コーポレート・ガバナンス(PDF 325KB)

コーポレート・ガバナンス
基本的な考え方
社外取締役の選任理由
当社は経営の健全性および透明性を確保し、かつ迅速な意思
両名とも、独立性が高く、一般株主と利益相反の生じる恐れがないと判断
決定を可能とする体制の整備を進めるとともに、リスク管理を含
しました。経歴は 40 頁を参照ください。
めた内部統制の強化を図っています。これらを通じてコーポレー
ト・ガバナンスをより充実し、
企業価値の持続的な拡大に努めます。
佐藤英彦
経営体制
および弁護士としての専門知識を当社の経営に反映していただくため、選任。
当社は取締役会のもとに執行役員制度を採用し、経営の監督
佐藤
内閣法制局参事官、警察庁長官を歴任し、その豊富な経験と幅広い見識
士
会社経営者としての豊富な経験および幅広い見識を当社の経営に反映
と業務執行を分離しています。また、取締役会と独立した立場で
していただくため、選任。
取締役の職務執行を監査する目的で監査役会設置会社を選択
しています。
なお、当社の社外役員は、全員独立性が高く、佐藤英彦、佐藤
士の 2 名の社外取締役は、株式会社東京証券取引所に対し
独立役員として届け出ています。
取締役会等の開催状況
会議体
構成
開催頻度
内容
2014 年度の開催回数
取締役会
取締役 8 名
(社外取締役 2 名を含む)
原則月 1 回開催
経営に関する重要な事項について決議および報告
14 回開催
監査役会
監査役 5 名
(社外監査役 3 名を含む)
原則月 1 回開催
監査に関する重要な事項について、協議または決議
13 回開催
原則月 2 回開催
代表取締役社長の意思決定のための諮問機関として、取締役
会の決定した基本方針に基づき、経営上の重要な事項を審議
21 回開催
取締役、監査役、執行役員等 26 名
原則月 1 回開催
(社外取締役2名、社外監査役3名を含む)
取締役、監査役、執行役員等の間で業務執行状況および業務
執行にかかわる重要事項の共有
11 回開催
経営会議
経営連絡会
取締役、執行役員 9 名
コーポレート・ガバナンス体制図
株主総会
選任/解任
会計監査人
選任/解任
監査役会
監査役
連携
監査
連携
選任/解任
監査
選定/解職
連携
代表取締役
監査
経営連絡会
内部監査部
監査
執行役員
各業務担当部門
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大日本住友製薬株式会社 アニュアルレポート2015
取締役会
取締役
経営会議
監査体制
出向受け入れは当社の判断で行われており、当社の経営・事業
全監査役で構成する監査役会にて、監査方針、監査役の職務
活動への影響はないものと考えています。
の分担などを定めています。各監査役はこれに従い、代表取締
これらのことから、当社は、親会社を有することによって、一般
役との定期的な会合、その他取締役および使用人からの積極的
株主の利益が毀損されることはないと認識しています。
な報告および協議、会計監査人との連携、内部監査部門との
連携、さらに三様監査の連携を図り、監査の実効性を高めるため
子会社の経営とガバナンス
の環境整備に努めています。また、取締役会その他重要な会議
グループ会社が適正な企業運営を行うことを推進するため、
に出席し、取締役による経営判断の適法性・妥当性を確認する
運営管理に関する社則を定めています。グループ会社ごとに
とともに、取締役および使用人などから職務の執行状況につい
管理する部門およびそれを統括する部門を設定し、グループ
て報告を受け、必要に応じて説明を求め、また重要な決裁書類
会社の経営・業務執行状況の把握・管理に努めるとともに、事業
などを閲覧することなどにより、内部統制システムの運用状況を
遂行のための適切な支援を行っています。
積極的に監査しています。なお、監査役監査の実効性を高め、
グローバルガバナンス体制の整備をはじめ、コンプライアン
かつ、監査職務を円滑に遂行するため、監査役の専従スタッフを
スの徹底、社会貢献活動など、グループ一体となって CSR 経営
配置しています。
を推進しています。
有限責任あずさ監査法人と監査契約を締結し、会計監査を
受けています。また、内部監査については、社長直轄の内部監査
主な子会社の状況
名称
部を設置しており、内部統制の目的を達成するための基本的な
要素を、子会社を含めて、公正かつ独立の立場で監査しています。
監査役、会計監査人、内部監査部は、定期的に連絡会を開催
し情報交換をするなど、その連携を図っています。
国内
会計監査 報酬等の額
支払額
公認会計士法
(昭和23年法律第103号)
第2条第1項の義務
(監査証明業務)の対価
77 百万円
当社および当社子会社が支払うべき金銭その他の財産上の
利益の合計額
97 百万円
(注)1. 当社と会計監査人との監査契約においては、会社法に基づく監査と金融
商品取引法に基づく監査の報酬の額を区分しておらず、かつ実質的にも区分
