光学に対する関心の巾: 「素粒子宇宙物理研究のための実験観測技術

「素粒子宇宙物理研究のための実験観測技術入門」
(ものづくり講義)
光学に対する関心の巾:
① 知る ② 使う ③ 研究
(工夫/発展)する レポート課題:
γ線から電波、素粒子、重力波にわたる広い波長域で、宇宙や天体の研究が行われている。
いづれかの波長域における『空間分解能』について調べて、A4用紙2枚に簡潔に記述しなさい※。
例:電波(→A研)、赤外(→Uir) 可視(→宇宙理論)、紫外(→Ω)、X線(→Ux)、γ線(→素粒子)
※是非 『理科系の作文技術』(木下是雄著:中公新書) を参考にすること
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OPTICS 光学 Eugene Hecht
I. 基礎と幾何光学 II. 波動光学
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『OPTICS』 E. Hecht 尾崎・朝倉訳 『光学』 丸善 I. 基礎と幾何光学 II. 波動光学
1 簡単な歴史
7 波動の重ね合せ
2 波動
8 偏光
3 電磁波、光子、光
9 干渉
4 光の伝搬
10 回折
5 幾何光学 I
6 幾何光学 II
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1)幾何光学=>光線
2)波動光学 17世紀
1)屈折と反射の法則
スネルの法則 n
19世紀前半 光波
ヤングの複スリット実験(干渉)
フラウンホーファー n λ
フレネルの波動論
19世紀後半 電磁波
※ホイヘンスの原理(素元波)
※フェルマーの原理(最短時間)
※偏光(ホイヘンス)
※回折(グリマルディ)
※ニュートン・リング
3)量子光学:光子 15.5.28
光速度の測定 マックスウェルの方程式(電磁波)
ヘルツの屈折、反射、回折、偏光 実験 4)量子光学:量子
20世紀前半:hν
20世紀後半 状態 Φ
スペクトル系列(バルマー)
黒体放射(プランク)
光電効果(アインシュタイン)
半導体
“状態”のパラドックス
波束の収縮
量子もつれ
情報理論 量子コンピュータ/暗号
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光学 == 収差論 (結像)
分光器(スペクトル)
検出器
情報 幾何光学 波動光学(物理光学) 量子光学(光子) 15.5.28
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大気の窓
電磁波:γ–X-紫外-可視光-赤外-電波 素粒子:ν 重力波 ν
E
気球
λ
飛行機
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λ
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望遠鏡
センサー 物理素過程
望遠鏡⇒センサー
位置/角度
スペクトル
分解能
分解能
すばる
Keck I+II
VLT -I
Si-CCD 反射(N/Cs/Nm)+屈折
Al面(蒸着/スパッタ)
大気乱れ ~1”
Adaptive⇒λ/D
干渉計 ⇒λ/L
FUSE
GALEX
Si-CCD (斜め入射)反射
光学系
あかり
Spitzer
Herschel 半導体
ボロメータ
反射
電波
ALMA
Arecibo
SIS - X:Y
Al 生地/ペイント
X線
Chandra
すざく
Si-CCD
γ線 Mev
Fermi
可視
紫外
赤外
Gev
Tev
粒子線
重力波
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HESS/MAGIC
CTA At
Ω
鏡面 Si-C 回折 λ/D
Uir
鏡面 金?
回折 λ/D
Ae
(斜め入射)反射(Wolter)
カロリメータ Super 多層膜 mirror 光学系
Ux
積層 SiSi-CCD
筒箱長?
