ストラクチャードテキスト(ST) プログラミングガイドブック [sh080365h]

● 安全上のご注意 ●
(ご使用前に必ずお読みください)
本製品のご使用に際しては,本マニュアルおよび本マニュアルで紹介している関連するマニュアルをよ
くお読みいただくと共に,安全に対して十分に注意を払って,正しい取扱いをしていただくようお願いい
たします。
なお,この注意事項は本製品に関するもののみについて記載したものです。シーケンサシステムとして
の安全上のご注意に関しては,CPUユニットのユーザーズマニュアルを参照してください。
この「安全上のご注意」では,安全注意事項のランクを「
警告」,「
注意」として区分してあり
ます。
なお,
警告
取扱いを誤った場合に,危険な状況が起こりえて,死亡または重傷を受ける
可能性が想定される場合。
注意
取扱いを誤った場合に,危険な状況が起こりえて,中程度の傷害や軽傷を受
ける可能性が想定される場合および物的損害だけの発生が想定される場合。
注意に記載した事項でも,状況によっては重大な結果に結びつく可能性があります。
いずれも重要な内容を記載していますので必ず守ってください。
本マニュアルは必要なときに読めるよう大切に保管すると共に,必ず最終ユーザまでお届けいただくよ
うお願いいたします。
【設計上の注意事項】
警告
● パソコンから運転中のシーケンサに対するデータ変更・プログラム変更・状態制御は常にシス
テム全体が安全側に働くようにシーケンサシステムの外部でインタロック回路を構成してくだ
さい。
また,パソコンからシーケンサCPUへのオンライン操作において,ケーブルの接続不良などによ
る交信異常発生時のシステムとして処置方法を取り決めておいてください。
【立上げ・保守時の注意事項】
注意
● パソコンを運転中のシーケンサCPUに接続して行うオンライン操作(シーケンサCPU RUN中のプ
ログラム変更・強制入出力操作・RUN-STOPなど運転状態の変更・遠隔からの操作)については,
マニュアルを熟読し十分に安全を確認の上実施してください。
なお,シーケンサCPU RUN中のプログラム変更(RUN中書込み)については,操作条件によりプロ
グラムが壊れるなどの問題が発生することがあります。GX Developer オペレーティングマニュ
アルに記載の注意事項を十分理解した上でご使用ください。
A - 1
A - 1
● 製品の適用について ●
(1) 当社シーケンサをご使用いただくにあたりましては,万一シーケンサに故障・不具合などが発生した場合
でも重大な事故にいたらない用途であること,および故障・不具合発生時にはバックアップやフェールセ
ーフ機能が機器外部でシステム的に実施されていることをご使用の条件とさせていただきます。
(2) 当社シーケンサは,一般工業などへの用途を対象とした汎用品として設計・製作されています。したがい
まして,以下のような機器・システムなどの特殊用途へのご使用については,当社シーケンサの適用を除
外させていただきます。万一使用された場合は当社として当社シーケンサの品質,性能,安全に関る一切
の責任(債務不履行責任,瑕疵担保責任,品質保証責任,不法行為責任,製造物責任を含むがそれらに限
定されない)を負わないものとさせていただきます。
・ 各電力会社殿の原子力発電所およびその他発電所向けなどの公共への影響が大きい用途
・ 鉄道各社殿および官公庁殿など,特別な品質保証体制の構築を当社にご要求になる用途
・ 航空宇宙,医療,鉄道,燃焼・燃料装置,乗用移動体,有人搬送装置,娯楽機械,安全機械など生命,
身体,財産に大きな影響が予測される用途
ただし,上記の用途であっても,具体的に使途を限定すること,特別な品質(一般仕様を超えた品質等)
をご要求されないこと等を条件に,当社の判断にて当社シーケンサの適用可とする場合もございますので,
詳細につきましては当社窓口へご相談ください。
A - 2
A - 2
改 定 履 歴
※取扱説明書番号は,本説明書の裏表紙の左下に記載してあります。
印刷日付
※取扱説明書番号
改
2002年12月
2003年 3月
SH(名)-080365-A 初版印刷
SH(名)-080365-B 一部追加
2003年 7月
SH(名)-080365-C
定
内
容
4章,8.1節
一部追加
5.3節
2003年 9月
SH(名)-080365-D
一部追加
5.2節
2004年 5月
SH(名)-080365-E
一部修正
本ガイドブックで使用する総称・略称,3章
2008年 5月
SH(名)-080365-F
一部修正
本ガイドブックで使用する総称・略称,3章
2008年10月
SH(名)-080365-G
一部修正
マニュアルについて,本ガイドブックで使用する総称・略称,3章
2009年12月
SH(名)-080365-H
一部追加
製品の適用について
一部修正
安全上のご注意,マニュアルについて,マニュアルの見方,
本ガイドブックで使用する総称・略称,1章,3章,4章
本書によって,工業所有権その他の権利の実施に対する保証,または実施権を許諾するものではありません。また
本書の掲載内容の使用により起因する工業所有権上の諸問題については,当社は一切その責任を負うことができません。
© 2002 MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION
A - 3
A - 3
は
じ
め
に
このたびは,三菱統合FAソフトウェアMELSOFTシリーズをお買い上げ頂きまことにありがとうございました。
ご使用前に本書をよくお読みいただき,MELSOFTシリーズシーケンサの機能・性能を十分ご理解のうえ,正
しくご使用くださるようお願い致します。
なお,本マニュアルにつきましては最終ユーザまでお届けいただきますよう,宜しくお願い申し上げます。
目
次
安全上のご注意 ············································································ A製品の適用について ········································································ A改定履歴 ·················································································· A目次 ······················································································ Aマニュアルについて ········································································ Aマニュアルの見方 ·········································································· A本ガイドブックで使用する総称・略称 ························································ A-
1 概
要
1
2
3
4
6
7
8
1- 1~1- 2
2 STプログラム作成手順
2- 1~2- 2
3 STプログラミング
3- 1~3-16
ST用プロジェクトを新規作成しよう ·························································· 3- 1
ラベルを定義しよう ········································································ 3- 3
