「素粒子宇宙物理研究のための実験観測技術入門」 (ものづくり講義) 光学に対する関心の巾: ① 知る ② 使う ③ 研究 (工夫/発展)する レポート課題: γ線から電波、素粒子、重力波にわたる広い波長域で、宇宙や天体の研究が行われている。 いづれかの波長域における『空間分解能』について調べて、A4用紙2枚に簡潔に記述しなさい※。 例:電波(→A研)、赤外(→Uir) 可視(→宇宙理論)、紫外(→Ω)、X線(→Ux)、γ線(→素粒子) ※是非 『理科系の作文技術』(木下是雄著:中公新書) を参考にすること 15.5.28 ものづくり2015 1 OPTICS 光学 Eugene Hecht I. 基礎と幾何光学 II. 波動光学 15.5.28 ものづくり2015 2 『OPTICS』 E. Hecht 尾崎・朝倉訳 『光学』 丸善 I. 基礎と幾何光学 II. 波動光学 1 簡単な歴史 7 波動の重ね合せ 2 波動 8 偏光 3 電磁波、光子、光 9 干渉 4 光の伝搬 10 回折 5 幾何光学 I 6 幾何光学 II 15.5.28 ものづくり2015 3 1)幾何光学=>光線 2)波動光学 17世紀 1)屈折と反射の法則 スネルの法則 n 19世紀前半 光波 ヤングの複スリット実験(干渉) フラウンホーファー n λ フレネルの波動論 19世紀後半 電磁波 ※ホイヘンスの原理(素元波) ※フェルマーの原理(最短時間) ※偏光(ホイヘンス) ※回折(グリマルディ) ※ニュートン・リング 3)量子光学:光子 15.5.28 光速度の測定 マックスウェルの方程式(電磁波) ヘルツの屈折、反射、回折、偏光 実験 4)量子光学:量子 20世紀前半:hν 20世紀後半 状態 Φ スペクトル系列(バルマー) 黒体放射(プランク) 光電効果(アインシュタイン) 半導体 “状態”のパラドックス 波束の収縮 量子もつれ 情報理論 量子コンピュータ/暗号 ものづくり2015 4 光学 == 収差論 (結像) 分光器(スペクトル) 検出器 情報 幾何光学 波動光学(物理光学) 量子光学(光子) 15.5.28 ものづくり2015 5 大気の窓 電磁波:γ–X-紫外-可視光-赤外-電波 素粒子:ν 重力波 ν E 気球 λ 飛行機 15.5.28 λ ものづくり2015 6 望遠鏡 センサー 物理素過程 望遠鏡⇒センサー 位置/角度 スペクトル 分解能 分解能 すばる Keck I+II VLT -I Si-CCD 反射(N/Cs/Nm)+屈折 Al面(蒸着/スパッタ) 大気乱れ ~1” Adaptive⇒λ/D 干渉計 ⇒λ/L FUSE GALEX Si-CCD (斜め入射)反射 光学系 あかり Spitzer Herschel 半導体 ボロメータ 反射 電波 ALMA Arecibo SIS - X:Y Al 生地/ペイント X線 Chandra すざく Si-CCD γ線 Mev Fermi 可視 紫外 赤外 Gev Tev 粒子線 重力波 15.5.28 HESS/MAGIC CTA At Ω 鏡面 Si-C 回折 λ/D Uir 鏡面 金? 回折 λ/D Ae (斜め入射)反射(Wolter) カロリメータ Super 多層膜 mirror 光学系 Ux 積層 SiSi-CCD 筒箱長? ステレオ 素 粒 子 積層 Si-半導体 空気シャワー⇒チェレンコフ光 カミオカンデ かぐら/LIGO ものづくり2015 7 望遠鏡と測定装置 ①ー望遠鏡 1)望遠鏡と顕微鏡:「見る」 無限遠/近距離物点からの光を“一点”に集める 2)レンズと鏡 焦点:f レンズの式 3)望遠鏡の形式 光学系+架台(+測定器) 4)いろんな望遠鏡 ガリレオ望遠鏡から最先端望遠鏡まで400年 ②ー測定装置 1)撮像: 角度 θ 2)分光: 波長 λ 3)偏光: 横波ベクトル σ 4)観測装置 15.5.28 ものづくり2015 8 焦点をもつこと • 焦点 角度:θ=>位置:x/y • 平行(光)が(一)点に結ぶ 結像 レンズ 1/f=( -1)(1/ 1-1/ 2) レンズ作りの式 鏡 f= 2 n= –1 15.5.28 “等しい<光学距離>” ものづくり2015 9 15.5.28 ものづくり2015 10 15.5.28 ものづくり2015 11 レンズの式 1/a + 1/b = 1/f 1/a + 1/b = 1/f => (a-f)(b-f)=f2 グラフ 化 b a 望遠鏡 と 顕微鏡 15.5.28 ものづくり2015 12 II-2 近軸光線 ⇩ sin θ = θ - θ3/3! ザイデルの 5 収差 F3 等–光路長条件 F2・θ アッベの正弦条件 F・θ2 F・θ2 θ3 15.5.28 ものづくり2015 13 15.5.28 ものづくり2015 14 15.5.28 ものづくり2015 15 15.5.28 ものづくり2015 16 ガウス ザイデル 15.5.28 ものづくり2015 17 波動 回折 広がる Diffraction ! 