神奈川県立小田原総合ビジネス高等学校

1.はじめに
P2
1『西さがみの観光ビジネス』について
2 昨年度の取り組み
3 インバウンドについての調査
4 本研究の目指すところ
2.現状把握
P4
1 小田原市の概要
2 小田原市の魅力 100
3 小田原市におけるインバウンド観光の現状
3.仮説(その1)
P6
1「魅力伝達率ゼロ説」
4.企画(その1)
P6
1 検証するための2つの企画
5.実践(その1)
P8
1 You は何しに小田原へ?
2 Google で「odawara」と検索してみました。
6.検証(その1)
P12
1「魅力伝達率ゼロ説」は正しいのか!?
7.仮説(その2)
P12
1「観光地としての小田原」になるために
8.企画(その2)
P13
1 WORLD LOCAL MAGAZINE 『RISE』との出会い
2 小田原の日常といえば
3 小田原スイーツ大使のお茶さん
4「地元高校生による徹底リサーチ! 小田原人はこのスイーツをハズサナイ!」
9.実践(その2)
P18
1「こんなアップルパイ食べたことない!」
和颯(わそう)のアップルパイ
2「
“和”がつまった絶品」かくれんぼの白玉ぜんざい
3 Web マガジンの試作を作ってみました!
10.中間検証と課題
P25
1 間近で見たプロの企画力
2 まだまだ甘かった私たちの企画
11.おわりに
1 ここまでの取り組みで得られたこと
2「楽しい」の追求の末に訪れるもの
P27
ライバルは ディズニーランド
「西さがみの観光ビジネス」 のスローガンより
1-1 『西さがみの観光ビジネス』について
私たち 3 年生、30 名が受講する『西さがみの観光ビジネス』は、本校独自の授業です。2008
年に小田原城東高校と湯河原高校が統合し、小田原総合ビジネス高校が誕生しましたが、
その際に設定された、とても魅力ある授業になっています。「西さがみ」とは、9 年連続で
日本一になった温泉地の箱根町(株式会社リクルートライフスタイル(じゃらんリサーチ
センター)調べ)をはじめ、小田原市・湯河原町・真鶴町の1市 3 町を指す言葉です。
この授業にはミッションがあります。それは西さがみの魅力を、日本をはじめ、世界
に発信し、西さがみを「また来ようね!」と言ってもらえるような場にしていくことです。
1-2 昨年度の取り組み
昨年度から、授業の取り組み方が大きく変わり、企画提案型の授業になりました。昨年
度に実施したことは、大きく分けて次の 3 つです。
①「観光甲子園」への参加
②「ビジネスプラン甲子園」への参加
③ 市の観光課・観光協会に対するビジネスプランのプレゼンテーション
これらの取り組みをするにあたり、小田急箱根ホールディングス株式会社 と 株式会社J
TBコーポレートセールス にご協力をいただきました。小田原・箱根地区における観光ビジ
ネスのあり方や、旅行プランの組み立て方等について講演いただきました。驚くことに、
両社の講演の中には共通点がありました。それは、外国人旅行者(インバウンド)向けの
取り組みに力を入れているということです。
▲小田急箱根ホールディングス株式会社 による講演
▲株式会社 JTB コーポレートセールス による講演
1-3 インバウンドについての調査
そこで先輩方は、インバウンド観光について調査しました。その調査結果を見ることに
よって、インバウンド観光についての概要を知ることができました。
資料によると、政府は 2003 年からインバウンド観光に力を入れていく方針を既に固め
ており、「訪日旅行促進事業(以下、ビジット・ジャパン事業)」を行っていることがわかりま
した。この事業は、将来的に外国人旅行者数を、年間 3,000 万人まで増やすことを目指し、
2016 年までに 1,800 万人、東京オリンピックが行われる 2020 年までに 2,500 万人を目標
としています。下記の表は、ビジットジャパン事業が始まった 2003 年からの推移です。
この 10 年間で約 2 倍の増加となっていることがわかります。
1-4 本研究の目指すところ
本研究の目指すところは、年々増加する外国人旅行者を新たなターゲットとして、西
さがみの魅力、とりわけ学校のある小田原市の魅力を発信していき、2020 年までに、小
田原を「インバウンド観光名所」にしていくことです。
そのためにこの 4 カ月間、先輩たちの調査を土台にしながら活動してきました。未だ
途中段階ではありますが、希望に満ちた内容になっております。どうぞご覧ください。
2-1 小田原市の概要
小田原市は神奈川県西部に位置
し、戦国時代から小田原城の城下
町として栄え、人口はおよそ 19
小田急線
JR東海道線
万 4 千人で、特例市にも指定され
ています。その小田原市の中心に
位置する小田原駅は、新幹線をは
小田原駅
じめとする 5 つの路線が集結する
ターミナル駅にもなっています。
山もあり、海もあり、川もあり、
小田原市のシンボルでもある小田
原城もあり、城下町であり、箱根
越えの宿場町でもあった小田原に
は、非常に多くの魅力があります。
まず、その魅力を洗い出してみる
ことから始めました。
2-2 小田原市の魅力 100
魅力を洗い出すために、
「西さがみの観光ビジネス」のメンバー全員で 2 時間かけて、
『西さがみの魅力ポイント 100』を行いました。これはインターネットを使い、魅力を探し出
