♪・. ・*連載企画*・. ・♪ ★経営に貢献するコンタクトセンターの Recipe(レシピ)★ 第10回:『競合他社の顧客戦略を知っていますか?』 皆様は、競合他社のホームページをどのくらいの頻度でご覧になるでしょうか?VOC の活動がコ ンタクトセンターの重要な機能となり、顧客の声、即ち顧客のニーズを把握しようという動きは加速 しています。一方で競合他社についてはどの程度知っていますでしょうか? Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)、3つの頭文字である C をとって3C と呼ば れているフレームワークがあります。自社や事業部等がどのような経営環境に置かれているのか 現状の状況を分析し、経営課題発見や戦略代替案の発想などに活用するフレームワークです。こ れは、有名な孫子の言葉にも通じるフレームワークと言えます。 「彼を知り、己を知らば百戦危うからず」 つまり、戦いに勝つ為には、自分自身と相手(顧客・競合)をよく知り、適切な判断をすることが必 要ということであると、遥か昔から語られているのです。 とはいっても、コンタクトセンターで競合の事業戦略を知ったところで何ができるのか?という声が 挙がるかもしれません。コンタクトセンターではなく別部門で競合他社の情報を収集し、共有できて いれば問題はありませんが、「顧客」と直接コミュニケーションを図るコンタクトセンターが競合他社 のことを何も知らないのは問題ではないでしょうか。 また、競合他社の動向を、ミステリーショッピングを通して確認している企業は少なくないでしょう。 競合他社数社と自社のコンタクトセンターへ、顧客のふりをして電話をかけ、接続品質や応対品質 を評価する。しかし、それだけで競合他社を把握できるかは疑問です。 そこで今回読者の皆様へ、「競合他社のホームページを定期的にチェック」することをお薦めしたい と思います。具体的なチェックの方法を以下に示します。 ①競合他社を決める(数社) ②ホームページでコンタクトセンターがどのような窓口を設けているか確認する。(例えば、お客様 相談室、受注センター、カスタマーサービスセンター、お得意様専用コンシェルジュなど。) ③それぞれの窓口の営業時間を確認する ④Web 上にある FAQ のカテゴリ、ボリューム、わかりやすさを評価する ⑤競合他社が掲げるミッションや行動規範などがあれば確認する ⑥競合他社が上場していれば、決算説明会の資料などを確認する ⑦上記を総合して、どのような「顧客戦略」を講じているか想定する ⑧これを定期的に繰り返し、想定した内容とモニタリングした内容の整合性を確認する ⑨自社と比較分析を行い、施策を立案してみる 皆様のコンタクトセンターは、言葉の違いはあるものの、企業と顧客の関係を良好に、深く、強くす ることがミッションになっていると思われます。それならば、顧客応対品質だけでなく、競合他社が どのような戦略のもと、カスタマーサービスを顧客に提供しているか、知るべきではないでしょうか。 この作業は、一見難しいと思われるかもしれませんが、意外な発見も多く、非常に興味深く、面白 いはずです。 是非チャレンジしてみてください。 CRM コンサルティングチーム コンサルタント/稲橋 佳織
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