強めのダメージ表現でコトブキヤ 『アルドノア・ゼロ』スレイプニールを完成

強めのダメージ表現でコトブキヤ
『アルドノア・ゼロ』スレイプニールを完成させる!!
アルドノア・ゼロ
今年 3 月まで放送されていたオリジナルロボットアニメ『アルド
ノア・ゼロ』に登場する主人公・界塚伊奈帆が駆るカタフラフト「ス
レイプニール」は、設定上“練習機”にも関わらず伊奈帆の能力の
兼ね合いもあって躍進。スレイプニールに比べて圧倒的にハイス
ペックな火星カタフラフトを、次々と倒していく様が印象的で、こ
の機体が好きな人も多いのではないだろうか。
ここではそんなスレイプニールの作例を紹介しよう。使用したコ
トブキヤ製プラキットは設定画を基にこだわりぬいて開発されス
タイリングも良く、ハイディテール仕様。なので、今回の作例では
際立った加工は行なわず、この作品の機体の特徴でもあるダメー
ジ仕上げに注力。製作手順も作例とともに掲載するので、2016
年 1 月に再販された際には、ぜひとも挑戦してみてほしい。
KOTOBUKIYA NON scale plastic kit
KG-6 SLEIPNIR
modeled by Mitsu. NAGATA
KG-6 スレイプニール
●発売元/コトブキヤ ● 7344 円、2016
年 1 月再販予定●約 17.5cm ●プラキット
168
P168-171_ALDMOAH.ZERO.indd 168-169
©Olympus Knights / Aniplex・Project AZ
169
15/11/19 10:41
今回ダメージ表現の方法として使ったのはシリコーンバリアー剥がし。シリコーンバリアーを下地の上に塗って、上塗り塗料の食いつきを悪くし、部
分的に上塗り塗料をはがして下地を露出させていく手法だ。この手法のいいところは実際に塗料を剥がすところ。いわゆる“ハゲチョロ”表現はラン
ダムにやっているつもりが結構パターン化しがち。シリコーンバリアーで剥がすと剥がれ方もランダムなのでパターン化しづらい。ハゲチョロ自体、
塗料の剥がれ・擦れを表現する手法なのでなので、実際に剥がして擦ったほうがリアルに近づけられる。
▲▶頭部は合わせ目を消した以外はキットのまま。色分けと
エッジを際立たせることでグッと完成度が増す。センサー部分
にはラピーテープを使ってアクセントとした
◀▶股間軸を下に
移動させるギミック
で広い可動範囲を
実現。脚部の大型翼
の変形ギミックとと
もにさまざまなポー
ジングが楽しめる
▲サフ後シルバーを塗装して 1 回目の下地作り。
▼マガジンの内部も細
かく色分けを表現した
▲ GSI クレオスのシリコーンバリアーを筆で薄く塗り伸ばしてい ▲その上から濃い目のグレーで下地 2 回目。スジ彫りや細かいディ ▲本体カラーのオレンジを塗装
きます
テールを埋めないように注意します。この時点でもう一度シリコー
ンバリアーを薄く塗る
▶付属の75ミリマシンガン、グレネー
ドランチャー、75ミリハンドガン、格
闘用ナイフはキットのまま。センサー
部分にはラピーテープを貼った。接触
が多そうな部分を強めに汚している
▲ 240 〜 400 番のヤスリとデザインナイフを使って 2 層の下地 ▲素組みとの比較。これだけダメージ表現が似合うメカも多くないので、ぜひ挑戦してほしい
を活かして強弱をつかながら塗装を剥がしていきます。翼面はホ
バー状態の下部に当たる部分(画像上)を派手目に剥がしてます
コトブキヤ ノンスケール プラスチックキット
KG-6 スレイプニール
面や地面に近い脚部やホバー時の翼面下を中心に
剥がして全体のバランスを見て作業します。次にエナ
■塗装
メル塗料の濃い目のオリーブドラブでスミ入れを兼ね
■製作
今回はシリコーンバリアーを使って劇中でも表現さ
てウォッシング。綿棒で余分な部分を拭き取って必要
キットはとても完成度が高いので特に大掛かりな工
れていた塗装剥げや汚れを再現しています。下地をシ
箇所にドライブラシを施し最後にトップコートでツヤを
作はしていませんが、合わせ目の処理段階で強度優
ルバー→ダークグレー→シリコーンバリアー→オレンジ
整えてます。
先で後ハメが難しいフレームパーツを組み込んだ状態
の順に塗装していきます。白のラインはチッピング表
オレンジ=オレンジ+ブラウン+クールホワイト+ウイノー
で塗装したりなど少し工夫と工作手順の判断が必要
現されたデカールが付属してますが、作例ではテスト
ブラック
です。特に頭部のフェイスパーツ・太モモの股関節お
ショットでデカールがなかったため筆塗りで再現してま
白=クールホワイト+ネービーブルー
黒=ウイノーブラック+ 色ノ源シアン+ 色ノ源マゼンタ
Mitsu. 永田
P168-171_ALDMOAH.ZERO.indd 170-171
地を出していきます。実際剥がれやすそうな装甲干渉
黒いパーツをプラ板で幅増ししてボリュームを与えて
ます。
製作・文/
170
効果ありです。シルエットの調整では二の腕と前腕の
よびインテーク・ヒザ関節・ウイングユニットの可動パー
す。処理後のマスキングができないので塗り分けが必
ツがそれにあたります。全体の処理ではヒケをチェック
要なグレー部分は先に塗装しておきマスキングしてお
+ホワイト
しながらの面出しと各部のエッジ出しをシッカリ行なう
きます。この段階で240 〜 400 番のペーパーヤスリ
内部グレー=Mr.サーフェイサー1200+ 色ノ源シアン
ことで硬質感やスケール感がグッとアップします。また、
や 500 番のスポンジヤスリ、デザインナイフ等で強弱
+ 色ノ源マゼンタ+ウイノーブラック
パネルライン等の彫り込みが甘い部分の彫り直しも
をつけて擦ったりけがいたりすることで塗装を剥がし下
弾倉グレー=グレー74+ホワイト
171
15/11/19 10:42