すというもので
す。対象は、小
田原を含めて、
箱根、湯河原、
真鶴の 4 地区で、
魅力も次の 5 つ
に分けました。
①場所
②食べ物
③伝統・文化
④歴史
⑤その他
この調査の、小田原についての部分を抜き出すことによって、小田原にどのような魅
力があるのかを大まかに掴むことができます。結果、次のようになりました。
《場所》
《食べ物》
《伝統・文化》
《歴史》
《その他》
①小田原城
①干物
①小田原提灯
①北条早雲
①梅丸(ゆるキャラ)
②城址公園
②ういろう
②小田原漆器
②北条氏綱
②プラムガーデン
③小田原漁港
③かまぼこ
③小田原風鈴
③北条氏康
④こどもの森
④梅干し
④えっさほい
④北条氏政
⑤地球博物館
⑤小田原おでん
⑤北条五代祭り
⑤北条氏直
⑥小田原文学館
⑥塩から
⑥酒匂川花火大会
⑥二宮金次郎
④ラブライブ(アニメ)
⑦清閑亭
⑦和菓子
⑦ちょうちん夏まつり
⑦足柄山の金太郎
⑤めだかの学校
⑧報徳二宮神社
⑧足柄茶
⑧小田原おでんサミット
⑧風魔小太郎
⑥箱根駅伝
⑨曽我の梅林
⑨冷凍みかん
⑨梅まつり
⑨風魔の里
⑦冨野由悠季
⑩一夜城
⑩小田原みかん
⑩かまぼこ桜まつり
⑩井上康文
⑪かまぼこ博物館
⑪湘南ゴールド
⑪一夜城まつり
⑫外郎(ういろう)
⑫片浦レモン
⑫風魔まつり
⑬小田原三色丼
⑬小田原あじさい
博物館
⑬フォレストアドベンチャー
⑭鯛めし
⑭早川漁村
⑮小鯵押寿司
⑮北条早雲公像
⑯片浦レモンサイダー
⑰辻村植物公園
⑰小田原みかんサイダー
⑱小田原フラワーガーデン
⑱曽我の梅サイダー
⑲小田原さかなセンター
⑲小田原梅ワイン
(ご当地アイドル)
③僕は友達がすくない
(アニメ)
(ガンダム)
⑧柳沢慎吾
花菖蒲祭り
⑭あじ・地魚まつり
⑳ほととぎす巻き
2-3 小田原市におけるインバウンド観光の現状
上記調査のように、小田原には見るところも、食べるところも、歴史や文化も、非常に
多くの魅力があることがわかります。また、現在外国人旅行者も急増しています。その現
れとして、小田原駅にも、非常に多くの外国人旅行者がいます。
しかし、それにもかかわらず、小田原市内においては、外国人旅行者を見かけること
がほとんどありません。インバウンド観光が盛んになってきている中、小田原においては、
その気配を感じることができないのです。
現状 : 小田原市内において、外国人旅行者を見かけることがほとんどない。
なぜ、このような状況になってしまったのかを調査していくことにしました。
3-1 「魅力伝達率ゼロ説」
まず、
「いない理由」についての話し合いを行いました。話し合いの結果、外国人旅行
者を見かけることがない理由として、つぎの 2 点が考えられました。
① 「小田原の魅力」 は、外国人旅行者にとっては、「魅力」にならない。
② そもそも「小田原の魅力」が伝わっていない。
①の場合、打つ手がなくなり、何もすることができません。むしろ、あれだけの「魅力」
がありながら、小田原市に魅力がないとは考えにくいです。そのため、②の魅力がうまく
伝わっていないのではないかという仮説を立て、実際に調査をすることにしました。
仮説 : 直感に訴えかけるような魅力の伝え方ができていないから、
小田原市を観光する外国人がいない状況になっている。
4-1 検証するための2つの企画
設定した仮説が正しいかを検証してくために、2 つの調査をすることにしました。
① 小田原駅を訪れている外国人への聞き取り調査
② インターネットにおける Web サイトの調査
①についてですが、テレビ東京の人気番組に、『You は何しに日本へ?』という番組があ
ります。空港などで、外国人旅行者に旅行の目的をインタビューするという番組です。私
たちも、その番組を参考にして、小田原駅に大勢いる外国人旅行者へインタビューするこ
とにしました。作戦名は、『You は何しに小田原へ?』です。
《 インタビュー内容 》
①名前をうかがう。
②出身国をうかがう。
③「You は何しに小田原へ?」
。
④その他(どのくらい滞在するか、何度目か、お土産に何を買ったかなど)
②についてですが、去年の先輩たちの調査データの中に興味深いデータがあり、それを
参考に、Web サイトの調査をすることにしました。そのデータとは、次の資料です。
▲株式会社うぶすなの WEB サイトより(http://scoa.ubusuna.com/works/project/sado-goodjapan.html)
上の資料は「株式会社うぶすな」 が実施した調査の結果です。見て分かるように、情報源
にする第 1 位は 3 年連続でインターネットによる検索になっています。そこで、実際に
「西さがみの観光ビジネス」のメンバー全員で手分けしてインターネットで小田原につい
て調べてみました。また、調べるにあたって気を付けたことは、次の 3 点です。
《 調査方法 》
① 海外で一番使われている Google を使用する。
② 設定を「English」にする。
③「odawara」を調べると同時に、比較検討のため、人気の観光地も調べる。
この 2 つの調査を行うことで、外国人旅行者の実態を把握できるはずです。その上で、
結果に基づく対応を考えることによって、正しい対応を取ることができると考えました。
5-1 You は何しに小田原へ?