ステレオ 素
粒
子
積層 Si-半導体
空気シャワー⇒チェレンコフ光
カミオカンデ
かぐら/LIGO
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望遠鏡と測定装置
①ー望遠鏡 1)望遠鏡と顕微鏡:「見る」 無限遠/近距離物点からの光を“一点”に集める
2)レンズと鏡 焦点:f レンズの式 3)望遠鏡の形式 光学系+架台(+測定器)
4)いろんな望遠鏡 ガリレオ望遠鏡から最先端望遠鏡まで400年
②ー測定装置
1)撮像: 角度 θ 2)分光: 波長 λ
3)偏光: 横波ベクトル σ
4)観測装置 15.5.28
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焦点をもつこと
•  焦点 角度:θ=>位置:x/y
•  平行(光)が(一)点に結ぶ 結像
レンズ 1/f=( -1)(1/ 1-1/ 2) レンズ作りの式
鏡 f= 2 n= –1 15.5.28
“等しい<光学距離>” ものづくり2015
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レンズの式 1/a + 1/b = 1/f
1/a + 1/b = 1/f
=> (a-f)(b-f)=f2
グラフ
化
b
a
望遠鏡 と 顕微鏡
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II-2
近軸光線
⇩ sin θ = θ - θ3/3!
ザイデルの 5 収差 F3
等–光路長条件
F2・θ
アッベの正弦条件
F・θ2
F・θ2
θ3
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ガウス
ザイデル
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波動
回折 広がる
Diffraction
! 粒子
干渉 重なる
Interferrence
波
Δω・Δt〜1 ! Δx・Δp〜h
!
cΔt〜Δl : コヒーレント長
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望遠鏡の発展
色づく
1600 II-1
曇る
屈折
ガリレオ
ケプラー
法則/技術/理論
反射
スネルの法則
ヘベリウス
ホイヘンス
グレゴリー
ニュートン
カセグレン
1700 『光学』
ハドレー
色消しレンズ
ショート
1800 フラウンホーファー
屈折率:n(λ)
光学理論の展開
ハーシェル
ロッス
銀鏡反応
リック 36インチ
ヤーキス 40
1900 真空蒸着
コンピュータ
鏡材
ウィルソン60インチ
100
パロマー 200 3〜4m R-C Keck/VLT/MMT/
LBT
10 m HET→SALT
2000 {~30 m}
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反射
屈折
主焦点
ガリレオ式
ニュートン式
ケプラー式
グレゴリアン
式
カセグレン式
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光学系
□ 主焦点(〜直焦点)
□ナスミス焦点x2
□カセグレン焦点
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ガリレオの望遠鏡 天界の報告 *月のあばた
*木星を回る衛星
1609~10 *太陽黒点 *土星 *金星
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ニュートン 光学(岩波文庫) 反射望遠鏡
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ホイヘンス、
ヘベリウス、
カッシーニ
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ハーシェル:W. Herschel
ドイツー>イギリス
反射望遠鏡 自作 〜400台 販売
いくつもの天文学上の大きな発見
◎天王星
◎ ーー ◎ ーー ◎ ーー ◎ ーー 15.5.28
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Fraunhofer(1787~1826) ドイツ
フラウンホーフェル望遠鏡
口径9cm(=>24cm) 世界最大
赤道儀ドイツ式
重錘駆動 9.5インチ屈折赤道儀
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1)フラウンホーフェル線
2)回折格子
3)ニュートン環研磨面検査法
4)屈折率/分散能測定
5)望遠鏡“群” 光学/架台/駆動
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91cm屈折
1988
リック
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102cm屈折
1897
ヤーキス
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反射望遠鏡の20世紀
II-4
1970代〜R−C望遠鏡
Classical + 補正<レンズ>
R-C
4’ => 10’
20’〜60’
セロトロロ 1.57m
1922:設計/
1934:実機/
1962:測定法/ Du
Pont 2.5m
1970:〜
SALT
球面 !
CFHT 3.6m
<計算>
1m
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17世紀 “古
典”
II-3
Ritchey-Cretien
20世紀
Newton
(放物)
a+b+c=const.
