Androidの及ぼす影響

Androidの及ぼす影響
Android
の及ぼす影響
2008年3月
JASA プラットフォーム研究会
はじめに
本資料はAndroidの及ぼす影響について
検討を行ったものである
目次
第1章 Androidの概要
第2章 Android以外のプラットフォーム
第3章 Android関連の状況
第4章 Androidの影響予測
第1章 Android
Androidの概要
の概要
「Android
Android」とは
」とは
発足
主な機能
2007年11月、Googleのほか、携帯端末メーカーや通信
業者など33社が参加するOHA (Open Handset
Alliance)が発表したオープンプラットフォーム
開発環境
・Eclipseで開発
・言語はJAVA
・Android Emulatorで動作確認
・Androidのソフト開発キット
(SDK)が公開されている(こちら)
アーキテクチャ
・LinuxベースのOS
・ミドルウェア、ユーザーインタフェース、
メーラーやWebブラウザ、カレンダーと
いった基本アプリケーションを含む
話題づくり
・総額1000万ドルのAndroid Developer
Challengeを開催
・アプリケーションフレームワーク
コンポーネントの再利用が可能
・Dalvik Virtual Machine
モバイル用に最適化
・統合ブラウザ
WebKitベース
・グラフィックス
3DグラフィックスはOpenGL ES 1.0ベース
・SQLite
ローカルデータをデータベース形式で保存
・メディアサポート
MPEG4, H.264, MP3, AAC, AMR, JPG, PNG,
GIF
・GSM通話(機種依存)
・Bluetooth、EDGE、3G、WiFi(機種依存)
・カメラ、GPS、コンパス、加速度計(機種依存)
未サポート機能(国内機搭載機能)
・カメラ/地デジ/ワンセグ/HSDPA/Ferica …
・IrDA/MPEG,H.264などのハードウェアエンコーダ
・バイオメトリクス等
Open Handset
Alliance members
日本からはKDDI、NTT DoCoMo、Aplixが参画
携帯端末メーカはMotorola、Samsung、LG、HTC
その他主なところでは Wind River、Qualcomm、Intel、TI、Google
Android Architecture
Androidology - Part 1 of 3 - Architecture Overview より
Androidでは主にLinux上で動作するOpen Sourceを採用
ライセンスについては不明
開発環境
Eclipseで開発
言語はJAVA
Android Emulatorで動作確認
Android emulator
Development Tool – Eclipse -
話題づくり
Android Developer
Challengeを開催し、各方面の
耳目を集めている。
携帯向けプラットフォーム
「Android」用のアプリケーショ
ン開発コンテスト
賞金総額は1000万ドル
優秀作50本に2万5000ドル
(約270万円)
さらに最終選考の10本に27
万5000ドル(約3千万円弱)
1回目コンテスト
応募締切
:
14 Aplil 2008
優秀作発表 :
5 May 2008
最終選考応募締切 :
30 June 2008
最終選考結果発表 :
21 July 2008
2回前は2008年下半期に予定
Androidのライブラリ
Android
のライブラリ
ライブラリ 名
説明
Surface
Manager
画面表示のレイヤー管理。サブシステムの表示へのアクセス管理や
複数のアプリケーションの2D, 3D のグラフィックレイヤーを統合。
Media
Framework
音声・動画・静止画のデコード。MPEG4, H.264, MP3, AAC etc.
PacketVideo‘s OpenCORE が基となっている。このライブラリは、
一般的に有名なオーディオ、ビデオフォーマットの再生、レコー
ディング、及び MPEG4, H.264, MP3, AAC, AMR, JPG, and PNG
等の画像もサポートしている。
SQLite
軽量なデータベース。
全てのアプリケーションで使用可能なパワフルであり且つ軽量なリ
レーショナル データベース エンジン。
OpenGL
EL
3Dグラフィック描画。3Dアクセラレータがなくてもソフトウェア
で描画できる。
ハードウェア 3D アクセラレータ(デバイスに存在すれば)、又は 最
適化された 3D ソフトウェア ラスタライザを使用。
FreeType
フォント(文字)のレンダリング。ビットマップとベクターフォン
トのレンダリング。
WebKit
Webページのレンダリング。Android ブラウザと組み込み可能な
ウェブ表示を可能とさせる ウェブブラウザ エンジン。
SGL
2D グラフィック エンジン。2Dグラフィックの描画。
SSL
暗号化通信。
libc
LinuxのCライブラリ。組込み用コンパクト版。
BSDから派生したスタンダード C システムライブラリ (libc) の実装
で、組み込み用Linuxにチューンアップされたもの。
参照URL
参照
URL
紹介記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0711
/06/news071.html
Android Home Page
http://code.google.com/android/index.html
第2章 Android
Android以外の
以外の
プラットフォーム
-Android
Androidの位置づけの確認
の位置づけの確認-
プラットフォーム
共同開発への取り組み(1)
共同開発への取り組み
(1)
Symbian
プラットフォーム:S60、UIQ、MOAP(S)
半導体:ルネサス(UIはMOAP(S))
ドコモ、ルネサス 、富士通、三菱電機、シャープ、ソニーエリクソン(国内の
み)の6 社で、携帯電話における通信システムとメールやブラウザ等を含む
アプリケーションシステムについて、半導体やミドルウェア等の共同開発を始
めている。
経済産業省:「我が国産業の強さを生かすIT投資の在り方」より
プラットフォーム
共同開発への取り組み(2)
共同開発への取り組み
(2)
Linux
プラットフォーム:LiMo Foundation、MOAP(L)
松下、NECでLinux プラットフォームの共同開発のためにエス
ティーモ(株)を設立
モトローラ、ドコモ、NEC、松下、サムソン、ボーダフォンの6 社で
LiMo Foundation を設立
経済産業省:「我が国産業の強さを生かすIT投資の在り方」より
プラットフォームの種類
キャリア推奨型
メーカお抱え型
ソフトベンダ提供型
自社製品
独自路線型
資本関係
OS X
Linux
プラットフォーム別
採用メーカ((主なメーカ
採用メーカ
主なメーカ))
等
OS X
(POP-i に賛同しているが、搭
載されているかは不明)
???
