第11号 - 神戸山手学園

図書館だより 第11 号
2007.4
神戸山手大学・神戸山手短期大学
図 書 館
本学図書館所蔵 「官位装束大概書」
新入生の皆さんへ・・・・・・・・・・・・・図書館長 K.H.フォイヤヘアト・・p.2
卒業生からのたより・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.3
大塚文庫について・・・・・・・・・・・・・都市交流学科教授 村井利彦・・・p.9
本学関係者の近著・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.10
One Theme Library ★4 月のオススメ本・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.13
2006 年度 図書館利用統計・図書館のうごき・・・・・・・・・・・・・・・p.14
図書館からのお知らせ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.15
「早寝・早起き・朝ごはん」
(新連載)
・・・・・・生活学科准教授 原知子・・・・p.16
1
~新入生の皆さんへ~
『情報は知識ではない』
図書館長 環境文化学科教授
カール・ハインツ・フォイヤヘアト
これからますます発展するIT 社会では,情報は物として見なされ,記録・処理・伝達
されるだけのものと考えられている。したがって,データばかりの情報は、教養と結び
つかないと思う人が多い。ところが,ある視点から情報を見直すと,情報は知識に変身
するのである。つまり,情報は知識の元ではあるが,知識そのものではないということ
である。
知識は生活設計を行ううえで欠かせないものである。さらに,意義深く生かされた知
識のみが個人生活や公的生活において教養的な役割を果たす。したがって,知識として
倫理的な教養に結び付いた情報だけが,重要な情報と言える。
このようにして情報・知識・教養との関係を考えると,情報は、疑問を抱いている人
にとって答えを探すときに欠かせない基本要素となる。
我々の疑問の第一は,
「何を知るべきか」である。始まったばかりの IT 時代に生きて
いる人にとっては,皮肉な質問のように聞こえるかもしれない。第二は,
「何をすべきか」
である。第三は,
「人間とは、人生とは何であるか」である。特に,第三の疑問の背後に
は,さらにふたつの疑問が隠れている。一つ目は,
「自分はだれであるか」
,もう一つは,
「人間社会は何のためにあるのか」という疑問である。しかし,この疑問は,生涯の課
題として人間一人ひとりに与えられたものであり,答えを他の人に任せることはできな
い。
情報の雪崩現象はすでに始まっており,我々は溢れる情報に注意を払う必要に迫られ
ている。日常生活において,個人の教養を目的とする生活設計に役立たない情報が 9 割
を超えていると言われている。メディアの情報や,インターネットでアクセスできる情
報はほとんどゴミでしかない。また,新しいメディアが普及するたびに詐欺事件などが
頻繁に起こり,人が簡単にIT 社会の餌食になるという悲惨な事件は無視できない。した
がって,家庭においても職場においても,IT 技術を賢く利用する知識の習得が勝負の鍵
となる。そして,知識の習得に役立つ信頼性のある情報の宝庫は図書館なのである。
本をたくさん読む人は,読まない人と比べ,より豊富な知識の基盤を築くことができ
る。言うまでもなく,読書にもすべての技術と同じく「こつ」があり,工夫すれば,読
書が目に見えて楽になることは確かである。
読書は仕事の一種である。一般的に「仕事をする気になる」ということも,
「仕事がで
きる」ということも,そんなに易しいことではない。ということは「読書をする気にな
る」
「読書ができる」というのもそんなに易しいことではないのである。大抵の人はその
ことがわかっていないように見える。読書のような仕事が苦手な場合,その克服の第一
