講義シラバス 【 マーケティ ング・ マネジメント 全 12 回】 【 講 師】: 恩蔵 直人

講義シ ラ バ ス
【 マ ーケ テ ィ ン グ ・ マ ネジメ ン ト
おんぞう
【 講
全 12 回】
なおと
師】: 恩蔵 直人
早稲田大学商学部教授 博士(商学)
1959 年神奈川県生まれ。1982 年早稲田大学商学部卒業後、同大学院商学研究科、1989 年早稲田
大学商学部専任講師を経て、1996 年より現職。専門は消費財企業のマーケティング戦略で、関連
の論文が多数ある。著書に『競争優位のブランド戦略』(日本経済新聞社)、
『コトラーのマーケテ
ィング・マネジメント』
(監修、ピアソンエデュケーション)
、
『戦略的ブランド・マネジメント』
(共訳、東急エージェンシー)
、
『プロフィット・ゾーン経営戦略』
(ダイヤモンド社)などがある。
<講座の 目的>
米国のトップ・ビジネススクールを中心に、マーケティングの上級テキストとして世界で最も
広く読まれているフィリップ・コトラーの「マーケティング・マネジメント<ミレニアム版>」。
改訂を重ね、既に第 10 版となる同書は、21 世紀のマーケティングとしての電子商取引やリレー
ションシップ・マーケティング、ブランド・マネジメント、サービス戦略、顧客価値などについ
て詳しく述べるなど、今日的な課題への対応も図られている、まさに 21 世紀のマーケティング
を語る上で欠かせない名著です。
この講座では、テキストの日本語版監修を務めた恩蔵直人氏が 12 回にわたって、その内容を
詳しく分かりやすく解説し、様々な角度から現代のマーケティングについて皆様と一緒に考えて
いきます。マーケティングの基本的な考え方や関連する様々な分析手法など本を読むだけでは理
解することが難しいコンセプトやポイントを具体的な例を多く用いて分かりやすくご紹介しま
す。
【 参考図書】
『コトラーのマーケティング・マネジメント ミレニアム版』ピアソン・エデュケーション
フィリップ・コトラー【著】
、月谷 真紀【訳】、恩藏 直人【監修】
原書名:Marketing Management, The Millennium Edition by Philip Kotler, Prentice Hall
【 カ リ キュ ラ ム】
【 第 1 回】
マ ー ケ テ ィ ン グ ・ マ ネ ジ メ ン ト 01
[講
[テ ー マ ]2 1 世紀の マ ー ケ テ ィ ン グ
師]:恩蔵直人
参考図書:P1∼P41 参照
マーケティングの基本的なコンセプトについて解説します。はじめに、マーケティングの考え方に
ついて解説します。「マーケティングとは何か」ということについてマネジメントの父と呼ばれる
Peter F. Drucker は、
「Marketing is to make selling unnecessary」と述べています。ここでのポ
イントはマーケティングとセリングの違いを良く理解してください。
-1本資料の 無断複製・ 転載を 禁じ ま す 。
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次に、企業におけるマーケティングの役割の変化を押さえ、E. J. McCarthy による4つの P:
Product、Price、Place、Promotion と Robert Lauterborn の4つの C:Customer solution、
Customer cost、Convenience、Communication について解説します。
さらに、市場に対する組織の方針について説明すると共に販売コンセプトとマーケティング・コ
ンセプトの比較、顧客ニーズの階層性など、マーケティングを理解する上で重要な考え方を学び
ます。
【 第 2 回】
マ ー ケ テ ィ ン グ ・ マ ネ ジ メ ン ト 02
[テ ー マ ]顧客満足、 顧客価値、 お よ び 顧客維持の 確立
[講 師]:恩蔵直人
参考図書:P43∼P80 参照
今回は、まず初めに顧客価値と顧客満足について解説します。顧客の獲得は、販売担当者かマーケ
ティング担当者の役割であると考えられていますが、顧客を引き付け維持することにおいて、
マー
ケティングは要素の一つにしかすぎないのです。ここでは、社内の様々な部門との連携から顧客価
値提供システムの設計について Michael E. Porter のバリューチェーンをご紹介します。次に、顧
客を引き付け維持するための考え方を解説します。
【 第 3 回】
マ ー ケ テ ィ ン グ ・ マ ネ ジ メ ン ト 03
[講
[テ ー マ ]市場志向型戦略計画
師]:恩蔵直人
参考図書:P81∼P123 参照
3 回目の今回は、市場に視点を変え、市場に適合するための戦略計画について解説します。全社的
な戦略計画を考えるためには、まず企業におけるミッションを明確にする必要があります。ミッシ
ョンを明確に掲げて成功した THE BODY SHOP や花王の事例から企業ミッション明確化のため
