICD-10
F0
7
1 6
Fl
22
51
F2
356
82 0
F3
20
F4
3
46
07
F6
5
F7
6
F8
8
12
14
18
その他
7
1 6
100 0
計
注 :そ の 他 は調査 時点で、診断未確定
表5
2011年
7月 15日 時点の在院者の主 な対象行為
対象行為
度数
殺人
151
34 8
傷害
140
32 3
nv
放火
強姦 ・ 強制 猥 褻
20
強盗
15
不明
3
24 2
46
35
07
100 0
計
1:不 明は欠損値
注 2:対 象行為は、未遂 を含 む
注
表6
2011年
7月 15日 時点の在院者のステー ジ
厚 労 省報 告
度数
434
54 8
4
5
計
196
25 6
100 0
-89-
カバ ー 率
(%)
)
1
1
社会復帰期
月 30日
%
5
2
1
1
1
回復期
5 8
8 3
2
急性期
(2011 年 6
212
68 0
52 7
76 5
26 1
72 1
100 0
73 6
表7
2011年 7月 15日 時点の在院者のステー ジと入院処遇開始か らの期間
2011年 7月 15日 時点 のステー ジ
急性期
入院処 遇期 間
(名
社会復帰期
1-89日
59
90-179日
14
18∈ 359日
合計
0
60
37
0
51
8
87
4
99
36)539日
1
51
28
80
540-719日
1
22
30
53
7201079日
1
19
29
49
108卜 1439日
0
14
15
29
1440-1799 日
0
4
4
8
1800-2160日
1
3
1
5
1
)
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
ががい(≪ご≫ヽパざ》ゞ
在院期清
図
1
在院者 のス テー ジ と入院処 遇開 始か らの期間 (2011年
(
-90-―
7
月 15日 時点 )
表8
入院処遇 期間 と属性
平均在院期間
(日
)
標準偏差
(日
)
男
491 4
4111
91
401 3
337 8
20代
46
433 4
4189
30代
137
500 3
427 2
40代
95
456 8
363 0
50代
90
470 3
370 7
60代
47
461 7
372 9
70代 以 上
19
472 5
5127
殺人 ・ 殺人未遂
151
478 3
4175
傷害
140
5196
391 1
放火 ・ 放火未遂
105
445 3
393 4
強盗 ・ 強盗未遂
15
3185
335 1
20
426 5
337 6
女
343
対象行 為
強姦未遂・ 強制 猥
装 ・ 強制猥褻未 遂
注 :す べ て有意差 な し
-91-
表9
対象者の概要
入院処遇開始年
観察期間 中の退 院者数
対象者数
度
20054「 君
羊
133
69 (51 996)
2006年 群
172
69 (40 196)
2007年 群
239
82 (34 396)
20084「 君
羊
188
47 (25 096)
注 :2005年 群 :2005/7/16-21X16/7/15に 入院処遇 を開始 した者
2006年 群 :2006/7/16-2007/7/15に 入院処遇 を開始 した者
2007年 群 :2007/7/16-2∞ 8/7/15に 入院処遇 を開始 した者
2008年 群 :2008/7/162009/7/15に 入院処遇 を開始 した者
表 10カ プラン・ マ イヤー法による在院 日数の推計平均値および中央値
平均値
中央値
)
95%信 頼区間
入院処遇
開始年度