+
f・sin u=h
Gregory
(放物+楕円)
Cassegrain
(放物+双極)
Nasmyth
(放物)
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Keck 望遠鏡
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Keck-I, -II 10mx2
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VLTI 8.2mx4台 ヨーロッパ連合
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LBT :Univ of Arizona
Large Binocular Telescope 8.4mx2
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Giant Magellan Telescope
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E-ELT
European Extremely Large Telescope
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TMT
Thirty Meter Telescope 15.5.28
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HESS:
High-Energy Stereoscopic
Sysytem
Namibia :
12mx4 + 28m
12 countries:
Namibia and South Africa, Germany, France, the UK, Ireland, Austria, Poland, the Czech Republic, Sweden, Armenia, and Australia. An incident high-energy gamma ray interacts high up in the
atmosphere and generates an air shower of secondary
particles.
The number of shower particles reaches a maximum at about 10 km height, and the
shower dies out deeper in the atmosphere. Since the shower particles move at
essentially the speed of light, they emit Cherenkov light, a faint blue light.
The Cherenkov light is beamed around the direction of the incident primary particle
and illuminates on the ground an area of about 250 m diameter, often referred to as
the Cherenkov light pool.
For a primary photon at TeV energy (1012 eV), only about 100 photons per m2 are
seen on the ground, arriving within a very short time interval, a few nanoseconds.
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超大型電波干渉計
SKA 計画
【 概 要 】
ビッグバンから最初の星が輝きだ
すまでの宇宙の暗黒時代の解明、
強い重力場における重力理論証
明、宇宙磁場の起源・進化解明な
どを期し、国際共同科学事業とし
て、オーストラリアおよび南アフリ
カに電波望遠鏡3000台を建設す
る。サイエンスの推進やデータ処
理技術開発などを担当し、2020年
代の電波天文学をリードする。
中間周波数SKA (0.4-20GHz)
低周波数SKA
(50-350MHz)
【 スケジュール】
【 目的・目標 】
1931年の宇宙電波発見に続いて1951年には中性水素原子ガスの放射する波長
21cmの電波、1964年に宇宙背景放射、1967年にパルサーが発見され、センチ
波・メートル波による宇宙の観測によって、我々の住む銀河系の構造から宇宙の
大規模構造と進化が明らかになってきた。そこで我々は超大型電波干渉計SKA
の建設に国際協力で実現し、(1)宇宙最初の星・銀河による水素原始ガスの電
離過程、(2)パルサー観測による重力理路の検証、(3)宇宙磁場の構造と進化、
等を目指す。
【 南アフリカ・オーストラリアに設置する理由 】
• センチ波・メートル波が影響をうける人工電波雑音が世界的に最も低い
• 広大な面積の土地があり、望遠鏡を広範囲に配置して長い基線の確保が可能
• 電離層、対流層が安定しており観測に影響する雑音が少ない
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平成25年度 建設準備
平成30年度 10%SKA建設開始(Phase1)
100%SKA (Phase2)の仕様検討
平成32年度 部分運用開始
平成35年度 本運用開始
日本における対応
1.  科学運用面での詳細仕様提案
2.  ソフトウエア、超大規模信号処理開発
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1)幾何光学=>光線
2)波動光学=>光波
17世紀
1)屈折と反射の法則
19世紀前半
ヤングの複スリット実験(干渉)
フレネル・ホイヘンスの原理
ホイヘンスの原理(素元波)
フェルマーの原理(最短時間)
光速度 30万km/s 3)物理光学=>電磁波
4)量子光学=>h、“状態”
20世紀前半:h
マックスウェルの方程式(電磁波)
ヘルツの屈折、反射、回折、偏光実験
19世紀後半
マイケルソン・モーレィの実験
アインシュタインの相対性理論 15.5.28
ものづくり2015
スペクトル系列(バルマー)
黒体放射(プランク)
光電効果(アインシュタイン)
20世紀後半 状態 Φ
“状態”のパラドックス
波束の収縮
量子もつれ
量子コンピュータ
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