プログラムを入力しよう ···································································· 3- 8
STプログラムを変換(コンパイル)しよう ······················································ 3-14
4 シーケンサCPUへの読出し,書込み
4- 1~4- 2
5 プログラムをデバッグする
5- 1~5- 5
5.1 シーケンスプログラムをモニタする ····················································· 5- 1
5.2 デバイステスト ······································································· 5- 2
5.3 RUN中書込み ·········································································· 5- 4
6 プログラムをパソコンに保存する
6- 1~6- 2
7 STプログラム編集時の便利な機能の紹介
7- 1~7- 2
A - 4
A - 4
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
8- 1~8-19
8.1 FBを作成する ········································································· 8- 1
プロジェクトを新規作成しよう ························································ 8- 1
FBを新規追加しよう ·································································· 8- 2
FB変数を定義しよう ·································································· 8- 5
FBをST言語で作成しよう ······························································ 8- 9
8.2 メインプログラムにFBを貼り付けよう ··················································· 8-11
ローカル変数を定義しよう ···························································· 8-11
メインプログラムを作成しよう ························································ 8-13
8.3 オンライン ··········································································· 8-16
シーケンサCPUに書込もう ····························································· 8-16
シーケンスプログラムをモニタしよう ·················································· 8-17
プログラムの動作を確認しよう ························································ 8-18
索
引
A - 5
索引- 1~索引- 2
A - 5
マニュアルについて
本製品に関連するマニュアルには,下記のものがあります。
必要に応じて本表を参考にしてご依頼ください。
関連マニュアル
マニュアル番号
マニュアル名称
(形名コード)
GX Developer Version8 オペレーティングマニュアル(スタートアップ編)
GX Developerのシステム構成,インストール方法,立上げ方法について説明しています。
(別売)
SH-080355
(13JV68)
領布価格
\1,000
GX Developer Version8 オペレーティングマニュアル
GX Developerでのプログラムの作成方法,プリントアウト方法,モニタ方法,デバッグ方法な
どについて説明しています。
SH-080356
(13JV69)
\4,000
(別売)
GX Developer Version8 オペレーティングマニュアル(ストラクチャードテキスト編)
ストラクチャードテキストプログラムを作成するための操作方法について説明しています。
(別売)
GX Developer Version8 オペレーティングマニュアル(ファンクションブロック編)
GX Developerでのプログラムの作成方法,プリントアウト方法などについて説明しています。
(別売)
MELSEC-Q/L プログラミングマニュアル(ストラクチャードテキスト編)
SH-080364
(13JV73)
\1,500
SH-080359
(13JV72)
\1,500
SH-080363
ストラクチャードテキスト言語のプログラミング方法について説明しています。
(別売)
MELSEC-Q/L プログラミングマニュアル(共通命令編)
(13JC11)
\3,000
SH-080804
シーケンス命令,基本命令および応用命令の使用方法について説明しています。
(別売)
(13JC22)
\4,000
備 考
各オペレーティングマニュアルは,ソフトウェアパッケージのCD-ROMにPDFファイ
ルで格納されています。
単品でマニュアルを希望する場合は,印刷物を別売で用意していますので上記表の
マニュアル番号(形名コード)にてご用命願います。
A - 6
A - 6
マニュアルの見方
このガイドブック...
本ガイドブックは,GX Developer Version8ソフトウェアパッケージ(以下,GX
Developerと略す) を使って,ストラクチャードテキスト(以下,STと略す)プログラム
を初めて作成する方を対象とした解説書です。
『第1章』では,ST言語の概要とMELSEC-Q/LシリーズにおけるST言語の特長を紹介し
ています。
『第2章~6章』では,サンプルプログラムを通してST言語でのプログラムの作成方
法からデバッグ,保存まで一連の基本的な操作方法を紹介しています。
『第7章』では,GX Developer に用意されている便利な機能を紹介しています。
『第8章』では,応用編としてラダー回路で作成したメインプログラムから,ST言語
で作成したファンクションブロック(FB)をラダープログラムに使用するプログラムの
作成方法を紹介しています。
『第4・5・8章』では,シーケンサCPUを使って説明しています。
プログラミングマニュアル...
『MELSEC-Q/L プログラミングマニュアル(ストラクチャードテキスト編)』は,GX
Developerを使ってストラクチャードテキスト(ST)プログラミングを行うために使用
してください。シーケンサ・ラダープログラムについての知識がありプログラミング
経験があるユーザ,C言語などの高級言語についての知識がありプログラミング経験が
あるユーザに適しています。
オペレーティングマニュアル...
『GX Developer Version8 オペレーティングマニュアル(ストラクチャードテキス
ト編)』は,GX Developer を使ってストラクチャードテキストプログラムを作成する
ための操作方法に関して詳しく説明した解説書です。操作の詳細についての情報が必
要な場合に参照してください。
ストラクチャードテキストプログラミング以外について情報が必要な場合には...