(日
推定値
標準誤差
2005娑 F君 革
462 6
20064F君 羊
上限
16 6
430 1
495 0
463 0
561 1
15 6
530 5
591 7
20074F君 羊
574 4
13 3
548 3
600 5
20084「 君
羊
625 7
13 7
598 9
652 5
5700
78
5547
5854
下限
上限
37 9
388 6
537 4
603 0
37 2
530 1
675 9
653 0
18 3
617 2
688 8
推定値
6620
注 :2005年 群 :2005/7/16-2006/7/15に 入院処遇を開始 した者
2006年 群 :2006/7/16-2007/7/15に 入院処遇を開始 した者
2KX17年 群 :2007/7/162003/7/15に 入院処遇 を開始 した者
2008年 群 :2008/7/16-2009/7/15に 入院処遇を開始 した者
-92-
)
95%信 頼 区間
下限
すべて
(日
標準誤差
293
6045
7195
表 11 生 存分析 におけるLog Rank検 定結果
入院処遇 開始年
2005年 群
χ
2005年 群
2
2006年 群
χ
2
20074「 君
羊
2
χ
10 6
001
χ
2
20 7
000
41 5
000
1 1
299
12 3
000
7 6
006
2006年 群
20074「 君
羊
祗
2008生 署
羊
「
注 :2005年 群 :2005/7/16-2006/7/15に 入院処遇 を開始 した者
2006年 群 :2006/7/16-2007/7/15に 入院処遇を開始 した者
2007年 群 :2007/7/16-2008/7/15に 入院処遇 を開始 した者
2008年 群 :2003/7/16-2009/7/15に 入院処遇 を開始 した者
200SI●
:摯
年躊
X2005・ 打ち切られた
1 2006‐ 打ち切 られた
O m07_打 ち切られた
累積生存率 ︵
在院率︶
02008‐ 打ち切 られた
400
生 存 日数
図2
入院処遇開始 時期別の生存曲線
―
-93-
600
(日
)
卜 〇 ∞ 〇
卜 〇 〇 一
Ю O ∞ 一
0 0
∞ 0
∞ 〇 一
一
〇 〇 卜 〇
Φ O 卜 〇
卜 O 倒 一
0 一
〇 一
卜 〇 一
一
り 0 い 一
呻 〇 卜 一
卜 〇
せ 〇
マ 〇 〇 一
O O い 一
一 〇 〇 〇
一 〇 0 一
寸ゆ一
い 0 ∞ O 〇 一 O O ∞ や 0 一
0 0 〇 一 一 一
0
い 0 ∞ 一 〇 一
〇 〇 〇︶ ∞ 0 一
⇔ O O ∞ 一
0∞ 費ゴ麟弓ヽ一
仏
寸い一
” 0 一 一 O o 一 一 ∞ い 0 マ o ヽ 一 o 一 一
0 ■ 一 ∞ 一 ■ 一 ∞ 一 Φ寸 ﹃ o ﹃ o ∞ o ﹃ 一 の∞ 緊 Ⅸ 〓 ≪ 理
せい一
卜 〇 ∞ 一
い 0 ゆ 一
∞ い 0 ∞ 0 0 0 ∞ 一
︸
0
い 〇
一
一
Φ O い 一
0せ め O ∞
〇 〇 〇 〇 一
い=
〇∞
一P駆¨ヽ﹁
HH¨″¨
=
ヾり一
ゆ 〇 ∞ 一
一 〇 0 一
∞ 寸 〇 〇 一
り 〇 〇 一
一
Φ Ю 0 〇 一
寸 O ∞ 一
0寸 一 〇 ∞ 一
0 一 卜 一
Φ∞ マ■0工 ν
ヘ
ヽい一
い 0 0 ︸ り O O ︺ ∞ 一 0 ∞ O 卜 一 一 0 一
∞ Ю O N O 寺 〇 倒 0 0ヾ い 〇 ∝ 〇 一 〇 ﹃ O O∞
眸﹁︼L踵﹄ヾ
一い一
〇 〇 〇 劇 〇 〇 〇 銀
∞ 卜 〇 卜 〇 い 0 〇 一
