Bridge Report テー・オー・ダブリュー(4767)

ブリッジレポート(4767) 2015 年 5 月 25 日
Bridge Report
江草 康二 社長兼 CEO
http://www.bridge-salon.jp/
テー・オー・ダブリュー(4767)
会社名
(株)テー・オー・ダブリュー
証券コード
4767
市場
東証 1 部
業種
サービス業
社長
江草 康二
所在地
東京都港区虎ノ門 4-3-13 ヒューリック神谷町ビル
事業内容
イベント、セールスプロモーションの企画・制作・運営
決算月
6月
HP
http://www.tow.co.jp/
- 株式情報 -
株価
発行済株式数(自己株式を控除)
1,037 円
DPS(予)
時価総額
11,198,270 株
配当利回り(予)
33.00 円
3.2%
EPS(予)
ROE(実)
11,613 百万円
PER(予)
61.36 円
売買単位
11.7%
BPS(実)
16.9 倍
100 株
PBR(実)
540.39 円
1.9 倍
*株価は 5/25 終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE は前期実績。
- 連結業績推移 -
決算期
(単位:百万円、円)
売上高
営業利益
経常利益
当期純利益
EPS
配当
2011 年 6 月(実)
10,538
337
336
128
11.24
21.00
2012 年 6 月(実)
13,935
973
987
508
44.61
32.00
2013 年 6 月(実)
12,346
850
864
428
37.64
28.00
2014 年 6 月(実)
12,188
1,026
1,035
638
57.79
28.00
2015 年 6 月(予)
12,890
1,119
1,132
679
61.36
33.00
*予想は会社予想。
テー・オー・ダブリューの 2015 年 6 月期第 3 四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
―目次―
1.会社概要
2.2015 年 6 月期第 3 四半期決算
3.2015 年 6 月期業績予想
4.今後の注目点
1
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今回のポイント
・15/6 期第 3 四半期は前年同期比 1.1%の増収、同 22.5%の経常増益。政府や日銀の積極的な経済・金融政策により、国内景況
や企業業績が緩やかに回復する中、同社グループが属する広告業界において大手広告代理店の業績が回復傾向となっており、
同社の事業領域であるプロモーション領域においても同様に回復傾向となっている。こうした環境下、主要顧客にフォーカスした
営業活動や受注管理強化などの施策を実施したことが、同社の業績の増加に結びついた。
・実体経済の回復と顧客の広告需要に不透明感が残るとの判断のもと、15/6 期の会社計画は 1 月15 日に業績の上方修正を行っ
た前期比 5.8%の増収、同 9.4%の経常増益の予想が据え置きとなった。一方、1 株当たりの配当は、期初予定していた年間 31
円(上期末 15.5 円、下期末 15.5 円)から 2 円増配の年間 33 円(下期末 15.5→17.5 円)の予定に 4 月 15 日に変更された。
・前期を振り返ると、良好な環境ながら稼ぎ時である第 4 四半期に会社が考えていたほどの成果をあげることができなかったとの
反省がある。この対策として、同社は今期より今後の受注獲得に貢献すると期待される「新・マネジメントフォーマット」を導入した。
昨年の反省を活かし、これらの施策を通じて期待通りの成果をあげることができるのか、今第4 四半期の業績動向が注目される。
1.会社概要
イベントプロデュース業においては独立系NO.1 のトップカンパニー。同業他社が約8000 社あり、その大半が中小・零細企業といわれ
る中、当社は頭一つ抜け出た存在。現在はイベントをはじめとするデジタル・プロモーションのみならず、Web サイト、ノベルティグッ
ズ、印刷ツール、キャンペーン事務局といった各種セールスプロモーションメニューも取り揃え、ワンストップ体制とプロモーション提
案力の強化を図り、マスメディア以外は全て当社で対応できる、総合プロモーション事業を展開。
日本では大半のイベントが、イベント主催者(クライアント)からの発注を受けた大手広告代理店によって開催されている。このため、
同社を含めた実際にイベントの企画・制作・運営を行う会社は、イベント主催者から直接受注するのではなく、大手広告代理店を介し
て受注するケースが多い。競合他社が限られた大手広告代理店とだけ取引している中、 当社は国内外の大手広告代理店 10 社以
上と取引し、 イベント/セールスプロモーション業のスペシャリストとして信頼を得ている。また、東京ドーム、幕張メッセ、国際フォー
ラム、東京ビッグサイトなど、 大型会場でのイベントを 1 社単独で全て対応できることが強みとなっている。
企業のコミュニケーションの中でのプロモーション展開を考える際に、様々な知識と経験を持ったプロモーションの専門家によるトー
タルプランニングこそが、プロモーション効果を高めるために最も重要であるとの考えのもと、イベント制作における実績を生かしたラ
イブコミュニケーションに加えて、プレミアム、ツール、WEB など、セールスプロモーションコンテンツの専門部署を発足させ、プロデュ
ーサー・プランナー・ディレクターが一元的にクライアントのプロモーションニーズに応えるよう取り組んでいる。