(OHAに参加を表明して
いるメーカ)
全世界のスマートフォン
市場におけるOS
市場における
OSのシェア
のシェア
2006年度 スマートフォン
におけるOSシェア
参考:2007年第四半期(7∼9月)
出荷台数
スマートフォン市場ではSymbianが圧倒的優位
プラットフォーム関連の団体
Linux関連
・Linux Phone Standards (LiPS) Forum
・2005年11月に携帯デバイスでのLinux採用を促進するこ
とを目的に設立された
・LiPSの創設メンバーは、PalmSource、France Telecom、
Orange、TIM Italia、ARM Holdings、Jaluna、Open-Plug、
Montavista Software
・2007年12月,Release 1.0仕様発表
・2007年1月、Motorola、NEC、NTT ドコモ、パナソニック、
Samsung、Vodafone Group の6 社により設立された非
営利団体
・携帯電話業界へのLinux 適用を拡大することを目的
・設立メンバ以外にモンタビスタ、Aplix、ACCESS, LG電
子, Orange, McAfee、Azingo, Wind Riverなど25社がメ
ンバに参加
・2008年3月にLiMoプラットフォームの端末が発売予定
・7ベンダの18機種で採用
・2007年11月Googleのほか、携帯端末メーカーや通信業者
など33社が参加し設立された非営利団体
・プラットフォームとしてAndroidを提案
参考:Symbian関連
・1998年6月、エリクソン、ノキ
ア、モトローラ、およびサイオン
が所有する民間の独立企業と
してシンビアンを設立
・2005年時点でノキアが約95%
を占め、他にソニーエリクソン、
パナソニック、サムソンが出資
・Nokia Forumの中でS60に関す
る情報やアプリケーション開発環
境を提供
・ UIQ Technology社の開発したプラット
フォームUIQに関する情報やアプリケー
ション開発環境を提供
・UIQ社は1998年6月にSymbian社が設
立し、 2007年2月 SonyEricssonが買収
・現在のメンバは26団体
・Nokia, S60, SonyEricsson, Symbian,
ORANGE, GSPDA, Panasonic, Palm,
BENQ 他
この章のまとめ
キャリア・メーカが手を組み、プラットフォームの共
同開発に着手
プラットフォームはSymbian、Linuxの2極化して
おり、販売数ではSymbian勢が優位
Linuxは現在OSが定着した段階で、今後ミドル
ウェアを含む上位のプラットフォーム化が必要(各
方面で模索中)
このような状況の中、昨年末Androidが発表された。
第3章 Android
Android関連の状況
関連の状況
Androidによる
Androidによる
Googleの戦略
Google
の戦略
最適化されたインター
ネット体験を提供
基本戦略
将来的には
PC
世界中の情報やサービス
セッ トトップボックス
Androidによる戦略
サードパーティーの開発者向けにサー
ビスやコンテンツを非常に容易に配信で
きるようなホステッドサービスを提供
ポータブルメディア ナビゲーシ ョンシス
プレイヤ
テム
携帯電話
ポータブルメディア
プレイヤ、ナビゲー
ションシステム、セッ
トトップボックスなど
のノンPCに広げる
予定
携帯端末にフルパワーブラウザを持た
せることでアプリケーションを携帯向け
にカスタマイズする必要がなくなる
その他の情報
Qualcommの目的
「7225」チップセットを対象と考えており、「それを用いてスマート
フォンを200ドル未満という一般市場向け価格に引き下げること」
富士通のある研究員がソフィア端末で動作させた
2008年後半 HTC社からプロトタイプ「Dream」を発表予
定(未確認情報、無線方式不明)
MWC2008(2/11開催)
NECがAndroid端末のデモ実施
半導体メーカの、米フリースケール・セミコンダクタ、NECエレクト
ロニクス、米クアルコム、ルネサス テクノロジ、米テキサス・イン
スツルメンツなどが自社プロセッサ上でデモを実施
第4章 Android
Androidの影響予測
の影響予測
影響予測((まとめ
影響予測
まとめ))
Androidは選択肢の一つ
組み込みLinuxのGUIとしては有効
短期(1・2年)ではAndroidによる大きな影響は少ないと思われる
ただすでにAndroidは選択肢の一つとなっている
Androidで誰が得をし誰が損をするのか見極める必要あり(Playerは誰か)
課題 :
国内特有機能(ワンセグ/Ferica/カメラ/バイオメトリクスなど)の取り込み
品質保証
DRM
ミドルウェアのベンダには脅威
ミドルウェアのライセンスビジネスを展開しているベンダには脅威
ライセンシーや各社のビジネス戦略次第で、新たなAndroidが出現する可能性がある
プラットフォーム化での従来のミドルレイヤ以上の開発、ポーティング作業量は減少
差別化はディバイス
組み込みLinuxベースなので、下位レイヤ(ディバイスドライバ)の開発、ポーティング、検証作業は必要
携帯電話への影響
携帯電話メーカの判断に依存(主にMotorola、HTC、Samsung、LG、NEC、Panasonic)
Android以外の影響が大きい
多様な高速無線環境とのシェア争いと住み分けが始まる可能性
i-phone、i-pod touch
PSP+skype