4刷 内装モイス 施工マニュアル 三菱商事建材株式会社 アイカテック建材株式会社 内装モイス 施工マニュアル 1 モイスを施工する前に 注意事項 警告 ①モイスは、天然素材を100%使用して、紙漉きと同じ“ 抄造法 ”で作られています。そのため、仕上げ面の風 合いが若干異なる場合があります。製品性能には問題ございませんが、ご理解の上、ご使用をお願いします。 ②モイスの施工は、下地・用途別の推奨方法に従い施工してください。 (⇒p5 ∼ 9)標準施工と異なる場合、 強度不足等によりモイスが外れ、ケガをするおそれがあります。 ③モイスを切断する際には必ず保護メガネ・防じんマスクを使用し、手袋・長袖の作業着を着用し、皮膚が露 出しないようにしてください。また適切な集じん装置を使用し、現場の作業環境を保守してください。作業後 は、うがい及び手洗いを励行してください。粉じんが大量に体内へ入ると、呼吸器等へ悪影響を及ぼすおそれ があります。 ④モイスに割れ・ひび等が発見された場合、使用せず交換等の処置をお願いします。 ⑤モイスの曲面加工については、 “2 曲面施工について ”を参照願います。 (⇒P.14) ⑥モイスを使用した壁に手すり、 エアコン、フック等負荷がかかるものを取り付ける場合は、必ず下地材を取り付 けるか、柱の部分に取り付けるようにしてください。 (⇒P.14) 下地材は、厚さ 12mm 以上の合板または、35×105mm 以上の受け材を推奨します。 お願い 注意 ①製品の破損・機能低下の原因となるおそれがあります。搬入時には下記事項をお守りください。 製品は、屋内の平らな場所に床面からの湿気を防ぐように、パレットや 10cm 以上の角材などを使用してくだ さい。保管は高さ 1m 以内を限度としてください。 水濡れや汚れを防ぐため防水シート等で養生してください。 ②荷降ろし、小運搬の際は、 “ 保管および取り扱い上の注意点 ”を参照願います。 (⇒P.4) 小分けの際は、角部の損傷を避けるためモイスを引きずること無く、持ち上げるように作業してください。 欠けおよび破損、ひっかき傷またはテカリ等の不具合の原因になります。 モイスの表面が汚れた場合は、 “ お手入れの仕方 ”に従ってメンテナンス処理をしてください。 (⇒P.16) ③モイス表面の軽微な傷は、仕上り目に沿って研磨紙擦りすることにより、目立たなくすることができます。 研磨番手#60 ∼#150 の順に使い分けながら研磨紙擦りをしてください。 ④梱包用の“ 捨て板 ”は、梱包資材(緩衝材)のため、使用しないでください。捨て板は四隅を赤く塗装するなど、 製品と区別してあります。 (⇒P.4) ⑤接着剤・両面テープは、モイス推奨品をご使用ください。 (⇒P.5) 推奨品以外の接着剤・両面テープを使用すると、接着剤・両面テープに含まれる成分によって、モイス表面 が汚れたり、シミになるおそれがあります。 ⑥木製下地材は、必ず乾燥材(含水率 20%以下)を使用してください。 含水率の高い木材を使用した場合、その水分がモイス表面へ染み出し“ シミ ”になるおそれがあります。 (⇒P.11) ⑦モイスを内装仕上げ材として使用する場合には、GL 工法での施工はしないでください。 GL ボンドの成分がモイス表面へ染み出してしまい、シミになるおそれがあります。 ⑧不燃材料として使用する場合、面取り・切削加工箇所の板厚は 4mm 以上であることを確認してください。 ⑨モイスは、多孔質セラミックス素材で、吸水性(吸水率:60 ∼ 70%程度)に富んでいます。常時、水がかかり、 頻繁に水汚れ等が考えられる湿潤な場所(浴室内など)や油がかりするレンジ廻り等への使用は適しません。 ⑩ねじで固定する場合は、モイス端部より 15mm 以上離した位置にねじを打ち、固定してください。端部近く にねじを打つとモイスが破損するおそれがあります。 内装モイス 施工マニュアル 1.モイス「Moiss」について モイスはわが国伝統の素材である 「木」 や 「土壁」 がもつ性能を、 より進化させた新しい建築素材です。 ●モイスの特性について: モイスの構成は、シリカと消石灰が高温高圧の水と反 応して形成されるカルシウム・シリケート水和物(けい酸 カルシウム)です。モイス表面にきらめく主成分のバーミ キュライト*はその骨格に強固に保持された構造をもって います。バーミキュライトはこのような反応条件でも一切 の質的変化を起こさず、天然の多機能性をもったまま、 板材の中で生き続けます。 