歩は,その仕事を妨げている原因そのものを知ることにある。
2
「仕事ができる」のを妨げているものは,主に「怠惰」である。
「怠惰」を克服して仕
事をするための手段として,
「習慣」という偉大な力がある。この「習慣」を獲得するた
め何よりも大事なことは,
「始める」ということである。このちょっとした「こつ」が,
人が習慣的な勤勉さで「仕事ができる」ようになる第一歩なのである。
一度図書館に行き,本を手にとって最初のページを読んでしまえば,あとは大いに楽
になるのである。是非試して見てほしい。
卒業生からのたより
今年3月に卒業された方からのメッセージです。
『共に歩んだ二年間』
環境文化学科卒業
林暁燕
私は編入試験で神戸山手大学に入学し、二年間だけの勉強期間は短い間でした。今度卒業
式を迎えることになり、これまでの私自身と学校の図書館との触れ合いが断続的に脳裏に浮か
んできました。
私は留学生で、「三国志」や「紅楼夢」などの中国小説の訳本を読むのがすごく日本語の勉
強にも役立ちました。それらは全て図書館が揃えています。
図書館は15万冊の蔵書を持ち、和書だけでなく、洋書、雑誌またビデオなどのコレクションが
ありまして、幅広く利用できます。ベストセラーだった「電車男」やJ.K.ローリング作の「ハリー・
ポッター」、また私が大好きな「ジェイン・エア」など、何度も借りて来て読みました。そこに積み上
げられた知的資産の大きさ、図書・資料の集まりに表れる先人たちの学者としての視野の広さに
圧倒されたものでもあります。
レポートや卒業論文を書いた時も、とりあえず、図書館の資料を色々調べに行きます。知識が
充実してから、ゆっくりと整理して、自分のものになって、論文に書き上げます。そこで、何度も図
書館の先生方が親切に接してくださって、お世話になりました。
図書館の書庫は少し狭いため、やや暗い雰囲気でした。しかし、そこでは時が静かに流れて
いました。私が時に自分を見つめる時間を持ったのも、図書館の中でした。そこでは、校友が斬
新な机に向かって、試験に向けて勉強に取り組んでいる姿や書物を広げている姿がありました。
こうした雰囲気の中で、自分はこのままでよいのかと自省したことを記憶しています。図書館は調
べ物や集中して勉強できる場所だけじゃなく、休息、思考、反省の場所としてもふさわしいと考
えられます。
神戸山手大学にいた二年間、私と一緒に歩んだ仲間として、図書館が私の忘れられない場
所になるだろうと思います。
3
『図書館の利用法』
英語文化学科卒業 伊藤達也
図書館は勉強するところである。ケータイでメールをしたり、居眠りをするところで
はない-、と精神的なことをいっているのではありません。
僕は外国語が好きで、英語を通じて英文サイトや書物から言語や文化を学びたいと思
い、英語文化学科に入りました。そして今、フランス語や中国語に挑戦しています。
入門書や辞書は自分で買うと高いですし、置き場所に困ってしまいます。しかし、図
書館ならきっちり揃っている上に、旅行本や雑誌のような文化的な資料もあります。カ
ラー印刷の写真ページを開いておいて、入門書を読み進めるとイメージしやすくて分か
りやすいし、いつかこんなところで―とモチベーションも湧いてきます。
英語やフランス語、アラビア語のように世界的に有名な言語に対して、トルコ語やベ
トナム語のようになじみのうすい、しかしながら将来現地に赴く可能性(仕事)
、または
価値(旅行)があるようなものは、電子辞書では引けません。こんな、辞書がないと読
めないというときは、図書館を利用すればいいのです。
でも、ヒンズー語やラテン語のように、図書館には置いていない辞書もあります。そ
んな時は「購入希望」です。用紙に必要事項を記入して提出し、購入の通知を受けてか
ら取りに行けば利用できます。
語学に限らず、資格・検定の対策資料や、就職・進学・留学に関する資料も揃ってい
ますし、
「購入希望」も出せます。
僕はエリートではありません。また、ガリ勉タイプでもなく、ただマイペースな人間