の良いミッション・ステートメントの特徴について解説します。
次に、事業を定義する際のポイントとを整理し、製品志向と市場志向では事業定義を考える視点に
どのような違いがでるのかを見ていきます。さらに、複数の戦略事業単位(SBU:Strategic
Business Unit)を BCG(Boston Consulting Group)のポートフォリオや GE のポートフォリオを
使って分析する手法を解説します。
3 つ目に事業の戦略計画について解説します。ここでは、SWOT 分析(Strength、Weakness、
Opportunity、Threat)や Michael E. Porter の 3 つの基本戦略(コスト・リーダーシップ戦略、差
別化戦略、集中戦略)について分かりやすく解説します。最後に、戦略を実行する際の注意点と実行
のためのポイントを整理します。
【 第 4 回】
マ ー ケ テ ィ ン グ ・ マ ネ ジ メ ン ト 04
[講
[テ ー マ ]競争へ の 対処
師]:恩蔵直人
参考図書:P263∼P312 参照
Michael E. Porter は、市場や市場セグメントについての長期的な収益面から、その魅力を決定す
る要因として、業界内やセグメント内の競争、新規参入の脅威、代替品の脅威、買い手の交渉力、
売り手からの交渉力の5つの競争要因を指摘しています。ここでは業界構造を分析するための競
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争戦略論を解説します。
次に、市場を標的市場別(リーダー、チャレンジャー、フォロワー-、ニッチャー)に分類し、それぞ
れの競争戦略の基本について学びます。それぞれの戦略の違いと戦略上のポイントをしっかりと
理解してください。
【 第 5 回】
マ ー ケ テ ィ ン グ ・ マ ネ ジ メ ン ト 05
[テ ー マ ]市場セ グ メ ン ト の 明確化と 標的市場の 選択
[講
師]:恩蔵直人
参考図書:P313∼P350 参照
市場が成熟化し、また多様化している今日においては、市場の全ての顧客を満足させることできま
せん。そこで、
自社の力を有効に発揮できるように市場細分化を行う必要があります。まず初めに、
ターゲット・マーケティングにおける 3 つのステップ(STP:Segmentation、Targeting、
Positioning)について解説します。
次に、市場細分化のレベル、パターン、細分化基準(地理的変数、デモグラフィック変数、サイコ
グラフィック変数、行動変数)について解説します。また、効果的な細分化を行うための基本的な
条件と標的市場を設定するための選択方法と市場細分化の問題点について見ていきます。
【 第 6 回】
マ ー ケ テ ィ ン グ ・ マ ネ ジ メ ン ト 06
[テ ー マ ]製品ラ イ フ サ イ ク ル と 製品ポ ジ シ ョ ニ ン グ
[講
師]:恩蔵直人
参考図書:P351∼P403 参照
まず初めに、差別化の方法を具体的な例を取り上げながら様々な角度からご紹介します。次に、
ポジショニング戦略の立案について、その切り口とリードクッキングペーパーの事例をご紹介し
ながら解説していきます。
最後に、製品ライフサイクル(PLC:Product Life Cycle):導入期、成長期、成熟期、衰退期のそ
れぞれの特徴とそれぞれの時期に適合する一般的なマーケティング戦略について解説します。ま
た、このライフサイクルの概念には、いくつかの批判的な見解もあり、それらについても考えてい
きます。
【 第 7 回】
マ ー ケ テ ィ ン グ ・ マ ネ ジ メ ン ト 07
[テ ー マ ]製品ラ イ ン と ブ ラ ン ド の マ ネ ジ メ ン ト
[講
師]:恩蔵直人
参考図書:P483∼P523 参照
まず初めに、
「製品」とは何かということについて 5 つの製品レベル(中核ベネフィット、基本製
品、期待製品、膨張製品、潜在製品)から考えていきます。日ごろ私たち(顧客)が直接目にするのは、
中核ベネフィットを取り巻く基本製品レベルですが、マーケターはこの他に期待製品、膨張製品、
潜在製品のレベルについて考える必要があります。
次に、基本的な製品分類と製品ミックス(幅、長さ、深さ、整合性)について解説します。
最後に、ブランドについて解説していきます。ここでは、AMA(America Marketing Association )
によるブランドの定義をご紹介し、ブランドとは何かという問題からブランド戦略について考え
ていきます。また、ブランド・エクイティの構成要素(ブランド認知、ブランド・ロイヤリティ、知
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覚品質、ブランド連想)やブランドの階層性(コーポレート・ブランド、ファミリー・ブランド、
個別ブランド、モデファイアー)について解説します。
また、パッケージング(Packaging)は、4P に次ぐ 5 つ目の P であると主張するマーケターも多く