板材内部ではバーミキュライト内において層間の滑り による変形追従性を持った積層構造がバッファやクッショ ンの役割を果たしながら板に粘りと靱性を与えています。 モイスは天然素材で構成され、有害な有機物質などは 一切含まれていません。 最終的に解体、廃材となる場合にもモイスを砕き、土 に混合すると石灰・シリカは植物のミネラル肥料となり、 バーミキュライト自身は、土壌中で有機肥料保持剤として 有効に利用されながら風化、微粉化して、時間を経て土 に還ります。地球にも優しい「エコ建材」です。 快適な湿度域を保持 (調湿建材登録・表示制度№T08-0009) VOC の吸着と消臭効果 カビ抵抗力 1 2 素材の呼吸力 2 3 特異な セラミックス 100%天然素材 竹のような強靱なしなり 木質のような粘り くぎ、ねじの高い保持力 天然鉱物の機能を活用 資源循環型の機能建材 「土に還る」 (肥料化認定取得:生第 86414 号) 無垢な均一素材 ●モイスの種類: バーミキュライト 多機能けい酸 カルシウム板 Moiss 調湿性強化 けい酸 カルシウム板 JIS A 5430 耐力性能強化 次世代の内装材として出発した多機能けい酸カルシウ ム板・「モイス」は、 「内 装モイス」と「耐 力 面 材モイス TM」の 2 種類に進化しました。内装モイスと耐力面材モ イスTMはかさ密度、曲げ強度だけでなく風合が異なりま す。従って、相互に転用は出来ません。使用内容、用途に 適した製品をお選びいただき安全な施工を心掛けくださ い。なお、本マニュアルで、記載されているモイスは「内 装モイス」を示しています。 ①内装モイス けい酸カルシウム板をベースに天然鉱物のバーミキュ ライト、珪藻土を配合した「調湿性」 「施工性」 「耐火性」 に優れた多機能内装仕上げ材です。 (一社)日本建材・住 宅設備産業協会の「調湿建材登録・表示制度」適合商品 です。 ②耐力面材モイスTM モイスの優れた「耐震性」 「耐火性」 「防露性」を活用し、 さらに耐力性能を強化した木造戸建て住宅の耐震用下地 材です。TM は、T(耐力)、M(面材)の意味です。 商品説明、認定、施工方法などについては、別紙「耐力 面材モイス TM」カタログをご参照願います。 モイスの分類 内装 内装モイス モイス R ○ 耐力面材 モイスTM *:バーミキュライトについては南アフリカの特定原産地品を使用しています。 アスベストの混入については日本に於けるアスベスト含有に係わる法規制よりも厳しい管理基準をクリアしたものを用いています。 内装モイス 施工マニュアル 3 2. 基本事項 物性値 1 モイスの特長 モイスは、素材自体の持つ自然の力を利用した無 垢な仕上げ材です。特に、湿度の調整機能に優れた 特性を持ち、人と環境に優しい、新しい「調湿建材」 です。 [1 ]特 長 許容差 [2]用 途 住宅、事務所等室内環境の空気質の改善を必要 とする生活空間。 また病院、研究所等の脱臭機能を 要求する施設、美術・博物館の収蔵庫、倉庫といっ た湿度調整を必要とする収納空間等、幅広い用途に 効果を発揮します。 ±0.5 長さ、幅 JIS A 5430 +0, -2 かさ密度 (g/cm ) 0.60以上0.90未満 JIS A 5430 曲げ強さ (N/mm ) 10.0以上 JIS A 5430 (%) 0.15以下 JIS A 5430 0.18以下 JIS A 5430 3 2 吸水による 長さ変化率 熱伝導率 (W/m・K) 難燃性(不燃) 1. モイスは「多機能けい酸カルシウム板」です。 2. 吸放湿性に優れています。 「調湿建材登録・表 示制度」 適合商品(№T08-0009) 3. 有害化学物質(VOC)を吸着、無害化します。 4. 無接着剤工法を可能とし、スピード施工を実現し ます。 5. 曲面施工が可能です。木材のような加工が出来 ます。 6. 寸法安定性に優れています。 7. 国土交通大臣認定の不燃材(NM-8576,8578, 0656)です。 8. 土に還る環境に優しい建築素材です。 厚さ (mm) ─ NM-8578(5mm以上) 3時間後 調湿性 (吸湿性) (g/m2 ) 透湿抵抗 (×10 m2 sPa/ng) 3 6時間後 20以上 12時間後 29以上 JIS A 1470-1 1.76(6mm厚実測値) 木材のような加工性 JIS A 5430 15以上 JIS A 1324 大きな曲げやしなり [2]副資材の種類 専用資材 部品名 容 量 モイスパテNT 330ml モイスコート 18kg 形 状 カートリッジ 缶 入 入数 1本 1缶 標準使用量 ー 備 考 充填材 (素地色) 表面防汚 処理材 (クリヤー塗装) (g/m2 ) *有償 100∼150 ・モイスパテNTは、隙間を埋める程度で大きな傷やカケの補修はできません。 ・モイスコート(クリア塗装、無機系水性1液型シリコーン塗料) モイスの表面に水の浸透しにくい撥水皮膜を形成することで汚れが染み込みにくくなり、メンテナンス を簡単にすることができます。 (撥水の状況は、下の写真を参照) ・モイスコートを使用した場合、吸放湿性、消臭性等の性能は低下します。 2 適用範囲 使用できる場所 内壁(居間、便所、洗面所、台所、玄関、廊下など) 使用できない場所 外壁、浴室内、床 など △ 3 商品構成について [1]商品構成と物性値 寸法(mm) *有償 重量(kg) 厚さ 6mm 厚さ 9.5mm 910 × 910 5.4 ─ 910 × 1820 10.7 17.0 910 × 2420 14.3 22.6 910 × 2730 16.0 25.5 注)重量については含水等を見込んだ参考の数値としています。 備考 受注生産品 無塗装品 モイスコート塗布品 [2]小運搬について モイスは無塗装仕上げのままご使用頂けますが、 表面に着色塗装を行う場合は、塗料によってはモイ スの調湿性能を阻害する恐れがありますので塗料 メーカーにご確認の上ご使用願います。 推奨品 部品名 容 量 形 状 1L デュブロン 5L 10L 缶 入 仕 様 水性エマル ジョン (石灰調塗料) 標準使用量 3∼5 備 考 (株) イケダ・ コーポ 荷降ろしの際は材料の角部を損傷することのない 様に注意してください。板を引きずって作業すると 下の板の表面に傷がついたり、テカリが起こる場合 があります。持ち上げるようにハンドリングしてくだ さい。 また、小運搬時には、2 名で前後の角部付近を持 ち、材料を垂直に立てて運ぶようにしてください。 (m2 /L) レーション tel:03-3544-4453 ※塗布時の仕様などメーカーにお問い合わせください。 [4]標準荷姿 木製パレットに捨て板(汚れ防止用)を敷き、モイスを 積み重ね最上面に捨て板を置いています。 なお、一梱包の重量を約 1.5トンを目安としています。 例えば、6mm厚の910×2420の梱 包の枚数は110枚が積載目安とな ります。 標準搬入荷姿 小口面コーナー部の マークは養生用の捨 板です。製 品として は使用できませんの で注意ください。 H 10cm 以上 4 保管及び取り扱い上の注意点 [1]搬入受入・荷降ろしについて 指定材料が正しく納入されたかを確認してください。 小運搬 [3]保管について 商品の特性上、野積は厳禁です。屋内の平らな場 所に、床面からの湿気を防ぐようパレットや 10cm 以上の角材などを使用してください。保管は高さ 1m 以内を限度としてください。 また、モイスは素材特性として吸水性があります。 施工の前に雨水等で濡れ水分を含むと、重くなり施 工性が著しく低下し、表面が汚れやすくなります。 雨水等がかからぬように注意し、養生してください。 [4]取り扱い上の注意事項 モイスの施工に際しては、仕上げ材としての取り 扱いを意識し、表面の傷や汚れに十分注意し、必要 に応じて適宜養生を行ってください。モイス表面が 汚れた場合は「お手入れのしかた」 (p.16)の要領 に従って処理してください。 *注意事項 室内で切断、面取り、現場加工等を行う場合には 防じんマスク、防護メガネ等の保護具を使用し、集 じん機設備による作業に心がけてください。 搬入受入 荷降ろし 荷揚げ 内装モイス 施工マニュアル [3]モイスへの着色塗装について 4 内装モイス 施工マニュアル 3. 施工 1 施工の分類と施工図 下地種類 5 木製下地 施工部位 壁 張り方 直張り 直張り モイス厚さ 9.5mm 6mm 6mm ピンネイル 留め 接着剤張り または 両面テープ スーパー フィニッシュ 留め スーパー フィニッシュ 留め 留意点 *2 /*3 *3 参照図 No. 図1 (P.6) 図2 (P.6) 推奨留め付け 方 法 ボード下地(下張り) 天井 壁 天井 壁 天井 直張り 二枚張り 二枚張り 直張り 直張り 6mm 6mm 6mm 9.5mm 6mm 両面テープ 両面テープ + + 接着剤張り 接着剤張り *4 *1 /*5 /*6 *1 /*5 /*6 *4 *4 図2 (P.6) 図3 (P.7) 図4 (P.7) 図5 (P.8) 図6 (P.8) ねじ留め + 鋼製(LGS)下地 ねじ留め ねじ留め *1 下地はせっこうボード(9.5 ㎜以上)もしくは合板やベニヤ板など(5.5 ㎜以上)のボードとしてください。 