英語の練習をした上で、当日 4 時間のインタビュー調査を行いました。その結果、合計
34 組に声をかけることができ、10 組には断られてしまいましたが、24 組の外国人旅行者
に実際に聞き取り調査ができました。
24 組の内訳は右のグラフの通りです。声
をかけるにあたって、比較的見分けがつきや
すい旅行者を選んだこともありますが、これ
ほどまでにヨーロッパからの旅行者が多いと
は想像していませんでした。
さらに、衝撃的だったことは、24 組中、
小田原を目的に来たのはたったの 1 組であっ
たことです。それも、純粋な観光ではなく、
小田原に来た目的は「親戚に会いに来た」と
いうものでした。そのほかの多くは、「箱根
や富士山に行くための乗り換えとして利用し
た」だとか、
「箱根から京都などのほかの観
光地へ行くために新幹線を利用するために小
田原駅にいた」というものでした。あくまで
も「乗り換えの小田原」でしかないという現状
が浮かび上がりました。
5-2 Google で「odawara」と検索してみました。
次に Web サイトの調査です。まず、Google の検索言語を English に設定します。
その上で、「odawara」と検索すると、次のように表示されます。そこで、最上位に表
示される Wikipedia を除いた上位 4 つのサイトを調べてみました。
①
②
③
④
①Odawara Area | Japan National Tourism Organization
②Odawara AREA HIGHLIGHTS -KANAGAWA NOW JAPAN
③Odawara - TripAdvisor - Best Travel, Tourism & Weather for
④Odawara Castle Profile - The Guide to Japanese Castles
このように、外国人が「odawara」と検索すると、基本的に「小田原城」の情報がおも
になっており、小田原の「魅力」を伝えきれていない現状があります(小田原城が日本の
お城の中でどのくらい魅力的なお城なのかと言われると、そこにも疑問符が付きますが
…。
)
。特に最初に開くであろう上位に位置する①②のサイトは、直感的に「魅力がない」
と感じさせてしまいます。③のサイトは、言語の設定ができるとはいえ、最初に表示され
るのが日本語のページになっており、外国人にとって非常に不親切なものになっています。
つぎに、比較検討のため、
「人気の観光地」も 30 人全員で手分けして調べました。人気
の観光地の定義は、次の資料によっています。
《 東京の上位3サイト 》
① Tokyo - City Guide - Japan Guide
②
Home / Official Tokyo Travel Guide GO TOKYO
③ Tokyo Metropolitan Government
《 大阪の上位3サイト 》
① Osaka Travel Guide - Japan Guide
② OSAKA INFO -Osaka Visitors' Guide
③ City of Osaka
《 京都の上位3サイト 》
① Kyoto Travel Guide - Japan Guide
② Welcome to Kyoto
③ Kyoto Travel Guide <Official>
以上のように、
「人気の観光地」の Web サイトは、全てのサイトが最初から英語表記で
あり、写真がうまく活用されています。また他サイトへのリンクや、情報量も非常に多く、
直感的に「行ってみたい」という思いにさせています。一方「odawara」では「小田原城」
を前面に押し出すことしかできておらず、
「odawara」の Web サイトが「小田原を知る際の
情報源」として機能しきれていないという現状が浮かび上がりました。
6-1 「魅力伝達率ゼロ説」は正しいのか!?
