パラグアイ内政・外交報告(6月分) 政治情勢 2015年7月作成 内政では

パラグアイ内政・外交報告(6月分)
政治情勢
2015年7月作成
内政では,次期上院議長を選出する選挙が行われ,投票の結果,与党コロラド党反カルテ
ス派のアブド・ベニテス上院議員が選出され,今後,カルテス政権提出法案の上院審議が滞
ることが予想される。他方で,7月10日~12日に予定されている法王フランシスコの当国訪
問に向け,イベント会場の整備や受入体制整備が着々と進み,連日関連ニュースが報じられ
た。
外交では,カルテス大統領が,スペイン,ベルギー及びウルグアイを訪問するとともに,モ
ラレス・ボリビア大統領が当国を訪問した。また,外務省人事では,日系二世のテルミ・マツオ
前駐チリ・パラグアイ大使が官房担当の外務次官に就任した。なお.日系人がパラグアイ外
務省の幹部に就任するのは今回が初めて。
1 内政
(1)アブド・ベニテス上院議員の次期上院議長選出
●16日,上院において,次期上院議長を選出する選挙(毎年改選)が行われ,投票の結果,
アブド・ベニテス上院議員(コロラド党),24票,ミゲル・サギエル上院議員(リベラル党),16
票,棄権5票で,ベニテス議員が選出された。今次投票においては,与党コロラド党の反カル
テス派と左派連合等がベニテス議員に投票し,コロラド党のカルテス派と UNACE 党等がサギ
エル議員に投票した。
●ベニテス議員の選出につき,同議員(反カルテス派)と与党コロラド党党首の座を争ってい
るアリアナ下院議員(カルテス派)は「コロラド党員が上院新議長の座を獲得したこと自体は
歓迎すべきことであるが,ベニテス議員の上院議長就任は事実上,党首選挙での敗北を意
味する。」旨述べた。
(2)与党コロラド党員に対する世論調査
●27日~29日付当地ウルティマ・オラ紙は,6月11日~22日に当地世論調査会社 IBOPE
CIES がアスンシオン市,セントラル県,カアグアス県,アルトパラナ県,イタプア県,サンペド
ロ県の18歳以上のコロラド党員1,070人を対象に行った世論調査の結果を掲載したところ,
主な結果及び党内の反応は以下のとおり。
●コロラド党党首選につき,党首候補として誰に投票するか
-ペドロ・アリアナ下院議員(カルテス派) 50.3%
-アブド・ベニテス上院議(反カルテス派) 37.0%
-未定
12.7%
●カルテス大統領がアリアナ候補への支持を表明し,党首選に介入したことを支持す るか
-支持しない
55.3%
-支持する
37.6%
-無回答
7.1%
●コロラド党常任幹事会選挙につき,どの候補者の候補者リストに投票するか
-リリアン・サマニエゴ現党首(カルテス派) 54.6%
-ガラベルナ上院議員(反カルテス派)
20.1%
-その他の議員
25.3%
●コロラド党内反カルテス派が議会において政府提出法案を否決していることを支持
するか
-支持しない
54.7%
-支持する
29.3%
-無回答
16.1%
(3)ベラスケス会計検査院長に対する議会による弾劾裁判に向けた動き
●24日,自身の秘書が不正に残業手当等を受け取っていた問題の責任を問われているル
ベン・ベラスケス会計検査院長に関し,下院は7月8日に審議を行い,同院長に対する弾劾
裁判の発議につき検討することを決定した。
(4)南米サッカー連盟本部の不可侵権の剥奪
●24日,政府は,南米サッカー連盟本部(ルケ市)に不可侵の特権を与える法律第1070/
97号を廃止する法律を公布した。同法律第1070/97号は,南米サッカー連盟本部が建設
途中であった1996年後半に議会に提出され,両院での審議を経て,1997年5月に公布さ
れたもの。
●南米サッカー連盟は,同法律により,国連の特権及び免除に関する条約に規定されている,
構内(建物)及び文書の不可侵の特権を享受していた。そのため,これまで執行上,行政上,
司法上又は立法上の措置のいずれかによる捜査,徴発,没収,収用,その他の形式の干渉
が免除されていた。