また、下地には面段差がなく平面であることを確認してください。壁のボード下地として合板やベニヤを使用する場合にはスーパー フィニッシュによる留め付けが可能です。 *2 留め付けは、くぎ頭の目立ちにくいピンネイル及びスーパーフィニッシュを推奨します。但し、6 ㎜の場合はスーパーフィニッシュを 推奨します。 *3 スーパーフィニッシュをご使用の場合は、くぎ頭が白色タイプのものを推奨します。 (留め付け跡が目立ちにくくなります) *4 ねじ留めの場合は、頭の目立ちにくい専用ねじ(エコファスナーライト)を推奨します。一般ねじを選定する場合にはねじ頭部の仕上 げ処理が必要となります。 *5 接着剤等を併用する場合に、気温が 5℃以下の場合は作業を見合わせてください。 *6 合板やベニヤ板などの木質系ボード類。 * 施工図は在来木軸工法に準じ作成しています。枠組壁工法(2×4)についても同様の納まり、施工となります。 モイス留め付け資材(現場手配) 部品名 ピンネイル 仕 様 長さ: 25、30、35 径:0.6φ 長さ: 25、30、35 スーパー フィニッシュ 径:1.05 形 状 材 質 鉄または ステンレス モイス貼付資材(現場手配) 推奨メーカー 適用範囲 部品名 ※ ネダボンド パック 皿木ねじ 長さ:25以上 径:3.0以上 長さ: テクスねじ (SJ25、32、35)25、32、35 メッキ (ダクロタイ ズド) マックス㈱ 木製下地 ㈱マキタ (壁・天井) ㈱ムロ コーポレー ション ネダボンド W-1000 ─ 木製下地 (壁・天井) ─ ㈱ヤマヒロ 鋼製下地 (壁・天井) ※エコファスナーライト:ねじ頭浮きを防止する特殊形状(モイス専用ねじ) 仕 様 推奨メーカー 使用方法 セメダイン㈱ ボードテー プ310併用 250 g/㎡ アクリル 樹脂系 エマル コニシ㈱ ジョン形 (水性) アプリパック(1kg) TMテープ W1-20併用 250 g/㎡ コニシ㈱ TMテープ W1-20併用 250 g/㎡ セメダイン㈱ EM346と 併用 3.3 m/㎡ コニシ㈱ ネダボンド W-1000又 はネダボンド アプリパック と併用 3.3 m/㎡ カートリッジ (1kg) ボードテー プ310 木製下地、鋼製鉄 骨下地の (壁・天井) メッキまたは ステンレス 状 カートリッジ (1kg) 接着剤 アプリ (アクリル系) 鉄または ステンレス 形 EM346 マックス㈱ 木製下地(壁) ㈱マキタ 頭径:1.4×1.3 長さ:24 エコファス ナーライト 径:3.8 (BH0324KTW) 頭径:7.0 商品名 厚1.1mm×20mm×10m 両面 テープ TMテープ W1-20 厚1.0mm×20mm×10m アクリル 樹脂系 エマル ジョン形 使用量 (単位:mm) はり 間柱 5∼10 柱 モイス厚9.5mm または 厚6mm 内装モイス 施工マニュアル 内装材施工図(参考・JASS26 内装工事による) ①木製下地 図1 壁・直張り 6 5∼10 100以内(ピンネイル留めの場合) 300以内(スーパーフィニッシュ留めの場合) モイス厚6mm の場合(*) 5∼10 モイス厚6mm の場合(*) 土台 または はり ※ ※ 図2 ※下地間隔 モイス板厚 9.5mmの場合……455以内 6mmの場合………303以内または 455以内+横格子303以内(*) 天井・直張り 303以内 303以内 303以内 303以内 303以内 303以内 モイス厚6mm 150以内 ※へりあき ・スーパーフィニッシュの場合 5∼10mm ・ねじ留めの場合 15mm以上 ※5∼10 150以内 ※5∼10 ※5∼10 ・スーパーフィニッシュ留め+接着剤張りまたは両面テープ併用 ・ねじ留め 内装モイス 施工マニュアル 7 ②ボード下地 図3 壁・下張り有り (単位:mm) 接着剤の間隔 280 以内 280 以内 280 以内 ボード下地 せっこうボード、 合板等 ( ) 接着剤 両面テープ 巾20 モイス厚 6mm ●お願い 455 以内 ・両面テープの張付け面及び接着 剤の塗布面のゴミ、埃(ほこり) は除去してください。 455 以内 ・改修の場合、既存ビニールクロス 等を除去したうえで施工してくだ さい。 