海外安全対策情報（平成２７年度第２四半期）１社会・治安情勢パラナ州公安局発表によるクリチバ市内の２０１４年の殺人件数は５６９件、２０１３年比３９件、率にして７．３％の増加。市民１０万人当たりでは３０．５件で、世界保健機構が許容範囲としている数字（１０万人当たり１０件）の３倍。２一般犯罪・凶悪犯罪の傾向（１）クリチバ市及び大都市圏では近年，誘拐，ＡＴＭ爆破強盗，携帯電話販売店や薬局店，レストラン及び住居を狙った武装強盗，運転中及び停車中を狙った車両強盗，武装集団による長距離バス及び路線バス内強盗が多発している。時間帯，場所を問わず銃器を使用した犯罪が増加しており，十分な注意が必要である。渡航情報（危険情報）については，パラナ州大クリチバ圏は「十分注意してください」を継続中。（２）パラナ州西部に面する隣国との国境地帯（特にパラグアイ）からは頻繁に大麻等の麻薬類及び銃器類の密輸が行われており，軍警察による押収量は増加する一方である。２００９年及び２０１０年のパラナ州における武器押収量は全伯一位である。近年，パラナ州は麻薬の搬入ルートのみならず麻薬消費地域となっており，麻薬絡みの犯罪も増加している。３犯罪事例（１）強盗ア 7 月 7 日午後，市内セントロ地区を走行していた路線バス内に 3 人組の強盗が押し入り，乗客の所持金・携帯電話等の物品を続けざまに強奪する｢ARRASTAO｣と呼ばれる強盗事件が発生。バス会社の通報により臨場したクリチバ市の警備隊が犯人を現行犯逮捕，犯人は 13 歳の少女及び 21 歳と 19 歳の男で，所持していた凶器は刃物とモデルガンであった。イ 7月２２日，午前７時頃、市内グァイラ地区マット・グロッソ通り（Rua MatoGrosso）に居住する住人が車で出勤しようとしたところ，現われた３人組の男に襲われ、家の中に引き戻された。３人は銃を所持しており、携帯電話や宝石を奪い始めたが、住居内に設置してあった警報装置が作動したところ、３人は動揺を来たし、銃を手当たり次第に発砲しながら逃走した。現場検証に当たった警察によると、住居内の家具や扉、窓ガラス等に銃痕が確認されたが、怪我人は発生しなかった。ウ８月２２日，午後１１時頃，邦人が被害者となる強盗事件が発生。邦人被害者２名は，滞在していたホテルより直近（４００ｍ）に所在するレストランへ徒歩で向かう途中に強盗集団（１０名程）に囲まれ，１名はナイフを突きつけられ１名は後方から首を絞められ金品を要求された。同２名は犯人の要求に従い，所持していた財布（現金およびクレジットカード在中）を差し出し解放された。エ９月１８日，午前８時１５分頃，クリチバ市カポン・ハーゾ地区の住宅街において，同地区に居住する日系人（女性）が出勤のため自宅より徒歩でバス停へ向かっていたところ，交差点の陰に潜んでいた強盗犯（２名組の男）の待ち伏せに遭い，所持していたリュックサックを差し出せとの脅迫を受けた。同女性は突然の襲撃に動揺し硬直状態となり，要求に従わないものと勘違いされ犯人が激情，強盗犯は同女性の背後から襟を引き路上に転倒させ，脚部を蹴り上げられる等の暴行を行ったが，現場を通り掛かった他者が悲鳴を上げたため強奪を諦めバイクで逃走した。（２）殺人ア 7 月１０日，午後１時頃，クリチバ市セントロ地区アンドレ・デ・バロス通りの菓子問屋に 2 人組の強盗が押し入り，レジ内の現金を強奪し逃走しようとしたところ，犯行現場に通りかかったクリチバ市警察官 1 名と出くわし銃撃戦となった。犯人が発砲した銃弾 2 発は同市警察官に被弾し同市警察官は死亡。犯人は逃走し，セントロ地区の繁華街に潜伏。通報を受けた軍警察・市警察・文民警察は捜索ヘリ・特殊部隊・周囲の警備車両を投入し，犯人のうち 1 名を事件発生から 1 時間後に逮捕した。イ７月２８日，午後１０頃，クリチバ市イザベル地区に所在する和食レストランを４人組の武装強盗が襲撃。店舗売上金および客の貴金属の強奪を試みたが，同店舗に居合わせた文民警察官（非番者）の抵抗を受けたため所持していた拳銃を発砲，弾丸は文民警察官の胸部に被弾し同警察官は死亡した。（３）その他ア７月１９日，サンジョゼドスピニャイス市に家族とともに住む３９歳の医師の妻が、クリチバ市内で待ち合わせていた夫に会いに行こうとしていた途次、市内のプラド・ヴェリョ地区(Bairro Prado Velho)にある通りで信号停止していたところを３人組の男に襲われ、乗っていた車ごと電撃誘拐された。同女性は翌日午前３時５０分頃、クリチバの北、約３００キロ離れたマウア・ダ・セーラ（Maua da Serra）市の道路管理事務所に徒歩で現われ、保護された。道路警察によると、同女性は午前２時頃、雑木林内で車から降ろされ、犯人は女性の身分証明書や所持品を奪い、そのまま逃走したとのこと。イ７月１９日，午前７時３０分頃，クリチバ市内の路上でたむろしていた若者４人組のうち１人が，路上脇で小用を足していたところ，現場を通りがかった男が若者に注意し口論に発展。男は車両に保管してあった拳銃を持ち出し，威嚇のため路上に向け発砲，跳弾が同若者のうち1名の脚部に被弾し，同人は病院に搬送された。ウ７月２３日，午前２時５０頃、カブラル地区パラナ大通り（Avenida Paraná）にあるスーパーマーケット「Walmart」併設のブラジル銀行店舗にライフル銃を持った４人組の強盗が侵入し、店舗内のＡＴＭ２台を爆破、中にあった現金を奪って逃走，ＡＴＭコーナーは爆発により半壊状態となった。以上