成果論文

多関節 ロボ ッ トの 自律分散 制御 の研 究
大西 公 平
慶 應義 塾 大学理 工 学部 助 教 授
1.は
じお
うに
ボ ッ トの ′
│性
モ │た
と応 チ
に 業│ │ │ ロ
J 本が 最 も進 ん でい るこ とは 衆 │ │ の ム
│!技
術 の 1 f丘では、 「
致す ると
ころで あ る。 し か し、 ロ ホ ッ トに 人1 J占と似 た動作 を行 わせ るには、現 在 の に業 │ │ ! ロ
ボ ッ トの 1 4 : 能
はキ
足 で は な い こ と も用知 の ■文 で あ る。 ところが 、j E かれ , 1 かれ 高機 能 を行す る ヒュ ー マ ノ イ
│も
ドロホ ッ トが必 要 にな るこ とは 社 会l i f 勢
の 然 ら しめ る ところであろ う。機 構 的 にみ てうこ在 の ロボ ッ
トが イく
は 動 の 白│ │ 1 度
が 足 りな いか らであ る。将 来 の ヒューマ ノ イ ドロボ ッ
│ 1壮で
崎 あ る大 きな切L I l i 運
トにお い て起 動 の 出│ │ │ 1を
│:物
な み に 大中
度′
だに増や す ため には 次 の 2 点 を解 決 す る必 要が あ る。
1 ) 多 枚 の l l lの動r i l lの
l度
祐J 御方法 の 確 予1 。
3 カ な けれ は な デ
つ以 1 1 の
とつの 延I f l l山山度
は ‐
独 立 したア クチ ュエ ー タで 期X I 1され
の
ラな いの
2)ひ
で、 性げ, れた生 1 出
内 に 多数 の ア クチ ュエ ー タを収 容す る必要 が あ る。 そ の ようなア クチ ュエ ー
ク1 文
)有
郁i グ
作ヤ1 。
この 2 ) l t の
111を
題解決 す る ロ ボ ッ トは機 能 的 には 「
十
J 律 分散 システム で なけれ ば央現 が イく, J t と
で
あ る。 代 i 命
火は この よ うな 多 r i 由度 の 運動 機能 を持 つ 多関飾 ロ ボ ッ トの 「1 律分 枚怖」御1 の米 本性 能
│デ
, かにす るこ と を I J 的とす る。
を│ り
2.一
自由度 の 関 節 運 動 の 解 析
lrl仲
分 枚制 御 の h セ大の │ 1 的は ロ ボ ッ トの 運動 の 怖1 御の 頓健 さ ( ロバ ス トネ ス) を 向 │ す るこ と
で あ る。図 1 の ように、ア クチ ュエ ー タの トル ク定 数 を K t と し、1 賞
され る ト
性 体 に 外部 か らに
lj加
ル クを T n t 、T ( 、
′
と
、
、 F の 斥│ │ で
J ( す。T n t は 多 白│ I J 度
系 にお い て、他 白山嘘 か ら受 け る l i 渉力 ( 】
│!
ち村1 7 慣
た 性 力収 、 コ リオ リカ項 及 び重 力墳 の 和 ) と 自己連 度 の ■来 の項 を持 つ 求 心 力 との 和 で あ
る。T ( 、t は この 多 リン ク系 が 抜 角
政運動 をイ
千う ときにメ
寸象 か ら受 け る反 1 午片」力で、力怖J 御をイテう と
1判厨jト ル ク
IX1 1
ロボ ットの 関飾 モデル
-15-
戸
きの 1 1 1J ブ
制御■ で あ る。 F は 粘性項 以 外 の 厚す
禁項 で あ る。 また 、 ド
] 直1 黄
性 J 、粘性 係 独 D 及 び ト
ル ク定 数 K t は パ ラ メ ー タ変動 を起 こ す の
も とす る。 この ような 外 岳L とパ ラ メ ー タ変動 の 結 和 を
外 岳L トル ク と して 定共 す る。
加速 度 と トル ク電流柿 令h れをサ
十
すい て 図 2 の ブ ロ ック内 の 計 算 を行 う と、この 外汚しトル ク T d 、か
+、ハ /―│ _ 十 _加速残
ク
ト汗
しトル ク
乱 トル クの 幹:│11
図2 外
IX1 3 加1連1空す
肯令形関打j柿J竹‖
系 (加述 吃 ヨ ン トロー ラ)
ャ の 換 ボ
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変 一
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-16-
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筒 ヽ
Lト ル ク
外!千
はホ して い な い が 山直1賞
阿1 1 1 1 が
無 限 大で あ る。 また 、 I X 1 3 に