両面テープの間隔 図4 天井・下張り有り 両面テープ 巾20 ボード下地 せっこうボード、 合板等 ( ) 両面テープの間隔 455 以内 210 以内 210 以内 接着剤の間隔 210 以内 455 以内 210 以内 ●お願い 接着剤 モイス厚 6mm *合板ベニヤ等の木質系ボードの場合は、スーパーフィニッシュでの留め付けが可能です。 *接着剤、両面テープについては P5 を参照ください。 ・両面テープの張付け面及び接着 剤の塗布面のゴミ、埃(ほこり) は除去してください。 ・改修の場合、既存ビニールクロス 等を除去したうえで施工してくだ さい。 ・脱落防止のために、ねじなどの併 用をお勧めします。 図5 (単位:mm) 壁・直張り スタッド(C 型) ランナー([型) 内装モイス 施工マニュアル ③軽量鉄骨・鋼製(LGS)下地 15 以上 振れ止め([型) モイス厚 9.5mm ねじ 300 以内 12.5 ∼ 17.5 12.5 ∼ 17.5 15 以上 455 以内 図6 455 以内 ランナー([型) 天井・直張り バックアップ材 シングルクリップ シングル野縁 303 以内 野縁受ジョイント ダブルクリップ 吊りボルト 野縁受 ダブル野縁 シングル野縁ジョイント 15 以上 ダブル野縁ジョイント モイス厚 6mm 25 ∼ 35 ねじ 300 以内 8 内装モイス 施工マニュアル 9 図 7 ジョイナー使用納まり例 ジョイナー(市販品使用例) (突き付け部) (出隅部) (入隅部) 入隅ジョイナー H型ジョイナー 出隅ジョイナー 図 8 ジョイント各部の納まり例 (面取り突き付け部) (出隅部) (目透かし) (入隅部) (面取り目透かし) (化粧シート) (化粧シート) *面取り加工品は受注生産となります。 *モイスは寸法安定性が高いので突き付け施工も可能です。 ジョイナーの使用例(壁・天井)/ジョイナー:市販品 アルミH型ジョイナー 塩ビH型ジョイナー アルミ CH 型ジョイナー 塩ビ CH 型ジョイナー 天井・有孔板の納まり例 (*有孔版は特注品となります) [1]下地施工 無接着剤工法※は下地の種類が木製下地又は鋼 製(LGS)下地となります。ただし、改装工事など でせっこうボードが下地の場合には両面テープおよ び接着剤等を併用してください。 (P.5 参照) ※無接着剤工法とは、モイスの持つ高い引抜き耐力により、接着剤 を一切使用しないで、ピンネイル、スーパーフィニッシュ、ケー シングくぎなどのみで仕上げる乾式工法です。 それぞれのくぎの保持力についていはP.13の保持力試験結果を参 照願います。 [2]モイス留め付け ○木製下地の場合 モイスは木製下地に対し、ピンネイル、スーパー フィニッシュのみで留め付けそのまま仕上げます。 くぎ頭部分は、モイスの自然なテクスチャーに溶け 込みます。 ○鋼製(LGS)下地の場合 モイスは鋼製下地に対し、テクスねじ、専用ねじ (エコファスナーライト)で留め付けます。ねじ頭部 分はモイス面位置になるように施工します。 内装モイス 施工マニュアル 2 施工方法 10 内装モイス 施工マニュアル 11 [3]施工準備 1.モイスの取り扱い モイスは、仕上げ材のため施工中の取り扱いは 慎重にしてください。大きな傷、汚れ等については、 交換が必要となります。また、吸水性が高いため、 内部まで浸透してしまった染みについても交換が必 要です。なお、手垢等の汚れがついた場合には、 p.16 の「お手入れのしかた」に従って処置してくだ さい。 2.下地施工 モイスは、下地と一体となって構成されるため、 下地の不具合がそのまま表面の平滑性に現れます。 したがって下地は、縦横の通り、不陸、水平・垂直 等不具合のないように精度よく施工してください。 また、床面と壁面、壁面と天井面との取合い部分 は精度よくすき間のないように施工してください。 木製下地は、必ず乾燥材(含水率 20%以下)を 使用してください。濡れた木材を使用するとモイス がその水分を吸収して、 「染み」になる恐れがありま す。 下地の間隔は、モイスの施工要領図(p.6-9)に 従い施工してください。 ◎「壁・天井」施工上の注意 【事故例】 モイスの高い 吸 水 性 に より、 下地材の水分が 染み出して変色 した例。 ● ● 水分の移動 下地材の含水率が高い材 (グリーン材) などの場合 ● 2.穴開け工具 電動ドリル、ハンドドリル ジグソー 3.留め付け工具 電 動ドリル(スクリュードライバー)ボード用 ピンネイラー、スーパーフィニッシュネイラー プラスビット 金槌 専用釘打機: (左) ピンネイラー (右) フィニッシュネイラー モイス厚9.5mm 水分の移動による モイス表面への染み出し 3.