市政懇談会冒頭あいさつ みなさんこんにちは。25 年度の市政懇談会を開催いたしましたところ,何か とお忙しいところ大勢お集まりいただきましてありがとうございます。 市政懇談会の趣旨につきましては,今更申し上げるまでもないとは思います けれども,日頃からこの前渡地区の皆さま方にもそれぞれの地域の課題,問題 について自らいろいろ取り組んでおられ,また積極的にいろいろ活動されてお ります。そういう中でご提案がいくつもおありかと思いますが,率直なご意見 をいただいて市としてやらなければいけない仕事を,しっかりと進めるために 開催をさせていただいているところです。 事前にいくつかご質問ご提案をいただいているようでありますので,私のほ うからは今の市政の状況について数点をご報告させていただいて,ごあいさつ に代えさせていただきたいと思います。 まず,25 年度予算については,後ほど総務部長から中身についてお話をしま す。いろいろこれまで取り組んできた大きな事業や見直しも,一つの節目を迎 えまして,今まで少し力を入れ切れなかったところに,予算の重点化した部分 もあります。これについては後ほどお話をさせていただきますが,特に 24 年度 から始まったことの一つは,東海村と広域消防・救急であります。 特に長砂方面は東海村と非常に接しているわけですし,佐野中学校区は東海の 消防署からこちらに出動する。それから東海村照沼の方はこちらのほうから出 動するということが,実際に昨年の4月から行われております。それによって, 到達時間の短縮とまた消防力の強化につながったと思っております。 もう一つは,昨年の5月1日から新清掃センターがひたちなか地区に稼動し ました。これはきわめて順調に進んでいると思います。勝田,那珂湊にそれぞ れ焼却場がありましたが,今までよりだいたい5億円位少なくお金がかからな いようになりました。かなり大きな効果があったと思っております。 それから,ひたちなか市の大きな問題の一つに,地価が相変わらず値下がり をしている。これは県全体に言えることでありますけれども,区画整理事業が 非常に困難な状況にあります。保留地を売ってそれを財源にして工事を行う, 事業を行うというものでありますけれども,非常にそれが難しい状況になって おります。特に市の住宅都市サービス公社,それから公共用地を取得する土地 開発公社,住宅都市サービス公社については,今までの簿価と地価の差分につ いては,一切市が肩代わりをしまして銀行に返済をして,売れる土地について 時価で売ると専念でやるということをやっています。 破綻処理という方法も無くはなかったかも知れませんが,そうしますと他への 地価の下落に拍車をかけるということもありまして,今,そういう意味では地 道に処分しようということであります。土地開発公社も地価が下がっている状 況では,何年も前から先行して土地を公社が買っておく必要はありませんので, 公社は解散し,清算をいたしました。しかし,なかなかそれも事業化出来ない 塩漬け的な土地も含まれておりましたので,公社の抱えている借金借り入れ分 はこれも市が全部肩代わりをしまして,そして市が改めて 15 年の返済計画で返 すということにしました。 したがいまして,今後の財政運営については,今まではっきり表に出ていな かった負債の負担について,年次計画で返済するということに明確になりまし たので,財政運営の見通しを立てやすくなったということになります。それで 医療費の無料化の年齢の拡大ですとか,高齢者の肺炎球菌の予防接種のワクチ ンの公費負担とか,そういうものも一部取り入れさせていただいたところであ ります。決して楽な財政運営ではありませんが,一つの見直しを節目としてさ せていただいたわけであります。 それから,震災から2年あまりが経ちました。今だに一部の道路,公共下水 道,それに伴う舗装,そのような道路の整備がまだ工事中のところが何箇所か あります。まだまだご迷惑をかけておりますが,特にこの地域において,団地 が被災をされたわけであります。滑落防止のためにいろいろ事業を検討させて いただき,市としても工事を提案させていただき進めさせていただきました。 それにつきまして,多大なご理解とご協力をいただいたことに改めて感謝申し 上げます。茨城高専の日下部校長先生を始め,専門家の方にも随分お世話にな りました。