です。英語がペラペラになったわけではなく、他の言語をマスターしたわけでなく、た
だ漠然と好きなだけです。ですから、常に文学作品を読んでいるわけではありません。
紙に飽きればAV ルームで新作DVD を観て息抜きしています。
長期休暇中も冷暖房付きで開館しているので、気持ちよくて集中できます。
ぜひ、図書館をのぞいてみてください
4
『私と映画の2年間』
表現芸術学科卒業 水谷恵梨花
私は一年のとき、
授業と授業の空き時間にAV ルームをよく利用させていただきました。
私は、本よりも映画やミュージカルの方が好きだったので、この大学にAV ルームがあ
ることを初めて知った時、すごく喜んだのを覚えています。
AV ルームには本当にたくさんのDVD やビデオがあり、観てみたかった作品はもちろ
ん、それ以外にも色々と借りて鑑賞しました。その中で、私が一番心に残っている作品
は、寺尾聰さん主演の「博士の愛した数式」です。
若いシングルマザーの家政婦が、ある日、この数年間で 9 人も担当者が替わったとい
う顧客を紹介される。その顧客は博士だった。博士は、イギリスのケンブリッジ大学へ
留学し、博士号を取得した経歴があった。しかし、交通事故が原因で80 分しか記憶がも
たない障害をかかえてしまっていた。
そして、家政婦と博士の新しい生活が始まる。博士はふとした会話から家政婦に息子
がいることを知り、連れてくるように言い、博士はその息子をルート(√)と呼んだ。
ルートが訪れるようになってから博士の家には笑い声が溢れるようになったが、そうし
た生活も長続きしなかった・・・。
周りの人々の心境の変化や葛藤などもしっかりと描かれた作品だと思います。私はこ
の作品を観て、人としての価値観や生き方、大切なことを思い出させてもらい、すごく
暖かい気持ちになりました。今ではこの作品が一番のお気に入りになり、友達にも勧め
ています。
授業の課題をする時も利用させていただきました。特に、オペラ~ミュージカルの授
業で鑑賞した作品がAV ルームにはたくさんあるので、
借りて授業の続きを観たりしてい
ました。
二年になってからは時間が無く、あまり利用することもなくなってしまいました。し
かし、たまに空き時間に行くと新作が入っていたりするので、寄り道するだけでも楽し
かったです。
私はこの二年の間にたくさんの作品に出会いました。それぞれ得るものがあり大変勉
強になりました。
皆さんもぜひAV ルームに足を運び、利用してみてください。
5
『本を読むこと』
日本語・日本文化学科卒業 首藤竜也
最近インターネットが面白すぎて、YouTubeやらなんやらで30時間過ごした
こともありましたが、それでも本を読むことをやめようとしないのはなぜなのかと考え
てみました。
本好きから本を奪い取ると発狂するという話ですが、なぜそうなってしまうのでしょ
うか。それは、本を読むということに中毒性があるからだと考えられます。次から次へ
と本に手を出し、気付いた時にはもう手遅れ、誰も彼を止めることなど出来やしなかっ
たんだ、なんていうことはよくあることです。動物的なものではなく、あくまで人間的
な欲求にもとづいたものであるという違いはありますが、麻薬みたいなものなのでしょ
う。と、言ってしまうのはどうなのかとは思いますが、種類を問わず本に手を出すとい
う行動的な面と、その動機となるような心情あるいは内面的な面に注目してもらえれば
いいと思います。
彼らは、内容を得るためというよりも本を読むという行為に対して魅力を感じている
ことが多いようです。本を読む動機が内容を得るということにもあるのは当然なのです
が、すでに知っていることを確認することで自分の不安を取り除いたり、条件反射的な
あるいは反復的なものとして同じものを差異を認めないという形で与えられることで満
足したりするような読み方はしないということです。書かれた内容を自分は知らない、
だからそれを知るために本を読む。なんでも入れることができて、無限の大きさを持つ
入れ物があり、そこをより豊かにしたいという気持ちや欲望が、様々な形を伴って現れ
ている。このようなものだと思います。