できないため、監査証明業務に係わる報酬等の金額はこれらの合計額で記載
しています。
2. 当社の重要な子会社のうちサノビオン・ファーマシューティカルズ・インク、
ボストン・バイオメディカル・インクおよび住友制葯
(蘇州)
有限公司は、当社
の会計監査人以外の監査法人の監査を受けています。
海外
持株比率
DSP 五協フード&ケミカル株式会社
食品素材・食品添加物および化学製品材料等の
製造および販売
100%
DSファーマアニマルヘルス株式会社
動物用医薬品等の製造および販売
100%
DSファーマバイオメディカル株式会社
診断薬等の製造および販売
100%
サノビオン・ファーマシューティカルズ・インク
医療用医薬品の製造および販売
100%
ボストン・バイオメディカル・インク
がん領域の研究開発
100%
住友制葯(蘇州)有限公司
医療用医薬品の製造および販売
100%
内部統制システムの整備
会社法に基づき、業務の適正を確保するための体制の整備に
おける基本方針について、取締役会で決議しています。基本方針
コーポレート・ガバナンスに重要な影響を与えうる事情
に基づき、実施する取り組み状況を毎期末月開催の取締役会に
住友化学株式会社は、当社の議決権の 50.22%を有する親
おいて報告するとともに、必要に応じて基本方針の改定を行って
会社です。両社間では、当社の経営の自主性を尊重する旨の
おり、その体制整備に努めています。
確認がなされており、事業活動を行ううえでの承認事項など親
会社からの制約はなく、独立性が確保されています。さらに、当社
には、親会社との兼任取締役は存在していません。
また、当社は、親会社からの出向者を受け入れていますが、
大日本住友製薬株式会社 アニュアルレポート2015
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財務報告に係る内部統制
議決権行使の円滑化のための取り組み
金融商品取引法に基づき、財務報告の信頼性を確保するため
議決権行使の円滑化に向けて、株主総会招集通知を株主
に、財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに準拠した内部
総会開催日の約 3 週間前に発送しています。外国人株主への
統制体制の推進に努めています。
対応としては、株主総会招集通知などを英訳し、発送日に合わせ
また、当社および主要連結子会社の全社的内部統制と財務に
て当社ウェブサイト上に掲載しています。議決権行使の方法とし
重要な影響がある業務プロセスを評価範囲とし、経営者による
ては、書面に加え、
「議決権電子行使プラットフォーム」
を含めた
内部統制の整備状況および運用状況の有効性評価を実施して
電磁的方法(インターネットなど)
を採用しています。
います。
また、株主総会当日は映像を活用した事業報告などを行う
など、総会活性化の取り組みを実施しています。株主総会議案
役員報酬
の議決結果については、臨時報告書を関東財務局に提出すると
取締役の報酬は基本報酬と賞与で構成しており、基本報酬は
ともに、当社のウェブサイト上にその内容を開示しています。
代表取締役などの区分に応じて定める額を基準額とし、賞与は会社
業績および個人業績を考慮のうえ、株主総会で承認された報酬
株主・投資家とのコミュニケーション
総額の範囲内において、取締役会で了承された方法により決定し
定期的にアナリスト・国内外の機関投資家に向けて説明会を
ています。また、監査役の報酬は基本報酬とし、株主総会で承認
開催しています。国内においては、第 2・第 4 四半期の決算発表
された報酬総額の範囲内において、監査役会で決定しています。
時に合わせて説明会を、第 1・第 3 四半期の決算発表時に合わ
せてカンファレンスコールを実施しています。さらに、テーマ別
役員報酬額
区分
の説明会を適宜開催しています。
人数
報酬等の額
取締役
9名
354 百万円
監査役
5名
89 百万円
14 名
443 百万円
計
(注)1. 社外役員 5 名の報酬等の総額 59 百万円を含んでいます。
2. 2014 年 6 月 19 日開催の第 194 期定時株主総会終結の時をもって退任し
た取締役 1 名を含んでいます。
3. 株主総会決議で承認された取締役および監査役の報酬等の額は、取締役
が年額 4 億円以内、監査役が年額 1 億円以内です。
海外投資家に向けては、定期的な訪問を行っており、2014 年
度は、欧 州、米 国、アジアの 投 資 家を訪 問しました。加えて、
国内で実施した説明会やカンファレンスコールの英訳音声デー
タ
(質疑応答を含む)
を当社ウェブサイトに掲載しています。さら
に、証券会社が国内で実施する海外投資家対象のスモールミー
ティングにも参加しています。
個人投資家に向けては、年に1-2 回、説明会を実施するよう
努めています。
適正な情報開示
その他、決算短信・補足資料、投資家向け説明会資料(動画
当社は、社会から信頼されるためには、
「透明性」が重要であ
