意見書案第 20 号 辺野古新基地建設に係る翁長知事の公有

意見書案第 20 号
辺野古新基地建設に係る翁長知事の公有水面埋立承認の取り消し表明を支持し、政府に対し
ボーリング調査の即時中止と新基地建設計画の白紙断念を求める意見書
平成 27 年9月 14 日、翁長雄志沖縄県知事は、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野
古への新基地建設に係る仲井眞弘多前知事が出した埋立承認について、平成 27 年7月 16 日
の第三者委員会からの検証結果を受け、精査の結果「取り消しうるべき瑕疵(かし)がある
と認められた」ことにより埋立承認の取り消しを表明した。
そして同日、沖縄防衛局長あてに「意見聴取について」の通知文を出し手続きに入った。
特に沖縄防衛局への意見聴取通知文でも指摘しているように「不利益処分の原因となる事実」
として、第1に公有水面埋立法第4条第1項第1号の「国土利用上適正且合理的ナルコト」
の要件を充足していないこと。第2に同法第4条第1項第2号の「其ノ埋立ガ環境保全及災
害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」の要件を充足していないとして具体的な事実
を指摘している。
これは、稲嶺進名護市長が平成 25 年 11 月 27 日付けの県知事宛ての意見書(議会承認、
同年 11 月 22 日)で指摘した問題点とも符合するものである。
政府と沖縄県との間では、平成 27 年8月 10 日から9月9日までの1カ月間、作業を中断
し「集中協議」を行ったが、9月7日の第5回最終協議で「物別れ」に終わった。菅義偉官
房長官は最終協議後、「普天間の閉鎖の必要性については認識が一緒になったが、方法論に
ついては大きな隔たりが埋まらなかった。」と記者会見で述べた。
しかし、その「溝が埋まらなかった」、
「県側の理解を得るには至らなかった」ことを真摯
に反省することはなく、工事再開を明言し、実際に9月 12 日より海底ボーリング(掘削)
調査に向けたフロート(浮具)設置作業を再開した。今月中に埋め立て本体工事の関連作業
となる汚濁防止膜や仮設桟橋(岸壁)の設置などに着手することを検討しているともいう。
このような民意を無視した工事再開に断固として抗議する。
翁長雄志知事は、こうした政府の態度に「あらゆる手段を使って全力で阻止する」と不退
転の姿勢を示し、これまでで最大の行政権限行使となる今回の埋立承認取り消し表明となっ
たのである。翁長知事の埋立承認取り消しは、昨年の名護市長選・県知事選など一連の選挙
で示された沖縄県民の民意を体現したものであり、今後とも県民挙げて翁長知事を支えてい
かなければならない。
よって名護市議会は、市民・県民の民意を守る立場から、翁長知事の辺野古新基地建設に
係る公有水面埋立承認の取り消し表明を支持し、政府に対しボーリング調査の即時中止と新
基地建設計画の白紙断念を求めるものである。
以上、地方自治法第 99 条の規定により、意見書を提出する
平成 27 年9月 18 日
沖縄県名護市議会
宛先:内閣総理大臣、外務大臣、防衛大臣、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方担当)、外
務省特命全権大使(沖縄担当)、沖縄防衛局長、衆議院議長、参議院議長、沖縄県知
事