現代は、ある特定の共通する感覚や帰属する場所を持たず、小さな共同体が多数存在
し、それぞれが交流することはあまりなく閉じているといわれているようです。インタ
ーネットなどで同じ趣味や考え方を持った人間を見つけることが容易になったことで、
わざわざコミュニケーション困難なものと関わる必要がなくなったことにもそれに拍車
をかけました。この閉じた共同体を交流させるのに「本好き」の彼らあるいは彼女らは
適していると考えます。
創造とは文脈を移動させることであるとも言えるので、交流可能性を見つけることも
創造性が高いものだといえるのではないでしょうか。文脈を移動させるとは、例えば、
液晶ディスプレイを壁紙に、数学を哲学に、オタク文化を現代美術に、シャルル・フー
リエの恋愛論などのようなものだといえますが、そのようなことにも繋がっているとも
思います。
必ずしもなにかに役立つから本を読むとは限りませんが、本を読むことで得られる知
識を使って何ができるのか。ブランドの売り方を自己アピールの方法として利用する。
古今東西の物語をもとに空想の幅を広げる。音韻学から駄洒落を。何か作る。などが挙
げられます。一冊借りたい本があるとすればそれだけではなく、適当に他の本も借りて
みることから始めてみてください。
ネットもいいけど読書もね、といった感じで僕も。
6
『図書館と私』
環境文化学科卒業 勝手直哉
私は、大学の施設の中では図書館を最もよく利用させてもらいました。授業と授業の
間の空き時間にも、暇さえあれば図書館に行って本をよく見ていました。貸し出しもよ
く利用し、夏休みなど、貸出期間が大幅に延びるので何冊も借りた記憶があります。借
りた本を読みきれないこともしばしばありましたが、自分が少しでも興味をもって、面
白そうだと思ったものは積極的に借りていきました。
図書館には、定期的に新しい本が入るので、それらをチェックするのも楽しみのひと
つでした。自分の読みたい本が入っていると、つい手を伸ばしてしまいます。また、図
書館では、所蔵していない本をリクエストできるので、積極的に利用すればいいと思い
ます。
本のジャンルも様々なものがあります。授業に関連した本や、小説、漫画、資格の本
など様々です。授業に役立てたり、空き時間に利用したり、情報の検索をしたり、図書
館はいろんな使い方ができます。一度図書館に足を運んでみてほしいと思います。
私も秘書検定や漢字検定の本などを借りてお世話になったので、これから勉強しよう
としている人たちにとっても、有意義な場所になるのではないかと思います。
私は、高校では図書館をそれほど利用しませんでしたが、大学では4年間ずっと通わ
せていただきました。これからも、大学の図書館に限らず、本がある場所にはできるだ
け通うようにして、本との関わりあいを大切にしていきたいと思います
© 原千草
7
『本から得るもの』
生活学科卒業 寺元彰男
私は、最初本は一切読まず、マンガばかり読んでいました。本を読むのが苦手だった
からです。でも、高校のとき、
「世界の中心で、愛をさけぶ」の文庫版を見つけたのが読
書の始まりでした。初めは読むのが辛かったのですが、ページをめくっていくにつれ、
その世界に引き込まれていったのです。気がついたら読みきっていました。その時に、
文庫本は字ばかりで読みづらかったけど、頭の中にオリジナルのストーリーがイメージ
できて面白いと感じました。それからは、街の本屋さんに足を運び、何か面白そうな本
はないかな、と探しています。
私は図書館で、
「プロ仕込み包丁テクニック図解」という本を借りました。生活学科で
料理についていろいろと勉強させていただき、
「料理は食べるものでもあり、魅せるもの
でもある」ということを学びました。魅せ方によっては、食欲を増進させる、逆に食欲
を減退させることもあります。
でも、やはりご飯はおいしくいただきたいものです。そのために、舌で味わう前に目
でも味わってもらうため、この本を借りました。この本はオールカラーで、詳しく説明
されているので、見やすくとても参考になります。