います。ここでは、パッケージングの重要性について解説します。
【 第 8 回】
マ ー ケ テ ィ ン グ ・ マ ネ ジ メ ン ト 08
[講
[テ ー マ ]価格設定戦略と 価格プ ロ グ ラ ム
師]:恩蔵直人
参考図書:P561∼P600 参照
まず初めに、一般的な価格設定の基本方針(コストに基づいた価格設定、需要に基づいた価格設定、
競争に基づいた価格設定)とその注意点について解説します。
次に、価格対応について解説していきます。ここでは、製品ミックス、心理面を考慮した価格対応
や、差別的な価格対応について解説します。
最後に、需要の価格弾力性(需要の変化率÷価格の変化率)についてその考え方を解説します。
【 第 9 回】
マ ー ケ テ ィ ン グ ・ マ ネ ジ メ ン ト 09
[テ ー マ ]マ ー ケ テ ィ ン グ ・ チ ャ ネ ル の マ ネ ジ メ ン ト
[講 師]:恩蔵直人
参考図書:P601∼P634 参照
なぜ、
生産者は販売業務の一部を仲介業者に委託するのでしょうか。ここでは、まず初めに、マーケ
ティング・チャネルの役割と段回数について解説します。
次に、チャネル設計の決定やチャネル管理の決定について解説します。
最後に、チャネル・ダイナミクスについて解説します。流通チャネルは常に変化しています。従来の
伝統的マーケティング・チャネルとは対照的に垂直的マーケティング・システム(VMS)やマルチチ
ャネル・マーケティング・システムが新しい競争の軸となっています。これらの特徴とポイントを
分かりやすく解説すると共に、チャネル・コンフリクトについても考えていきます。
【 第 10 回】
マ ー ケ テ ィ ン グ ・ マ ネ ジ メ ン ト 10
[テ ー マ ]統合型マ ー ケ テ ィ ン グ ・ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
[講 師]:恩蔵直人
参考図書:P669∼P702 参照
企業は、優秀な製品やサービスを開発するだけではなく、その製品やサービスを消費者に気づい
てもらい、理解してもらうための仕組みを持つことが大切です。それがマーケティング・コミュ
ニケーションの機能です。
まず初めに、マーケティング・コミュニケーション・ミックスについて説明します。
次に、効果的なコミュニケーションについて考えていきます。ここでは、消費者の購買に至るまで
の心理プロセスをモデル化した AIDA(Attention:注目、Interest:関心、Desire:欲求、Action:
行動)モデルやアサエルのマトリックスをご紹介します。ここでは、購買者の準備段階に対応した
各プロモーション・ツールの費用効果と製品ライフサイクルの段階による違いを解説します。
最後に、統合型マーケティング・コミュニケーション(IMC)について解説します。
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講義シ ラ バ ス
【 第 11 回】
マ ー ケ テ ィ ン グ ・ マ ネ ジ メ ン ト 11
[テ ー マ ]広告、 販売促進、 パ ブ リ ッ ク ・ リ レ ー シ ョ ン ズ
[講 師]:恩蔵直人
参考図書:P703∼P752 参照
まず初めに、広告プログラムにおける 5 つの M(Mission:目的、Money:予算、Message:メッ
セージ、Media:媒体、Measurement:評価)について総論を解説します。
次に、各論として広告目的別の広告種類、
広告予算に関する意思決定と広告予算の設定に影響する
要素、
メッセージの評価と構成要素について解説します。さらに、
媒体選択と効果測定については、
広告効果測定の一般的な尺度(リーチ、フリークエンシー、インパクト、GRP)をご紹介します。
最後に、販売促進における意思決定とパブリック・リレーションズ(PR)における意思決定につい
て解説します。
【 第 12 回】
マ ー ケ テ ィ ン グ ・ マ ネ ジ メ ン ト 12
[テ ー マ ]ダ イ レ ク ト ・ マ ー ケ テ ィ ン グ と オ ン ラ イ ン ・ マ ー ケ テ ィ ン グ
[講 師]:恩蔵直人
参考図書:P789∼P826 参照
インターネットの発展に伴い、様々なメディアや媒体によるオンライン・サービスやダイレクト・
マーケティングが著しく発展しています。12回シリーズの最終回では、ダイレクト・マーケティ
ングと電子商取引についてご紹介します。
まず初めに、ダイレクト・マーケティングでは成長要因と利点について確認し、マーケティングが
どのように変化しているのかを考えます。
次に、21世紀のマーケティングとしての電子商取引について考えていきます。ここでは、
「楽天市
場」の例をご紹介します。最後に、オンライン・マーケティングの利点と問題点について考えてい
きます。
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