01 調査の契機 土壌汚染対策法による土壌調査方法のご案内

AQUA AGE 21
土壌汚染対策法による土壌調査方法のご案内
福島県環境検査センター株式会社
平成22年4月から改正土壌汚染対策法が施行され、工場・事業場の敷地について、様々な
機会に土壌調査を行わなければならないことなどが定められたところですが、同法に基づく土
壌調査の概要について取りまとめました。
個々の土壌調査の詳細は、当該敷地の使用履歴や場所などにより異なりますので、具体的な
調査の進め方は、その土地所有者等が環境大臣に指定を受けた“指定調査機関”に相談して決
める必要があります。
01 調査の契機
土壌調査は、次の4つのケースに行われることになります。
ただし、[1]のケースで引き続き工場・事業場の敷地として使用されるなどの場合は、県
知事に申請し確認が得られれば、調査義務が一時的に免除されることがあります。免除に際し
ては知事(中核市長)の確認が必要ですので、最寄りの地方振興局などにお問い合わせ願いま
す。
また、[2]のケースで地歴調査などから土壌汚染のおそれがない場合は、知事命令は発出
されませんので、調査を行う義務は生じません。
なお、盛土のみの土地の形質変更の場合は、届出も不要になります。
[1]
有害物質使用特定施設の使用の廃止時(第3条)
[2]
一定規模(3000㎡)以上の土地の形質変更の届出の際に、土壌汚染のおそれが
あると知事が認めるとき(第4条)
[3]
土壌汚染により健康被害が生ずるおそれがあると知事が認めるとき(第5条)
[4]
法に基づかない自主調査
02 調査の進め方
① 土地の所有者等が、環境大臣の指定を受けた「指定調査機関」
(注1)に依頼して調査
を行います。
② その際、土壌中の特定有害物質の濃度の調査は、弊社のような県知事に事業登録した
「計量証明事業者」が行う必要があります。
(注2)
③ 調査結果は、有害物質使用特定施設の使用廃止から120日以内に報告しなければな
りません。
④ 報告すべき事項は、有害物質使用特定施設に関することや、土壌汚染状況調査の結果
に関することなど、詳細に定められています。
注1
福島県内で調査を行うことができる指定調査機関は31件(H22.6.18 現在)
注2
弊社は、多くの指定調査機関から依頼を受けて特定有害物質の濃度の測定を行
っています。
03 調査対象地の区画と分類
調査対象地の範囲としては、使用が廃止された有害物質使用特定施設を設置していた工場・
事業場の敷地であった土地のすべての区域が該当し、具体的な区画の設定は次表のように行い
ます。
[1] 調査対象地(一連の工場・事業場の敷地)の最北端の地点を起点として、東西
南北方向に10m四方の格子状(1区画100㎡)に区画する。
[2] 土地の利用履歴等の調査結果に基づき、各単位区画について土壌汚染の存在するお
それに応じて3種類に区分する。
1)おそれがないと認められる土地
山林、緩衝緑地、従業員寮、グラウンド、体育館、未利用地など
2)おそれが少ないと認められる土地
事務所、資材置き場、倉庫、従業員用通路、駐車場、中庭など
3)おそれが比較的多いと認められる土地
特定有害物質を使用、貯蔵、保管等を行っていた敷地や、配管や排水
処理施設が存在していた土地など
04 試料採取の手順
各単位区画での試料の採取は、次表のとおり行います。
1)おそれがないと認められる土地
試料採取は行わない。
2)おそれが少ないと認められる土地
900㎡単位で試料を採取する。具体的には、土壌ガス調査の場合は、30
m四方の区画内の中心、又は一部対象区画(汚染土壌が存在するおそれが少
ないと認められる土地を含む単位区画)で、土壌溶出量・含有量調査の場合
は、9つの単位区画のうち5つの区画の中心の各1地点で試料を採取する。
3)おそれが比較的多いと認められる土地
100㎡単位で試料を採取する。具体的には、当該区画の中心の1地点、
又は汚染の可能性が高い部分がある場合は、当該部分における任意の地点
で試料を採取する。
05 試料採取の具体的方法
《
土壌ガス調査
》
第1種特定有害物質(四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2ジクロロエチレン、1,3-ジクロロプロペン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、1,1,1トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、ベンゼンの11物質)
を調査対象とするときは、まず、土壌ガス調査を行い、土壌ガスが検出された場合、土壌
汚染が存在するおそれが最も多いと認められる地点で、深さ10m までの土壌をボーリン
グにより採取して土壌溶出量を測定する。
《
土壌溶出量調査・土壌含有量調査
》
汚染原因の深度が分かる場合は、その位置から深さ50cmまでの土壌を、原因が表層
もしくは不明の場合は、地表から5cmまでの 土壌と、5から50cmまでの土壌の重量
を均等混合したものを試料として採取する。
06 お知らせ
弊社では、お客様の敷地や有害物質使用特定施設の状況に応じて、指定調査機関と連携しな
がら最適な土壌調査計画をご提案しております。
ご用命の際には、下記までご連絡いただければ、すぐに担当者を打合せに伺わせますので、
お気軽に声を掛けていただきますようお願い申し上げます。
なお、この資料は関係法令を参考にして、当社の責任の範囲で編集しておりますので、関係
法令の取扱いなどにつきましては、最寄りの行政機関にお尋ね願います。
福島県環境検査センター株式会社
本社/〒963-0725
福島県郡山市田村町金屋字下夕川原 60 番地 1
TEL:024-941-1719
FAX:024-941-1762
会津若松営業所/〒965-0001 福島県会津若松市一簣町松長 2 丁目 1-14
TEL:0242-37-1710
FAX:0242-37-1775
南会津営業所/〒968-0442 福島県南会津郡只見町長浜字居廻 504
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URL:
FAX:0241-84-2922
http://www.fkc21.com/
(平成 22 年 8 月作成)