赤ちゃんからお年寄りまで、 皆様の健康を支える中鎖脂肪酸

“植物のチカラR
”を活かし
「食」
を通じて社会課題を解決します
特集
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赤ちゃんからお年寄りまで、
皆様の健康を支える中鎖脂肪酸
● ライフステージに応じた中鎖脂肪酸の活用
さまざ まな 健 康 パ ワー で 生まれたばかりの
乳幼児の 発育
育ち盛りのお子様の 成長
母乳の不思議(現在、研究が進む)
筋力/運動能力向上のための
エネルギーになりやすい
乳幼児期
学 童・青 少 年 期
中高年の 働き盛り 約 4 倍もエネルギーになりやすい中鎖脂肪酸
当社グループでは、人々のライフステージのさま
た成分なのです。
ざまなシーンで中鎖脂肪酸の利用を提案しています。
この「脂肪酸」とは、油の主成分。一般的な植物油
ここに、中鎖脂肪酸の特徴を改めて簡単に紹介しま
に含まれる「長鎖脂肪酸」と比べると、中鎖脂肪酸は
しょう。
約半分の長さの脂肪酸です。こうした構造から、中
中鎖脂肪酸は、ココナッツやパームフルーツに含
鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸に比べて、約 4 倍も速く消化
まれる天然成分です。母乳や牛乳などにも含まれて
吸収されエネルギーになりやすいという特長があり
おり、長い食経験の中で私たちがずっと摂取してき
ます。
赤ちゃんからお年寄りまで。中鎖脂肪酸の可能性
母乳に含まれていることでも知られる中鎖脂肪酸
さらに最近、中鎖脂肪酸
は、消化吸収されやすくエネルギーになりやすいの
の新しい可能性に注目が集
で、生まれたばかりの乳幼児の発育に役立つと考え
まっています。それは、脳
られ研究が進んでいます。現に 1960 年代から、未
の働きとの関係です。中鎖
熟児のエネルギー補給に中鎖脂肪酸が利用されてい
脂肪酸がアルツハイマー病に与える影響に関する研
ます。
究が進み、中鎖脂肪酸を摂取した結果、記憶力などの
また、同様の特長から、中鎖脂肪酸は、育ち盛りの
低下が抑えられるという報告もされています※4。
子どもの“成長”をサポートする成分としても適し
また、食が細くなりがちな高齢者における深刻な
ています。
問題としてクローズアップされているのが、エネル
そして働き盛りの年代になると、気になり始める
ギーが不足する「低栄養」。少量で効率よくエネル
のが体につく脂肪。当社グループでは、独自のエス
ギーを補給できる中鎖脂肪酸は、高齢者の食生活の
テル交換技術で、中鎖脂肪酸を含み、体に脂肪がつ
強い味方として医療や介護の現場で幅広く利用され
きにくい特定保健用食品の健康オイルを開発・販売
ています。
しています。
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※4 Henderson ST, et al., Nutr Metab(Lond), 2009 より改変
特集
話題のココナッツオイルにも含まれるなど、最近さらに注目度が高まる中鎖脂肪酸。日清オイリオグループはさらなる取り組
みを進め、中鎖脂肪酸のグローバルリーディングカンパニーを目指します。
健 や か な 毎 日を 支 える
肥満 (生活習慣病対策)
中鎖脂肪酸
シニア層の モノ忘れ
体に脂肪がつきにくい
の壮年∼中高年期
高齢者の 低栄養
脳の代替エネルギー(ケトン体)
ADL(日常生活能力)/
気力のためのエネルギーになりやすい
シニアライフ期
高齢期
中鎖脂肪酸を世界の食卓に
当社グループでは、たくさんの可能性を秘める中鎖
海外でも、2014 年10
脂肪酸において幅広い事業を進めています。2014 年
月、英国で開催された中
3 月に「中鎖脂肪酸事業化推進室」を設置し、新規事
鎖脂肪酸を用いた食事療法のグローバル・シンポジ
業の開拓やグローバルブランドの創造に取り組んで
ウムに参加。ブース出展も行い注目を集めました。今
います。
後は海外企業とのコラボレーションも視野に入れなが
2014 年 9 月には、中鎖脂肪酸をより広く知ってい
ら、グローバルレベルでの事業展開を進めていきます。
ただくための公式ウェブサイト「中鎖脂肪酸サロン」
このように、中鎖脂肪酸は、赤ちゃんからお年寄り
を開設。2015 年 2 月にココナッツオイルを発売、5
まで家族が集う食卓で健やかな毎日をサポートしま
月には中鎖脂肪酸を手軽に摂れる新感覚のソフトゼ
す。当社グループは、食品メーカーとして培ってき
リーを発売しました。同年 5 月の認知症ケア学会を
た経験と技術を結集して、中鎖脂肪酸を世界の食卓
はじめ、学会発表などの活動にも力を注いでいます。
にお届けしていきます。
従 業 員の声
中鎖脂肪酸への注目度は、海外ではさらに高いと実感しています。
2014 年 10 月に英国で開催されたグローバル・シンポ
家族からは「家族みんなで楽しめるこんな食品を待って
ジウムに初めて出展しました。このシンポジウムは、難
いたんだ」といった声が寄せられたのです。私たちがこ
治性小児てんかんなど脳の栄養不足を改善するための食
れまで培ってきた商品開発力で、治療中でも「おいしい」
事療法に関するものです。欧米では難治性小児てんかん
食生活を送っていただける可能性を感じました。
の治療法のひとつに、油分を多くした食事療法があるの
中鎖脂肪酸のチカラを、日本はもちろん、世界の人たち
ですが、その治療食はどうしても油っぽくなってしまい、
にもできるだけ早くお届けしていきたいと思っています。
必ずしもおいしいとはいえないものが多いのが現状です。
そこで当社グループでは、中鎖脂肪酸を使い、サクサクと
した食感のクッキーなど試食品をご紹介しました。する
中鎖脂肪酸事業化推進室
中島 香
と、日を追うごとに次々と人が集まり、研究者や栄養士の
方はもちろん、特に患者さんからは「おいしい!」
、そのご
日清オイリオグループ コーポレートレポート 2015
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