多くの方の大きなお力をいただいて進めることが出来たと思います。 ただ市内ではまだ滑落防止対策の途中のところもあります。市全体はまだそう いう課題が進行中でありますし,海岸部は液状化の対策調査を行っている状況 であります。 まだまだ震災の影響がありますが,これからを本格的な復興ということで頑 張ろうと思っております。特にここはひたちなか地区に接しているところであ りますので,いろいろものの動きも多いところであります。常陸那珂港につき ましては,震災直後から建機メーカーが海外にものを出すと言うことで,応急 処置を含めて対応してきたわけでありまして,ほぼ港の復旧は終わりました。 企業をさらに誘致する,それに関連するような企業がいろんな力をつけていた だくために,支援策を市では講じておりますし,税制上のいろいろな優遇措置 を行っているところであります。 また,この常陸那珂地区につきまして最近話題になりました大型店の進出の 件であります。土地は県の土地開発公社の土地でありまして,これを相次いで 売却したことによって大型店が相次いで出店しております。市内の中心部表町 他いろいろな商店街への影響が,非常に懸念されている中での相次いだ進出と いうことになってしまいまして,商工会議所ももうこれ以上大型店はいらない と表明をしておりますし,私自身もそう思います。特にイオングループのジャ スコが表町から撤退したときに,ほとんど地域のことは何の意見も聞かなかっ た,何の対応も行われなかったことを身にしみて私も感じております。良い時 には来ますが,悪くなればすぐに撤退します。5.7haの土地を取得しましたが, 建物は大きな建物だと思いますが,一種の大型倉庫のような物だと聞いており ます。消費者にとってみれば,非常に買い物の選択肢が広がり,また大量に一 度に多くの物が買えるというような施設だそうであります。 市内の商店街も何らかの努力を何もしていない訳ではありません。いろいろ やっているところにいきなりそういうことが続きますと,何の対応も出来ない まま,もうやめたと言う人が出てくることに拍車がかかってしまうような状況 であります。やはりこの地区の土地は,もともとこの地域の皆さま方の土地で あり,それが国,そして米軍,そして返還というような経緯をたどってきたわけ であります。皆さま方特にそうだと思いますけれど,非常に思い入れがあるわ けであります。元々理想的な留保地の利用計画がありまして,いろんな企業や 製造業,それから業務機能そして国際的な流通展示場とか。これは今少し理想 的に響くかもしれませんけれど,そのような土地として活用しようと,都市づ くりとして土地の計画を作って来たわけであります。相次いで人が来て賑わえ ば良いじゃないかというのは,私としてはかなり感覚が違うなと正直言ってあ りまして,相次いで土地を売却することに主力がおかれまして,このような状 況になりました。東海村とひたちなか市で,常陸那珂地区の利用について協議 会を持っております。そこで東海村と併せて今のような大型店に売却するのは, 本来の土地の利用とは違うのではないかということと,今回もご要望ご提案の 中に,この常陸那珂地区周辺の土地利用についてご提案ご要望があるわけであ りますけれど,今後土地の活用に当たっては,そういった地元の考え方,われ われの考え方を十分反映させるよう協議をするように,県の方に申し入れをし たところであります。 長砂はじめ皆さん方に,大変いろいろご協力をいただきながら開催している ロックフェスティバルが,一気に駐車場難になってしまいました。秋になると 産業交流フェアがあり,いろんなことがあるわけでありますけれども,そうい うことも含めて計画的にものが進められない様な事態になりかかって来ており ます。これは市としても,また皆さま方のご意見やご要望を反映させながら, 常陸那珂地区の土地利用について地元として,ある程度具体的なものを打ち出 して,提案するという時期に来ているんじゃないかと,改めてそのように思っ ております。特に馬渡,長砂の皆さま方のいろいろお考えもおありじゃないか と思っておりますので,今そういうことについて話をさせていただきました。 それから,これもご質問の中にありましたが,東海第2原発の再稼動の問題 でありますけれど,昨年のこの懇談会でもご報告申し上げましたが,それ以降 ほとんど何の進展もありません。