2 つの調査結果をまとめると、次のようになります。
① 外国人への聞き取り調査
…
「乗り換えの小田原」 になっている
② Web サイトの調査
…
「小田原を知る際の情報源」 としての機能が乏しい
「乗り換えの小田原」となっているということは、
「小田原」という言葉自体が全く認
知されていないわけではないことがわかります。その上で、観光されずにいる理由として
は「小田原を知る際の情報源」が乏しいからだと考えられます。つまり、現状の「小田原
市内において、外国人旅行者を見かけることがほとんどない」理由は、私たちが立てた仮
説「直感に訴えかけるような魅力の伝え方ができていないから、小田原市を観光する外国
人がいない状況になっている。
(魅力伝達率ゼロ説)
」からだと推測されます。
仮説 : 直感に訴えかけるような魅力の伝え方ができていないから、
小田原市を観光する外国人がいない状況になっている。
現状 : 小田原市内において、外国人旅行者を見かけることがほとんどない。
7-1 「観光地としての小田原」になるために
この状況から、私たちの目指す姿である「また来ようね!」と言ってもらえる小田原に
するためには、魅力伝達率を上げていくことが一番の方法であるといえます。そこで、次
のような仮説を立てて、行動をしていくことにしました。
仮説2 : 直感に訴えかける魅力の伝え方を行うことによって、
「乗り換えの小田原」から、「乗り換えついでに遊べる小田原」、
さらには「観光地としての小田原」になっていく。
まずは、現状の「乗り換えの小田原」を脱して、
「
(乗り換えが目的だけれども、
)面白
そうなところがあるから、ちょっと寄って行こうよ」という小田原に引き上げていくため
の企画の検討からです。
8-1 WORLD LOCAL MAGAZINE 『RISE』との出会い
「小田原を知る際の情報源」として有効に機能するサイトがないのなら、私たちで魅力
あるサイトを作ろうかと話していた時のことです。授業に外部講師として高村快人さんが
来てくださったのです。高村さんは、外資系の広告代理店で世界中で働いた後、独立して、
プロのマーケティング・プランナーとして、イベントや CM の企画、地域を盛り上げる仕
事等に携わっています。
高村さんは、現在小田原でも
活動されていますが、小田原で
の仕事を通して、小田原の魅力
と奥深さを感じ、この魅力を発
信してきたいと考え、小田原の
魅力を世界に発信する雑誌
WORLD LOCAL MAGAZINE
『RISE』の発刊を目指しています。
▲FAAVO 小田原箱根の WEB サイトより (https://faavo.jp/odawarahakone/project/476)
https://faavo.jp/odawarahakone/project/476
この「RISE」は普通の観光の雑誌とは次の 2 点で、全く違うものになります。
① 雑誌のターゲットを外国人旅行者にしている。(英語と日本語の併記)
② 21 世紀型観光ビジネスの雑誌にする。
②についてですが、21 世紀は「体験やコミュニケーション型の観光」にニーズが集中すると分
析しており、そこに焦点を当てた雑誌にしていくとしています。
たとえば、
『アメリカの自由の女神は 2 回 3 回見るうちに飽きてくる。しかし、小さな
パンケーキ屋さんでのおばあさんとお話ししながら食べる経験は、
「あのおばあさん元気
かな?」というような形で、何度でも会いに行きたくなる。
』と、自身の経験を踏まえ、
21 世紀の観光ビジネスの在り方を説明してくださいました。
《 20 世紀的価値観 》
《 21 世紀的価値観 》
・物質的豊かさの追求
・精神的豊かさの追求
・自然からの搾取
・自然との共生
・イデオロギーの対立
・民族の融和
・先進国と後進国
・グローバル化
・モノ重視
・コミュニケーション重視
21 世紀型観光ビジネスのキーワードは「コミュニケーション=日常の体験」となります。そこ
で、『RISE』のテーマは 「日常の冒険」 にすると教えてくださいました。
・小田原には、家族でロックバンドをやっている蕎麦屋がある。
・小田原には、おばあちゃん 1 人だけだと、たこ焼きを売らないたこ焼き屋がある。(週 4 でたこ焼きなし)
上記の蕎麦屋とたこ焼き屋は、高村さんが実際に訪れたお店ですが、今までにない切り
口の紹介になってきます。今まで私たちは、
「魅力」としてあげた小田原の特産物や観光
地などの「モノ」をいかにPRするかにとらわれていました。しかしそうではなく、小田
原での、小田原の人との出会いそのものが、これからは大きな魅力になってくるのだと意
識を改めさせられました。
この『RISE』はマガジンとして発行するとともに、Web マガジンとしても世界に発信し、
Web サイトとして雑誌と各サイトをリンクさせる構想です。ということは、
「日本を知る
際の情報源」での上位 2 つの「インターネット」と「情報誌」の合計 70%を網羅するこ
とになります。そしてなんと、今回のことを通して、この『RISE』の Web マガジン企画に、
私たちの案も採用してくださり、一緒に活動して行けることになったのです。今までとは
違う観光スタイルの紹介となる「RISE」は、直感に訴えかける魅力の伝え方になると考え
られるため、脱・「乗り換えの小田原」に向けて、大きく歩みだせることになりました。
8-2 小田原の日常といえば
そこで、授業において、
「小田原の日常」をみんなで
考え出しました。考えるポイントは、「どこで」「どんなコミュ
ニケーションを取るか」の 2 点です。
・お寿司屋さんで、寿司を握ってみる。
・梅干し屋さんで、梅干しづくりを体験する。
資料
など合計で 121 の案が出ました。その上で、「魅力性」
「実現可能性」について検証を行い、大きく 10 の案に絞
りました。その案が、下のものです。これを高村さんに
見てもらいました。
【 収穫系 】