(5)中国におけるパラグアイ人死刑執行問題
●2012年に北京首都国際空港において,コカイン密輸を企てたとして逮捕され,死刑判決
を受けているパラグアイ人のロサリア・アマリージャ氏に関し,5日,同死刑囚の母親はロイサ
ガ外相を表敬し,本年7月に刑の執行の再検討が行われる際に,同死刑囚の矯正の実績に
鑑み,死刑が取り消される予定である旨述べた。また,弁護人の話として,再検討後の刑期
が15年から18年に設定される見通しである旨述べた。
2 外交
(1)カルテス大統領のスペイン訪問
●7日~9日,カルテス大統領はスペインを訪問し,投資セミナーへの出席,ラホイ首相との
首脳会談等を行った。
<パラグアイ投資誘致セミナー>
●8日,カルテス大統領はエル・パイス紙主催で行われたパラグアイ投資誘致フォーラムに
参加した。カルテス大統領は同フォーラムにおいて,製造業における低コスト,投資関連法の
明確さなど,投資面でのパラグアイの魅力を強調した。
<ラホイ首相との会談>
●9日,カルテス大統領は,モンクロア宮殿においてラホイ首相と会談し,パラグアイが次期
議長国となるメルコスールや二国間関係の優先課題等につき,協議を行った。また,EU-メル
コスール FTA 交渉の早期妥結を目指す点につき一致した。
●なお,同会談においては,以下の取極等の署名が行われた。
ア 治安に関する協定
イ 人材交流に関する覚書
ウ パラグアイ東部地方道路整備に関する借款契約
エ 両国間定期便就航に関する文書
(2)カルテス大統領の EU-CELAC 首脳会合
●10日~11日,カルテス大統領はブリュッセルにおいて開催された EU-CELAC 首脳会合
に出席した。
<トゥスク欧州理事会議長との会談>
●10日,カルテス大統領は,EU-CELAC 首脳会合を前に,トゥスク欧州理事会議長との会
談を行った。トゥスク議長は,同会談において,国際場裡におけるパラグアイのプレゼンス拡
大に向けたカルテス大統領のリーダーシップを高く評価した。また,同席したロイサガ外相は
「同会談において,CELAC・EU 関係の将来につき,非常に興味深い意見交換が行われた。」
旨述べた。
<カルテス大統領のステートメント>
●同日,カルテス大統領は,首脳会合第一セッションにおいてステートメント行い,貧困など
の諸問題に対処するために,①技術と知識の移転,②高等教育,③国際貿易の深化,④
社会包摂を伴う発展への投資に資する政策に焦点を当てた各国間の協力の強化を提案し
た。
(3)カルテス大統領のウルグアイ訪問
●25日,カルテス大統領はウルグアイを訪問し,バスケス・ウルグアイ大統領との会談を行
うとともに,共同声明に署名した。
<バスケス・ウルグアイ大統領との会談>
●25日,ウルグアイを訪問したカルテス大統領は,バスケス大統領との会談を行い,二国間
関係,域内及びグローバルなテーマにつき協議を行うとともに,伝統的な協力関係を再確認
した。また,首脳会談後,両国大統領は共同声明に署名した。
●首脳会談後に署名された共同声明の主なポイントは以下のとおり。
- EU-メルコスール FTA 交渉の早期妥結に向けたコミットメントを再表明。
- 河川における「通過の自由」の尊重を再確認するとともに,カルテス大統領は,ウ
ルグアイからパラグアイに対して与えられている各種便宜の重要性を強調。
- ラプラタ河流域国・外相会合開催にかかる決定を再確認。
- 天然資源に対する主権行使を尊重しつつ,エネルギー分野での協力促進に向けたコ
ミットメントを再確認。
- OAS強化に向けたコミットメントを再表明。
(4)モラレス・ボリビア大統領の当国訪問
●29日,エボ・モラレス・ボリビア大統領が当国を訪問し,カルテス大統領との会談を行うとと
もに,共同声明等に署名した。
<カルテス大統領との会談>
●29日,カルテス大統領は,大統領府において,当国を訪問したモラレス大統領と一時間に
亘り会談を行い,良好な二国間関係を確認した。右会談に引き続き,関係閣僚を含めた拡大