『GX Developer Version8 オペレーティングマニュアル』,もしくは『GX Developer
Version8 オペレーティングマニュアル(スタートアップ編)』を参照してください。
A - 7
A - 7
本ガイドブックで使用する総称・略称
本ガイドブックでは,GX Developerソフトウェアパッケージ,シーケンサCPUを以下
の総称・略称で表しています。対象形名の明示が必要な場合は,ユニット形名を記載
しています。
総称/略称
内容/対象ユニット
ST
ストラクチャードテキストの略称。
FB
ファンクションブロックの略称。
GX Developer
製品形名SW8D5C-GPPW-J,SW8D5C-GPPW-JA,SW8D5C-GPPW-JV,SW8D5C-GPPW-JVAの総称製品
名。
ベーシックモデルQCPU
機能バージョンB以降のQ00JCPU,Q00CPU,Q01CPUの総称。
ハイパフォーマンスモデルQCPU Q02(H)CPU,Q06CPU,Q12HCPU,Q25HCPUの総称。
ユニバーサルモデルQCPU
Q00UJCPU,Q00UCPU,Q01UCPU,Q02UCPU,Q03UDCPU,Q03UDECPU,Q04UDHCPU,Q04UDEHCPU,
Q06UDHCPU,Q06UDEHCPU,Q10UDHCPU,Q10UDEHCPU,Q13UDHCPU,Q13UDEHCPU,Q20UDHCPU,
Q20UDEHCPU,Q26UDHCPU,Q26UDEHCPUの総称。
プロセスCPU
Q02PHCPU,Q06PHCPU,Q12PHCPU,Q25PHCPUの総称。
二重化CPU
Q12PRHCPU,Q25PRHCPUの総称。
QCPU(Qモード)
QOOJ,Q00UJ,Q00,Q00U,Q01,Q01U,Q02(H),Q02PH,Q02U,Q03UD,Q03UDE,Q04UDH,Q04UDEH,
Q06H,Q06PH,Q06UDH,Q06UDEH,Q10UDH,Q10UDEH,Q12H,Q12PH,Q12PRH,Q13UDH,Q13UDEH,
Q20UDH,Q20UDEH,Q25H,Q25PH,Q25PRH,Q26UDH,Q26UDEHCPUの総称。
LCPU
L02CPU,L26CPU-BTの総称。
本ガイドブックで使用する記号と内容について説明します。
記 号
Point
[
A - 8
]
内
容
例
その項目に関連する知識として知っておきたい内容,知
っておくと便利な内容を記載しています。
メニューバーのメニュー名
(
) ツールバーのアイコン
《
》
[プロジェクト]
(
)
ダイアログボックスのタブ名
《ファイル選択》
ダイアログボックスのコマンドボタン
ジャンプボタン
A - 8
メ モ
A - 9
A - 9
1 概
要
MELSOFT
1
ST言語は,オープン・コントローラでのロジックの記述方式について規定
した国際規格IEC61131-3で定義されている言語です。
ST言語では演算子・制御構文・関数をサポートし,以下のような記述がで
きます。
・条件文による選択分岐,反復文による繰り返しなどの制御構文
・演算子(*,/,+,-,<,>,=など)を使用した式
・ユーザが定義したファンクションブロック(FB)の呼び出し
・関数の呼び出し(MELSEC関数・IEC関数)
・漢字などの全角文字を含むコメント記述
QCPU(Qモード)/LCPUでのSTプログラムの主な特長を紹介します。
部品化による設計の効率化を図ることが可能です。
ST言語ではよく使う処理をファンクションブロック(FB)として部品化してあ
らかじめ定義しておき,各プログラムの必要な部分で使用することができます。
これによりプログラム開発を効率化するとともに,プログラムミスを削減し
プログラムの品質を向上することができます。
システム稼動中にプログラムの変更(RUN中書込み)が可能です。
シーケンサCPUを停止させることなく,実行中のプログラムの一部を変更する
ことができます。
他言語プログラムとの連携が可能です。
ST言語以外の言語もサポートしているため,処理に適した言語を使用してプ
ログラム開発を効率化することができます。
例えば,シーケンス制御はラダープログラムで作成し,演算処理はST言語で
作成します。
複数の言語をサポートすることにより,最適制御で幅広い用途に対応してい
ます。
豊富な関数群が用意されています。
STプログラムでは,QCPU(Qモード)/LCPU用の各種共通命令に対応するMELSEC
関数,IEC61131-3で定義されているIEC関数が用意されています。
1 - 1
1 - 1
1 概
要
MELSOFT
メ モ
1 - 2
1
1 - 2
2 STプログラム作成手順
MELSOFT
STプログラムの作成からオンラインデバッグまでの基本的な手順をフローチャートで示します。
以下の例は,STプログラムだけでプログラムを作成したものです。
2
プロジェクト新規作成
ラベルの定義
STプログラムの作成
シーケンサCPUへの書込み
オンラインデバック
・・・詳細は,3章を参照してください。
・・・STプログラムで使用するローカル変数を定義します。
詳細は,3章を参照してください。
・・・ST言語を使ってプログラムを作成します。
詳細は,3章を参照してください。
・・・シーケンスプログラムに変更(コンパイル)したあと,
シーケンサCPUへ書込みます。
詳細は,4章を参照してください。
・・・デバイステストでプログラムの動作を確認します。
詳細は,5章を参照してください。
終了
備 考
各操作の詳細は,関連マニュアルに記載している『GX Developer オペレーティング
マニュアル』を参照してください。
2 - 1
2 - 1
2 STプログラム作成手順
MELSOFT
メ モ
2
2 - 2
2 - 2
3 STプログラミング
MELSOFT
3章では,STプログラムの入力から変換(コンパイル)まで一通りの基本操作を説明します。
この章で説明する項目は以下の通りです。
ST用プロジェクトを新規作成する。
STプログラムで使うラベルを定義する。
STプログラムを作成する。
作成したSTプログラムを実行可能なシーケンスプログラムに変換(コンパイル)する。
変換(コンパイル)エラーが発生した場合,プログラムを修正する。
3
ST用プロジェクトを新規作成しよう
■ST用プロジェクトを新規作成する
新規プロジェクトを作成する操作方法について説明します。
① メニユー[プロジェクト]→[プロジェ
クト新規作成]をクリックします。
①クリック
③クリック
②・PC シリーズ
・PC タイプ
・ラベル設定
・プログラム種別
と入力します。
③
:QCPU(Q モード)
:Q02(H)
:ラベルを使用する
:ST
OK ボタンをクリックします。
②これらを設定
次ぺージへ
3 - 1
3 - 1
3 STプログラミング
MELSOFT
前ぺージから
④ ST 用プロジェクトが新規作成され
ます。
※ ST 編集画面が開き,ST プログラムが
入力可能な状態になります。
3
備 考
ここでは,PCタイプに“Q02(H)”を設定しています。
STプログラムに対応するシーケンサCPUには以下の機種があります。
3 - 2
ベーシック
モデルQCPU
ハイパフォーマンス
モデルQCPU
ユニバーサル
モデルQCPU
Q00JCPU
Q00CPU
Q01CPU
Q02CPU
Q02HCPU
Q06HCPU
Q12HCPU
Q25HCPU
Q00UJCPU
Q00UCPU
Q01UCPU
Q02UCPU
Q03UDCPU
Q03UDECPU
Q04UDHCPU
Q04UDEHCPU