本には、様々な種類の本があります。その中で自分にあった本が1冊はあると思いま
す。もし、まだ自分に合った本なんて一度も見たことがないよという方がいれば、週に
1回くらいのペースで、図書館や街の本屋さんに足を運んでみてはいかがでしょうか。
街の本屋さんには、趣味の本や実用書など新しい本が沢山並んでいて、楽しくなると思
います。
しかし、大学の図書館となれば、話は別です。大学図書館は本屋さんと違い、専門的
な知識を得られる本が多いです。新入生の方も図書館に足を運び、本から沢山の知識を
得てください。
8
大塚文庫について
都市交流学科教授 村井利彦
大塚先生が亡くなって、三度目の春が巡ってきた。滝のような俗事に流される日々を
送っていると、知らせでもない限りどんどん忘れてしまう。逝くものはかくの如きかと
はよくいったものだ。あの、存在感をもってしてもこの有様だから、別に兼好や長明に
教えてもらわずとも、普通の名利や並みの人情などのはかなさは語るに足らぬ世界では
ないか。
が、しかし、先生は「大塚文庫」を図書館に残して、再び我々の前に立ち、我々の記
憶を刺激するところとなった。
これは本人の遺志ではない。
残されたものの意思である。
だからこそ値打ちがある。本人は今頃仏界か六道の何処かで苦笑しているだろうが、幽
明境を異にしているから文句を言う術はない。まあ、広い心でこれを嘉せ給え。
全八百十五冊、雑誌4種。これは、図書館蔵書とかぶらないもののみであるから、先
生はこれだけ山手の図書館蔵書に厚みを加えられたということを意味する。今、図書館
の分類をもとに、ジャンルと冊数を述べれば以下のようになる。
【読書・出版】3、
【一般論文】4、
【哲学一般】15、
【日本思想】14、
【中国思想】5、
【西洋哲学】7、
【心理学】25、
【倫理学】2、
【宗教・神話】9、
【仏教】25、
【歴史】43、
【人物】5、
【社会科学】33、
【女性問題】59、
【民俗学】13、
【自然科学】16、
【芸術】15、
【言語・日本語】46、
【文学理論】17、
【文学論集・評論集】18、
【日本文学史】8、
【日本中世文学】18、
【日本現代文学】133、
【日本現代文学 個別作家・作品論】89、
【日本文学論集・評論集】22、
【年鑑・叢書等】21、
【詩歌】37、
【小説・物語】42、
【評論・随筆】43、
【作品集・全集】20、
【漢文学】4、
【外国文学】4、
【雑誌】4種
先生は、日本の思想研究から出発され、本学では現代日本文学、中世文学を講じられ
た。現代については無頼派の作家や女流文学を得意とし、中世は天台教学に造詣が深か
った。
現実にあっては、体勢を斜にし舌鋒鋭く辛辣な批評を展開しつつも巧まざる愛嬌とユ
ーモアがあったのは、案外老荘あるいは維摩詰に拠ったのかもしれない。などと想像し
ないでもないが、ショーペンハウエルも言っているように、
「我々は古人の足跡の上に立
つことは出来る。しかし、古人の見たものを見ることはできない」
。
ままよ、古人の足跡については兎にも角にもこうして保存した。後は、
「見たものを見
る」畏るべき後生を待つのみ、ということである。
9
本学関係者の近著
2006 年1 月から2007 年3 月までに、本学の先生方が書かれた著書の紹介です。
書名の下の( )の中の数字は請求記号です。この記号をもとに本を探すことができ
ます。
大東亜共栄圏の文化建設
(334.51 Ik)
【編者】 池田浩士
【出版社】 人文書院
【出版年月】 2007/02
都市交流学科准教授 高村竜平 著
「葬法の文明論-植民地朝鮮における土葬と火葬-」P.241-P.291
★高村先生によるこの本の紹介★
〔内容説明〕
戦争や植民地支配は、文化を破壊するもののように現在では思われてい
る。しかし、太平洋戦争遂行の理念であった大東亜共栄圏構想には、西洋
のものとも日本のものとも異なる、近代を超える新たな文化を創出するこ
とがその目的として含まれていた。それは、日本による西洋からのアジア
