世界大学ランキングの実態と課題 岡山大学理事・副学長(研究) 山 本 進 一 平成27年度第2回大学研究力強化ネットワーク・カンファレンス「大学ランキング指標の更なる理解とあるべき研 究機関の対応について」 大学研究力ネットワーク・ランキングTF 電気通信大学 東地区 B棟 101号室 2015/9/25 1 プロフィール 山本進一 (理事・副学長) 略歴: 1996 名古屋大学農学部・大学院農学研究科 教授 1997 北海道大学低温科学研究所客員教授 2002 名古屋大学農学部長・大学院生命農学研究科長 2004 名古屋大学理事・副総長(研究・国際交流・産学官連携) 2006 日本学術会議連携会員 2009 名古屋大学総長顧問 2010 Research Fellow of Institute of Global Low-carbon Economy, University of International Business and Economics, Beijing, China 2010 大学評価・学位授与機構客員教授(併任) 2011 岡山大学 理事・副学長(研究) 2013 名古屋大学名誉教授 1)大学マネージメント(特に研究)の立場として2004年 から世界大学ランキングに関わる(THEの研修等)。ランキ ングそのものを研究しているわけではない。 2)2004年頃のTHEランキングをきっかけとした第1次世界 大学ランキングブームに対して、昨年からは第二次ランキ ングブームと捉えている。Lancaster 大学来訪時の挨拶。大 学同窓会でのランキングの話題。 2 大学ランキングとは 大学ランキングとは: 大学を構成するいくつかの要素を選び、その要素を「指標値」というかたちで計量化して量を与え、さらに 重みをつける。それを足し合わせた結果を大学に「点数」として与え、それらを序列化する行為。 ©YayoiTanaka無断転用禁 Times Higher Educaiton(THE) 研究:論文数、 研究費、評判 (30%) 教育:学習環境 (30%) 国際性 (7.5%) 企業協働:イ ノベーション (2.5%) 研究:被引用 度(30%) 3 出典:http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2013-14/world-ranking/methodology 様々な大学ランキング(+α)(国際) Scoupus (Elsevier) Web of Science(Tomson Reuters) QS(US) 2004- THE(UK) 2009- Leiden Ranking (Netherland) Times Good Unievrsity Guide (UK) CHE (Germany)2007- RatER (Russia) Guradian Ranking(UK) 上海交通大 学ランキング (中国)2003- HEEACT (Taiwan)2007- U-Multirank (EC)2011Mines Paris Tech Professional Ranking of World Universities(France) 2007- CSIC Webometrics Ranking of World University (Spain)2004- National Research Council(US) US .News&World Report(US)1983Forbes(US) 2008- (RPI) (Australia) 2010- Financial Times Ranking(MBS)(US) Business Week (MBS)(US) The Economist(MBS)(US) ©YayoiTanaka無断転用禁 出典:Vought,F.A., Ziegele, F.(2012)Multidimensional Ranking, Springer を参考に筆者作成 三大世界ランキングとは ■THE 世界大学ランキング:総合的な大学力に重み 高等教育専門誌Times Higher Education(英)が論文データベース会社のトムソ ン・ロイター(米)と提携して実施しているランキング(当初はQS 社)。昨年 からはエルセビア社と提携。上位400校を発表。 2012年は、日本からは13校がランクインしており、岡山大学はランク外 (400位以下)。 ■QS 世界大学ランキング:総合的な大学力に重み 高等教育関連の情報をWEBやイベントを通じて発信しているQuacquarelli Symonds Ltd(英)によるランキング。上位700校を発表。 2012年は、岡山大学は「451-500位」。日本では18~19位。 ■世界大学学術(上海交通大学)ランキング:研究力に重み 国立総合大学の上海交通大学(中)高等教育研究院世界一流大学研究センター によるランキング。上位500校を発表。 2012年は、岡山大学は「301~400位」。日本では10~16位。 5 大学ランキングに対する政治の反応 果たして彼らは正確な認識をしているのだろうか? 安倍晋三総理大臣発言:平成25年5月17日 安倍総理「成長戦略第2弾スピーチ」より 「「世界大学ランキング100」というものがあります。日本の大学は、残念ながら、2校し かランクインしていません。。。 「日本の大学」ではなく、「世界の大学」へ。 今後10年で、世界大学ランキングトップ100に10校ランクインを目指します。同時に、グ ローバルリーダーを育成できる高等学校も、作ってまいります。」 