登録有形文化財(建造物)の新規登録について

登録有形文化財(建造物)の新規登録について
平成 27 年 11 月 20 日(金)に文化審議会が開催され、同審議会文化財分科会
の審議・議決を経て、下記の文化財の登録が文部科学大臣に答申される予定で
す。今後、官報告示を経て、登録文化財原簿に登録されることになります。
本県関係では、平成 27 年 7 月 17 日に答申された福井鉄道北府駅車両工場な
ど 6 件に続くもので、合計 154 件となります。
【答申予定の登録有形文化財(建造物)】
名
称
かしまがり
1
旧北陸線樫 曲 トンネル
2
旧北陸線葉原トンネル
3
旧北陸線鮒ヶ谷トンネル
4
旧北陸線曽路地谷トンネル
5
旧北陸線第一観音寺トンネル
6
旧北陸線第二観音寺トンネル
7
旧北陸線 曲 谷 トンネル
8
旧北陸線芦谷トンネル
9
旧北陸線伊良谷トンネル
10
旧北陸線山中トンネル
11
旧北陸線湯尾トンネル
12
旧北陸線罠山谷暗渠
13
旧北陸線山中ロックシェッド
はばら
ふ な が や
そ ろ じ だ に
だいいちかんのんじ
だいにかんのんじ
まがりだに
あしたに
い ら だ に
やまなか
ゆのお
わなやまだに
やまなか
延長(m)
所 在 地
所有者
建築年代
87
敦賀市樫曲
福井県
明治 26 年
979
敦賀市葉原~阿曽
敦賀市
明治 29 年
64
敦賀市阿曽
敦賀市
明治 28 年頃
401
敦賀市阿曽~杉津
敦賀市
明治 28 年頃
82
敦賀市大比田~横浜
福井県
明治 27 年
310
敦賀市大比田
福井県
明治 28 年頃
260
敦賀市大比田
福井県
明治 28 年頃
223
敦賀市元比田~大比田
福井県
明治 27 年
467
敦賀市元比田
福井県
明治 28 年頃
敦賀市元比田
~南越前町山中
福井県
明治 29 年
368
南越前町湯尾
南越前町
明治 28 年頃
46
敦賀市横浜
福井県
明治 28 年頃
65
南越前町山中
福井県
昭和 28 年
1,170
1
旧北陸線トンネル群について
旧北陸線は鉄道庁によって明治 26(1893)年に着工し、同 29 年に敦賀―福井
間が開業した。旧北陸線トンネル群は、難所の木の芽峠越えを達成するために
ずいどう
つくられた鉄道隧道で、敦賀市から南越前町にかけて 13 のトンネルが築かれた。
昭和 37 年の現北陸線開通後に廃線となり、道路トンネルに転用され、現在も 11
のトンネルが連続してのこる。トンネル群のほかにも敦賀駅から今庄駅の旧北
陸線には、築堤や橋梁、暗渠などの当時の土木構造物が多くのこり、谷川の水
を処理した大型暗渠・罠山谷暗渠は旧北陸線最長の規模を誇る。
昭和 28 年につくられた山中ロックシェッドは国内最初期のプレストレストコ
ンクリート造の落石覆工であり、トンネル群とともに高い技術を誇った旧北陸
線の遺構として貴重である。これらの遺構をまとめて登録する。
芦谷トンネル
【備考】
・本件の調査は、平成 26 年度に県教育庁生涯学習・文化財課および福井工業高等専門学校
武井幸久教授で行い、福井県、敦賀市、南越前町の土木部および教育委員会の協力を得た。
・現在、トンネル群および山中ロックシェッドは県道・市道・町道として、罠山谷暗渠は
砂防施設として利用に供する。トンネル群および山中ロックシェッドは見学可能である。
・平成 28 年(2016)
、明治 29 年(1896)の北陸線(敦賀―福井間)開通から 120 年となる。
2
3
かしまがり
① 樫 曲 トンネル
敦賀駅より約 3.7km 北東に位置し、敦賀駅を起点とした旧北陸線最初のトンネル(第一
号隧道)
。延長は 87m で、内部と坑門(トンネル出入口の立面)とその意匠まで全て煉瓦を
用いる。
はばら
②葉原トンネル
樫曲トンネルより約 6km 北方に位置する。延長は 979m で山中トンネルにつぎ、岩盤地質
のため難工事の末明治 29 年に完成。坑口上部を左右に長く張出す堂々とした構え。