の解放が戦争の大義名分であったためだった。この論集は、学術調査(藤
井論文)
・学校教育(渡辺論文)
・映画と演劇(鷲谷論文)
・米の品種改良(藤
原論文)
・葬法(高村論文)
・文学(池田論文)といういくつもの視点から、
植民地支配と戦争の遂行がめざした「文化建設」の実情を明らかにしよう
と試みたものである。
〔おすすめのポイント〕
各論文は、植民地や戦争の時期(すなわち60 年以上前の出来事)をとり
あげながらも、現在わたしたちの身近にある文化現象を意識して書かれて
います。たとえば鷲谷論文はタカラヅカとディズニーに、藤原論文はコシ
ヒカリと『夏子の酒』につながります。拙稿の場合は火葬を当たり前と感
る感覚を相対化したいと考えながら執筆しました。
10
企業戦略と環境コミュニケーション -ドイツ企業の成功と失敗-
(519.13 Fe)
【著者】
環境文化学科教授 K.-H.フォイヤヘアト
環境文化学科教授 中野加都子
【出版社】 技法堂出版
【出版年月】 2006/12
★ フォイヤヘアト先生によるこの本の紹介★
本書の著者の一人である私は 1999 年末までドイツにある国際的な化学会社
BASF のエコロジー研究所に勤務しました。1981 年からの6 年間はBASF の駐在
員として東京に在住し、いったんドイツに帰国してから、2000 年初めに再び日
本の大学教授として来日しましたので、日本には計 13 年以上滞在したことに
なります。
一度目の来日当時は、高度経済成長期以降の日本製の商品が大量に欧米市場
に流れ込み、日本の高い技術力への認識が企業のみでなく一般市民にも定着し
始めた時代でもありました。多くの欧米企業は社員を日本に駐在させ、現場で
日本の品質管理等の方法を学ぶようになりました。企業の一員としてドイツに
帰国したのは、日本のバブル崩壊より少し前、同時期は歴史的なドイツ統一の
直前のことでした。
激動の 1990 年代を振り返ると、92 年にリオデジャネイロで開催された国連
環境開発会議は、
環境が国際政治の表舞台で論議される契機となり、
それ以降、
日本でも企業活動において環境管理手法や環境配慮型製品・サービスの開発を
促進する強い動機となりました。
本書は、こうした激しい時代転換の中、企業人としての経験から、
「環境と
社会に配慮した企業活動」をドイツ企業がどのようにとらえ、どのようにその
活動を方向転換してきたのかを紹介するものです。本書の特徴は、日本に必ず
しも正しく伝わっていないドイツ産業界の動き、考え方を紹介するとともに、
典型的な事例では成功例だけでなくドイツ企業がどのような問題に遭遇し、ど
のような間違いを経験してきたかについても冷静、かつ率直に述べていること
です。
さらに、本書は単なる実用書やノウハウ本ではなく、環境配慮型企業へと変
身するために基本的な考え方を理解するための必読書と言えます。そして、実
際に活躍するビジネスマンの方々のみでなく、将来、企業の一員となって活躍
する、あるいは起業家を目指す学生の皆さんや、行政組織、工学分野、経済学
分野などの研究者の皆さんにも役立つと確信しています。
11
ロマイン・ヒッチコック -滞日二か年の足跡-
(210.02 Ue)
【編者】 上田宏範
【出版社】 社団法人 橿原考古学協会
【出版年月】 2006/11
都市交流学科教授 河上邦彦著
「ヒッチコックが撮影した二、三の遺跡」 P.141-P.146
「日日新」の考古学 -河上邦彦の短文集-
(210.02 Ka)
【著者】 都市交流学科教授 河上邦彦
【出版社】 橿原考古学研究所附属博物館
【出版年月】 2006/09
ウィズダム和英辞典
(833.2 Ko)
【編者】 小西友七編修主幹
【出版社】 三省堂
【出版年月】 2007/01
環境文化学科准教授
塩濱久雄執筆
村上春樹はどう誤訳されているか -村上春樹を英語で読む-
(910.26 Mu-S)
【著者】 環境文化学科准教授 塩濱久雄
【出版社】 若草書房
【出版年月】 2007/01
検証・若者の変貌-失われた10 年の後に-