Q06UDHCPU
Q06UDEHCPU
Q10UDHCPU
Q10UDEHCPU
Q13UDHCPU
Q13UDEHCPU
Q20UDHCPU
Q20UDEHCPU
Q26UDHCPU
Q26UDEHCPU
プロセスCPU
二重化CPU
LCPU
Q02PHCPU
Q06PHCPU
Q12PHCPU
Q25PHCPU
Q12PRHCPU
Q25PRHCPU
L02CPU
L26CPU-BT
3 - 2
3 STプログラミング
MELSOFT
ラベルを定義しよう
ラベルを利用するには,ラベルとして使用する変数を明確にする必要があ
ります。これを『ラベルを定義する』と言います。定義されていないラベル
が使われているプログラムを変換(コンパイル)するとエラーとなり,シー
ケンスプログラムを作ることができません。
ラベルには,グローバル変数とローカル変数の2種類があります。
グローバル変数は,プロジェクト全体で使うことができます。
ローカル変数は,ラベルを定義したプログラムでのみ使うことができます。
ここでは,後で入力するプログラム例に使用するローカル変数を実際に定
義してみましょう。
■ローカル変数(ローカルラベル)設定画面を表示する
ここでは,ローカル変数を定義する操作方法について説明します。
グローバル変数については,『GX Developer オペレーティングマニュアル』を参照してください。
① 《プロジェクト》タブの「プログラ
ム」をダブルクリックします。
①ダブルクリック
② 「MAIN」をダブルクリックします。
②ダブルクリック
次ぺージへ
3 - 3
3 - 3
3 STプログラミング
MELSOFT
前ぺージから
③ 「ローカルラベル」をダブルクリッ
クします。
③ダブルクリック
④ ローカル変数(ローカルラベル)設
定画面が表示されます。
3 - 4
3 - 4
3 STプログラミング
MELSOFT
■ローカル変数(ローカルラベル)を設定する
① ラベル名を入力します。
半角16文字以内(全角8文字以内)でラベル名を入力します。ラベル名として使用できない文字列は,予
約語と実デバイスです。別のラベルを入力してください。
※予約語については,『GX Developer オペレーティングマニュアル』を参照してください。
② デバイス種別を入力します。
直接入力または,リストボックスから選択します。
③ ラベルにコメントを入力します。
半角64文字以内(全角32文字以内)で入力します。
コメントは,ラベル情報のツールチップ形式で表示することができます。
※ラベル情報については,「7章 STプログラム編集時の便利な機能の紹介」または
『GX Developer オペレーティングマニュアル(ストラクチャードテキスト編)』を参照してください。
次ぺージへ
3 - 5
3 - 5
3 STプログラミング
MELSOFT
前ぺージから
④ ラベルを続けて入力する時は,編集操作の行挿入または行追加ボタンをクリックして行を追加します。
編集操作は以下の通りです。
行挿入ボタン・・・現在のセル位置に空白行が挿入されます。
行追加ボタン・・・現在のセル位置の1行下に空白行が挿入されます。
行削除ボタン・・・現在のセル位置の1行が削除されます。
⑤ 入力終了後,登録ボタンをクリックします。
OK ボタンをクリックします。
次ぺージへ
3 - 6
3 - 6
3 STプログラミング
MELSOFT
前ぺージから
登録が完了しました。
OK ボタンをクリックします。
登録されると,タイトルバーに表示されている“*”が消えます。
備 考
ローカル変数の詳細は,関連マニュアルに記載している『GX Developer オペレーティ
ングマニュアル』を参照してください。
3 - 7
3 - 7
3 STプログラミング
MELSOFT
プログラムを入力しよう
プログラムを入力するには,ST編集画面を使用しテキスト形式で自由に入
力できますが,以下の点に注意して入力してください。
● 空白は,半角スペース・ Tab キー・ Enter キーを使用してください。
全角スペースは空白として扱われません。(変換(コンパイル)時に
エラーとして検出されます。)
ただし,コメント文内は全角スペースが使用できます。
● 定義されたラベル・制御構文・コメントは入力すると文字色が変わります。
文字色が変わらない場合は,入力ミス,またはラベルの未定義が考え
られます。
では,実際にリスト-1のプログラムを入力してみましょう。
リスト-1
IF SYOKIKA THEN
RYOUHIN := 0; FURYOUHIN := 0; BUDOMARI := 0.0;
ELSE
IF KENSA THEN
RYOUHIN := RYOUHIN +1;
ELSE
FURYOUHIN := FURYOUHIN +1;
END_IF;
BUDOMARI := DINT_TO_REAL(RYOUHIN)/DINT_TO_REAL(RYOUHIN + FURYOUHIN);
END_IF;
3 - 8
3 - 8
3 STプログラミング
MELSOFT
■ST編集画面を表示する
① 《プロジェクト》タブの「プログラ
ム本体」をダブルクリックします。
①ダブルクリック
② ST 編集画面が表示されます。
■文字を入力する
“IF”を入力します。
※ 制御構文は,小文字で入力しても大
文字に自動変換されます。
3 - 9
3 - 9
3 STプログラミング
MELSOFT
■ラベルを入力する
ラベルを入力するには,ラベル名を直接入力する方法とラベル選択機能を使った方法があります。
なお,ラベル選択機能を使用するには,あらかじめラベルを定義しておく必要があります。
ここでは,ラベル選択機能を使った入力方法について説明します。
① メニュー[編集]→[ラベル選択]を
クリックします。
①クリック
② 入力するラベルを選択します。
③ OK ボタンをクリックします。
②“SYOKIKA”を選択
③クリック
④ ラベルが挿入されました。
④ラベル名“SYOKIKA”が挿入
3 - 10
3 - 10
3 STプログラミング
MELSOFT
■関数を入力する
関数は大文字で入力します。入力には,直接入力する方法と関数選択機能を使った入力方法があります。
ここでは,関数選択機能を使った入力方法について説明します。
① メニュー[編集]→[関数選択]をク
リックします。
①クリック
② 入力する関数名を選択します。
③
OK ボタンをクリックします。
②“DINT_TO_REAL”を選択
③クリック
次ぺージへ
3 - 11
3 - 11
3 STプログラミング
MELSOFT
前ぺージから
④ 関数名が挿入されました。
※ ツ-ルチップ形式で関数引数の型
が表示されます。
関数引数の型を表示
④挿入された
⑤ ツールチップ形式で表示された関
数引数の型を参考に引数を入力し,
完成させます。
⑤完成
■コメントを入力する
コメントはプログラムの動作には何の影響もありません。プログラムの処理内容を記述しておけば,どんな
処理をしているか一目瞭然です。
まず,プログラムの1行目に,コメントを入力してみましょう。
※ コメントは,コメントの開始を表す
“(*”と,終了を表す“*)”で囲ん
で入力します。
次ぺージへ
3 - 12
3 - 12
3 STプログラミング
MELSOFT
前ぺージから
左記の例を参考にコメント
を入力してみましょう。
(リスト-2)
これで,プログラムの入力が完了しました。
・ラベル情報の表示
ラベル情報をツールチップ形式で表示できます。
操
作 :ラベル位置にマウスポインタを置く
表示内容 :ラベル名 -> ラベル種別 -> ラベルコメント -> デバイス※