粒子 干渉 重なる Interferrence 波 Δω・Δt〜1 ! Δx・Δp〜h ! cΔt〜Δl : コヒーレント長 15.5.28 ものづくり2015 18 望遠鏡の発展 色づく 1600 II-1 曇る 屈折 ガリレオ ケプラー 法則/技術/理論 反射 スネルの法則 ヘベリウス ホイヘンス グレゴリー ニュートン カセグレン 1700 『光学』 ハドレー 色消しレンズ ショート 1800 フラウンホーファー 屈折率:n(λ) 光学理論の展開 ハーシェル ロッス 銀鏡反応 リック 36インチ ヤーキス 40 1900 真空蒸着 コンピュータ 鏡材 ウィルソン60インチ 100 パロマー 200 3〜4m R-C Keck/VLT/MMT/ LBT 10 m HET→SALT 2000 {~30 m} 15.5.28 ものづくり2015 19 反射 屈折 主焦点 ガリレオ式 ニュートン式 ケプラー式 グレゴリアン 式 カセグレン式 15.5.28 ものづくり2015 20 光学系 □ 主焦点(〜直焦点) □ナスミス焦点x2 □カセグレン焦点 15.5.28 ものづくり2015 21 ガリレオの望遠鏡 天界の報告 *月のあばた *木星を回る衛星 1609~10 *太陽黒点 *土星 *金星 15.5.28 ものづくり2015 22 ニュートン 光学(岩波文庫) 反射望遠鏡 15.5.28 ものづくり2015 23 ホイヘンス、 ヘベリウス、 カッシーニ 15.5.28 ものづくり2015 24 ハーシェル:W. Herschel ドイツー>イギリス 反射望遠鏡 自作 〜400台 販売 いくつもの天文学上の大きな発見 ◎天王星 ◎ ーー ◎ ーー ◎ ーー ◎ ーー 15.5.28 ものづくり2015 25 Fraunhofer(1787~1826) ドイツ フラウンホーフェル望遠鏡 口径9cm(=>24cm) 世界最大 赤道儀ドイツ式 重錘駆動 9.5インチ屈折赤道儀 15.5.28 1)フラウンホーフェル線 2)回折格子 3)ニュートン環研磨面検査法 4)屈折率/分散能測定 5)望遠鏡“群” 光学/架台/駆動 ものづくり2015 26 91cm屈折 1988 リック 15.5.28 102cm屈折 1897 ヤーキス ものづくり2015 27 反射望遠鏡の20世紀 II-4 1970代〜R−C望遠鏡 Classical + 補正<レンズ> R-C 4’ => 10’ 20’〜60’ セロトロロ 1.57m 1922:設計/ 1934:実機/ 1962:測定法/ Du Pont 2.5m 1970:〜 SALT 球面 ! CFHT 3.6m <計算> 1m 15.5.28 ものづくり2015 28 17世紀 “古 典” II-3 Ritchey-Cretien 20世紀 Newton (放物) a+b+c=const. + f・sin u=h Gregory (放物+楕円) Cassegrain (放物+双極) Nasmyth (放物) 15.5.28 ものづくり2015 29 15.5.28 ものづくり2015 30 Keck 望遠鏡 15.5.28 ものづくり2015 31 Keck-I, -II 10mx2 15.5.28 ものづくり2015 32 VLTI 8.2mx4台 ヨーロッパ連合 15.5.28 ものづくり2015 33 LBT :Univ of Arizona Large Binocular Telescope 8.4mx2 15.5.28 ものづくり2015 34 15.5.28 ものづくり2015 35 Giant Magellan Telescope 15.5.28 ものづくり2015 36 E-ELT European Extremely Large Telescope 15.5.28 ものづくり2015 37 TMT Thirty Meter Telescope 15.5.28 ものづくり2015 38 15.5.28 ものづくり2015 39 HESS: High-Energy Stereoscopic Sysytem Namibia : 12mx4 + 28m 12 countries: Namibia and South