中国人が使う中国語 Ⅰ 北京留学(1998 年 9 月∼1999 年 7 月) 三 買い物 5 デパートにて 留学当時、北京の百貨店というとほとんどが国営やった。その入り口には、必ずゴム製の透明な暖簾がかかっ てて、私はそれがどうも気に入らんかった。最近のきれいな百貨店(上海市内とか北京の外資系百貨店など)に は見られへんようになったけどな。 暖簾を掛ける理由は、私の推測では、外は砂埃、埃、ゴミがいっぱい、それが店内に入らんようにしてるんや と思う。確かに北京やったら、黄砂の季節はすごい砂嵐。五月頃になると、今度は柳樹の綿帽子が街中に溢れか えって、ふわふわ浮いてる。もし、暖簾がなかったら、それらが店内に入って大変なことになると思う。 でも、私はいつも、そのゴム製の暖簾を外してほしいと思ってた。その訳は、まず不衛生やと思う。デパート に入る人全員が暖簾を触るわけやから、暖簾は汚なくなってるやろう。でも、その暖簾を押しのけんとデパート には入って行かれへん。次に、前の人が入って行った後に続いて入る時、その重いゴム製の暖簾が落ちてきて、 顔にバッシーンと当たりそうになる。バッシーンと当たりかける重い暖簾を、自分の顔や体に当たらんように受 け止めなあかん。これはちょっと不便や。 その他に、初めの頃戸惑ったことがある。それは、代金の払い方。中国のデパートでは、代金の払い方が日本 と違う。気に入った物を買うと決めたら、店員「售货员(shou4 huo4 yuan2)」に買うことを伝える。すると、小 姐(xiao3 jie3)は三枚一綴りになった受取書「收据(shou1 ju4)」を発行する(これを「发票(fa1 piao4)」=領収書 と呼ぶ人もおるけど、会社とかの精算には使われへんから、「收据(shou1 ju4)」と呼ぶ方がいいと思う) 。それを 持って別の場所にあるレジ「收银台(shou1 yin2 tai2)」に行って、そこでお金を払う。收银台(shou1 yin2 tai2) の小姐(xiao3 jie3)はお金を受け取ると、その收据(shou1 ju4)一枚一枚にバン、バン、バンとハンコを押して、一 枚引き抜き、残り二枚を返してくれる。その返してもらった二枚を持って元のお店に戻り、小姐に收据(shou1 ju4) を渡すと、商品と本人控えの收据(shou1 ju4)一枚を返してくれる。 中国のデパートに行って注意すること。 その一。收银台(shou1 yin2 tai2)でよく小姐(xiao3 jie3)に聞かれることがある。 「有没有零钱?(you3 mei2 you3 ling2 qian2)」 細かいお金ない? これはデパートに限らず、どこでもよく聞かれるフレーズ。細かいお金がきれて、おつりが渡せなくなるから、 中国では小銭をいつも持ち歩いていた方がいい。 その二。デパートで「还价(huan2 jia4)」(値切り交渉)はしないこと。 その三。服や靴などを買う時は、必ず試着すること。そして、品質の良し悪しを確認すること。 特に縫い目など細かいところをチェックする。デパートといえど、品質に絶対的なものはない。 「能不能试穿?(neng2 bu neng2 shi4 chuan1)」 試着してもいい? 試着はもちろんせなあかんで。
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