(367.68 As)
【編者】 浅野智彦
【出版社】勁草書房
【出版年月】 2006/02
都市交流学科准教授 南田勝也執筆
第2 章「若者の音楽生活の現在」
12
中国近現代教育文献資料集 全13巻
(372.22 Sa)
no image
【編者】環境文化学科教授 佐藤尚子 [ほか]編集
【出版社】日本図書所センター
【出版年月】 2005-2006
One Theme Library
★4 月★
『新しい生活にオススメの本』
書 名
著者名
神戸地図本 -歩きたくなる-
-
出版社
請求記号
エルマガジン社
G
104 Ik
14 歳からの哲学
池田晶子著
トランスビュー
頭のいい大学四年間の生き方
和田秀樹著
中経出版
159.7 Wa
村上和子
291.64 Ko
神戸新聞総合出版セ
ンター
291.64 Ko
KOBE みなと物語-マリンポートツーリ
神戸グランドアンカー制作
ズム
神戸学 -神戸の魅力を再発見しよう 神戸新聞総合出版センター
-
編
「大学」活用術
鷲田小弥太著
勉強のやり方がわかる
大学生活ナビ
エコアクションが地球を救う!
-
松柏社
朝日新聞社
玉川大学コア・EYE 教育センタ
玉川大学出版部
ー編
日本消費生活アドバイザー・コン
丸善
サルタント協会編著
377 Et
377.15 Be
377.9 Ta
519 Ni
はじめよう!気持ちのいい暮らし
ひらいみも絵
PHP 研究所
590.4 Hi
一人暮らしのクイックレシピ
奥村彪生著
徳間書店
神戸カフェ物語
神戸山手大学環境文化研究
所編
神戸新聞総合出版セ
ンター
673.9 Ko
大学生のためのレポート・小論文の書き
木下長広著
方
明石書店
816.5 Ki
若い読者のための短編小説案内
村上春樹著
文芸春秋
910.26 Mu
はじめての文学(全12 巻受入中)
村上春樹ほか著
文芸春秋
918.6 Ha
596 Ok
このリストはほんの一例です。本は図書館入り口の丸テーブルに展示していますので、手に取って
ご覧ください。貸し出しもできます。
13
2006 年度 図書館統計
①図書冊数
和書
購入
2005 年度所蔵冊数
2006 年度登録冊数
2006 年度除籍冊数
洋書
寄贈
計
119,307
235
1,247
886
1,901
四大
短大
1,012
1,015
計
四大
短大
計
2,027 1,121
29
2
207
10
236
12
3,148
31
217
248
購入
寄贈
39
32
0
0
71
0
29
29
0
0
0
0
合計
寄贈
計
235
886
146,118
1,286
1,933
71 2,098 1,121
0
29
2
29
236
10
29
265
12
3,219
31
246
277
購入
計
26,811
39 1,051
32 1,047
2006 年度増加冊数
2900
42
2942
2006 年度所蔵冊数
122,207
26,853
149,060
②雑誌タイトル数
和雑誌
825
-5
820
2005 年度タイトル数
タイトル数増減
2006 年所蔵タイトル
洋雑誌
紀要
194
1,529
-12
78
182
1,607
(短期保存雑誌含む)
合計
2,548
61
2,609
③視聴覚資料数
2005 年度末
CD
LP レコード
ビデオテープ
DVD(LD 含む)
CD-ROM
スライド
(枚)
(枚)
(巻)
(枚)
(枚)
(コマ)
2,371
1,762
3,424
1,727
738
2,902
2006 年登録
2006 年度登
所蔵件数合計
所蔵タイトル数
タイトル数
録件数
40
2,411
8
0
1,762
0
48
3,472
48
1,964
242
1,969
132
1,598
28
766
22
571
0
2,902
0
52
④学生一人当たりの貸出冊数(人数は3 月31 日現在)
生活学科
2002
2003
2004
2005
2006
1.6
1.8
1.8
1.0
0.9