墨出し、板割り付け 施工図に従いモイスの割付墨を下地に打ちます。 モイスの目地は必ず下地の上にくるようにします。 モイス表面は仕上げとなりますので、表面には文 字(メモ)などを絶対に書かないでください。 現場での下地配置状況 [4]工具の準備 1.切断工具 集じん機付電動丸鋸(チップソー) ボードカッター ハクソー スレート鋸 NTカッター モイスの加工 専用釘: (左) スーパーフィニッシュ (右) ピンネイル 4.面取り工具 面取りカンナ ヤスリ サンドペーパー(#60 ∼#150) 角材(サンドペーパー巻きつけ用) 3.欠きこみ モイスには製造方法上、方向性があり、モイス裏 面には矢印が印刷され、方向性を示しています。矢 印の向きをそろえて切断し、施工してください。向 きが異なった場合、表面の見え方に差が出る場合が あります。 欠きこみは、モイス表面に傷や汚れをつけないよ うに養生し、欠きこみの角部に穴を開け、ジグソー または、電動チップ付丸鋸等で切断してください。 12 (モイス裏面) (A) (B) (C) *注意事項 モイスを切断する場合には必ず保護メガネ・防じ んマスクを使用し、手袋・長袖の作業着を着用し、 皮膚が露出しないようにしてください。また、機械 切断ではなく手折り切断を行う場合には、板の表裏 面に定規をあてカッターを用いて数回切り込みを入 れながら切断してください。 切断作業後は、うがい及び手洗いを励行してくだ さい。粉じんが大量に体内に入ると、人体へ悪影響 を及ぼすおそれがあります。 2.面取り 現場切断の後、面取り加工を行う場合は、面取り カンナを使用してください。 現場での面取り作業 内装モイス 施工マニュアル [5]モイスの加工 1.切 断 欠きこみ作業(穴あけ) 4.小口仕上げ 切断面をバリ等の無いようサンドペーパー(#60 ∼#150)を角材に巻き、軽くサンディングしてく ださい。 5.彫刻加工 現場にてルーターを使用して加工を行う場合、 「1. 切断」と同様に、専用の集じん機を取り付け、 防護メガネ、防じんマスク等を着用して作業してく ださい。 ルーターの刃先は形状にあったものを選定し、超 鋼チップ付などのものを使用してください。なお、 ル ー タ ー で の 加 工 深 さ は モ イ ス 9.5mm 厚 で 4.0mm 程度、6mm 厚で 2.0mm 程度を目安と してください。 1. ピンネイル、スーパー フィニッシュの保持力試験 (木製下地) 表 -1 品 使用くぎ (単位:mm) 番 品 名 サイズ P-25 ピンネイル 長さ:25、30、35 径 :0.6 φ SF-25 スーパーフィニッシュ 長さ:25、30、35 径 :1.05φ 頭径:1.4 × 1.3 ピンネイル 形状図 2. 試験結果と安全率 表 -3 の結果から、モイス 1 枚当たりの引き抜き 保持力②とモイス重量①の比率は 6×3×6 の場合、 ピンネイル使用で約 13 倍の引抜き保持力を持つ と考えられます。 表 -4 取り付け下地と留め付け具の間隔 留め付け金具 留め付け間隔 部 位 スーパーフィニッシュ (単位:mm) 下地間隔 A A' B C 5-10 5-10 200 200 200 300 D D' E 45 455 1.スーパーフィニッシュ 表 -2 引き抜き耐力(試験体は n = 5 平均値) モイス 厚さ t ピンネイル(P-25) 以下 以下 90 以上 以上 スーパーフィニッシュ(SF−25) kgf N kgf 9.5 131 13.4 178 18.2 6 46 4.7 77 7.8 3.ドリル先ラッパ頭ねじ 15 以上 12.5-17.5 以下 以下 50 455 以上 以下 記号は下図(JASS26 内装工事) に対応 備考 D N 表 -3 ピンネイル最少打設時の総耐力結果(単位:kgf) 板厚・板寸法 重量 kgf/ 枚① 最少本数 / 枚 引抜き保持力② ② / ① 30 141 13 6×3×8 14.3 42 197 14 E 10.7 C 30 402 24 A’ B A 17.0 9.5 × 3 × 8 22.6 42 563 25 E 6×3×6 9.5 × 3 × 6 以下 2. ピンネイル D’ 内装モイス 施工マニュアル 13 モイスに使用するくぎの保持力試験 (社内試験による) 1 モイスの方向性について 3 手すり等の取り付けについて モイスは、抄造方法(和紙漉き要領)により成形 し、最終工程で研磨による表面仕上げを施していま す。