配信を含む)、ニュースリリース、アニュアルレポート、ファクト
るとの認識のもと、情報開示の基準、情報開示の手続を定めた
ブック、株主総会招集通知などの和英の資料を当社ウェブサイト
「情報開示規準」
に基づき、さまざまなステークホルダーに対し
に適宜掲載しています。
て、企業情報を適時・適切・公正に開示しています。
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東京証券取引所の適時開示に関する諸規則に定める決定
コンプライアンス
事実・発生事実・決算情報など適時開示が要請される情報に
当社は、
「行動宣言」
で、
「法令を遵守し、高い倫理観を持って
ついては、迅速に証券取引所の提供する適時開示情報伝達シス
透明かつ公正な企業活動を行う」
ことを社内外に宣言しています。
テム
(TDnet)
を通じて開示するとともに、当社のウェブサイトに
この宣言をさらに具体化し、コンプライアンスの実践をより
も掲載しています。適時開示が要請されない情報についても、
確実なものにするため、
「コンプライアンス行動基準」
を制定し、
ステークホルダーが当社を正しく理解するために必要な情報に
事業活動における具体的な行動の規範としています。
ついてはニュースリリースや自社ウェブサイトなどを通じて、
2014 年度はコンプライアンス担当執行役員を委員長とする
積極的に開示しています。
コンプライアンス委員会を2 回開催し、全社のコンプライアンス
大日本住友製薬株式会社 アニュアルレポート2015
実践状況を把握するとともに、関係者に対して適宜注意喚起・
事業継続計画(BCP)
勧告・助言などを行いました。
当社の社会的使命である医薬品の安定供給という観点から、
また、全従業員を対象として、コンプライアンス行動基準、
大規模震災の発生や新型インフルエンザなどの感染症の大
腐敗行為、製薬業界における寄付、ライフサイエンス分野に
流行(パンデミック)
を想定した事業継続計画(BCP)
を策定して
おける規制などについての教育研修を実施しました。グローバ
います。
ルな取り組みとしては、当社と米国、中国、欧州のグループ会社
例えば、パンデミックが発生した際には、WHOや厚生労働省
で構成するGCC(グローバル・コンプライアンス・コミッティ)
を
の流行フェーズを参考に当社独自の流行危険期フェーズを設定
2 回開催し、情報の共有、意見交換などを行いました。なお、
し対策を実施することや、対策本部の設置・運営方法などを
当社では、コンプライアンスに関する疑問や違反行為に関する
マニュアルとして整備し、対応しています。
情報についての相談および報告を受ける窓口として、
「コンプラ
情報管理
イアンス・ホットライン」
を社内外に設置しています。
当社は、社会に向けて適時適切、公正な情報開示を行うとと
リスクマネジメント
もに、事 業 活 動を通じて得た個 人 情 報や顧 客 情 報を適 正に
事業活動に影響を及ぼすリスクに対応するため
「リスクマネジ
保護、管理しています。物理的・技術的リスクから当社の情報
メント推進規則」
を制定し、社長を委員長とした
「リスクマネジ
資産を保護するため、社会環境の変化や情報技術の進歩に合わ
メント委員会」
を組織しています。年度ごとにリスクマネジメント
せた技術的な対策を進めています。一方、人的リスクへの対策
プログラムを策定し、全社各部門がそれぞれの課題解決に向け
として、規程類の見直しをはじめ、従業員全員が情報セキュリ
て計画的に取り組んでいます。また、クライシスへの即応力を
ティの重要性を認識し、ルールを周知徹底するための教育を
強化するため、想定される個々のリスクに応じて必要な規程や
実施しています。
マニュアル類を整備し、具体的なトレーニングや研修会を通じた
また、インサイダー情報についても、
「内部情報管理規則」
に
従業員への啓発活動も実施しています。
則り、適切に管理しています。
リスクマネジメント体制図
リスクマネジメントシステム
構築および
維持のための体制
リスクマネジメント方針
Act
Plan
リスクマネジメントに関する計画策定
リスクアセスメント
• 能力開発・教育訓練
• シミュレーション
• リスクコミュニケーション
• リスクマネジメント文書の作成
• 文書管理
• 発見したリスクの管理
• 記録の維持管理
組織の最高経営者によるレビュー
リスクマネジメントシステム
維持のための仕組み
リスク分析
リスク発見
リスク特定
リスク算定
リスク評価
リスク対策の選択
リスクマネジメントプログラムの策定
Do
リスクマネジメントの実施
• リスクマネジメントシステム監査
Check
業務の流れ
リスクマネジメントパフォーマンス評価および
リスクマネジメントシステムの有効性評価
リスクマネジメントシステムに関する是正・改善の実施
組織の最高経営者の関与
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