上申書(2)

平成27年3月7日
神戸地方特別刑事部
検察官殿
上申書(2)
渡辺直子
1、
3月5日夜、指紋鑑定の件で、お電話を頂いた際に、
「返金」についての私の主
張の確認がありました。平成10年9月5日に、
●35万円と6360円は、渡辺家が引き取る。
●50万円は、末永氏が、持って帰ってしまい、それがどのように処理された
のかわからない。
以上2点でした。
この点について、末永氏が私を名誉毀損罪で訴えた際の告訴状を見てみたとこ
ろ、阪神球団に平成10年9月16日発行の収入証書があることがわかりまし
た。告訴状を送付いたします。ご覧ください。
36頁に、収入証書について、次のように記載されています。
省三氏が自身の机引き出しに残した「返金」と題された封筒に入った金50
万円の阪神球団の返還処理が終了したことを示すもの
2、
さらに、調べてみますと、驚く事実がわかりました。
告訴状の添付資料17の2(36頁)には、次のように記されています。
平成10年7月29日発行支払証書(平成10年6月29日~同年7月28日
まで、省三氏がスカウト活動費として代払いした合計金483、241円の支
払が、阪神球団より省三氏になされたことを示すもの)の写し
1
これは、父の手帳の記載と真逆の内容です。父は、平成10年6月29日に5
0万円を借出し、平成10年7月28日に、483、241円分の領収書を持
って、球団総務へ行き、残りの16、759円(500,000 円-483,241 円)を返
すという方式をとっているのです。
何のために、このような偽造証書を作る必要があったのでしょうか。
お調べください。
3、
自殺断定の発端は、末永氏が、スカウト活動の前借り金の「返金」があったの
で、覚悟の自殺だと警察に説明したことが、警察が自殺として事件処理した理
由です。当初、警察と末永氏とのやりとりでは、私が、離婚した事実を、末永
氏は知らないわけですから。
末永氏は、当時、警察に次のように説明していました。
「電話では、どうしようもないので、車で会社へ帰る途中、ひょっとしてと思
い、会社へ電話を入れ、渡辺省三氏の机の引出しを調べてもらうと、引出しの
中に、返金と書かれた封筒の中に50万円の現金と、別の封筒の中に35万円
の現金が入っていると聞いた時、本当に渡辺省三氏かもしれないと思った事を
覚えております。封筒に返金と書かれていた50万円は、スカウト活動として、
仮出ししている50万円の精算だと思いました」
(平成11年12月6日付け末
永氏の「上申書」より抜粋)
さらに、「名誉毀損事件」の事情聴取で、「返金」について、詳しく述べておら
れます。
「お示しの書面が、以前に、私が作成して、神戸地方検察庁に提出した上申書
です。この上申書は、作成日付である平成11年12月ころ、
「渡辺省三さんが
亡くなった当時の行動について聞かせてほしい」という検察庁からの問い合わ
せに答えるために作成したもので、手書きの示は私の字に間違いありません。
資料1の上申書にあるとおり、私は、平成10年8月31日、朝の10時ころ、
甲子園球場スタンド内にあるタイガースの事務所に出社しました。この日は、
月末で経理の締めをする必要がありましたので、私は、出社後に、各スカウト
の出張費の精算等の書類を確認するなどの仕事をしていたと思います・・・・・
中略・・・・昼の3時過ぎだったと思いますが、私の携帯電話にタイガース総
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務部の山本美鈴さんという女性から連絡が入りました。山本さんからの電話は
1回だけでなく、時間をおいて2回ほどあったと思います。その際の山本さん
とのやりとりを通じて、私は、渡辺省三さんらしい人が、神戸で転落死したと
いう話を聞いたのです。当初、亡くなった方が身長160センチくらいという
話で、170センチを超える渡辺省三さんと体格が違うことから、私は、
「渡辺
省三さんではない」と思っていました。ですが、後に、身長が175センチく
らいに訂正され、服装や見つかった手帳の情報から「もしかしたら渡辺省三さ
んかもしれない」と感じたのを記憶しています。そこで、私は、急いで、タイ
ガースの事務所に戻りました。戻る途中で、私は、事務所に電話をかけ、電話
に出た山本さんに、渡辺省三さんのデスクの引き出しを確認するよう指示しま
した。というのは、何か手掛かりになるものがないか、探してもらおうと考え
たからでした。すると、少しして、私の元に、渡辺省三さんのデスクの引き出
しから、表に「返金」と書かれた現金50万円在中の封筒が見つかったという
連絡が入りました。これ以外に、別途、35万円入り封筒が引き出しから発見
されたという連絡も受けたように思います。こうした連絡を受けて、私は、渡
辺省三さんが身辺整理をしていたのではないかと感じました」
(平成17年5月
16日付け末永氏の「供述調書」より抜粋」
4、
末永氏の説明を補足する意味で、平成10年10月19日付けの捜査復命書が
作られたのでしょう。
「捜査復命書」作成経緯について、作成者の小野盛人警察官に、国家賠償訴訟
時の証人出廷の際に、聞くことができました。
弁護人「それから、事務所で、机が整理されているかとか財布がないとか、あ
るいは、あなたが調べられた調書の中では、35万と50万ですか、
現金があるとかいうようなことですね」
小野「はい」
弁護人「このことは、8月31日だとか9月1日だとか、そういう事件に近接
した日時にどうして調べられなかったんですか。何で後になって調書
作るんですか」
小野「それは、指示を受けてやったことで、これこれしてこうせえということ
でやりました」
3
弁護人「例えば、スカウト費の実費の精算についても、渡辺省三さんが、どう
