Stock「8934 サンフロンティア不動産~2/6 決算説明会より」 □ 平成 27 年 02 月 20 日 中古不動産改装大手のサンフロンティア不動産の 2015.3 月期 3Q 決算は、前年同期比で大幅 な増収増益となり、通期予想も売上高 27500 百万円、経常利益 5400 百万円、純利益 4900 百万円に上方修正された。年間配当も 16.5 円(+3.5 円)へ増配の見込み。 □ 主力のリプランニング事業は、売上高 15980 百万円(前年同期比+127.3%)、セグメント利益 3795 百万円(同+61.3%)と大きく伸長、賃貸ビル事業も売上高、セグメント利益いずれ も前年同期比で倍増した。 □ 通期予想は上方修正されたが、4Q 単独業績は在庫のレベルから見て保守的な印象で、 最終的に一段の上方修正の可能性が高い。株価は 900 円台のボックスとなっているが、 来期予想 EPS=126 円に PER=10 倍を乗じた 1260 円を当面の目標とする。 ■ アベノミクスの追い風と東京五輪開催効果もあり、首都圏の賃料上昇・空室率は低下傾向が鮮明である。 同社のビジネスは中小型オフィスに特化しており、リプランニング事業は業績拡大が続きそうだ。自己資金を 投入したリニューアル物件の賃貸収入も倍増している。 ■ 一方、東京五輪後は成長鈍化との懸念もある。リーマン後の不動産不況も経験しており自己資本比率 50%以上は維持する方針で、無理な事業拡大はなさそうだ。 ■ 昨年 4 月の増資は中止となったが、自己資本比率 50%以上を維持しながら物件取得のための資金 調達を図っていた。株価が高値圏での1割以上の希薄化はタイミングも悪かった。投信・外人(シェア 25%) も反対が多かったと推測。今後も資金調達のタイミングを図るのだろうが、時価発行増資は当面見送 りか。流行のリキャップ CB も不適で、当面は好業績による CF と借入のミックスだろう。 ■ 業績推移 金額:百万円 2013.3 売上高 10,580 営業利益 2,156 経常利益 2,039 純利益 2,483 EPS(円) 66.5 PER 配当(円) 8.5 DOE 2.5% 総資産 21,265 流動資産 18,874 (現預金) 11,009 (販売用不動産) (仕掛販売用不動産) 固定資産 2,392 流動負債 1,847 固定負債 4,857 純資産 14,561 自己資本 14,561 BPS(円) 340.6 PBR 売上高営業利益率 20.4% ROE 34.1% 自己資本比率 68.5% EV/EBITDA 2014.3 2015.3予 2016.3予 17,772 27,500 32,000 4,531 5,600 6,500 4,341 5,400 6,000 4,020 4,900 5,400 94.0 114.6 126.3 8.6 7.8 13.5 16.5 17.0 3.2% 3.1% 2.7% 33,910 39,000 44,000 31,446 36,500 41,000 11,180 13,500 15,500 3,214 4,000 4,500 15,515 17,000 18,500 2,464 2,500 3,000 3,023 3,500 4,000 12,417 13,000 13,000 18,219 22,500 27,000 18,219 22,500 27,000 426.1 526.2 631.5 1.9 1.6 25.5% 20.4% 20.3% 24.5% 24.1% 21.8% 53.7% 57.7% 61.4% 6.7 5.8 1q 2q 3q 4q予 4,692 268 243 144 12.37 7,209 1,986 1,922 1,773 41.45 8,192 1,575 1,511 1,218 28.50 7,438 1,013 1,010 1,022 23.90 35,100 32,707 10,543 2,839 17,820 2,818 13,501 18,781 18,530 37,157 34,624 11,881 4,457 16,916 2,533 3,520 13,081 20,555 20,305 38,177 35,663 12,798 4,124 17,032 2,514 3,436 12,877 21,864 21,525 39,000 36,500 13,500 4,000 17,000 2,500 3,500 13,000 22,500 22,500 5.7% 27.5% 19.2% 13.6% 52.8% 54.6% 56.4% 57.7% ■ セグメント別の四半期業績推移を見ると、不動産市況の好転でリプランニング・賃貸ビル事業が右上がりに 拡大。政府のインフレ政策で東京五輪までは好調が続きそうである。 売上高 リプランニング 賃貸ビル 仲介 プロパティM セグメント利益 リプランニング 賃貸ビル 仲介 プロパティM 利益率 リプランニング 賃貸ビル 仲介 プロパティM 2014.3_3Q 2014.3_4Q 2015.3_1Q 2015.3_2Q 2015.3_3Q 2,080 6,224 3,206 6,047 6,727 289 355 421 448 461 612 320 222 276 380 274 285 307 327 321 444 1,775 733 1,858 1,336 136 177 224 239 242 420 258 178 231 332 119 120 143 142 132 21.3% 28.5% 22.9% 30.7% 19.9% 47.1% 49.9% 53.2% 53.3% 52.5% 68.6% 80.6% 80.2% 83.7% 87.4% 43.4% 42.1% 46.6% 43.4% 41.1% ■ 社長による説明では、業界にありがちな急拡大志向はなく、自己資本比率の維持といったリスク管理 にも注意を払っている印象。株式市場では増資中止によるイメージ悪化もあるが、IR は充実しており 株主との対話力も高いと考えている。販売物件の保有期間も短く、ストックというよりフローのビジネスに 近い。東京五輪後もリプランニング事業は、高水準を維持する可能性もあろう。
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