※:デバイスは,変換(コンパイル)後に表示されます。
ラベル情報を表示
・表示色の変更
制御構文・コメント・ラベルの文字列・ST編集画面の背景色などが変更できます。
操
作 :メニュー[ツール]→[表示色変更]
・オートインデントの設定
Enter キーを押した時の字下げと Tab キーを押した時のタブ幅を設定できます。
操
作 :メニュー[ツール]→[ST編集画面設定]
詳細は,『GX Developer オペレーティングマニュアル(ストラクチャードテキス
ト編)』を参照してください。
3 - 13
3 - 13
3 STプログラミング
MELSOFT
STプログラムを変換(コンパイル)しよう
ST編集画面を使って作成したプログラムを,シーケンサCPUで実行可能な
シーケンスプログラムにすることを変換(コンパイル)と呼びます。
■変換(コンパイル)する
作成したプログラムを使って,変換(コンパイル)の操作方法について説明します。
メニュー[変換]→[変換/コンパイル]を
クリックします。
クリック
(1) 正常に完了した場合
以下のメッセージが表示されます。
変換(コンパイル)が完了しました。
左記の確認画面が表示されますので
いいえ ボタンをクリックしてください。
( はい ボタンをクリックする
と,“参照先のコメントデータ
(プログラム別コメント)が存
在しません。”というメッセー
ジが表示される場合があります。
※ 変換(コンパイル)が正常に完了する
とタイトルバーにステップ数が表示
されます。
3 - 14
3 - 14
3 STプログラミング
MELSOFT
(2) エラ-が発生した場合
コンパイルエラー表示(詳細)ダイアログが表示されます。
では,実際にコンパイルエラー発生時のデバッグ操作について確認してみましょう。
① コンパイルエラーが発生するようにプログラムを変更します。
リスト-2 の 3 行目を変更します。
RYOUHIN := 0; → RYOUHIN := 0.0;
変更する
② 変換(コンパイル)します。
メニュー[変換]→[変換/コンパイル]を
クリックします。
クリック
③ コンパイルエラーが発生し,ダイアログが表示されます。
エラーステップ/行とエラー内容を確
認します。
④ エラーの発生行を確認します。
① エラー内容をマウスで選択します。
②
①選択
ジャンプ ボタンをクリックします。
②クリック
次ぺージへ
3 - 15
3 - 15
3 STプログラミング
MELSOFT
前ぺージから
⑤ 原因を調査し,不具合箇所を修正します。
ST編集画面にエラー箇所表示マークが表示されます。
エラー内容とプログラム内容を確認し,プログラムの修正をします。
リスト-2 の 3 行目を修正します。
RYOUHIN := 0.0; → RYOUHIN := 0;
エラー箇所表示マーク
メニュー[変換]→[変換/コンパイル]を
クリックします。
エラー発生箇所と実際の修正箇所が異なる場合があります。
「コンパイルエラー表示(詳細)」ダイアログで表示されたエラー内容とエラー箇
所表示マークが表示されている行のプログラム内容から不具合箇所を特定してく
ださい。
3 - 16
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4 シーケンサCPUからの読出し,書込み
MELSOFT
4章では,シーケンサCPUから変換(コンパイル)したシーケンスプログラムをシーケンサCPUへ
書込む手順,シーケンスプログラムを読出す手順を説明します。
■PC書込みする
PC書込みの操作方法について説明します。
PC書込ダイアログを表示し,プログラムとパラメータをシーケンサCPUへ書込みます。
※ PC 書込み時は,シーケンサ CPU を
STOP 状態にしてください。
①クリック
① メニュー[オンライン]→[PC 書込]
をクリックします。
4
③クリック
②クリック
② 《ファイル選択》タブで“ラベル
プログラム(ST,FB,構造体)を書
き込む”チェックボタンを選択し
ます。
※ チェックボタンが未選択の場合,
実プログラムのみが書き込まれま
す。
③ “パラメータ+プログラム”をク
リックします。
④ 実行 ボタンをクリックします。
※ シーケンサ CPU をリセットし,RUN
状態にしてください。
エラーが発生した場合は,GX
Developer のメニュー[診断]→[PC
診断]でエラー内容を確認してく
ださい。
4 - 1
4 - 1
4 シーケンサCPUからの読出し,書込み
MELSOFT
■PC読出しする
PC読出しの操作方法について説明します。
PC読出ダイアログを表示し,プログラムとパラメータをシーケンサCPUから読み出します。
①クリック
③クリック
②クリック
① メニュー[オンライン]→[PC 読出]
をクリックします。
② 《ファイル選択》タブで“パラメー
タ+プログラム”をクリックしま
す。
③ 実行 ボタンをクリックします。
エラーが発生した場合は,GX
Developer のメニュー[診断]→
[PC 診断]でエラー内容を確認して
ください。
4 - 2
4 - 2
4
5 プログラムをデバッグする
MELSOFT
5章では,シ-ケンサCPUに書込みしたシーケンスプログラムをモニタ機能・デバイステスト機能
を使ってオンラインデバッグの操作を説明します。
この章で説明する項目は以下の通りです。
シーケンスプログラムをモニタする。
ビットデバイスの値を変更してデバイステストする。
シーケンスプログラムの一部を変更してRUN状態のシーケンサCPUに書込む。
5.1 シーケンスプログラムをモニタする
シーケンスプログラムをモニタする操作方法について説明します。
■モニタ画面を表示する
① メニュー[オンライン]→[モニタ]
→[モニタ開始]をクリックします。
5
①クリック
ST編集画面
モニタ画面
ST編集画面に表示されているラベルが,モニタ画面の同じ行に表示されます。
5 - 1
5 - 1
5 プログラムをデバッグする
MELSOFT
5.2 デバイステスト
シーケンサCPU内のラベル(ビットデバイス・ワードデバイス)の値を直接変更することができ
ます。
ここでは,ビットデバイスの値を変更してプログラムの動作を確認します。
■プログラムの動作を確認する
ビットデバイスの値を変更する操作について説明します。
① メニュー[オンライン]→[デバッ
グ]→[デバイステスト]をクリック
します。
①クリック
5
ビットデバイスを表すラベル“KENSA”を強制的にONしてみましょう。
② ビットデバイスに“KENSA”と入力
します。
②“KENSA”と入力
③
強制 ON ボタンをクリックします。
③クリック
次ぺージへ
5 - 2
5 - 2
5 プログラムをデバッグする
MELSOFT
前ぺージから
モニタ画面で確認します。
ON
“RYOUHIN”の値
が増加します。
他のラベルの値も変更して,プログラムの動作を確認してください。
GX DeveloperにはST言語で作成されたプログラムに対して,
・任意に設定したブレークポイントまでプログラムを実行してデバッグを行うブレーク実行
ブレーク実行
・1行単位でプログラムを実行してデバッグを行う1
1ライン実行
のデバッグ機能をサポートしています。詳細は,『GX Developer オペレーティングマ
ニュアル(ストラクチャードテキスト編)』に記載されているデバッグ機能を参照して
ください。
5 - 3
5 - 3
5 プログラムをデバッグする
MELSOFT
5.3 RUN中書込み