30km圏内の市町村が再稼動にあたって,当 然同意を必要とする協定の見直しを申し入れております。国全体の状況,安全 基準の見直し等でいろいろ時間が経過しておりますけれど,具体的には何も進 んでいない状況であります。あえて申し上げますと,全国的な原発の再稼動の 問題,エネルギーの問題は,これで十分じっくり議論をするべき問題でありま す。私はひたちなか市長として,この地域のことをまず優先で考えなければい けないわけでありますから,あの原発事故の状況,福島の状況,それから残念 ではありますが,J-PARCでの事故,事件,それほど大きな環境には影響 のないものではありますが,情報の伝達,そしてその安全の管理の意識やはり ギャップがあると言わざる得ないという感じがします。 したがいまして,今地域防災計画の中で原子力事故に対する対応をどうする か検討していますが,原子力施設や使用済み核燃料があるわけでありますから, 何らかの形で避難計画を当然盛り込まなければいけないですね。ただ今回のよ うな情報が錯綜したり,また5km圏内とそれ以外のところで,避難の時期や スピードとかやり方を変えるとか本当に冷静に出来るか。そして 30km圏内に 93 万人。このひたちなか市 15 万7千人から 15 万8千人全員が避難するという 冷静な行動計画が,果たして現実的なものを作れるかどうか。きわめて疑問だ と言わざる得ない状況でありまして,この再稼動の問題については,かなり慎重 に対応しないといけない。この地域として問題があるというような観点で,対 応をしてまいりたいと考えているところであります。 まだまだお話をしなければいけないことが,多々あるわけでありますけれど, 何点かすでにご要望もご意見もいただいておりますし,時間もの制約もあるも のですから,この程度にさせていただきたいと思います。 このひたちなか市も,間違いなく今高齢化社会に入ってきておりますし,子 どもが少なくなっています。空き家の問題,孤独死の問題をどうするか,これ は本当に非常に深刻な問題であります。行政で出来ること,そして地域のお力 を借りなければいけないこと。それぞれのご家庭ご家族の中で何か対応で来る ことはないか,そう言うことも併せて力を入れてやっていかなければいけない, そういう時期であろうと思います。 2040 年度の人口推計が厚生労働省から発表されました。茨城県は 2040 年度人 口は2割減るということであります。県内の市町村ごとの推計も出ていました。 ご覧になった方もいらっしゃると思います。県内で人口が増えるところが3つ。 その2つは,つくばエキスプレス沿線の守谷市とつくば市。もう 1 つはどうい うわけか隣の東海村。私は疑問ではないかなとひそかに思っておりますけれど, 他は皆減りますけれど,その中でも減り方が少ないのがひたちなか市というこ とです。それでも 1 割の減ということです。医療費の問題にしても間違いなく 増えておりますし,国民健康保険の市の税負担も今回 10 億円から 12 億円に増 やすということになります。これも大きな流れの中ですから,それも織り込ん でいろいろ対応しなければいけないと思っております。これからは行政がしっ かりやること,ここからは地域の力を発揮すること,いろいろ考えながらやっ ていかなければ,問題が解決できないのではないかなと思っております。自治 基本条例は,そう言う趣旨で作っていると思っているわけであります。普段か らこの前渡地区につきましても,コミュニティの活動,それぞれの自治会の活動, 非常に熱心に取り組まれ,自らの事として積極的にやっておられることに,改 めて感謝と敬意を表したいと思います。 そして市政懇談会において,市が行政としてやらなければいけないことにつ いて,再度確認をさせていただくということで開催させていただいたわけであ りますので,どうぞ忌憚のないご意見を賜りますようお願いを申し上げまして, 冒頭のごあいさつに代えさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたしま す。ありがとうございます。 H25.6.22(市政懇談会 1 日目)
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