したがって、製造方法上、方向性があります。方 向を統一しないで施工すると仕上がり状態が異な り、意匠的に不具合を起こす場合があります。施工 時には裏面に記された矢印を考慮して施工してくだ さい。 モイスを使用した壁に手すり、エアコン、フック等 負荷がかかるものを取り付ける場合は、必ず下地材 を取り付けるか、柱の部分に取り付けるようにしてく ださい。 下 地 材 は、厚 さ 12mm 以 上 の 合 板 ま た は、 35×105mm 以上の受け材を推奨します。 (モイス裏面) 4 補修について [1]施工中の傷、汚れについて 2 曲面施工について モイスは、曲面施工ができます。ただし製造方法 上方向性があるので、モイスの方向を確認し曲げ加 工を行ってください。 (下図参照) 施工する大きさに加工したモイスを 20 ∼ 30 分 間水に浸し、少しづつ力を与えながら、曲面に沿っ て曲げていきます。ここで過度に力を加えると破断 してしまいますので注意してください。なお、下地 の精度がそのまま仕上げに現れますので、下地の 精度を充分に確保してください。 大きな傷については、交換が基本となります。内 部まで浸透してしまった染みについても同様です。 施工中は、仕上げ材として慎重に作業してください。 また、表面の養生についても必要に応じて行ってく ださい。 [2]専用パテについて 小さなキズやすき間は、モイス専用パテで補修が 可能です。大きな欠けや損傷には適していません。 また、パテ材は紫外線などに対して変色するおそれ があります。 5 他材料による表面仕上げについて モイスは、素地仕上げを標準としますが、クロス、 壁紙、塗り壁等の仕上もできます。 [1]クロス・壁紙の仕上げの場合 円形柱への施工(下地施工) モイスの施工 モイス裏面の方向 [2]塗り壁仕上げ(珪藻土)等の場合 モイス裏面の 矢印方向に対して 垂直に曲げる モイスは、吸水性が大きいため、塗り壁仕上の作 業に影響を与える場合があります。実作業前に、施 工テストを行なうか、塗り壁材メーカーにモイスの 特性を提示し、確認してください。 (モイス裏面) (製品管理番号等の印字) 曲面施工の限界曲率 厚さ (mm) 曲げ半径(mm) ウェット ドライ 6 500 以上 800 以上 9.5 900 以上 ─ モイスは、アルカリ性のため、けい酸カルシウム 板と同じように耐アルカリ性シーラーにより下地処 理を施してください。 なお、シーラーの選定は、クロスメーカー等の規格、 仕様に準じてください。 備 考 ・ウエットの場合、所要時間の水浸し後、少しづつクセを付 けながら繊維方向に垂直に曲げてください。 ・ドライの場合、そのまま繊維方向に垂直に少しづつ曲げ てください。 内装モイス 施工マニュアル 4. その他・注意事項 14 内装モイス 施工マニュアル 15 6 現場で発生したモイス廃材について モイスを廃棄する場合は、 「ガラスくず・コンク リートくず及び陶磁器くず」に該当し安定型産業廃 棄物として処分できます。さらに、肥料登録やリサ イクルのための広域認定も取得しています。 またモイスは、天然素材で構成され、製造過程で も接着剤などの化学物質は使用しておりません。現 場で発生した端材は、調湿袋に詰めて床下に設置す ることにより、湿気や臭い取りとして有効に活用で きます。 床下・モデル施工試験体 ○モイスのリサイクルへの取り組み 2006 年:農林水産省「肥料認定」取得 2007 年:床下調湿用「モイス調湿袋」を開発。 ● ● 2008 年:けい酸質肥料原料として商品化。 環境省からリサイクル広域認定を取得。 住宅床下への設置イメージ図 調湿袋の温湿度の推移グラフ 床下への調湿袋の設置の様子 現場端材を有効活用する「モイス調湿袋」 モデル施工における調湿効果について 以下に示すのはモイス調湿袋の効果を実験的に確 かめたものです。右のグラフが示すように床下の湿 度は外気温の下がる夜間に高くなり、逆に気温の高 くなる日中に低くなる傾向があります。モイスは湿度 が高くなる夜間には吸湿し、日中や晴れた日の湿度 が低くなった時には放出して床下の湿度を均一化し ようとする調湿効果が確認されています。 試験体 ○解説:太いラインがモイスの効果を示す。湿度分布では、湿度 を均一化する方向に働き、空床と比べ最高湿度では 5%、最低湿 度では 18%の差が生じた。 モイスの性能を長く保持していただくために以下の内容に心がけて メンテナンスをお願いします。 