4
ふ な が や
③鮒ヶ谷トンネル
葉原トンネルより約 1.1km 北方に位置する。延長 64m の直線状のトンネルで、11 トンネ
ルの中で最も短い。
そ ろ じ だ に
④曽路地谷トンネル
鮒ヶ谷トンネルより約 200m 北方に位置する。緩やかに湾曲する延長 401m のトンネル。
5
だいいちかんのんじ
⑤第一観音寺トンネル
旧杉津駅(現・北陸道杉津 PA 上り)より約 1.4km 北東に位置する。延長 82m で、坑門は
ほぼ左右対称の意匠で、石の加工も江戸切仕上げ(石の縁を削り取る)とし、丁寧な造り。
第一観音寺トンネルから山中トンネルまで、6 トンネルが連続する。
だいにかんのんじ
⑥第二観音寺トンネル
第一観音寺トンネルより約 80m 北方に位置する。緩やかに湾曲する延長 310m のトンネル
で、第一観音寺と同様に坑門はほぼ左右対称で、江戸切仕上げの丁寧な造りである。
6
まがりだに
⑦ 曲 谷 トンネル
第二観音寺トンネルより約 50m 北方に位置する。緩やかに湾曲する延長 260m のトンネル。
坑門石積は江戸切仕上げで丁寧な造り。
あしたに
⑧芦谷トンネル
曲谷トンネルより約 100m 北方に位置する。延長 223m の直線状のトンネルである。坑門
石積は江戸切仕上げで丁寧な造り。
7
い ら だ に
⑨伊良谷トンネル
芦谷トンネルより約 90m 北方に位置する。延長は 467m で緩やかに湾曲する。基本的に内
部・坑門ともレンガ造であるが、坑門の意匠部分に切石を用いる。
やまなか
⑩山中トンネル
伊良谷トンネルより約 90m 北東に位置する。延長 1,170m と一番長く、我が国有数の規模
を有する鉄道隧道で、旧北陸線では葉原トンネルと並び難工事の末に竣工したことで知ら
れる。
8
ゆのお
⑪湯尾トンネル
今庄駅より約 1.6km 北方に位置する敦賀―福井間の最後のトンネル(第十三号隧道)
。延
長は 368m で、坑門は江戸切仕上げの石積とし、特に北側は坑門上部を左右に長く張り出し
た堂々とした構えである。
わなやまだにあんきょ
⑫罠山谷暗渠
第一観音寺トンネルより約 40m 南方にあり、罠山谷という大きな谷川を築堤下に通すた
めにつくられた暗渠。延長 46m、急勾配の暗渠で、旧北陸線で最長規模を誇る。暗渠横には
高さ約 17m の縦溝がつく。現在も砂防指定地・竹鼻川の施設として機能する。
9
やまなか
⑬山中ロックシェッド
山中トンネルより約 1km 北東に位置する延長 65m のプレストレスコンクリート造の落石
覆工で、昭和 28 年につくられた。我が国最初期のプレストレストコンクリート造構造物で
あり、明治の北陸線建設以降も最先端の技術が取り入れられたことを示す旧北陸線の貴重
な遺構である。
10
〔参考〕
福井県内の国指定・県指定等文化財
平成 27 年 11 月 17 日現在
平成27年8月4日現在
(件)
国指定
区 分
建造物
国 宝
重 文
特 別
国指定
2
26
国選定
国選択
国登録
県指定
141 ※
28
絵 画
14
62
彫 刻
35
73
有 形
工芸品
3
7
文化財
書跡・典籍・古文書
1
13
19
考古資料
5
13
歴史資料
3
4
計
6
1
103
142
223
芸 能
文化財
工芸技術
1
4
計
1
4
民 俗
有形民俗文化財
1
文化財
無形民俗文化財
5
10
計
6
10
62
1
71
1
23
史跡・名勝・
名 勝
1
13
2
6
天然記念物
天然記念物
4
16
1
32
29
3
67
146
365
1
名勝天然記念物
6
53
重要伝統的建造物群保存地区
2
選定保存技術
1
12
合 計
142→155
9
史 跡
計
141→154
24
無 形
1
備 考
163
175
3
10
※ 平成27年7月17日に答申された福井鉄道北府駅車両工場など6件を含む(官報告示は未了)。
11
146→159