シーケンサCPUがRUN状態の時に,シーケンスプログラムの一部を変更することができます。
これを,RUN中書込みと呼びます。
実際に,シーケンスプログラムの一部を変更してRUN中書込みをしてみましょう。
■プログラムの一部を変更してRUN中書込みする
“BUDOMARI”の計算式を変更し,RUN中書込みします。
① プログラムの一部を変更します。
BUDOMARI := DINT_TO_REAL(RYOUHIN)/DINT_TO_REAL(RYOUHIN + FURYOUHIN);
↓
BUDOMARI := (DINT_TO_REAL(RYOUHIN)/DINT_TO_REAL(RYOUHIN + FURYOUHIN))*100.0;
変更した
変更行のインジケータバーに,RUN中書込み対象行を示す“*”が表示されます。
②RUN中書込みを実行します。
クリック
メニュー[変換]→[変換/コンパイル
(RUN 中書込)]をクリックします。
次ぺージへ
5 - 4
5 - 4
5 プログラムをデバッグする
MELSOFT
前ぺージから
③確認メッセージが表示されます。
はい ボタンをクリックしてください。
④RUN中書込みが完了しました。
OK ボタンをクリックします。
反映された
RUN中書込み対象行を示す“*”が消えます。
モニタ画面で,“BUDOMARI”の現在値が変化したことを確認してください。
5 - 5
5 - 5
6 プログラムをパソコンに保存する
MELSOFT
6章では,完成したプロジェクトに名前を付けて保存します。
■プロジェクトを保存する
作成したプロジェクトに名前を付けて保存します。
① メニュー[プロジェクト]→[プロ
ジェクトの名前を付けて保存]をク
リックします。
①クリック
② ・ドライブ/パス :C:\MELSEC
・プロジェクト名 :SAMPLE_ST
・見出し文
:ワークのチェック
と入力します。
③ 保存 ボタンをクリックします。
③クリック
6
②これらを設定
今回作成したプログラムは,以下のように保存されました。
ディレクトリ :C:\MELSEC
プロジェクト名:SAMPLE_ST
見出し文
:ワークのチェック
これで,ST用プロジェクトの新規作成から保存・プログラム
の入力からオンラインデバッグまでの一連の操作は完了です。
ここまでの操作を十分に理解して,8章へ進んでください。
6 - 1
6 - 1
6 プログラムをパソコンに保存する
MELSOFT
メ モ
6
6 - 2
6 - 2
7 STプログラム編集時の便利な機能の紹介
MELSOFT
STプログラムを編集するうえで知っていると便利な機能について紹介します。
詳細を知りたい方は,『GX Developer オペレーティングマニュアル(ストラクチャードテキス
ト編)』を参照してください。
(1) ウィンドウ分割
大きなプログラムを編集している途中で内容を確認したいと思った時,いちいちスクロールしないと画
面がみられなくて面倒・・・
こういった時は「ウィンドウ分割」を利用します。
メニュー[ウィンドウ]→[2つに分割] を選ぶと,上下に分割して画面が表示されます。分割されたウィ
ンドウは別々にスクロ-ル・編集することができます。
(2) ブックマーク
特定の行へジャンプしたい時に,プログラムの最初から探さないといけなくて面倒・・・
こういった時は「ブックマーク」を利用します。
あらかじめメニュー[検索/置換]→[ブックマーク設定/解除]または,[検索/置換]→[検索]→“ブッ
クマーク設定”からブックマークを設定します。
メニュー[検索/置換]→[ブックマーク一覧] を選び,ブックマーク一覧ダイアログから任意の行を選
びジャンプすることができます。
(3) ラベル情報の表示
ラベルに割り付けられているデバイスが知りたい・・・
こういった時は「ラベル情報」を利用します。
ラベルにマウスポインタを合わせるとツールチップ形式で,
ラベル名 -> ラベル種別 -> ラベルコメント -> デバイス
が表示され,一目で内容が確認できます。
注)・変換(コンパイル)されたプログラムで有効です。
・ローカル変数(ローカルラベル)設定画面で「自動割付デバイス表示」を実行しても確認できます。
(4) 関数選択
関数を入力したいけれど関数名を忘れてしまった・・・
こういった時は「関数選択」を利用します。
メニュー[編集]→[関数選択] を選ぶと,関数選択ダイアログが表示され関数名を選ぶことができます。
また,関数が挿入されるとツールチップ形式で関数引数の型が表示されるのでそれを参考に引数の入力
もできます。
(5) 表示色・フォントの変更
編集画面上の文字列が同じ色でわかりづらい,字の大きさを変えたい・・・
こういった時は「表示色変更」・「フォント変更」を利用します。
メニュー[ツール]→[表示色変更] を選ぶと表示色変更ダイアログが表示され,コメント・制御構文・
文字色・ラベル・背景の色を選ぶことができます。表示色を変更することで可読性が向上します。
メニュー[ツール]→[フォント変更]を選ぶとフォント変更ダイアログが表示され,フォントの種類・ス
タイル・サイズを選ぶことができます。使いやすい設定にすることで操作性が向上します。
7 - 1
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7
7 STプログラム編集時の便利な機能の紹介
MELSOFT
メ モ
7
7 - 2
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8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
1~7章でSTプログラムを作成するための基本的な操作方法や機能について説明しました。
8章では,ファンクションブロック(FB)をST言語で作成し,ラダープログラムに貼り付けて使用
するプログラムを作成します。
この章で説明する主な項目は以下の通りです。
FBを新規追加する。
FB変数を定義する。
STプログラムを作成する。
FBをST言語で作成する。
ST言語で作成したFBをメインプログラムで使う。
8.1 FBを作成する
FBは,よく使う処理を部品としてあらかじめ定義しておき,各プログラ
ムの必要な部分で使うことができます。
プロジェクトを新規作成しよう
■プロジェクトを新規作成する
メインプログラムをラダー回路で作成するための新規プロジェクトの作成方法について説明します。
メニュー[プロジェクト]→[プロジェクト新規作成]をクリックして,プロジェクト新規作成ダイアログを表
示します。
②クリック
①・PC シリーズ
:QCPU(Q モード)
・PC タイプ
:Q02(H)
・ラベル設定
:ラベルを使用する
・プログラム種別 :ラダー
と入力します。
②
OK ボタンをクリックします。
①これらを設定
次ぺージへ
8 - 1
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8
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
前ぺージから
③ プロジェクトが新規作成されます。
FBを新規追加しよう
■FBを追加する
ST言語で作成するFBを新規追加する操作方法について説明します。
①右クリック
① 《FB》タブの「ファンクションブロッ
ク」を右クリックし,メニューを表
示します。
8
次ぺージへ
8 - 2
8 - 2
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
前ぺージから
② “新規追加”をクリックします。