下村博文 文科大臣の発言:平成26年2月『中央公論2014.2』pp32-37 「掛け声じゃなくて、6月に日本再興戦略として閣議決定しているわけです。。。我が国 の大学は国際面の比率と論文引用が低い。これがランキングに入っていない主な要因 なんですね。。。これらを高められるかどうかでベスト100に10校入れるかどうかが、決 まる。評価基準にあわせた戦略が必要だということです。戦略の一つがスーパーグ ローバル大学事業です。」 ©YayoiTanaka無断転用禁 6 大学ランキング:大学の対応 • 京大は2020年までにトップ10 ※タイムズのランキングと明示。現在の順位は52位 • 阪大は2031年(創立100周年)にトップ10 ※どのランキングかは明示なし。現在のタイムズの 順位は144位 • 東工大は教育改革に主軸を置き、結果として「世界ト ップ10のリサーチユニバーシティ」となるとしている ※明示はしていないがタイムズのランキングを想定。 現在の順位は125位 ©YayoiTanaka無断転用禁 7 8 The world's leading network for top careers and education THES - QS World University Rankings Ben Sowter Head of Research QS Academic Ranking of World Universities (ARWU) February 16, 2006 at Leiden University By Professor Nian Cai Liu Institute of Higher Education and Center for World-Class Universities Shanghai Jiao Tong University, China 10 THE世界大学ランキングの指標 1.Teaching: the learning environment 【教育ー学習環境】30% 1)学生一人当たりの教員数 4.5% 2)博士学位授与数/学士学位授与数 2.25% 3)教員一人当たりの博士学位授与数 6% 4)研究者からの評価(教育分野)15% ・・独自調査の16,000以上の回答を参照 5)教員一人当たりの大学の収入 2.25% 2. Research: volume,income and reputation【研究-量、財政、評判】30% 1)教員一人当たりの論文数 6% 2)教員一人当たりの研究収入 6% 3)研究者からの評価(研究分野)18%・・独自調査の16,000以上の回答を参照 3. Citations: research influence【論文被引用数】30% ・・12,000の学術誌調査 4.Industry income: innovation【産学連携-外部からの研究費収入】2.5% 1)教員一人当たりの産業界からの研究費収入 2.5% 2)産業界との共著論文(※今年は指標にしていないが、来年の検討項目) 5.International outlook: staff, students and research 【国際化-職員、学生、研究】7.5% 1)外国人教員比率 2.5% 2)留学生比率 2.5% 3)国際的な共著論文 2.5% 11 QS世界大学ランキングの指標 1.Academic Reputation【研究者からの評価】40% 46,000人の研究者による評価。本学からも数名推薦できる。 2.Employer Reputation 【雇用者(企業)からの評価】10% 25,000人の雇用者による評価。本学からも数名推薦できる。 3. Citations per Faculty【教員一人当たりの論文被引用数】20% 5,000以上の国際的な出版社から出版される19,500以上の科学・技術・医学・ 社会科学・人文科学の学術ジャーナルを網羅する、 世界最大級のElsevier社 (蘭)による書誌・引用文献データベース「Scopus」と提携。 4.Faculty Student【学生一人当たりの教員比率】20% 5.International Faculty【外国人教員】5% 6.International Student【留学生】5% 研究者評価の割合が高く、雇用者(企業)評価を設けているのが特徴。日本の 大学は、他国と比べて、外国人教員や留学生のスコアがとても低い。 12 世界大学学術(上海交通大学)ランキングの指標 1.ノーベル賞やフィールズ賞を受賞した卒業生数【Alumni】10% 2.ノーベル賞やフィールズ賞を受賞した教員数【Award】20% 3. 「トムソンISI」21領域分野において 論文の引用数が高い研究者数【HiCi】20% 4.ネイチャー誌とサイエンス誌に発表された論文数【N&S】20% 5.「トムソンISI」の自然科学論文引用インデックスと 社会科学論文引用インデックスの被引用論文数【PUB】20% 6.規模:各指標のスコアの合計/ 教員数【PCP】10% 客観的データを集めたランキングが特徴。各大学にデータ提出は求めていない。 