①小田原の梅(曽我の梅林) : 梅収穫 → 梅干しづくり(1 年後にできた梅干しを取りに来る。
)
梅ワインづくり
オランジーナならぬ「梅ジーナ」づくり
梅アイスづくり
②小田原みかんの畑 : みかん収穫 → ジュースやゼリーづくり
③足柄茶の生産地
: 足柄茶を摘む → 摘んだお茶でお茶を入れる
【 工場見学系 】
①かまぼこ製造している会社
: かまぼこ作り(その日の写真をかまぼこに印刷)
②小田原提灯を製造している会社 : 小田原提灯づくり
【ツアー系】
①二宮尊徳ツアー : 中国知識階級の間で注目されている二宮尊徳(金二郎)を楽しみながら学ぶ。
二宮金二郎のコスプレで、二宮ゆかりの地など(二宮神社)を巡る。
わらじ作り
【イベント系】
①小田原城址公園 : ・茶道体験
・忍者体験
・豊臣チームと北条チームに分かれて陣取りゲーム
②一夜城 : 本当に 1 日でお城が建設できるかチャレンジ!(外国人旅行者を○人以上集めて)
③酒匂川 : こいのぼりを作り、こいのぼりを揚げる。
④中島湯 : 創業 80 年の小田原唯一の老舗銭湯で、銭湯体験。
番頭さんとの会話、湯船の上の富士山、湯上がりのコーヒー牛乳
8-3 小田原スイーツ大使のお茶さん
見ていただいた結果、高村さんから次のようなコメントを頂きました。
「今回の企画で大事なのは「高校生の視点」と「今までにはない情報」です。その
あたりを実際にフィールドワークをして、洗い出し、企画にして、実際に外
国人旅行者を案内してもらうというのが理想です。
」
このコメントを頂いて、改めて自分たちの企画を考えてみると、「高校生の視点」という
点があまりに弱いということに気づきました。そこで、「高校生の視点」を意識して、もう
一度練り直すことにしました。
そのような中、授業に「小田原スイ
ーツ大使」のお茶さんに来ていただけ
ました。お茶さんは小田原スイーツ大
使以外にも多くのことに携わっておら
れ、小田原駅地下街のお土産屋「北条
楽市」の店長や、小田原海外市民交流
会会長、地球市民フェスタ実行委員、
小田原まちなか市場実行委員、足柄茶
コンシェルジュなど、小田原市につい
て雑誌やSNSを通して魅力を発信さ
れている方です。
お茶さんも、私たちと同じように小田原のインバウンド観光についての取り組みが弱い
と認識されていました。ネット媒体や雑誌媒体での発信が特に弱く、外国語でのパンフレ
ットなどはほとんどない状況で、改善の余地が大いにあると語ってくださいました。
その上で、次のような話もしてくださいました。
・小田原には、本当にたくさんのおいしいスイーツがある。
・外国人が好むスイーツは、手作りであり、ボリュームがあるものや、さっぱりしている柑橘系のものや、
焼き菓子系であるということ。
・外国人が好まないものに、あんこや最中、梅の商品があるということ。
このような話を聞く中で、「高校生の視点」×「小田原スイーツ」=「今までにない情報」になる
のではないかと考え、話し合いの結果、この方向で新たに企画を考えていくことにしまし
た。
8-4 「地元高校生による徹底リサーチ!小田原人はこのスイーツをハズサナイ!」
そこで考えたのが、『地元高校生による徹底リサーチ!小田原人はこのスイーツをハズサナイ!』
です。これは、リレー形式で小田原のおすすめスイーツを紹介してもらうという企画です。
今までにないスイーツの記事になるため、この企画で進めていくことにしました。
WORLD LOCAL MAGAZINE『RISE』 ページ企画
地元高校生による徹底リサーチ!
小田原人はこのスイーツをハズサナイ!
企画者:小田原総合ビジネス高校 西さがみの観光ビジネス
内 容:外国人旅行者に小田原自慢のスイーツを紹介する。
方 法:スイーツ大好きな小田原人に、
①外国人にすすめたいスイーツ
②自分と同じくらいのスイーツ好き
の 2 つを紹介してもらい、めぐっていく。最初は小田原スイーツ大使のお茶さん。
お茶さんに
おすすめスイーツ
インタビューをして、
& スイーツ好き
実際にお店に取材に行く
を教えてください。
小田ビの生徒
○○の□□パフェ
お茶さん
が一番おススメ!
外国人
△△さんもスイーツ
好きだよ。
〇〇カフェ
2人目にインタビューをして、
★★の☆☆パフェ
2件目のお店に取材に行く
が一番おススメ!
◇◇さんもスイーツ
好きだよ。
★★カフェ
△△さん
9-1 「こんなアップルパイ食べたことない!」和颯(わそう)のアップルパイ
7 月 23 日木曜日、夏休みを利用して、『高校生が徹底リサーチ!小田原人はこのスイーツをハ
ズサナイ!』を実践してみました。まずは、小田原スイーツ大使のお茶さんへのインタビュ
ーからです。
《スイーツ大好き小田原人#1》
お茶さん
・小田原スイーツ大使
・小田原スイーツ会 会長
・北条楽市 店長
《外国人旅行者#1》
Savanna malone
・米国 ニューヨーク州出身
・17 歳
・高校を卒業し、日本旅行中
・祖父が日本人
《 インタビュー内容 》
:そもそも小田原スイーツ大使とは?
:昨年、(一社) 小田原プロモーションフォーラムが小田原のスイーツをPRするため
に「小田原さんぽ 甘味摘み」というイベントを企画しました。これまでに 2 回実施し
ている企画で、30 前後のお店が参加しています。私自身、個人で小田原スイーツ会
というスイーツを食べる会を主催していることもあり、大使として依頼を受けまし
た。大使の役割は、参加店舗のスイーツをPRすることなんです。
:小田原のスイーツとして外せない一品を紹介してください。
:とびっきり衝撃をうけたスイーツがあります。「和颯」の「アップルパイ」です。この「小
田原さんぽ 甘味摘み」のPRのために、初めて訪れたお店んなんですが、一口食べ
てそのおいしさに圧倒されました。ふじりんごを皮のついたまま使用して、リンゴ独
特の酸味を生かしつつも、サツマイモの「紅あずま」を使用して、甘さを際立たせて
います。本当にイチオシのスイーツです!