②クリック
新規追加ダイアログを設定します。
③・データ型
④クリック
:ファンクション
ブロック
・プログラム種別 :ST
・新規追加データ名 :KEISAN
・見出し文
:歩留まりを計算
する
と入力します。
④
OK ボタンをクリックします。
⑤
はい ボタンをクリックします。
③これらを設定
⑤クリック
次ぺージへ
8 - 3
8 - 3
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
前ぺージから
⑥ データ名:KEISAN が新規追加されます。
8 - 4
8 - 4
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
FB変数を定義しよう
FB内で使用するラベルをFB変数(FBラベル)と呼びます。
■FB変数(FBラベル)設定画面を表示する
ここでは,FB変数(FBラベル)を定義する操作方法について説明します。
① 《FB》タブの「FB 変数」をダブルク
リックします。
①ダブルクリック
② FB 変数(FB ラベル)設定画面が表示
されます。
8 - 5
8 - 5
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
■FB変数(FBラベル)を設定する
① 入出力種別を選択します。
ラベルの種別を選択します。種別には,以下の4種類があります。
・入力変数・・・・・FB外部から入力する変数
・出力変数・・・・・FB外部へ出力する変数
・入出力変数・・・入力と出力の機能を持つ変数
・“空欄”・・・・・FB内部で使用する変数
② ラベル名を入力します。
半角16文字以内(全角8文字以内)でラベル名を入力します。
③ デバイス種別を入力します。
直接入力または,リストボックスから選択します。
次ぺージへ
8 - 6
8 - 6
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
前ぺージから
④ ラベルにコメントを入力します。
半角64文字以内(全角32文字以内)で設定します。
⑤ 入力終了後, 登録 ボタンをクリックします。
OK ボタンをクリックします。
登録が完了しました。
OK ボタンをクリックします。
次ぺージへ
8 - 7
8 - 7
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
前ぺージから
登録されると,タイトルバーに表示されている“*”が消えます。
備 考
詳細は,関連マニュアルに記載している『GX Developer オペレーティングマニュア
ル(ファンクションブロック編)』を参照してください。
8 - 8
8 - 8
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
FBをST言語で作成しよう
リスト-3のプログラムを入力する操作について説明します。
リスト-3
BUDOMARI_OUT := DINT_TO_REAL(RYOUHIN_IN)/DINT_TO_REAL(RYOUHIN_IN + FURYOUHIN_IN);
■FB定義画面を表示する
① 「プログラム本体」をダブルクリッ
クします。
①ダブルクリック
② FB 定義画面が表示されます。
8 - 9
8 - 9
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
■プログラムを入力する
FBのプログラム本体は,3章で行ったメインプログラムの入力と同様の方法で入力します。
リスト-3のプログラムを入力しましょう。
■FBを変換(コンパイル)する
メニュー[変換]→[変換/コンパイル]をクリックして変換(コンパイル)します。
コンパイル処理が完了しました。
OK ボタンをクリックします。
変換(コンパイル)が正常に完了するとタイトルバーにステップ数が表示されます。
8 - 10
8 - 10
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
8.2 メインプログラムにFBを貼り付けよう
8.1節で作成したFBを使ってメインプログラム(ラダー)を作成します。
ローカル変数を定義しよう
メインプログラムで使用するラベルを定義します。
■ローカル変数(ローカルラベル)設定画面を表示する
① 「ローカルラベル」をダブルクリッ
クします。
①ダブルクリック
② ローカル変数(ローカルラベル)設
定画面が表示されます。
8 - 11
8 - 11
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
■ローカル変数(ローカルラベル)を設定する
3章を参考に,以下のように設定します。
入力終了後, 登録 ボタンをクリックします。
ローカル変数の登録が完了しました。
OK ボタンをクリックします。
登録されると,タイトルバーに表示されている “*”が消えます。
8 - 12
8 - 12
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
メインプログラムを作成しよう
メインプログラムの編集画面を表示して,下図(リスト-4)のプログラムを入力しましよう。
リスト-4
■編集画面を表示する
《プロジェクト》タブの「プログラム本体」をダブルクリックして編集画面を表示します。
次ぺージへ
8 - 13
8 - 13
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
前ぺージから
■ラダー回路でプログラムを入力する
下図を参考に入力します。
■FBを貼り付ける
《FB》タブに切り換え,FBプログラムを挿入したい箇所にドラッグ&ドロップします。
FBがメインプログラムに挿入されました。
次ぺージへ
8 - 14
8 - 14
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
前ぺージから
■入力回路部と出力回路部を入力する
下図を参考に,入力回路部と出力回路部を入力します。
入力回路部
出力回路部
■変換(コンパイル)する
メニュー[変換]→[変換/コンパイル]をクリックして変換(コンパイル)します。
変換(コンパイル)が完了しました。
いいえ ボタンをクリックします。
変換(コンパイル)が完了するとタイトルバーにステップ数が表示されます。
8 - 15
8 - 15
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
8.3 オンライン
シーケンスプログラムをシ-ケンサCPUに書込み、モニタ機能・デバイステスト機能を使ってプ
ログラムの動作を確認します。
シーケンサCPUに書込もう
■PC書込みする
4章を参考に,PC書込みします。
メニュー[オンライン]→[PC書込み]からPC書込みダイアログを表示します。
②クリック
※ PC 書込み時は,シーケンサ CPU を
STOP 状態にしてください。
① 《ファイル選択》タブで“パラメー
タ+プログラム”をクリックします。
①クリック
②
実行 ボタンをクリックします。
③ PC 書込みが完了しました。
※ シーケンサ CPU をリセットし,
RUN
状態にしてください。
エラーが発生した場合は,GX
Developer のメニュー[診断]→
[PC 診断]でエラー内容を確認し
てください。
8 - 16
8 - 16
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
シーケンスプログラムをモニタしよう
