平成27年度 定期監査結果報告書 特別区人事・厚生事務組合 監査委員 2 7 特 監 監 第 7 2 号 平成27年11月30日 特別区人事・厚生事務組合 管理者 特別区人事・厚生事務組合議会 特 別 区 人 事 委 員 議長 会 様 特別区人事・厚生事務組合教育委員会 特別区人事・厚生事務組合 監査委員 梅宮 行雄 監査委員 石川 雅己 平成27年度定期監査及び財政援助団体等の監査に関する結果報告について(報告) 地方自治法第199条第4項及び第7項の規定に基づき実施した定期監査及び財政援助 団体等の監査に関する報告を同条第9項の規定により提出します。 なお、今回の監査にあたっては、武井 関与し、石川 雅己 雅昭 前監査委員は平成27年5月12日まで 監査委員は平成27年5月13日から関与しています。 定期監査 第1 監査の対象部局及び実施期間 対 象 総 局 実 務 施 期 間 ヒアリング 6月 部 6月22日~6月24日 局 6月22日~6月24日 特 別 区 人 事 委 員 会 事 務 局 6月18日~6月19日 特別区一部事務組合公平委員会事務局 6月18日~6月19日 会 計 室 7月 9日~7月10日 7月10日 法 務 部 7月 9日~7月10日 7月10日 厚 生 部 6月25日~7月 3日 7月 3日 所 6月 1日~6月 5日 6月 2日 局 7月 7日 教 特 監 事 育 別 査 企 委 区 委 員 画 会 職 員 員 事 研 事 務 修 務 8日~6月17日 監査委員 部 人 第2 部 6月12日 6月22日 6月19日 - 監査の範囲及び主たる観点 各監査対象部局における平成26年度及び平成27年度の監査実施日までの事務事業 及び財務事務の執行について、次の観点から監査した。 《監査の観点》 1 事務事業の執行は、法令や計画に沿って適正に執行されているかを主眼に、経済性 効率性、有効性の観点にも留意する。 2 予算の執行、収入・支出等の会計処理、契約締結等の財務事務及び財産の管理は諸 規程に基づき適正に処理されているか。 3 第3 前年度の監査において、事務処理上の是正・検討を求めた事項が改善されているか。 監査の方法 監査委員は、各部長等の出席を求め、事務事業の詳細、現況の問題点・課題等への取 り組みについて、説明を聴取するとともに、監査重点事項を踏まえて、質疑応答を行っ て監査した。 事務局は、あらかじめ対象部局から提出された事務事業の執行管理に関する監査資料 と関係書類、諸帳簿等を照合するなどの書面審査及び施設の調査・点検を行った。 なお、平成26年度の監査重点項目は「委任契約(契約事務規則第4条に基づく契約) について適切に処理されているか」についてであった。 -1- 第4 監査の結果 特に指摘すべき事項は認められなかったが、今後、留意すべき点について、以下に要 望・意見を付した。 なお、指摘に至らないものの、軽易な事務上の誤りについては、その都度関係職員に 指導した。 1 契約における競争性の一層の確保について 本年度の定期監査は、先述のとおり「委任契約について適切に処理されているか」 を重点項目として実施した。 委任契約を全体としてみると、平成26年度後半から契約額が予定価格を下回る例 が見られるようになった。平成26年11月4日付総務部長発事務連絡による契約に 関する指導が、効果を生んだものと理解するところである。 今後は、1者見積りである5万円未満の契約についても、競争性を生かす方法がな いか検討されるよう期待する。併せて、予算編成過程を通じて、更に一層競争性を高 める視点に立った協議の充実を望むところである。 2 更生施設等における施設・設備の修繕等について 更生施設等は、指定管理者制度を導入しており、標記については組合及び指定管理 者が基本協定や建物保全業務の手引きに則り、相互に協議しつつ、必要となる工事を 確実に実施していた。 修繕等について当該基本協定は、「施設及び設備の管理については、指定管理者は、 建物保全の手引きに基づき、適切に管理しなければならない。またその修繕等につい ては、組合の責任と費用で行うものとする。ただし、1件につき80万円未満の修繕 等については、指定管理料の範囲内において指定管理者が行う。」