三角、針状茎で山野に君臨 - 茎葉処理型除草剤バスタ

〈シリーズ
〈シリーズ〉
ズ〉
一年生または多年生の単子葉植物。世界中の様々な環境に分布し
ている。水田種は、強健な地下茎で繁殖するため、害草となる。
グサは、やはり地際から細
立ち上げ、先端には、葉の
0 種もあって、多くの仲間
ハリイ属も世界には20
細身ながらしぶとい
ように見える苞︵ほう︶葉
がいる。わが国において名
い葉を出し、そこから茎を
属、カヤツリグサ属、ハリ
カヤツリグサ科は、スゲ
を数枚出し、その上に花茎
名のように黒褐色の塊茎を
高いのはクログワイだろう。
菅笠づくりの伝統種も
イ属、ワタスゲ属、ホタル
を伸ばして花穂をつける。
つける。茎は地際から数本
畑地や道端によく生える。
にも分類できる
水田にも入り込む。
仲間がいる。
最も多いのは、2000
万葉葉集に登登場場するカヤツ
リグササ科植物物はは数十首だだが、
そのううちスゲゲ属属が約 首も
あってて、断然多多多い。
奥山山の
菅︵すげ︶のの葉しのぎぎ
降るる雪の
消ななば惜しけけけむ
と雪雪中に映映ええる長く青青い
雨なな降りしかかか
円柱形で淡い緑褐色の穂を
葉のききれいなな姿姿を詠ったも
が直立して出る。その先に、
がミズガヤツリ。こちらは
つける。葉はないように見
物の特特徴を借借りりて、思いの
深さをを恋人にに投投げかける歌
が目をを引く。
忘れれかねつももも
山にに生ひたるるる菅の根のの
あししひきの
欲ししき君かももも
ねももころ見まままく
実にに熱烈だ。。
カヤツリグサ科には、
丁寧な散布とノズル選び!
もなく、イネ科やイグサ科などと見た目がそっくりな
カヤツリグサ科の植物は、綺麗な花を咲かせること
様々な環境に生育してはいるものの、普段は目につき
ことから、どちらかといえば地味な存在。そのため、
にくい植物です。
難な雑草となってしまいます。
ところが、一度耕作地に生えてしまうと、防除が困
夏雑草の中で、カヤツリグサ科は遅めに生えてくる
ネ科雑草の影に隠れやすい傾向にあります。そのうえ
ため、生えそろったメヒシバやエノコログサなどのイ
カヤツリグサ科は、葉が立ち葉面も平滑なため、除草
剤を散布しても散布液が付着しにくい一面もあります。
するためのポイントをご紹介します。
そこで今回は、厄介なカヤツリグサ科の雑草を防除
ポイント ①
してください。
バスタ液剤を100倍で散布
くらいまでは効
程度での散布が効果的
ポイント ②
草丈
果を発揮しますが、開花する
です。草丈
と効き目が鈍くなるため、早
めの防除が肝心です。
ポイント ③
雑草の葉や茎がしっかり濡れ
バスタは接触型除草剤なので、
るくらい十分に薬液をかける
ことがポイントです。
ポイント ④
散布ノズルの選択は非常に重要
です。少水量散布用ノズルを使
用するときは、散布ムラを生じ
ないよう、草全体に均一に散布
する必要があります。ドリフト
低減ノズルなどを使い、丁寧に
散布してください。 の選択で、確かな防除効果を
丁寧な散布と正しいノズル
実感してください。
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詳しくはバスタの情報サイトへ
種もあるスゲ属だ。全世界 この草より湿地を好むの
に広がる。一、二年生雑草
多年草だ。
ている。
もあるにはあるが、ほとん
名をカミガヤツリというパ
ホタルイ属は蛍が生息す
奥山山の
のもああるが、農農地では雑雑草
ピルスも仲間。﹁ペーパー
る辺りに生えるというホタ
岩本本菅を根ををを深めて
えるが、薄い膜のようにな
﹂の語源であるパピルスは
うに直線的に伸びた茎の先
ルイが代表だが、イ草のよ
結びびし心
って、茎の下部に巻きつい
長い、平たい葉をたくさん
茎 が 太 く て 、 草 丈 は 2m に
端近くに卵形で扁平な数個
になるシュロガヤツリ、和
出す。葉の中心から稈︵か
もなる。古代エジプトで、
の小穂をつける。フトイ、
どが多年草。地際から、細 苞葉がシュロの葉のよう
ん︶を立ち上げ、房状の穂
この草の髄︵ずい︶を圧し
サンカクイなども仲間だ。
としてて手を焼焼くく根の深い植
編むのに使ったカサスゲは
古く菅笠︵すげがさ︶を
て重ねて紙状にし、文字を
をつける。
この仲間だ。
書いた。
ホタルイ 強い生命力で、水田に発生すると稲に大きな害をあたえる。
半日陰でも育つものがあ
えられることもあっ
り、斑入りの種類が庭に植
て、目を楽しませる。
のはカヤツリグサ属。
特に厄介者が多い
らいあって、日本に
万葉葉集では、、男女、親親子、
友人間間で思いをを投げかける
