第06回ゲート回路

情報工学実験1
基本ゲート回路
作成者:宮城隼人 (045755J)
実験日:6 月 4 日(金)
提出日:6 月 11 日(金)
締切日:6 月 11 日(金)
グループ名:G
共同実験者:
山内健太郎 (045755E)
山城たくや (045759B)
1
目次
1
本実験の目的
3
2
使用した器具
3
3
実験
3
3
3.1
NAND ゲートのみを用いて、NOT、OR、NOR、XOR ゲートを設計せよ。 . . .
3.2
実験 3.1 で設計した各ゲートを実際に NAND ゲート IC を用いて実現し、それらの
動作を確認せよ。 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
4
報告事項
4.1
3
4
2変数の論理関数は全部で 16 種類ある。何故 16 種類になるのか説明せよ。また、
2変数の論理関数を 16 種類すべてを列挙し、否定 (NOT)、論理積 (AND) および
論理和のみを用いて表現せよ。 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
4.2
NAND ゲート以外のゲート回路のうち、ただ 1 種類で NOT、AND、OR、NAND、
4.3
NOR、XOR ゲートを表せるゲート回路の具体例を示せ。 . . . . . . . . . . . . . .
2 種類のゲート回路で NOT、AND、OR、NAND、NOR、XOR ゲートを表せる
ゲート回路の組みの具体例を 2 組以上示せ。 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
4.4
4.5
半加算器および全加算器とはどのような回路か調査し説明せよ。 . . . . . . . . . .
本実験について考察せよ。 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2
4
6
7
7
10
本実験の目的
1
本実験では,抵抗値の測定とコンデンサの充放電の特性を通して、オシロスコープ、直流電源、
発振機などの測定機器の使用法を取得するとともに、アナログ回路の基本となる抵抗およびコンデ
ンサの性質を取得することを目的とする。また本実験では、NAND ゲートを用いて他のゲート回
路 (NOT、AND、OR、NOR、XOR) を構成することによって、汎用ロジック IC の基本的な使い
方についても学ぶ。
使用した器具
2
• 直流電源
• ブレップボード
• 汎用ロジック IC(4011B)
実験
3
NAND ゲートのみを用いて、NOT、OR、NOR、XOR ゲートを設計せよ。
3.1
各ゲートを図 1∼5 に示す。
A
A
F
F
B
B
図 1: NOT ゲート
図 2: AND ゲート
A
A
F
F
B
B
図 4: NOR ゲート
図 3: OR ゲート
3.2
実験 3.1 で設計した各ゲートを実際に NAND ゲート IC を用いて実現し、
それらの動作を確認せよ。
実験 3.1 で設計した回路図を,NAND ゲート IC とブレッドボードを用いて,実現した。表 1∼
5 に示す真理値のように作成した全てのゲートが正常に動作したのを確認した。
3
A
B
F
A
B
図 5: XOR ゲート
入力
出力
入力
出力
A
B
F
A
F
0
0
0
0
1
0
1
0
1
0
1
0
0
1
1
1
表 1: NOT ゲートの真理値表
表 2: AND ゲートの真理値表
報告事項
4
4.1
2変数の論理関数は全部で 16 種類ある。何故 16 種類になるのか説明せよ。
また、2変数の論理関数を 16 種類すべてを列挙し、否定 (NOT)、論理積
(AND) および論理和のみを用いて表現せよ。
2変数においての入力の組合せは (0,0)(0,1)(1,0)(1,1) の 4 通りがある。それに対して、出力値
は’0’ もしくは’1’ であるので、入力値と出力値の組合せは 24 = 16 通り。よって2変数の論理関数
は全部で 16 通りあることになる。論理関数は表 6 を参照。
入力
出力
入力
出力
A
B
F
A
B
F
0
0
0
0
0
1
0
1
1
0
1
0
1
0
1
1
0
0
1
1
1
1
1
0
表 3: OR ゲートの真理値表
表 4: NOR ゲートの真理値表
4
入力
出力
A
B
F
0
0
0
0
1
1
1
0
1
1
1
0
表 5: XOR ゲートの真理値表
論理式
(0,0) (0,1) (1,0) (1,1)
AĀ + B B̄
0
0
0
0
A・B
0
0
0
1
A・B̄
0
0
1
0
A
0
0
1
1
Ā・B
0
1
0
0
B
0
1
0
1
A・B̄ + Ā・B
0
1
1
0
A+B
0
1
1
1
Ā・B̄
1
0
0
0