としている。 平成26年度の厚生部施工の更生施設等における工事は、61件 21,852,288 円 (1 件 28,080 円~1,242,000 円の範囲)で、このうち契約額が80万円未満の工事は 55件であった。このことから修繕等における組合と指定管理者の基本的役割につい ては、必ずしも明確になっていない部分があるのではないかと思慮されるところであ る。今後は、役割分担を一層明確にし、これに伴う基本協定や建物保全業務の手引き 等の記述の整理について充分検討されるよう願うものである。 3 施設・設備の修繕工事等について (1) 緊急工事の取扱い 前述の61件の工事中、見積合せによる11件、5万円未満2件を除いた48件 -2- は、1者見積りのいわゆる緊急工事の扱いであった。 緊急工事は地方自治法施行令第167条の2第1項第5号「緊急の必要により競 争入札に付することができないとき」に該当する随意契約で、金額の競争が原則と して働かないため、緊急工事とする場合には、より慎重に取扱われるべきものと理 解する。さらに、緊急の必要の判断は、客観的事実に基づき個々具体的に認定する ものとされており、可能な限り均衡のある取扱いが求められるものである。組合に おいては所管課と契約担当課の協議により、緊急工事の決定をしている。これらの 決定においては、施設の状況や工事に関連した多様な実態を踏まえる程、均衡ある 取扱いを損なうおそれがある。今後は、一定の判断基準をまとめ、さらに具体的事 例を整理して蓄積し、一層判断の均衡が保たれるよう望むものである。 (2) 業者の確保について いわゆる緊急工事の契約相手方は、複数の登録業者からバランスよく選定されるこ とが望ましい。片寄りなく発注できることは、契約の公平性・透明性を確保する観点 から、また、今後の緊急工事への迅速な対応が可能な業者の重層的な確保を図るため にも重要である。これらの発注を可能にするためには、まず緊急時に対応可能な業者 の登録を充実し、拡大することが基本である。今後は業者登録の一層の拡大に向けて 努力されるよう希望する。 (3) 精算方式の導入の検討について 修繕工事等の役割分担の一層の明確化に伴って、指定管理者の責任による修繕等の 施工をより適切・確実にするため、指定管理料(委託料)の一部を他と区分して修繕 等経費分として分離し、この分を実績に応じて精算する方式の導入も考えられる。 今後、他団体の指定管理者制度を考慮したうえで、精算方式導入の可能性について、 検討するよう期待する。 4 予算流用等について 平成26年度における予算流用は95件であり、全てが節間流用である。前年度に 比して約56%の件数増となっている。これらの流用は、定められた手続きに則って 処理されており問題となるものはないが、一般的に流用は予算執行上の例外的措置と されるものである。従来よりも増加しているのは、事業別予算や新財務会計システム の導入によるためとされている。担当課も「科目間流用」と「事業間流用」に分離・ 整理しているが、その各々について、より一層定義等を明確にし、理解を充分に得る 方法について研究する必要があると思われる。また、予算編成の際に一層精査し、結 果として件数減に繋がるよう一層の努力を期待する。 -3- 次に、流用と補正予算との関係について付言する。平成26年度当初予算中、施設 再編整備事業に計上した積立金のほぼ全額について、事業の必要から工事請負費等に 流用した。その後、流用してもなお不足する工事費等を補正する補正予算を編成した ところである。この場合の補正については、不足額だけではなく、当該流用額も含め た工事費等総額を計上し、併せて流用元となった積立金を減額補正する方法も考えら れたのではないかと思慮するところである。 なお、本件は、明確に議会に全体を説明し、議決されたものであり、何ら問題はな い。 今後、流用と補正予算が関連する場合に補正予算の計上方法について、他団体の動 向を踏まえつつ、多角的に検討されるよう望むものである。 -4-
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