13 Some Global Rankings Teaching, Student/Faculty Ratio, Staff Quality Research Output (volume) Citations Reputation Industry/applied International Funds THE S Q S Jiao Tong NP I Relative to size High Weight Medium Weight Low Weight 2-2.THE世界大学ランキングの指標と岡山大学のスコア 1.Teaching: the learning environment 2.Research: volume, income, and reputation 3.Citations: research influence 4.Industry income: innovation 5.International outlook: staff, students, and research 岡山大学 Overall Score 割合 2014 2013 2012 2011 27.5 24.8 24.0 20.1 2014 2013 2012 30% 23 22 27 23 学生一人当たりの教員数 4.5% 60 70 66 59 博士学位授与数/学士学位授与数 2.25% 41 41 42 42 教員一人当たりの博士学位授与数 6% 32 26 30 35 * 15% 3 1 9 3 教員一人当たりの大学の収入 2.25% 41 41 38 38 2. Research 30% 14 13 14 17 【論文被引用数】 【産学連携-外部からの研究費収入】 【国際化-職員、学生、研究】 3. Citations 3 * 割合 2014 2013 2012 2011 30% 44 37 30 19 2.5% 47 48 47 38 論文の影響力 4. Industry income 教員一人当たりの産業界からの研究費収入 5. International outlook 7.5% 28 26 24 18 46 2.5% 24 23 23 19 24 24 留学生比率 2.5% 22 23 23 19 4 5 国際的な共著論文 2.5% 37 31 25 14 6% 33 33 34 教員一人当たりの研究収入 6% 27 26 18% 3 1 * 【研究-量、財政、評判】 外国人教員比率 教員一人当たりの論文数 研究者からの評価(研究分野)2 【教育-学習環境】 2011 1. Teaching 研究者からの評価(教育分野) 1 30% 30% 30% 2.5% 7.5% * 1 独自調査で16,000以上の回答を参照 * 2 独自調査で10,000以上の回答を参照 3 * Citation は、12,000の学術誌を調査 3 2-1.THE世界大学ランキング 岡山大学の推移 Overall Score 30.0 27.5 25.0 24.8 24.0 20.0 20.1 15.0 10.0 2011 【401位以下】 2012 【401位以下】 2013 【401位以下】 2014 【401位以下】 各指標のスコア 50.0 Teaching Research 40.0 Citations Industry income 30.0 International outlook 20.0 10.0 2011 2012 2013 2014 2 No Rank Universities Overall Score 2015 Swing 2014 2013 2015 2014 2013 2 The University of Tokyo Kyoto University 1 9 → ↓ 1 7 1 7 76.1 62.8 76.4 63.2 78.3 66.8 3 Tokyo Institute of Technology 15 ↓ 13 13 50.9 50.8 53.7 4 Osaka University 18 ↓ 15 17 49.1 49 52 5 Tohoku University 19 ↓ 16 15 48.1 48.5 53.1 6 Nagoya University 32 ↓ 29 26 43.3 41.5 43.8 7 Tokyo Metropolitan University 33 ↓ 27 36 42.5 41.6 40 8 Tokyo Medical and Dental University 40 ↓ 39 39 38 37.7 37.7 9 University of Tsukuba 48 ↓ 42 42 35.4 35.2 36.5 10 Kyushu University 58 ↓ 50 48 33.3 33 34.5 11 Waseda University 59 ↑ 64 57 33.2 29.4 29.7 12 Hokkaido University 63 ↓ 48 44 32.4 33.4 36.4 13 Keio University 73 ↓ 72 53 29.4 28 32.8 14 Juntendo University 75 ↓ 63 60 29.2 29.8 28.8 15 Hiroshima University 78 ↓ 74 67 28.9 27.9 27.2 16 Kobe University 81 ↑ 88 73 28.7 25.6 26.4 17 Okayama University 88 ↑ 94 85 27.4 24.5 24 18 Osaka City University 91 ↓ 71 69 26.8 28.1 27 19 Chiba University 99 ↓ 98 75 25.4 23.9 26 1 No Type Universities Rank 2015 Swing 2014 2013 2015 2014 2013 ↓ → ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ → ↑ ↓ ↑ ↑ ↓ ↓ ↑ ↓ ↓ ↓ ↑ ↓ ↑ ↓ 10 9 94.9 95.9 95.9 13 15 94.7 94.5 93.8 12 10 94.3 94.7 95.1 18 17 92.3 92.1 