一
O 〇 一 0 一
∞ O 〇 一
0一 卜 〇 一
一
∝ 〇 〇 一
〇∞ □
剛+口一
恥醸
い
也W
一ゆ︸
り O 〇 一
い O ∞ 一
∞ O 〇 一 〇 〇 〇 倒 一
一
〇 〇 一 一
一
い 〇 〇 一
〇一 〇 〇 〇 0 ゆ 〇 卜 一
ハトヽ
い・
ヽ
ハ一
0∞ κ
ヽい一
ゆ 〇 一 一
一 〇 一
一
∞ い O 崎 〇 一 〇 ∞ 〇 一
0 い 〇 〇 〇 ヾ 〇 〇 一
0ヽ い 〇 卜 〇 一 〇 0 0 0∞ 盤鳴R黙
﹂躊範ボ
マЮ一
寸 0 〇 一
卜 〇 ∞ 一
∞ Φ O ∞ 0 い 〇 〇 一
一
∞ り 〇 卜 一
∞ 0 〇 一
0ヽ い 〇 〇 一
一 〇 〇 一
卜
0∞ ヨ一
艘
ギ却奮O︶
ヽ盤喩“︵
-94-―
〇 い 0 ∞一
N 寸 O ゛N ヽい一
N ∞ 寸 一] 一 ∞ 一 一倒 ∞ 卜 ∞ ∞ ∞ ︶ せ 製 0一
一
〇 卜 ∞
一
∞一
卜 倒 崎 ”” Φ寸 卜 倒 管 一一 守 倒 0 一N O∞ “壼肛一而r製
ゆ 〇 銀 〇
マЮ一
Ю
O ∞ 一
〇 〇 〇 N ∞ 0 0 ヽ O O O O 〇 一
Φ ∞ 0 銀 一
卜
0 〇 一
0ヽ O O い Φ 卜
0 〇 一
ハロニn歯響
〇∞ ハヽ1■ロエヽ
寸ゆ一
い 〇 〇 一
い 〇 ∞ 一
∞ い 〇 銀 0 ∞ O Ю O 一
0 一 一 ∞ 0 ∞ O 卜 O 〇一 め 〇 劇 0 〇 一 ∞ 0 0∞ “一
“
い﹁一
工
ヽ
〇 一 ∞ 一
ヽい一
〇 一 〇 ﹃ O 〇 一 倒 ∞ 0 0 卜 〇 卜 0 マ 一
一
0 卜 〇 ∽ 一
∞ 〇 い 一
0寸 い O 〇 一
一 〇 〇 一
0∞ や0鰐〓震市﹁
O O 卜 O
卜 O 卜 〇
卜 〇 り 一
ヽい一 マ o ∞ 一 一 o O 一 ∞ f O ︶ 0 マ o り 一 一
0 マ o い 一 ヽ o 卜 一 0一 ■ o o 一 マ 0 卜 一 0∞ 檬 瞑 抑 ‘
〇 〇 ∞ 〇
卜
〇 〇 一
ゆ 〇 〇 一
ヽい一
一 一 一
〇 寸 〇 一
〇 ∞ ∞ 一 一
〇 〇 〇 ヽ 〇 一
〇
一 〇 倒 0 0 0 ∞
O りヽ∞ 〇 一
〇 〇 〇 り 〇 〇∞
臼中d雙経=迎
マい一
∞ O 〇 一
O 〇 一
一
∞ い 〇 い 0 ゆ 0 ∞ 〇 一
Φ
O 〇 一
一
〇 〇 0 一
0寸 O O 卜 0 〇 一 ヽ 一
熙ψヽ
0∞ ヨ一
“
い O 〇 一
卜 一 寸 〇
寸哺一
マ 一 ∞ 一 一 o o● ∞ 卜 〇 ? o ヽ o o 一 一
0 マ o ∽ 一 マ o ∞ 一 Φ寸 ? o 一 一 ” O o 一 o∞ ≦ 爛 翠 螺 彙 算株
O O 〇 一
ヽ 0 一
〇
崎 〇 卜 一
ヾい一
卜 〇 〇 ︶
一 〇 0 一
∞ 卜 〇 崎 0 卜 一 ゆ 一
一
Φ ∞ O ∞ 一
〇 〇 卜 一
0一 〇 〇 〇 〇 ﹃ O O 銀 0∞ 黎︸
善
川
螺曖紫
一“十
〇 〇 卜 〇
卜 〇 倒 一
〇 0 い 一
コ絆モ嘔 田雷 尊結錮 氷 e撮 盤颯 ・歯 遅 く 製ぐ 里 晨︱ もК い ヽ 密 猟
期
劃
調
ヨ
謝
調
劃
劃
劇 司︱I
=劇J﹁州劇﹁﹁︱
︱J 測 劇 J ﹁ N dll
lコ 測 図 J Ч N N︱︲
︱劃 測 劇 ∃ 料 N
一 ∽ C ∞ o〓 一 ∽ 三 一0 〓 〓 ︹ ∽ C 一 0〓 一 ∽ C S O 〓 Z 一 ∽ E C O〓 一 ∽ C ● 0 〓 〓 一 ∽ ⊆ o ● 〓 一 ∽ r ● o〓 2
∞ 0 の 0
一 ∽ ECO
〓 一 ∽ E00
〓
古盤 颯 世盤 く
市