Africa, Germany, France, the UK, Ireland, Austria, Poland, the Czech Republic, Sweden, Armenia, and Australia. An incident high-energy gamma ray interacts high up in the atmosphere and generates an air shower of secondary particles. The number of shower particles reaches a maximum at about 10 km height, and the shower dies out deeper in the atmosphere. Since the shower particles move at essentially the speed of light, they emit Cherenkov light, a faint blue light. The Cherenkov light is beamed around the direction of the incident primary particle and illuminates on the ground an area of about 250 m diameter, often referred to as the Cherenkov light pool. For a primary photon at TeV energy (1012 eV), only about 100 photons per m2 are seen on the ground, arriving within a very short time interval, a few nanoseconds. 15.5.28 ものづくり2015 40 超大型電波干渉計 SKA 計画 【 概 要 】 ビッグバンから最初の星が輝きだ すまでの宇宙の暗黒時代の解明、 強い重力場における重力理論証 明、宇宙磁場の起源・進化解明な どを期し、国際共同科学事業とし て、オーストラリアおよび南アフリ カに電波望遠鏡3000台を建設す る。サイエンスの推進やデータ処 理技術開発などを担当し、2020年 代の電波天文学をリードする。 中間周波数SKA (0.4-20GHz) 低周波数SKA (50-350MHz) 【 スケジュール】 【 目的・目標 】 1931年の宇宙電波発見に続いて1951年には中性水素原子ガスの放射する波長 21cmの電波、1964年に宇宙背景放射、1967年にパルサーが発見され、センチ 波・メートル波による宇宙の観測によって、我々の住む銀河系の構造から宇宙の 大規模構造と進化が明らかになってきた。そこで我々は超大型電波干渉計SKA の建設に国際協力で実現し、(1)宇宙最初の星・銀河による水素原始ガスの電 離過程、(2)パルサー観測による重力理路の検証、(3)宇宙磁場の構造と進化、 等を目指す。 【 南アフリカ・オーストラリアに設置する理由 】 • センチ波・メートル波が影響をうける人工電波雑音が世界的に最も低い • 広大な面積の土地があり、望遠鏡を広範囲に配置して長い基線の確保が可能 • 電離層、対流層が安定しており観測に影響する雑音が少ない 15.5.28 ものづくり2015 平成25年度 建設準備 平成30年度 10%SKA建設開始(Phase1) 100%SKA (Phase2)の仕様検討 平成32年度 部分運用開始 平成35年度 本運用開始 日本における対応 1. 科学運用面での詳細仕様提案 2. ソフトウエア、超大規模信号処理開発 41 1)幾何光学=>光線 2)波動光学=>光波 17世紀 1)屈折と反射の法則 19世紀前半 ヤングの複スリット実験(干渉) フレネル・ホイヘンスの原理 ホイヘンスの原理(素元波) フェルマーの原理(最短時間) 光速度 30万km/s 3)物理光学=>電磁波 4)量子光学=>h、“状態” 20世紀前半:h マックスウェルの方程式(電磁波) ヘルツの屈折、反射、回折、偏光実験 19世紀後半 マイケルソン・モーレィの実験 アインシュタインの相対性理論 15.5.28 ものづくり2015 スペクトル系列(バルマー) 黒体放射(プランク) 光電効果(アインシュタイン) 20世紀後半 状態 Φ “状態”のパラドックス 波束の収縮 量子もつれ 量子コンピュータ 42
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