92.8 20 18 90.5 91.1 91.2 23 24 87.2 87.0 85.7 24 20 85.5 85.9 87.4 15 13 94.2 93.6 94.1 34 34 82.1 79.0 76.8 35 32 77.5 78.0 78.2 44 44 73.6 71.0 70.1 43 41 73.1 71.4 70.7 47 47 67.8 68.7 67.5 61 59 63.8 62.1 62.9 88 87 56.4 53.9 52.3 99 96 52.3 51.0 49.6 67 69 59.9 59.5 56 62 60 57.2 61.1 62.4 110 101 50.2 48.7 48.5 122 110 45.3 45.4 46.8 90 74 55.7 53.0 55.1 94 94 53.9 51.8 50.1 1 University of Tokyo 12 2 Osaka University 13 3 旧 Kyoto University 7 Tohoku University 帝 大 Nagoya University 14 4 5 20 21 6 Hokkaido University 25 7 Kyushu University 28 Tokyo Institute of Technology 15 University of Tsukuba 33 Keio University 37 11 Waseda University 39 12 Kobe University 41 13 Hiroshima University 53 14 Tokyo Medical & Dental University 65 15 Okayama University 83 16 Kumamoto University 101 17 旧 六 18 校 19 Kanazawa University 73 Chiba University 80 Nagasaki University 108 20 Niigata University 133 21 Osaka City University 87 22 Tokyo Metropolitan University 96 8 9 10 研 究 大 学 Overall Score 4. Analysis and perspectives Situation of Okayama University As our « 5 boosters » are weak No hope of significant improvment O-University is not getting worse – The others are more EFFICIENT !! Okayama Univ. In Shanghai ranking – 2010-2015 Stanford Univ. :100 13 301- 400 12 To « UP-TURN » Okayama Univ. needs: 11 Much more than REFORMS No REVOLUTIONS (French style) 10 TRANSFORMATIONS ------------If significant TRANSFORMATIONS are quickly IMPLEMENTED to strengthen our 5 boosters: 401- 500 9 8 The range « out 500 » starts at 9 !!!! 2010 2011 2012 2013 2014 2015 200-150 ranking (Shanghai list) could be expected within 10-15 years (Changes in the University Organisation – ATTRACTIVITY cannot produce visible effects before 2 to 3 years at least) 大学ランキングの課題 大学ランキング作成上の課題 大学の全体像を表わしていない ・ランキングの対象になっているのは一部の大 学(ex22%という指摘もある)、全体の中での比 較ではない。 研究分野の偏り ・自然科学分野の研究業績分析に偏ってランキ ングが行われる傾向がある。公開されており、な おかつ分析しやすい定量データが自然科学分 ・特定の学問分野(自然科学)に焦点があてられ、 野に集中しているから。 それ以外の分野が分析対象になっていないので、 ・MBAのランキングは卒業生の収入や地位に偏 大学それ自体の像を表わしていない。 重。 ・業績の高い研究機関は対象にならない。 Ranking 指標とウエイトの問題 透明性と説明責任 ・殆どのランキングは複数指標(あるいは単一)を用い て測定し、それらにウエイトをつけて最終集計値を算出。 ・ランキングの中には分析内容を公開していないものが ある(特に初期の頃)。 ・その指標は大学のごく一部のみを説明するものである ・上海交通大学のランキング(ARWU)の分析内容に再 にもかかわらず大学全体の質を示しているような印象 現性がないため比較可能性や方法論上の問題が指摘 を与える。 されたことがある(AUBR Expert Group 2009)。 ・ランキングは序列で示されているが、その差異が大学 *ウエイトの根拠、あるいは方針は何か?指標とウエ 間の真の差異を示しているとは限らない。誇張の可能 イトは何らかの方針(望ましい大学像の定義)に基づく 性も。 べきではないか。 ©YayoiTanaka無断転用禁 出典:Vought F.A., Ziegel F. (2012)Multidimensional Ranking、pp41-47に筆者意見を加筆 20 4-2 研究業績分析の課題 研究業績分析 2大企業 学術論文や書籍データからDBを構築し、研究 業績の分析を行う(ただし、ランキングは自ら は行わないが、THE等のランキング会社に提 供している) 著名なのは以下の2社のデータ。 Tomson Reuter社の“Web of Science”、 Elsevier社の“Scopus” Bibliometrics 分析指標と発展経緯 元来は学術誌の評価指標がimpact factor だった。 その指標として、雑誌の掲載論文数を分母に、 その掲載論文の被引用数を分子にしたもの が、研究者市場による質的評価として用いら れた。 そして、引用数の分析が論文、研究者の評価 に用いられるようになり、さらにビブリオメトリ クスやサイエントメトリクスの研究へ発展。 批判 ・研究分野の競争や市場原理的な発想、ゲーム的 行為を加速化(例、評判を上げるために採択率を下 げる等)。 ・母集団が不明(採択された論文のみが対象)、学 問分野による指標の意味づけの違いが適正に反映 されていない。 ・扱われている分野が自然科学の特定分野に限定 されており、文系の論文などの扱い数が少ない。 ・英語論文が対象になっており、非英語論文が分析 の対象になっていない。 21 5. 大学ランキング課題への対応の動き (1)ベルリン・プリンシプルと監視システム(IREG Obervatory) 「Berlin Principle」 •大学ランキングに関する規律を示したベルリン・プリンシプルが発表される。 (Berlin Principles on Ranking of Higher Education Institutions 2006) 「IREG Obervatory」 •大学ランキングの動向や課題を監視し、大学ランキングのAuditと承認【ラベ ル】を行うことを目的にした非営利組織。 •2009年にボランタリーな組織から、非営利組織として正式に創設。(ベルギ ーで登録し、事務局はワルシャワに所在)。 •2013-2016年の認証: QS World University (USA)Ranking、 Perspektywy University Ranking (Poland) •2014-2017年の認証 CHE for University Ranking ©YayoiTanaka無断転用禁 23 まとめ 現実: 主要な世界大学ランキングで日本の大学は、わずかな上り下が りの年次変動はあるが、総じてランキングが低下。このままではさらに 下がり続けるのではないか? 問題点: 1) そもそも評価指標が日本の大学に取って不利(Reputation 比率、 外国人教員や留学生比率)。 2) ランキングの評価方法(評価指標の重み付け等)の変更。ルール 変更の問題点。 RU11 学術研究懇談会 声明文(2011年7月31日):「トムソン・ロイター社、タイムズ・ハ イヤー・エデュケーション社による大学ランキング評価方法の改訂を求める」 → 一面的 な引用指数の乱用に対する警告 対策: 1) 我々独自のランキング(評価方法や指標)の提案 2) 現行のスキームでの指標値上昇戦略 3) ベンチマーキングとして生かす 24 ところで、別のランキングを見てみよう 世界の特許動向分析から、様々な企業/機関のイノベーションの相対的な レベルを分析 出典:2014 Thomson Reuters TOP 100 Global Innovators リポート(日本語版) 表紙 METHODOLOGY 対象: 直近5年間で100件以上の特許を取得した企業/機関 1: 数量 新技術や医薬品、ビジネスプロセスなどの特許公報で最初に公となっ た「ベーシック特許」の数 2: 成功率 直近5年間で公開された特許出願と登録された特許との割合 3: グローバル性 特許ファミリーのうち4つの主要市場で取得したベーシック特許の件数 4: 影響力 直近5年間に各社の特許が何回引用されたか(自己引用は除く)。 26 出典:2014 Thomson Reuters TOP 100 Global Innovators リポート(日本語版) p 7 出典:2014 Thomson Reuters TOP 100 Global Innovators リポート(日本語版) p 11 出典:2014 Thomson Reuters TOP 100 Global Innovators リポート(日本語版) p 11 ご静聴ありがとうございました 大学ランキングと上手につきあい賢く使う 10数年に渡って大学マネージメントの立場で大学ランキングとつき あってきたが、現行のランキングについては negative である。しかし ながら、政府やマスコミによるランキングへの過度の関心に対して、 大学の本来のあるべき姿を示すためにも、ランキングそのものに対 する正しい理解を共有することが必要。 本講演の一部には大学評価・学位授与機構の田中弥生教授作成のPPTを使用させていただ きました。また、本PPT作成ならびに関係資料収集に関しては,多くの岡山大学教職員に ご協力いただきました。ともに、心から厚くお礼申し上げます。 30 大学ランキングTF報告 世界大学ランキングの実態と課題 1 はじめに 2 ランキングとは 3 様々な大学ランキングとその実態 4 世界大学ランキングの問題点 5 世界大学ランキングへの対応 6 世界大学ランキングのあるべき姿 7 総括 謝辞 引用文献 31
© Copyright 2024 ExpyDoc