いうふうに実費精算されていたかというのは、あなたはご存知ですか」
小野「いえ、直接見たとか、そういうことではないので、知っていると断言は
できません」
弁護人「じゃ、箱崎さんから伝え聞かれたのは、どういうことだったんですか」
小野「状況について聞いたら、そこに書いているように、机の中が整理され、
スカウト費が置かれていたというか、そういう状態になっておったとい
うことを聞きました」
甲第31号証を示す
弁護人「活動費が50万だけというはずはないんですけど、50万にしても、
これは、セントラルリーグ手帳で、渡辺さんの持っておられたものです
けど、遠征ごとに精算されているんですよ。年度末に精算するというよ
うな話はないですし、あり得ないと」
小野「そういう詳しいことは誰も、球団関係者も私らには言うてません。その
都度、その都度に精算するとか、そういうシステムは知りませんでした」
弁護人「じゃ、あなたが、報告書に書いておられる、箱崎さんからというか、
球団関係者の言い分として、又聞きしたものでは、まとめてなされてい
たと」
小野「まとめてというか・・・返す時期があるというようなことは聞いたと思
います」
弁護人「本来は、返す時期でないのに、その時期のものとして、50万円が机
の中にあったということですか」
小野「はい」
弁護人「だから、自殺なんじゃないかということに繋がっていくんですけど、
そういうことも含めて、自殺なのか、事故なのか、殺人なのか、これ
4
はもっと事件の直近の8月31日、9月1日、9月2日とか、そうい
うときに、やられるべきことじゃないんですか。一般論でいいですよ。
事件の捜査として、それは、事件の起こった直近にやるのが、普通で
しょう」
小野「・・・・・・」
弁護人「一般論としては、そうだというのは、おわかりになりますか」
小野「はい、わかります」
(平成16年4月13日付け小野盛人警察官の証人調書より抜粋)
5、
一方、「返金」について、ウソを言い続けた末永氏の主張を基に、阪神タイガ
ースの顧問弁護士らが、私を名誉毀損罪で訴える流れとなりました。平成15
年2月21日に阪神タイガースの顧問弁護士らが神戸地方検察庁に提出した
告訴状には、「返金」について、次のように記されています。
「平成10年8月31日、告訴人が省三氏の死亡の事実を外出先で電話にて知
らされた際、株式会社阪神タイガース総務部に電話し、省三氏の机の引き出
しを調べて貰ったところ、添付資料14のとおり、株式会社阪神タイガース
元総務部員山本美鈴氏が「返金」及び「500、000」と上面に記載され
た住友銀行の封筒が引き出し内の一番上に置かれていたのを発見し、その旨
を告訴人に伝えている。
なお、株式会社阪神タイガースにおいては、スカウトは、出張費用等の前借
金の性格を持つ50万円を長期仮出し金として、常時保有している(省三氏
と同様の九州地区担当の永尾泰憲スカウトが、平成9年1月13日にスカウ
ト活動費長期仮出金として金50万円の交付を受けていることを示す添付資
料24)。
省三氏の場合、昭和47年にスカウトに任命されて以降、その金額は増加し
ているが、長期に亘り、当該金員を株式会社阪神タイガースより預かってい
たものであり、添付資料2の第57頁に記載されるような「『平成10年7月
29日以降、9月8日まで出張予定がない』から出張経費の前借り金を球団
の経理から受け取る理由がない」等といった極めて不正確な反論は全く根拠
がないものであることは自明である。
5
このように、省三氏は、死亡する8月31日の午前10時ごろ、律儀にも住
友銀行の自身の口座より払い出した上、自身の机の引き出しの一番上に「返
金」と封筒に記載した上、50万円を置き、午前11時前後に編成部の部屋
5を出たものである。さらに、添付資料6に説明されるとおり、翌日の9月
1日、編成部員が机の引き出しをひっくり返して探したところ、省三氏の財
布が発見されたからこそ、9月1日午後、告訴人が財布を渡辺家に届けたも
のである。
以上の経緯につき、現在、被告訴人直子は、添付資料2の第56頁に記載さ
れるとおり、平成10年9月5日、50万円と35万の入った封筒を末永氏
が持参した等と説明しているが、平成12年2月15日付けの「「返金」につ
いて」と題される被告訴人直子自身の説明文(添付資料15)に明らかなよ
うに、末永氏が球団を代表して渡辺家に遺品を届けたのは、財布及び35万
円の封筒である。被告訴人直子は、50万円が「返金」と記載された封筒に
入っていた事実を受け止めることができず、
「省三氏が出張費を前借りしたは
ずがない」、「当該金員は、財布に入っていたはず」等との憶測を展開してい
るが、その経緯と内容は、平成12年3月1日付けのファックス返信記録の
残る、被告訴人直子作成の添付資料16に明らかなとおりである。
なお、添付資料17に明らかなとおり、当該金50万円は、長期仮出し金の
返還として、平成10年9月16日、株式会社阪神タイガースにより適正に
返金の経理処理がなされており、当該返金の事実が、省三氏の自殺を裏付け
る重要な証拠とみなされていることが判明するまでの2年近くの間、被告訴
人直子より、告訴人らが避難を受けることもなければ、徒な疑念が示される
こともなかったものである。
以上述べたように、省三氏が、死亡当日、仕事を継続させる意思があるので
あれば、本来、返金する必要の全くない当該長期仮出し金を返金しているこ
とは、同氏が覚悟の自殺であることをこれまた強く推認させるものである」
これは、虚偽告訴罪に該当する事案ではないのでしょうか。お調べください。
以上
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