:お茶さんと同じくらい、スイーツに詳しくて、スイーツ好きな方がいらっしゃった
ら紹介してください。
:この企画にぴったりの人がいます。同じ小田原スイーツ会のメンバーで、一緒に立ち
上げたメンバーでもある瀬戸和浩さんです。瀬戸さんは、ダイニングバーを経営して
おり、お店でスイーツを提供しています。作るほうの見地と、食べるほうの見地の両
方を兼ねそろえた、スイーツの視野の広い人です。この人ならまちがいありません。
そこでさっそく紹介を受けたお店「和颯」に取材に行きました。今回協力してくれる外
国人は、高校を卒業して、日本に短期旅行に訪れていたアメリカ人の Savanna さんです。
高校時代にアイスクリーム店でアルバイトをしていた、大の甘い物好きな 17 才です。
城下町小田原の和モダン喫茶 和颯(わそう)
営業時間:午前 11 時から午後 6 時
定 休 日:月曜日(不定休あり)
アクセス:小田原駅 徒歩 10 分
H
P:http://wasou-odawara.jimdo.com/
T E L:0465-87-6156
店
主:石田和宏さん・石田祐子さん
〈 アクセス 〉
「和モダン」をコンセプトとしている
お店の中は、落ち着いた雰囲気でありつ
つ、あったかい空間でした。中には店主
のガラス細工の作品が並べられているな
ど、ギャラリー的な要素も感じられる内
装です。ゆっくりしたい人に、とっても
おススメです。
着いてすぐ、お目当てのアップルパイ
を注文しました。出てきたアップルパイ
は、想像していたものと違い、ケーキの
ような厚みのあるものでした。大きくカ
ットされた「ふじりんご」は存在感抜群
で、甘酸っぱさが、生地に練りこまれた
「紅あずま」の甘さをさらに際立たせ、
この 2 つの織りなす絶妙なハーモニーは、 店主の奥様 石田祐子さん▸
小田原スイーツ大使のお茶さんが言って
いた通り、
「こんなアップルパイ食べたこ
小田原の安心できる素材を使って、手作りだか
とない!」と言うにふさわしいものでし
らこそのスイーツや料理を作っています。様々
た。一緒についてくるバニラアイスを絡
な理由により食べられないものがある人にも、
めると、バニラアイスがアップルパイを
食べて喜んでもらえるよう、素材の調整もでき
さらに引き立たせてくれます。アツアツ
ます。小田原がギュッと詰まったメニューにな
のアップルパイにぜひ絡めて食べてみて
っていますので、ぜひお立ち寄りください。
ください。
Savanna’s Evaluation
The first destination was a cafe called Wasou which was quaint, comfortable, and
decorated to match some kind of handmade theme. This provided a delightful
ambiance and environment to enjoy it's wonders behind the glass display case.
Apple pie was what the place was known for and after eating it, I could see why.
Its flakey exterior and sweet apple filled interior was quite different from the
traditional American apple pie, but provided its own special Japanese twist on the
famous dessert. I will admit that I was blown away by this cafe's ability to change
own of my favorite American treats and make it even better.
※「RISE」の WEB マガジン記事は、この P18~P20 の形をベースに製作していく予定です(試作は P24)。
9-2 「“和”がつまった絶品」かくれんぼの白玉ぜんざい
次に、小田原スイーツ大使のお茶さんに紹介していただいた瀬戸和弘さんへの取材で
す。連絡を取り、主旨を話すと、インタビューを快諾してくださいました。
《スイーツ大好き小田原人#2》
瀬戸和弘さん
・ダイニングバーを経営
(お店として下記3つに参加)
・あしがら旬感スイーツ
・あしがら旬感スイーツ
Ooi selection
・Ashigara フードプロジェクト
《 インタビュー内容 》
:小田原スイーツ大使からスイーツに関する見地がすごいと紹介いただきましたが、
どのようなことをされているのですか。
:大井町で洋風の居酒屋を経営しています。そこで、地元の素材を使った料理やスイ
ーツを提供しています。特に大井町の旬の素材で作った料理やスイーツを提供する
旬感スイーツというプロジェクトを行政と連携して行っています。若いころはいろい
ろしていたけれど、それでも見放さず、ここまで育ててくれた地元に何か恩返しを
したいと思い、好きだった料理の点から地元を盛り上げていこうと活動しています。
:小田原のスイーツとして外せない一品を紹介してください。
:「かくれんぼ」の「白玉ぜんざい」 をおすすめします。数量限定ですが、とてもおいしいス
イーツです。また、味だけでなく、スイーツの見た目の世界観にもきっと引き込ま