シーケンスプログラムをモニタし,確認しましょう。
モニタの開始/停止の操作は以下の通りです。
●モニタする場合
[オンライン]→[モニタ]→[モニタモード]
●モニタを停止する場合
[オンライン]→[モニタ]→[モニタ停止]
●モニタを再開する場合
[オンライン]→[モニタ]→[モニタ開始]
モニタ画面
コメント表示
ローカル変数(ローカルラベル)設定画面で設定したコメントは,メニュー[表示]→[コメント表
示]で表示できます。
8 - 17
8 - 17
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
プログラムの動作を確認しよう
シーケンサCPU内のビットデバイスの値を変更してプログラムの動作を確認しましょう。
■デバイステストする
5.2節を参考に,ビットデバイスの値を変更します。
メニュー[オンライン]→[デバッグ]→[デバイステスト]からデバイステストダイアログを表示します。
①“KENSA”と入力
① ビットデバイスに“KENSA”と入力し
ます。
② 強制 ON ボタンをクリックします。
②クリック
③ プログラムが正しく動作しているこ
とを確認します。
※ 他のラベルの値も変更して,プログラ
ムの動作を確認してください。
ON
“RYOUHIN”の値
が増加します。
8 - 18
8 - 18
8 STプログラミング応用編(ラダープログラムにFBを貼り付けよう)
MELSOFT
■プロジェクトを保存する
6章を参考に,作成したプロジェクトに名前を付けて保存します。
メニュー[プロジェクト]→[プロジェクトの名前を付けて保存]をクリックしてプロジェクトの名前を付け
て保存ダイアログを表示します。
① ・ドライブ/パス :C:\MELSEC
・プロジェクト名 :SAMPLE_FBST
・見出し文
:FB を使用して計
算する
と入力します。
②クリック
② 保存 ボタンをクリックします。
①これらを設定
今回作成したプログラムは,以下のように保存されました。
ディレクトリ
:C:\MELSEC
プロジェクト名 :SAMPLE_FBST
見出し文
:FBを使用して計算する
これで,プログラム作成をする一連の操作方法についての説明
は終了しました。
さらに次のステップに進むために,『関連マニュアル』の項に
記載している各マニュアルを参考にすることをお奨めします。
8 - 19
8 - 19
索
索
引
【F】
FBを新規追加しよう ···················· 8- 2
FB変数設定画面を表示する ·············· 8- 5
FB変数を設定する ······················ 8- 6
入出力種別を選択する ················ 8- 6
ラベル名を入力する ·················· 8- 6
デバイス種別を入力する ·············· 8- 6
ラベルにコメントを入力する ·········· 8- 7
FB定義画面を表示する ·················· 8- 9
プログラムを入力する ················ 8-10
FBを貼り付ける ························ 8-14
【P】
PC書込みする ····················· 4- 1,8-16
PC読出しする ·························· 4- 2
【へ】
変換(コンパイル)
変換(コンパイル)ってなに ·········· 3-14
変換(コンパイル)する ·············· 3-14
コンパイルエラー表示(詳細) ········ 3-15
エラー箇所表示マーク ················ 3-16
FBを変換(コンパイル)する ·········· 8-10
編集
ウィンドウ分割 ······················ 7- 1
関数選択 ···························· 7- 1
ブックマーク ························ 7- 1
ラベル情報の表示 ···················· 7- 1
表示色の変更 ························ 7- 1
フォントの変更 ······················ 7- 1
【も】
【R】
RUN中書込みする ······················· 5- 4
モニタ
シーケンスプログラムを
モニタする ····················· 5- 1,8-17
【S】
ST言語って ···························· 1- 1
ST編集画面を表示する ·················· 3- 9
【て】
デバイステスト
プログラムの動作を確認する ····· 5- 2,8-18
【ふ】
ファンクションブロック(FB)
ファンクションブロック(FB)って ···· 8- 1
プログラム
入力時に注意することは ·············· 3- 8
文字を入力する ······················ 3- 9
ラベルを入力する ···················· 3-10
関数を入力する ······················ 3-11
関数選択機能 ·················· 3- 11,7- 1
関数引数 ···························· 3-12
コメントを入力する ·················· 3-12
ラダー回路でプログラムを入力する ···· 8-14
入力回路部と出力回路部を入力する ···· 8-15
プロジェクト
ST用プロジェクトを新規作成しよう ···· 3- 1
プロジェクトを新規作成しよう ········ 8- 1
プロジェクトを保存する ········· 6- 1,8-19
索引 - 1
【ら】
ラベル
ラベルを定義するって ················ 3- 3
【ろ】
ローカル変数
設定画面を表示する ············· 3- 3,8-11
ローカル変数を設定する ········· 3- 5,8-12
ラベル名を入力する ·················· 3- 5
デバイス種別を入力する ·············· 3- 5
ラベルにコメントを入力する ·········· 3- 5
索引 - 1
メ モ
索引 - 2
索
索引 - 2
サービスネットワーク(三菱電機システムサービス(株))
北海道支店
(011)890-7515
新潟機器サービスステーション
(025)241-7261
北陸支店
(076)252-9519
京滋機器サービスステーション
(075)611-6211
関西機電支社
(06)6458-9728
姫路機器サービスステーション
(079)281-1141
中四国支社
(082)285-2111
北日本支社
(022)238-1761
東京機電支社
(03)3454-5521
神奈川機器サービスステーション
(045)938-5420
関越機器サービスステーション
(048)859-7521
静岡機器サービスステーション
(054)287-8866
中部支社
(052)722-7601
四国支店
(087)831-3186
岡山機器サービスステーション
(086)242-1900
九州支社
(092)483-8208
長崎機器サービスステーション
(095)834-1116
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