日常のお手入れ ●モイスは、適切なお手入れを定期的に行うと、質感や色調を長期的に維持することができます。 ●モイス表面に付着した汚れをそのままにしておくと、内部に染みこみ落ちにく くなるため、日常のお 手入れを定期的に行うことをお勧めします。 ●埃やゴミは、乾いたきれいな布で払い落としてください。 ●手垢は、清水で固く絞ったきれいな布で軽く拭いてください。 油性マジックやボールペン ジュースや調味料 汚れが染みこむ前に、水を含ま せたきれいな布、 またはティッシュ ペーパーなどでできる限り早く拭 き取ってください。汚れが気にな る場合には、中性洗剤を用い た水につけ絞ってから汚れた部 分を拭いた後、清水で固く絞っ たきれいな布で表面に残った洗 剤分を拭き取ってください。 水拭きしても落ちない汚れは、サンド ペーパー(#60∼#150)を用いて、 研磨目に沿って見映え良く研磨して ください。なお、研磨粉の除去はき れいな乾いた布を使用してください。 小さな傷 小さな傷は、モイス専用パテ (p.3)でタッチアップしてください。 ご注意 ●汚れが付いたらすぐに落としてください。 ●汚れた布や雑巾などはかえって汚れをひどくしますので使用しないでください。 ●洗剤を使用する場合は、終了後良く水拭きしてください。洗剤が表面に残留するとしだいに色調や質感が変化するおそ れがあります。 ●酸性・アルカリ性の洗剤、塩素系漂白剤、シンナー、金属タワシは使用しないでください。 ●モイス表面に、製造(研磨)時に出る粉が付着していることがあります。継続的に発生するものではありませんので、清水 で固く絞った布で 2、3 度拭きとっていただくか、別売のモイスコートを塗布いただくことで解消されます。 内装モイス 施工マニュアル お手入れのしかた 16 MEMO お問い合せは ○総販売元 三菱商事建材株式会社 明るい未来を創造する建材総合商社 本 社 〒 151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷 5-33-8 サウスゲート新宿 2F TEL 03-5360-7233 FAX 03-5360-7293 北海道支店 〒 060-0002 北海道札幌市中央区北二条西 4-1 北海道ビル 9F TEL 011-212-3595 FAX 011-212-3555 東北支店 〒 980-0803 宮城県仙台市青葉区国分町 3-6-1 仙台パークビル 4F TEL 022-264-5394 FAX 022-264-5535 中部支店 〒 460-0003 愛知県名古屋市中区錦 2-3-4 名古屋錦フロントタワー 2F TEL 052-209-5980 FAX 052-209-5985 関西支店 〒 530-0001 大阪府大阪市北区梅田 2-2-22 ハービス ENT オフィスタワー 24F TEL 06-6348-6052 FAX 06-6348-7861 九州支店 〒 810-0001 福岡県福岡市中央区天神 2-12-1 天神ビル 9F TEL 092-721-2676 FAX 092-721-2698 ○製造元 アイカテック建材株式会社 世の中をやさしく包むかべをつくります。 本 社 〒 103-0024 東京都中央区日本橋小舟町 8-6 新江戸橋ビル 2 階 TEL 03-5847-2832 FAX 03-5847-2840 東京支店 〒 103-0024 東京都中央区日本橋小舟町 8-6 新江戸橋ビル 2 階 TEL 03-5847-2833 FAX 03-5847-2843 名古屋支店 〒 490-1144 愛知県海部郡大治町大字西條西之川 25 TEL 052-445-8862 FAX 052-445-8875 大阪支店 〒 540-0012 大阪府大阪市中央区谷町 1-3-5 アンフィニィ・天満橋 8 階 TEL 06-4790-7230 FAX 06-4790-7234 九州支店 〒 812-0023 福岡県福岡市博多区奈良屋町 1 番 1 号 ヤシマ博多ビル 9 階 TEL 092-262-0531 FAX 092-262-0567 名古屋工場 〒 490-1144 愛知県海部郡大治町大字西條西之川 25 TEL 052-444-2671 FAX 052-444-2674 http://www.moiss.jp 15.09.1000.E
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