会合を行い,協力案件の署名の最終的な調整を行った。両国大統領は,首脳会談において,
未来志向で協働し,両国間の統合を深化させる必要性につき言及した。●首脳会談後に署名
された共同声明の主なポイントは以下のとおり。
- 国際法に従い,両国の内陸開発途上国としての脆弱性克服に向けたメカニズムが機能
することの重要性を強調。
- 内陸国の権利を規定する国連海洋法,貿易円滑化協定等の有効性を再確認すると
ともに,通過国や先進国に対し,通過の自由や海へのアクセス権を保証するよう
要求。
- ボリビアのメルコスール正式加盟の早期実現を支持。
(5)ロイサガ外相の第45回米州機構(OAS)総会出席
●15日,ロイサガ外相は,ワシントンにおいて開催された第45回OAS総会に出席し,ステ
ートメントを行った。ロイサガ外相は同ステートメントにおいて,西半球アジェンダの連結・強化
へのコミットメントを表明するとともに,OASに対し,ストラテジービジョンの4本の柱(民主主
義,人権,安全,発展)に更に注力するよう改善を求めた。
(6)米国との政策協議の開催
●18日,ワシントンにおいて,パラグアイ・米国政策協議(Dialogo Politico y Economico)が
開催され,パラグアイからロイサガ外相,米国からヒギンボトム国務副長官らが出席した。同
協議においては,緊密な二国間関係,米州及び国際場裡における協力,民主主義強化や経
済関係促進に向けた意見交換が行われた。なお,主なポイントは以下のとおり。
- パラグアイにおける著作権及びブランド保護の促進に向けた覚書に署名。
- 上記署名の結果,米国がスペシャル301条(知的財産権に関する対外制裁)の
指
定国からパラグアイを除外。
- 国連人権理事会や米州人権委員会における協力の促進に合意。
(7)ボリビアのメルコスール正式加盟を巡る動き
●22日,ロイサガ外相は,記者団に対し,7月中旬のメルコスール首脳会合において,ボリ
ビアのメルコスール正式加盟に関する議定書に署名する旨述べるとともに,ボリビアは内陸
国であり,戦略的パートナーとなり得る旨述べた。
(8)パラグアイの国連総会副議長国就任
●15日,パラグアイは,本年9月15日に開会する第70回国連総会の副議長に選出された。
国連創設70周年の記念開催となる第70回国連総会において,議題のとりまとめの役割を
果たす事となる
(9)マツオ外務次官の就任
●4日,日系二世であるテルミ・マツオ前駐チリ・パラグアイ大使の外務次官(官房担当)就任
式が行われた。ロイサガ外相は同就任式において,マツオ次官とは国連代表部時代の同僚
であり,厚い信頼を寄せている旨述べるとともに,マツオ次官に対し,今後,常に成果を求め
ていく旨述べた。なお,日系人がパラグアイ外務省の幹部に就任するのは今回が初となる。
3 要人往来
(1)来訪
●4日,ホセ・セラーノ・エクアドル内務相(ロイサガ外相との会談)
●18日,ホルヘ・ファミリアル世銀副総裁(カルテス大統領表敬等)
●24日,エジソン・ヒロト・ブラジル運輸相(ロイサガ外相との会談)
●29日,エボ・モラレス・ボリビア大統領(カルテス大統領との会談)
(2)往訪
●1日~2日,レイテ商工相,アルゼンチン訪問(経済関係会合出席)
●2日~5日,ソサ労働雇用社会保障相,スイス訪問(ILO 総会出席)
●3日~7日,レイテ商工相,ドイツ訪問(経済ミッション)
●5日~14日,デ・バルガス内相,台湾訪問(馬総統表敬等)
●7日~9日,カルテス大統領,スペイン訪問(ラホイ首相との会談出席)
●10日~12日,バリオス厚生相,ブラジル訪問(メルコスール保健会合出席)
●11日~12日,ラフエンテ教育相,ブラジル訪問(メルコスール教育会合出席)
●11日~12日,カルテス大統領,ベルギー訪問(EU-CELAC 首脳会合出席)
●12日~13日,ロイサガ外相,イタリア訪問(ミラノ国際博覧会出席)
●14日~18日,ロイサガ外相,米国訪問(OAS 総会出席)
●25日,カルテス大統領,ウルグアイ訪問(バスケス・ウルグアイ大統領との会談)