「プロモーション・パートナー」という新しい業態としてワンストップソリューションの提供を実現させる、総合プロモーションカンパニー
として機能している。
(同社 Web サイトより)
2
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広告主が変われば、各社抱えている課題や要望も変わる。 また商品ブランドが変われば、それを届ける消費者も変わる。いかにそ
の時々の状況下において広告主・商品ブランド・消費者にとって最適な媒体メニューを組合せ、コーディネートして提示できるかが求
められる複合媒体時代になっている。同社は、パートナーである広告代理店に対して、マスメディア以外は全て当社で対応できる一
社完結型の「プロモーション総合制作会社」として、あらゆるプロモーションニーズに対応できる体制を整えている。
(同社 Web サイトより)
更に、複合媒体時代においては、幅広く展開する複数の媒体やプロモーション施策を一括りに束ね上げる企画力が必要とされる。
同社には、他の制作会社には例を見ない、企画専門セクションを置き、「企画」「営業・制作」の分業体制を確立している。企画に特化
した 20 数名のイベントプランナーが企画業務をリードし、クオリティを確保した形で年間約2000 本の企画を世に送り出している。これ
により、広告代理店様と一緒に、プロモーションの全体企画を作成・提案し、採用された企画・コンセプトを押さえたまま、実施までつ
なげることを可能にしている。
また、デジタルマーケティングを総合的にプロデュースするインタラクティブスタジオの株式会社ワン・トゥー・テン・デザインと同社が
業務提携(2014/1/10)。リアル×デジタル=ハイブリッド業務の企画・制作の体制をより強化していくことを目的に本ユニットを発足。
既存の手法にとらわれない“新しい形のリアル・プロモーションを提供”し、顧客が期待する「効果の最大化」を目指す方針。
3
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2.2015 年 6 月期第 3 四半期決算
(1)連結業績
(単位:百万円)
14/6 期
15/6 期
構成比
第 3 四半期
構成比
第 3 四半期
前年同期比
売上高
9,618
100.0%
9,728
100.0%
+1.1%
売上総利益
1,331
13.8%
1,476
15.2%
+10.9%
販管費
554
5.8%
528
5.4%
-4.7%
営業利益
777
8.1%
948
9.7%
+22.0%
経常利益
786
8.2%
962
9.9%
+22.5%
四半期純利益
460
4.8%
579
6.0%
+26.0%
※数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。
前年同期比 1.1%増収、同 22.5%の経常増益
売上高は前年同期比 1.1%増の 97 億 28 百万円、経常利益は同 22.5%増の 9 億 62 百万円。政府や日銀の積極的な経済・金融政策
により、国内景況や企業業績が緩やかに回復する中、同社グループが属する広告業界において大手広告代理店の業績が回復傾向
となっており、同社の事業領域であるプロモーション領域においても同様に回復傾向となっている。こうした環境下、主要顧客にフォ
ーカスした営業活動や受注管理強化などの施策を実施したことが、同社の業績の増加に結びついた。
売上面では、イベント領域の博展と広報カテゴリーの増加額が大きくなった反面、セールスプロモーション領域の制作物カテゴリーの
減少額が大きくなった。
営業利益は、同 22.0%増の 9 億 48 百万円。収益力向上のための施策を実施した効果により、売上総利益率は 15.2%と同 1.4 ポイン
トの上昇。販管費の効率化を図ったことから、売上高対販管費率は 5.4%と前年同期比0.4 ポイントの低下となった。この結果、売上高
営業利益率は、9.7%と同 1.6 ポイント向上した。その他、特別損益の計上はなかった。
カテゴリー別売上高(連結、企画売上高を除く)
(単位:百万円)
14/6 期
構成比
第 3 四半期
博展
イベント
SP
15/6 期
構成比
第 3 四半期
前年同期比
-
-
113
1.2%
-
189
2.0%
201
2.1%
+6.0%
広報
2,917
30.5%
3,197
33.1%
+9.6%
販促
5,505
57.6%
5,448
56.4%
-1.0%
940
9.8%
700
7.2%
-25.5%
9,552
100.0%
9,660
100.0%
+1.1%
文化・スポーツ
制作物
合計
※ 企画売上高を除く売上高合計
(2)財政状態
財政状態
(単位:百万円)
14 年 6 月
15 年 3 月
14 年 6 月
15 年 3 月
現預金
2,196
2,704
仕入債務
1,150
1,490
売上債権
2,319
2,460
未払法人税等
306
124
未収入金
3,108
2,526
有利子負債合計
840
840
流動資産
7,750
8,290
負債
3,335
3,497
投資その他
1,139
1,183
純資産
5,644
6,080
固定資産
1,229
1,288
負債・純資産合計
8,979
9,578
※売上債権=受取手形及び売掛金+未成業務支出金
15/3 末の総資産は前期末比 5 億 98 百万円増加の 95 億 78 百万円。業績の拡大により、借方では現預金が、貸方では仕入債務と利
益剰余金が主な増加要因となった。総資産の約 87%を流動資産が占める等、資産の流動性が高い。自己資本比率も約 63%と高水
準を維持している。