﹁相聞聞﹂に分類類類される歌歌が多
30
世界には700種ぐ
は 種があるとされ
る。専門書の中には、
﹁大部分が雑草﹂と
表現しているものも
きな特徴は、茎が三
ある。この仲間の大
角柱︵三稜形︶であ
ることだ。
製紙原料の
きっかけ
くあるるが、スゲゲゲを織り込込んだ
歌の約約 割は、﹁相聞﹂にあ
だったたのであろろろう。
カ ヤヤ ツ リ グ ササ の 仲 間 で は 、
ほかにに﹁おほゐゐゐぐさ﹂と表さ
れていいるフトイイイの歌もある。
伊奈奈良の沼ののの大藺︵い︶︶草
上毛毛野
よそそに見しよよよは
今ここそまされれれ
﹁柿柿本人麻呂呂呂の歌集にに出て
奈良沼沼の大藺草草草は遠くで見る
くる﹂と注釈のののある歌で、伊
より、刈ったももものを近くくで見
るとななんと立派派派なことでしょ
うと、大藺草ににに事寄せて、思
う人をを褒め上げげげる恋歌。この
ころすすでに、むむむしろ用ににフト
イが栽栽培されててていたことを表
さ らら に 、 万万 葉葉 集 に ﹁ 知知 り
すもののといわれれれている。
草 ﹂ のの 表 現 がが ああ る が 、 今の
サンカカクイのこここと。鎌倉倉時代
の万葉葉研究者・先覚が著著した
仙覚抄抄には、草草草丈が高くく、サ
ギ の 尻尻 を さ すす ほほ ど だ と しし て 、
サギノノシリサシシシという古古名を
紹介ししている。
cm
20
cm
50
る。ススゲが大変変変に身近なな植物
3
28
カヤツリグサ科
科と戯
戯れる
カヤツリグサ科
クログワイ 古くには地下の塊茎を食用にした。
イ属など
三角、
、
針状茎で山野に君臨
繁殖力で田畑の悪役にも
一年草のカヤツリ
遊ぶ
カヤツリグサの蚊帳
健康
ている。だが、今では、こんな小
さな芋は食用にはしていない。
中華料理で使う「クログワイ」
というサクサクとした歯ざわり
の芋は、実は近縁のオオクログ
ワイ。中国や東南アジアでは栽
培されている。これには解 熱 、
利尿を期待して、漢方薬にも用
いられる。
ハマ
薬効を期待するものではハマ
スゲがある。塊茎を香附子(こ
使う。
うぶし)という。乾 燥して使う。
れ
鎮痛、浄血に効果があるとされ
る。
カヤツリグサ科の植物で食
用にできるものは多くないが、
クログワイはそんな数少ないも
のの一つだ。
万葉集に、
「君がため 山田
の沢にゑぐ摘むと 雪消の水
に 裳の裾濡れぬ」と「あしひ
きの 山沢ゑぐを摘み行かむ
日だにも逢はせ 母は責む
とも」という歌がある。2首とも、
沢にある「ゑぐ」を摘みにいくこ
とを口実に会ってほしいという
恋歌だが、この「ゑぐ」は、今の
クログワイとされている。このこ
ろ食用にされていたことを示し
クログワイ 水田等の湿地に生息し、地下茎を長く伸ばす。
カヤツリグサの
茎は丈夫で、
断面は三角形に
なっています。
カヤツリグサの茎を両端から互い違いに引
き裂くと、蚊帳に似た四辺形が出来上がり
ます。なるべく太い茎でやってみましょう。
世界に7000種もあるカヤツリグサ科の植物。
細い葉を付けるものが多く、
花びらのない花を密集して付ける。
山野の野生風景を演出する植物の仲間や
斑入りなど外観の良さで観葉植物として栽培されているものもあるが、農作
物生産の場では、雑草として存在する厄介者が多い。
種子が多く、多年草は根
が深い。
また、
塊茎の繁殖力が強いため手を焼く。
カヤツリグサ科で
で健やかに
90
る形に見える。
この草が蚊帳を吊ったように
見えるのは、茎を使った遊びを
した時だ。
く
穂を切りはずした、なるべく
つに
太い茎を、2人で両端から二つに
残し
裂いて、端を少し裂かずに残し
蚊
て広げると、たたんであった蚊
せる。
帳を広げたような姿を思わせる。
て
これの四隅の寸法に合わせて
遊ん
茎を立て、その上に載せて遊ん
だ人もいるようだ。
カヤツリグサ。漢字では「蚊帳
(かや)吊草」と書く。
「蚊帳を
吊る草」と言われても分かる人
は少ない。若い人は「蚊帳」を知
らないだろうし、蚊帳を知って
いても、この植物の形態を見た
だけでは、にわかには植物と名
前が結びつかないだろう。
むしろ、別名の「花火草」の
方が納得しやすいかもしれない。
葉と穂の出た、この草を逆さに
してみると、線香花火を連想す
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カヤツリグサ 道端や湿地に多く生息し、30∼50cmほどに成長する。茎に節はなく、断面が三角形になっているのが特徴。
少水量散布用ノズル 散布にムラがでてしまう。 ドリフト低減ノズル 雑草全体にしっかり散布できる。カヤツリグサ