A・B + Ā・B̄
1
0
0
1
B̄
1
0
1
0
A + B̄
1
0
1
1
Ā
1
1
0
0
Ā + B
1
1
0
1
Ā + B̄
¯
AB + AB
1
1
1
0
1
1
1
1
表 6: 16 種類の論理関数と論理式
5
4.2
NAND ゲート以外のゲート回路のうち、ただ 1 種類で NOT、AND、OR、
NAND、NOR、XOR ゲートを表せるゲート回路の具体例を示せ。
ここでは、NAND ゲートではなく NOR ゲートをを使用して回路図を作成した。
ブール代数の定義より以下のゲートは NAND ゲートで表すことができる。
[NOT ゲート] 回路は図 6 を参照
A=A·A=A+A
[AND ゲート] 図 7 を参照
A·B
=
A·B
=
A+B
=
A·B
=
A+B
=
A·B
=
A+B
[OR ゲート] 回路は図 8 を参照
A·B
[NAND ゲート] 回路は図 9 を参照
A·B
[XOR ゲート] 回路は図 10 を参照
A·B+A
= (A + B) · A + (A + B) · B
= A+B+A+A+B+B
=
A+B+A+A+B+B
6
A
A
F
F
B
図 6: NOT ゲート (NOR 版)
図 7: AND ゲート (NOR 版)
A
A
F
F
B
B
図 8: OR ゲート (NOR 版)
図 9: NAND ゲート (NOR 版)
4.3
2 種類のゲート回路で NOT、AND、OR、NAND、NOR、XOR ゲート
を表せるゲート回路の組みの具体例を 2 組以上示せ。
(NOT ゲート、OR ゲート) と (NOT ゲート、AND ゲート) で回路の設計を行い、その回路図を
図 11∼16 に示す。図の左側の回路図では (NOT、AND) で、右側の回路図では (NOT、OR) の組
合せを表している。
4.4
半加算器および全加算器とはどのような回路か調査し説明せよ。
半加算器とは、1ビットの 2 進数 A、B からその桁の加算結果 S と桁上げCを求める回路であ
る。半加算器の回路図を図 17、真理値表を表7に示す。
A
F
B
図 10: XOR ゲート (NOR 版)
7
A
F
図 11: NOT ゲート
A
A
F
F
B
B
図 12: AND ゲート
A
A
F
F
B
B
図 13: OR ゲート
A
A
F
F
B
B
図 14: NAND ゲート
A
F
A
F
B
B
図 15: NOR ゲート
A
A
B
B
F
F
A
A
B
B
図 16: XOR ゲート
8
A
S
A
S
HA (Half adder)
B
C
C
B
図 17: 半加算器のゲート回路
入力
出力
A
B
c
s
0
0
0
0
0
1
0
1
1
0
0
1
1
1
1
0
表 7: 半加算器の真理値表
全加算器とは、下位の桁からの桁上を含めた加算を求める回路で、半加算器を 2 つ用いて実現
している。回路図を図 18、真理値表を表 8 に示す。A、B が入力で、C’ が桁上りで、s がその桁の
加算結果、c が上位の桁上げ。
C’
Ci
S2
S
H A2
A
A
S
B
S1
Co2
H A1
B
Co
図 18: 全加算器のゲート回路
9
Co1
Co
入力
出力
A
B
C’
c
s
0
0
0
0
0
0
1
0
0
1
1
0
0
0
1
1
1
1
1
0
0
0
1
0
1
0
1
1
1
0
1
0
1
1
0
1
1
1
1
1
表 8: 半加算器の真理値表
4.5
本実験について考察せよ。
今回の実験のように回路を設計するときに用いられるのがブール代数と呼ばれる論理演算で表 9
がその一覧である。ブール代数の定義をうまく利用すると、複雑な論理式を簡単化することができ
るので、少ないゲート数で回路を設計することが可能である。また、回路の設計では単に少ない
ゲートではなく、同一のゲートで回路を設計した方が都合のいいこともある。今回の実験で全ての
ゲートを NAND ゲート、もしくは NOR ゲートで設計できることが分かったので、あるゲートを
別のゲートに代替をして効率よく設計することもできる。回路を設計するにもブール代数を上手く
変形していくことが大事である。
結合則
A · (B · C) = (A · B) · C
A + (B + C) = (A + B) + C
吸収則 1
A+0=A
吸収則 2
A · (A + B) = A
A+1=1
A + (A · B) = A
分配則
A · (B + C) = (A · B) + (A · C)
相補則
A+A=1
二重否定則
A=A
べき等則
A·A=A
A·B =B·A
可換則
ド・モルガンの定理
(A + B) = A · B
A·B =A+B
表 9: ブール代数の公式
参考文献
• 実験指導書 P21∼P24
• VHDL で学ぶディジタル回路設計、吉田たけお、尾知博 CQ 出版社
10