「暑さ寒さも彼岸まで」お彼岸も過ぎ、本格的な秋の季節になりましたね。 そんな秋に登場するのが、今回ご紹介させて頂くネリネ! 当社大田花きの品目ではアマリリダセアエと登録されています。 では、アマリリダセアエって一体なんなのだろう? ボーデニー系、サルニエンシス系ってどうしてその名前になったの? そんなアマリリダセアエ・ネリネを紹介したいと思います! アマリリダセアエって? アマリリダセアエ(Amaryllidaceae)とは ヒガンバナ科の植物を指します。 アマリリダセアエとアマリリスって音が似ていますね。 なにか関係があるのでしょうか? アマリリダセアエとアマリリス アマリリス ネリネ 科:Amaryllidaceae 科:Amaryllidaceae ヒ ッ ペ ア ス ト ラ ム ネ 属:Hippeastrum ア マ リ リ ダ リ ネ 属:Nerine セ ア エ アマリリスも科はヒガンバナ科(Amaryllidaceae)だからアマリリダセアエのひとつですが、 ヒ ッ ペ ア ス ト ラ ム ヒッペアストルム(Hippeastrum)属をアマリリス科と分類していた名残からアマリリスと呼ばれています。 ネリネ属と地理 原産国:南アフリカ共和国 原種は南アフリカ共和国東部にあるドラケンスバーグ山脈の岩の狭間から生えていました。 花の美しさからイギリスに船で運ばれ、その後イギリス・フランス・オランダ・日本と世界中で品種改良されてきました。 日本での品種改良も有名であり、英語名に Japan Spider Lily とも呼ばれていたそうです。 ボーデニー系・サルニエンシス系 ネリネ属にはボーデニー系とサルニエンシス系があります。 ネリネ:ボーデニー系 ダイヤモンドリリー:サルニエンシス系 ○繊細で柔らかい雰囲気の花弁をもつボーデニー系は一般にネリネ ○きらりと輝き、ぱりっとした雰囲気の花弁をもつサルニエンシス系をダイヤモンドリリー と区別されています。詳しくは花研手帳 2015 年にも紹介されています。 ウンチク探検隊(2014):http://www.otakaki.co.jp/blog/place/archives/2014/10/20.html ウンチク探検隊(2007):http://www.otakaki.co.jp/blog/place/archives/2007/11/ 上記の Web ページでもダイヤモンドリリーについて紹介されていますので、合わせてご覧になってくださいね。 ネリネ属に2つの大きな系統があるのはわかったけど なんで ボーデニー? サルニエンシス? そこで名前の由来を調べてみました! ボーデニー系(ネリネ) ボ ー デ ン ボーデニー系の由来はイギリス南西部出身の南アフリカで活躍した国家技師 Athelstan Hall Cornish-Bowden ボ ー デ ン 1899 年南アフリカに滞在していたBowdenはイングランドにいる母にネリネの球根を送りました。 その後、彼の母がその球根をキュー王立植物園に持ち込み、Bowden の名前をつけるようお願いをし、 ボーデニー系と名付けられました。 息子の母への愛・母から息子への愛が感じられますね。 サルニエンシス系(ダイヤモンドリリー) サルニエンシス Sarniensisとはラテン語でチャンネル諸島 ガーンジー島 という意味です。 チャンネル諸島 ガーンジー島とはなにか関係があるのでは? 調査してみたらこのような一説がありました。 ※1659 年、ネリネを南アフリカから運んでいた船が沈没してしまいました。 そのときネリネの球根が船から投げ出され、大航海の末に サルニエンシス チャンネル諸島 ガーンジー島に漂着したことからSarniensis となったのです。 (※確実な根拠はありませんが、サルニエンシスを覚えて頂きたく、今回紹介させていただきました。) 日本ではダイヤモンドリリー(サルニエンシス系)の栽培が盛んなので 今回はダイヤモンドリリーの栽培暦についてご紹介します! ダイヤモンドリリー栽培暦 月 1 2 3 4 5 6 断水 7 8 9 10 11 12 植え付け 夏休眠 発芽 開花 元々、南アフリカの山の上、岩の隙間から生えていたダイヤモンドリリー 6 月に断水をし、夏休眠を促します。 (夏休眠は高温・乾燥・長日条件等で誘導されます。) 夏休眠は 30~40℃の高温によって打破されます。 9 月下旬に発芽します。 10 月から本格的に出荷され 11 月に出荷のピークとなります。 日本での産地 岩手県(ダイヤモンドリリー) 千葉県(ダイヤモンドリリー) 東京都(ダイヤモンドリリー) 輸入品産地 オランダ (ネリネ) ニュージーランド (ダイヤモンドリリー) ボーデニー系:ヴェスタ K ボーデニー系:ラスバンルーン ボーデニー系:ビアンカネーブ サルニエンシス系:ダイヤモンドリリーオレンジ 花言葉は「幸せな思い出」 「また会う日を楽しみに」 輝く花弁を持つ、ネリネ・ダイヤモンドリリー ぜひ直に見ていただき、 きらきら輝く姿を楽しんでくださいね。 サルニエンシス系:ダイヤモンドリリーホワイト 品質カイゼン室 参考資料 宇田明 桐生進(2013) 「花屋さんが知っておきたい花の小事典」 農文協 産地ウンチク探検隊(2014)http://www.otakaki.co.jp/blog/place/archives/2014/10/20.html Graham Duncan Curtis’s Botanical Magazine September 2014 Vol.31, Issue3 P. 183-299 http://wc.rootsweb.ancestry.com/cgi-bin/igm.cgi?op=GET&db=sandberg&id=I01137 https://thebloominggarden.wordpress.com/2014/10/11/nerines-october-jewels/ 斉藤隆 大川清 白石眞一 茶珍和雄(1992) 「園芸学概論」 文永堂 画像引用 産地ウンチク探検隊(2007):http://www.otakaki.co.jp/blog/place/archives/2007/11/
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