れると思います。お膳やはしおき、器、お茶などの細部にいたるまで「日本らしさ」
を感じられる一品です。
:瀬戸さんと同じくらい、スイーツに詳しくて、スイーツ好きな方がいらっしゃった
ら紹介してください。
:紹介するにふさわしい方はたくさんいるのですが、実際にスイーツを作っている人
のお話も面白いと思うので、スイーツ教室の先生をなさっている 喜多村薫さんを紹
介したいと思います。
地元に対する思いや、料理に対する思いが本当に熱く、より真剣に取り組まなくては
と思わされました。そして、次のスイーツは、「かくれんぼ」の「白玉ぜんざい」に決まりまし
た。外国人旅行者との調整をすすめつつ、まずは一度下見に行くことにしました。
当初私たちは、「かくれんぼ」の「白玉ぜんざい」だけを求めて、お店に取材しに行きました。
しかし、それ以上の発見と出会いがありました。
「かくれんぼ」は、洗練されたデザインで、枯山水などの庭なども配置しており、とても
モダンな造りになっています。また、テーブルも 5 か所しかなく、広い店内をゆったりと
使用しており、周りを気にせずにリラックスできる、大人の空間でした。
コーヒー&アトリエ かくれんぼ
〈 アクセス 〉
営業時間:午前 11 時から午後7時(平日)
定 休 日:火曜日・水曜日
アクセス:富水駅 徒歩 5 分
H
P:http://www.cafe-atorie-kakurenbo.com/
T E L:0465-87-8382
店
主:小林守さん・小林真澄さん
至 小田原
取材して初めて分かったのですが、実は
このカフェは、メインがカフェではなかった
のです。メインは、海外でも活躍され、現在
美術の分野で注目を集めている、日本現代ア
ーティストの小林真澄さんのアトリエ兼ギャ
ラリーだったのです。小林真澄さんは、かく
れ文字絵の創始者で、国内外を問わず、数々
の賞を受賞され、テレビや雑誌で取り上げら
れてもいます。お店の名前「かくれんぼ」の由来
も、小林真澄さんの著書「かくれんぼする文字 みぃ~つけた」(幻冬舎ルネッサンス)か
ら名付けられています。
さて、『地元高校生による徹底リサーチ!小田原人はこのスイーツをハズサナイ!』の第 2 弾とな
る瀬戸和浩さんから紹介受けた「白玉ぜんざい」を注文しました。
「白玉ぜんざい」は抹茶ときな粉がかかったアイスクリームと、その下にあんこが隠れて
いるぜんざいで、瀬戸さんの言っていた通り、器やはしおきの一つひとつにまでこだわっ
た、とても「和」を感じることができる一品でした。このぜんざいに使われているあんこ
とアイスにも深いこだわりがあります。あんこは 2 時間かけて作り、作り置きを絶対せず、
ほどよい甘さで、北海道産の小豆を使用し、新鮮なあんこになっています。アイスは、山
田乳業株式会社のブランド「フロム蔵王」を使用しています。
特に今回の取材で、高村さんの話していた 21 世紀型の価値観である「コミュニケーション」と
いう魅力を実感することができました。店主の小林守さんと小林真澄さんは、初めてお会
いしたにもかかわらず、昔から知っているかのように接してくださり、お店の雰囲気と合
間って、なごやかな雰囲気の中、気づいたら 3 時間半もお話をしていました。そして、イ
ンタビューが終わった時、今度は友達を連れてまたお話をしに来たいなと思いました。高
村さんの話されていたモノではなく、「コミュニケー
ション」が魅力になるということを、身をもって体
験できました。
その他の耳ヨリ情報
・かくれんぼしているモノが店内にたくさん!
・海外の人を泊める構想もあり。
・お客さんとともにイベントを作り上げる。
・訪れるたびに、毎回違った変化を味わえる。
9-3 Web マガジンの試作を作ってみました!
Web マガジンのイメージを掴むため、まずは日本語で、試作を作ってみました。ブラウ
ザ上でファイルを展開した時に、文字ずれなどがひどく、修正するのに苦労しましたが、
何とかやってきたことを一つの形にすることができました。
もちろん、今後これを英語に翻訳しなくてはいけなかったり、2 店舗目以降の作成をし
なくてはいけなかったりしますが、一度ここまでのことを高村さんに報告することにし、
方向性の確認をすることにしました。
10-1 間近で見たプロの企画力
ここまでの途中経過と、内容の検証をしてもらうため、高村快人さんに会いに行きまし
た。高村さんは、通常の仕事を行いながら、ちょうど新しい会社を立ち上げたところでし
た。会社の名前は「燃える!旅行社」です。内容を検証してもらうために行ったのですが、
企画について学ばせていただきました。
「旅人が沸く! 旅先を沸騰させる‼ 」
「燃える!旅行社」は、「祭り」に特
化した旅行企画会社です。「祭り」を
求めて各地へ出かけて、旅人が現地で
沸き、旅先もその熱で沸騰するような
旅を企画立案。その土地の地元の人々
の暮らしぶりの深い部分にまで入り込
める旅を実施し、人と文化と暮らしぶ
りに溶け込む感覚を提供します。
左の画像、上の説明文とも
燃える!旅行社 の Facebook ページより
https://www.facebook.com/moeru.travels
他の旅行会社と差別化は、事前学習を楽しみながらしっかり行う点です。参加者同士の
和を深めつつ、どういうお祭りなのか、その特徴を地元の人を招いてレクチャーしてもら