4
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3.2015 年 6 月期業績予想
(1)通期連結業績
(単位:百万円)
14/6 期 実績
売上高
構成比
15/6 期 予想
構成比
前期比
12,188
100.0%
12,890
100.0%
+5.8%
1,756
14.4%
1,870
14.5%
+6.5%
729
6.0%
751
5.8%
+2.9%
営業利益
1,026
8.4%
1,119
8.7%
+9.0%
経常利益
1,035
8.5%
1,132
8.8%
+9.4%
638
5.2%
679
5.3%
+6.5%
売上総利益
販管費
当期純利益
2015 年 6 月期は、前期比 5.8%の増収、同 9.4%の経常増益の計画
15/6 期の会社計画は、1 月 15 日に前期比 5.8%増収の 128 億 90 百万円(期初予想は同 1.9 増の 124 億 23 百万円)、同 9.4%経常
増益の 11 億 32 百万円(期初予想は同 2.9 減の 10 億 5 百万円)に上方修正された。政府の経済対策の効果や円安による輸出企業を
中心とする企業収益の回復により、国内広告市場も緩やかな回復が予想される。しかし、実体経済の回復と顧客の広告需要に不透
明感が残るとの判断のもと、今回通期の会社計画は据え置きとなった。
同社では、引き続き積極的な営業活動や収益力向上と販管費の効率化に努める方針。今期の会社前提の売上総利益率は 14.5%
(前期 14.4%)、売上高対販管費率は 5.8%(同 6.0%)。
一方、1 株当たりの配当は、期初予定していた年間 31 円(上期末 15.5 円、下期末 15.5 円)から 2 円増配の年間 33 円(下期末 15.5→
17.5 円)の予定に 4 月 15 日に変更された。
2015 年 6 月期第 3 四半期累計期間の進捗率
(単位:百万円)
売上高
15/6 期会社計画(1/15 修正計画)
営業利益
経常利益
当期利益
12,890
1,119
1,132
679
15/6 期第 3 四半期累計期間(実績)
9,728
948
962
579
進捗率
75.5%
84.8%
85.1%
85.4%
同社の稼ぎ時である第 4 四半期を前に 15/3 期第 3 四半期累計の実績は、通期の会社計画に対し高い進捗となっている。特に、販管
費の効率化の成果により利益段階での進捗率が 85%前後と高水準。
(2)今後の主な方針
最大の強みであるリアル・プロモーションを、デジタル&アイディアで武装し価値を高め、顧客が求める効果最大化の追求を通じて、
デジタルに強いリアル・プロモーション会社というオンリーワンのポジションを構築することが経営目標。
デジタルXリアル=インタラクティブ・プロモーション(IP)案件の売上高は、15/6 期上期に 16.5 億円(前上期 11 億円)と大幅に拡大し
た。中でも、㈱ワン・トゥー・テン・デザインとの業務提携によるイベント領域とデジタル領域を融合させ、新たなリアル体験を創造する
開発プロジェクト「1→TOW」が売上の増加に貢献している。今後は、1→TOW(デジタル制作会社)に加えて、映像制作会社との協
業を通じて、クリエイティブ力の高い動画を活用したプロモーションを実施していくことで、下期以降のインタラクティブ・プロモーション
(IP)案件の売上高の拡大を目指す。
5
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同社では、経営目標の実現のために、以下の 5 つの対策を実行中。
① デジタル力の強化
② つくる力の強化
③ 顧客力の強化
④ グループ力の強化
⑤ 安心力の強化
4.今後の注目点
日経広告研究所(平成 27 年 1 月発表)は、2015 年度の国内総広告費が前年度比 1.6%増加すると予測している。15 年度は、5 年ぶり
に実質賃金がプラスに転じるとともに、雇用者数が増加、所得の改善によって個人消費は、14 年度の前年度比 2.8%減から 1.3%の増
加に転じるとの見通しの中、広告費も堅調に推移し、上期は 1.5%増加し、下期も 1.8%増加すると予測している。こうした環境下、今
後同社を取り巻く業界環境が急速に悪化するリスクは小さいと判断される。
同社の15/6 期第3 四半期累計の実績は、通期の会社計画に対し高水準の進捗となっており、今年度の決算に対する期待が大きい。
しかし、前期を振り返ると稼ぎ時である第 4 四半期に会社が考えていたほどの成果をあげることができなかったとの反省がある。こ
の対策として、同社は今期より「新・マネジメントフォーマット」を導入した。これにより、目標達成のために必要な具体的な活動プラン
を 2 ヶ月分逆算して立てることが可能となるなど、今後の同社の受注獲得に貢献するものと期待されている。昨年の反省を活かし、こ
れらの施策を通じてり期待通りの成果をあげることができるのか、今第 4 四半期の業績動向が注目される。
また、インタラクティブ・プロモーション(IP)を組み込んだプロモーションの受注拡大は、受注規模の拡大や付加価値の増加に結びつ
くため、今後の同社の成長には欠かせない存在となっている。引き続きIP絡み案件の下期の受注状況にも注目していきたい。
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が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、
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