`
性 、ト ル ク定 数 は と もに そ の 公称l A
に I H 定化 され ロバ ス トネ スが 極 め て 高 い 系 にな る。 l r 1 3 で
は ダイナ ミクスは積 分 推
卜2 1 回の み とな
り、 入 力 はその 1 1 山度 にお け る加速 度 とな って い る。 す なわ ち、 多 白山岐 ロ ボ ッ トの ド1 律分散 制
御 は力│ 1 速
度 入 力 に 追従 す る力│ 1 速
度 コ ン トロー ラで あ るこ とが り3 らか にな った 。
各1 対
飾 にお い て加 速 度 コ ン トロ ー ラを実現 す るため にはその 関師 の 加速 度 が必 要 で あ る。 一 般
には述 嘘検 │ 1 1 の
方 が は るか に 容 易なので 微 分 して加速 度 を得 ようとすれ ば 、高周波 領 j H k でS / N 比
がは 化 す る。 それ を防 1 1 1 す
るため 低 周波通過 フ ィル タを師 入 し、 十
x 1 4 を 得 る。 こ こで は 詳細 は 省
略 す るが、 外岳しトル クを木 角1 の任冊 状 の 昨ヤ
段 関数 で 表 され る状 態 変数 と して毅 う こ とで、 これ を
│十
l i iと
i汗叫
Fイ
ご
1 対飾
トル ク
トル ク
速度 の
宮h付
参月
1
Kin
本
」
減コら叡蛾
補償 ト
ル ク布
“
外岳しオブザ ー バ
Td、
( 推定 外岳しトル ク)
I X 1 4乱
外トルク打: 定とそのフ ィー ドバ ック ( 破線何! )
/ r t く とな
1lJ定
す る最 小次 元 の 線 形状 態観 測 協
で き、結 果 は I X 1 4 と
卜が 設, 十
る。 I X 1 4 か
ら外 舌L ト
同件
ル クの 推 定 が 1 次 遅 れ とな るこ とが 示 され る。 外乱 トル クの 2 階 微 分 を琴 にす る近 似 、出j ち折 れ
れ系 が 得 られ る。同様 に 外岳しトル クの n 階 微 分近 似 を行 う と n 次 系 とな る。
線近 似 をすれば 2 次 j 圧
この よ うに状 態観測 器 の 次 数 を 1 1 げて い けば外乱 の 近 似 度 はそれ だ け 1 1 がって い く。 この 結 果 は
外 舌しトル ク を打住定 す る とい う意味 で 、 外舌しオブザ ー バ とよばれ る。推 定 され る外 岳しトル クは どの
よ うにな るか を示 したのが 表 1 で あ る。次 教 n と 各係 数 g i は 設f r のイ
r 忘 性 にイ
r さ れ る。
打: 定され た 外 舌しトル クをフ ィー ドバ ックす れ ば 1 文
1 3 に 対応 してI X 1 5 得
を る。 円 5 は 外! しト
千 ルク
︱︱︱︱lllllil︰︰︰L
-17-
レ
札ク
外ト
質
'
Kt
―
質
Ktn
カロ述 1支参ヽ
ヽ
“値
1仕
千 ル クフ ィー ドバ ック系における加速 度 ヨ ン トロー ラ
忙外1しト
文1 5
の 彩響 は零 で な くな り、 高 周波通 過 フ ィル タ G 2 * ( S ) を 通 して そ の 形響 を受 け るこ と を示す。 I H
波 数微域 で この G 2 * ( j ω) の 利 得特 性 を示 す とI X 1 6 を
得 る。即 ち述 l l用i
‐ 皮
数 g よ りl l R い
外舌しトル ク
成 分 は系 に 影響 を 与えず抑 1 1 さ
二れ るこ と を示 して い る。 前置利 得 を置 い て 、 令l i向
│ │ を1 に
けき利 イ
す れ ば 図 3 に 対応 す る加 速 度 コ ン トロー ラ とな る。 ただ し、 外汚しトル クの 影響 を高I H 波領域 で・
定
け るこ とにな る。 外 舌しトル クは パ ラ メ ー タ変 動 と負 術 の 両 方 を合む の で 、G 2 ネ( s ) は 外 岳L トル ク
の抑 F l : の
度 合 を表す感嘘 関 数 とな る。 1 か ら感 度 1 判
数 をけ│ いた もの が 村1 補感 1 芝
1判
数 で あ り、観 測
雑 許に 1 対
す る ロバ ス ト性 を表す。 炎 1 、 図 5 及 び 図 6 は 外岳しトル ク推 定過 在
iと
、 外汚し抑 │ │ : 効
果及 び
岳Lト ル ク1に定辿Tたとフ ィー ドバ ンク系 の 感 1文関数
tl 外
プ
G2*(5)
『ど
rs=11-σ 2*(S)距
駒is
。2*(S):感 度 関数
l σ 2ネ
(S)'相補感度関数
伝達関数
S
t tl
θ