った上で旅行に臨みます。そのため、地元の人と同じ感覚で 100%お祭りを楽しむことが
でき、旅行先が大好きになり、また訪れたくなる仕組みになっています。
私たちの授業「西さがみの観光ビジネス」において、掲げているスローガンがありま
す。「ライバルはディズニーランド」です。リピーター率 90%以上を超えるディズニーランドのよ
うに、
「また来ようね!」となる西さがみになることを目指しています。そのためには、
その場所のことが大好きになる必要があります。どのようにすれば、その場所を大好きに
なってもらえるのかを、しっかりと仕組みとして作り上げ、実際に実行させる企画力は、
さすがプロフェッショナルだと感嘆しました。
その上で、『企画とは、「楽しい」を追求することである』と教えてくださいました。どのように
すれば参加してくれる人が楽しめるのかを考え抜くことによって、企画ができるのです。
10-2 まだまだ甘かった私たちの企画
企画についての考え方を教えてもらった上で、私たちの企画について、このまま進めて
大丈夫なのか、それとも修正した方がいいのかを、プロの目から判断して頂きました。
まず、改めて企画内容と、進捗状況を説明しました。すると、説明したところで、考
え込まれてしまいました。結論からすると、次のように言われました。
課題 : 「高校生」であるメリットを活せておらず、
「21 世紀型」にもなっていない。
私たちとしては、リレー形式で①おすすめスイーツと②スイーツ好きを紹介してもら
うという企画自体が高校生の視点で、新しいと思っていました。しかし、
「高校生でなく
ても、この企画はできてしまう」と、言われたときに、
「確かに」と思わされました。私
たちの企画は、
「ただの紹介」になっており、雑誌の編集者が行ってもできますし、主婦
や大学生が行ってもできてしまいます。今までの企画と大差なく、
「直感に訴える魅力の
伝え方」になっていませんでした。もっと「高校生ならでは」の要素、
「日常を冒険でき
る」要素が必要だと教えてくださいました。その上でいくつか例を出してくださいました。
・「この店にいけば、こんな魅力的な店主に出会える」のような形にする。
・「小田原の高校生が案内してくれる」のような形にする。
・「小田原の高校生がよくいく喫茶店は?(女友達 ver、恋人 ver)」のような形にする。
「仮にイタリアに行ったとして、現地の高校生の実態を知ることができ、その上で自
然な形で交流できたら、ワクワクしませんか?」と言われたときに、これもまた「確かに」
と思わされました。つまり、小田原での小田原の人との出会いや交流そのものが、大きな
魅力になり、読者を楽しませる企画になるというのです。それこそが「RISE」のテーマの
「日常の冒険」なのです。私たちは、
「高校生らしさ」を目指すあまり、
「コミュニケーシ
ョンや体験を楽しんでもらう」という視点が抜けていました。この点を踏まえ、企画をブ
ラッシュアップしていくことにしました。
11-1 ここまでの取り組みで得られたこと
取り組み自体がまだまだ途中段階ですが、ここまでの取り組みを一度まとめてみます。
7つの成果
1.小田原にはたくさんの魅力があることがわかった。
2.しかし、小田原の現状は「乗り換えの小田原」でしかなかった。
3.その原因は、
「魅力伝達率ゼロ説」だと推測された。
4.私たちと同じように考えている大人が多かった。
5.21 世紀型の旅行の在り方、企画の立て方を学ぶことができた。
6.21 世紀型観光ビジネスを実感できた。
7.私たちの考えた企画の課題がはっきりした。
11-2 「楽しい」の追求の末に訪れるもの
「RISE」は年内発刊の予定です。現時点において、発刊に向けての調整中であるため、
仮説の検証を行うことができないでいます(検証自体にも時間がかかると推測されます)
。
ただ、今までの情報誌とは異なった魅力の伝え方をする新しい形の小田原の情報誌になる
ため、仮説を検証するには非常に適していると考えています。
仮説2 : 直感に訴えかける魅力の伝え方を行うことによって、
「乗り換えの小田原」から、「乗り換えついでに遊べる小田原」、
さらには「観光地としての小田原」になっていく。
もちろん「RISE」だけで、劇的に小田原市に外国人の姿が増えることは難しいかもしれ
ませんが、小田原の観光が変わるきっかけになると考えています。その「RISE」プロジェ
クトに、私たちが携わっていけること、さらに長期的なプロジェクトであるため、「RISE」
を軸として、これからの「西さがみの観光ビジネス」の後輩とも一緒に作り上げていくこ
とができることを考えると、とてもワクワクします。高村さんに教えていただいた「楽し
い」の追求を、
「西さがみの観光ビジネス」から「RISE」を通じてたくさん発信し、2020 年
までに「乗り換えの小田原」から「観光地としての小田原」へと変え、
「また来ようね。
」
と言ってもらえる小田原にしていきます。
提言 :2020 年までに、「楽しい」の追求 により「インバウンド観光名所」 にする!
【 問い合わせ先 】
神奈川県立小田原総合ビジネス高等学校
学校設定科目「西さがみの観光ビジネス」担当教諭 勝山光仁
TEL : (0465) 34-2847
FAX : (0465) 35-9038
MAIL : [email protected]
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