キャリア・コミュニケーション学 英文学科 日文学科 表現芸術 環境文化 都市交流 学生平均
科
学科
学科
学科
-
4.2
4.1
6.5
4.0
-
3.5
-
4.7
8.8
6.0
2.9
-
3.4
-
4.5
11.1
4.8
4.0
-
4.0
-
4.6
14.4
4.2
3.8
-
3.7
7.4
4.8
19.4
2.9
3.2
4.6
3.3
2006年度 図書館の動き
4月
5月
6月
1日
5-7
10
13
8
16
12
図書館だより「すわやま」第9号発行
「新入生に薦める101冊の本」コーナー設置
図書館オリエンテーション(導入教育)
春季特別貸出返却日
『図書館の上手な使い方 -情報検索案内- 2006』発行
新着図書案内No.28発行
図書館利用案内の改訂
新着図書案内No.29発行
14
7月
9月
10月
12月
2007年
1月
6日
8
11
13
15
22
15
22
29
27
1
11
20
9
15
25
25-31
27
2月28日~3
月2日
新着図書案内No.30発行
土曜開館日
夏季特別貸出開始
夏休みおすすめ本コーナー「ひっぱりだこコーナー」設置
土曜開館日
土曜開館日
閲覧室一部模様替え(文庫棚増設、新着図書棚移動)
図書館だより「すわやま」第10号発行
新着図書案内No.31発行
夏季特別貸出返却日
新着図書案内No.32発行
新着図書案内No.33発行
冬季特別貸出開始
『神戸山手大学紀要 第8号』 『神戸山手短期大学紀要 第40号』発行
冬季特別貸出返却日
新着図書案内No.34発行
春季特別貸出開始
古本市開催
土曜開館
閲覧室模様替え作業
図書館からのお知らせ
◎図書館のホームページをリニューアルしました。
http://johokan2.kobe-yamate.ac.jp/ からどうぞ。
「お気に入り」に登録してください。
◎図書館入り口のレイアウトを大幅に変更しました。雑誌コーナーが広くなり、事典が閲覧
室の奥に移動しています。全体に明るい雰囲気になりました。
◎学習用のノートパソコンを10 台用意しました。レポートや論文の作成にご利用ください。
カウンターにて貸し出しますので、閲覧室内でご利用ください。
◎これから定期的に、ひとつのテーマに関する本を集めて図書館入り口に展示することに
なりました。この催しが皆さんの楽しみになるよう、努力していきます。
◎もうひとつ、新しい試みが増えました。書店に出かけて、図書館の本を選書する「店頭選
書」を年2回実施します。事前に希望を募りますので、図書館のホームページ、掲示等にご
注目ください。たくさんのご応募を期待しています。
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毎日朝ごはんを食べていますでしょうか?
昨年度の在学生対象の調査では
欠食する人が大変多かったです。
朝食は午前中の脳の働きに欠かせません。少し早起きして、
優雅に食べて出かけませんか?
「とはいっても、準備が大変」という人のために、5 分でできるピザトーストを
紹介します。野菜ジュースや果物と一緒に召し上がれ。オーブントースターは先に
(生活学科 原 知子)
加熱スタートしておくといいですね。
5分でクッキング - ピザトースト
②
①
➂
④
(550kcal)
© 原千草
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・編 集 後 記・・・・・・・・・・・・・・・・・
新しい年度が始まりました。この機会に「食」から学びの態勢を整えてみませんか?早寝・早起きと、
朝ごはんは一日の学びを助け、心身の心地よさを約束してくれるはず。図書館もこのページでお役にた
てたら・・・と生活学科の原先生に簡単メニューを連載していただくことになりました。パンの代わり
にご飯や餃子の皮、トッピングも海苔や貝割れなど工夫してみてください。
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