S2
2次 系
n次 系
確 荒 牝S
S
1次 系
s2キ
S・ +gis・
1+θ
名s=描
ョls+g2
2S' 2+...キ
ョ几
rどis=
-18-
名s
1 + す れ- 2 + … . + す
2さ
gis・
れ
S ' 十 θl S '
2 + …
1 + ョ
2 S …
+ す,
冨ど
ls
ク
ト岳
し な去1河波 数領城
(rad/s)
-OdB
-3dB
20dB/dec
I
IX1 6
G 2
rfi
〕
々j山
l同
辿フ ィルクG2X(jか (=ナ
力
ぷ1死
1判
k)ク)利律十
Ⅲll:
セ ンサ 雑 庁 に 対す る祐J御系 の 安定性 の トレー ドオ フの 関係 を示 して い る。従 って 、 炎 1で ,J(す
次
ilする ときには +11i亡
独 nと 係 独 giを li党
十
1対
巴推 して設占│‐
係 をす
す る必 要 が あ る。
3 . 多 関 節 回 ボ ッ トの 自律 分 散 制 御
l i飾
竹の 結果 を多│1′
山岐 マ ニ ヒュ レー タに適 │ l l す
る。 各関師 に 出律分散祐1 御を適 用 し加速度 コ ン
トロー ラに した場 合 を多│1′
向嘘 ロボ ットの動 力学程式 よ り解析す る。得 られ る結果 は次式 とな る。
r " ―P
字= 々
P=方
l C2(ざ
)昴 ホ
ただ し、 q は 各1 判
1 市角度 をそ の 成分 に持 つ 関師 角度 ベ ク トル ( 関飾座標 ベ ク トル ) で あ る。 l i 添
i を示す。 また、J ぃは 各関師 の 公税V I 墳
え十 r e f は参I F tl竹
性1 1 モ
を そ の 成 分 に持 つ 対角1 賞
2(S)
性 行 / / 1G、
は感 1 芝
1判
独 をそ の 成 分 に持 つ 対 角感度 行夕J 、T d i 、は 外 岳しトル クを そ の 成 分 に持 つ 対 角外千しトル ク
行列 で あ る。 従 って 、P は 加速 度 の 次元 とな るの で、 これ を竿 l l t 外
古し加速 度 ベ ク トル とよい 。 L
I ( は各 1 対
j の角加 速 度 参照値 と実際 の 角加速 度 の 誤売 方千
を
市
1 式 が P で 表 され るこ とを示 して い る。
起 動 半 ( キネマ テ ィク ス) を 用 い る と1 1 : 業
で あ る。 分解 加速 度法 で も用 い
庄標 で の 解析 が l l l 能
デ
) れ て い る ように、 キ ネマ テ ィク スか ら関節 加速 度 ベ ク トル が 作 業に標 加速 度 ベ ク トル よ り1 計
算
デ
│ト
で きる。 イ
) れ た 関飾 加速 度 参照値 か ら作業H : 標にお け る加 速 度 誤捧 が 次式 で 求 まる。
一= 折 て
文l t r文
,P
/11辺
は作 米H こ
サ( 兆を表 して い るので右辺 よ り年十
れ1 加速度 ト
面外舌し加速度 ベ ク トル をヤ ヨ ビ行列で
各性標t l l に
分内じす るこ とでその誤差が求 まるこ とが分か る。 この ように1 洪
1 快に古I Z 価
えが │ サ
で きる
のが ド
1作
輸 J 御の特徴 であ る。加速度 コ ン トロー ラを組み合わせ た 多白山度運動の制 御法 を加
lt分
持
-19-
Sd ∫
││1嘘
J として 多││′
。iイ
lM )Mと
et‖
h子
oマ
斉タ
速度進従法 ( A c c e l e r a t i o n T r a c i n g O r i c n t a t i 011O`
ロボ ッ トの C P 制 竹1 にA T O M を 適 ) I J た
し場 合の位F t i ' (│差
( は位置 フ ィー ドバ ック ( フィー ド
F十価す
バ ンク係 独行夕│ はK 2 ) 述 1 支
1芝
フ ィー ドバ ヽ
ック ( フィー ドバ ック係 数行夕│ はK l ) 及 び力
│1述
析 令h F t
て'火」
【で 求 まる。
を│││い
″―ズ) = 、 ( , P
2 + る ド十【2 ) ( ズ 4 沈
(ド
ん
ri
1 芝は感1 寛
i じ はか な デ
, ず不 に収 穴す る。 以 によ り、 十
し力1 1 述
1判
独 をそ の 中 に 合 むの で l l i 誤差
外
十 1 1 1 1汚
芝ボ ッ トの 各関飾 で定義 され る外 岳しトル クと円飾祐」御系 でイr 志 にr i 貨
イ
ト分 散祐J 御 にお い て 多山│ │ │ 1ロ
i l できる感度 1 判
│1連
嘘 ベ ク トル が 準 かれ 、 キ ネマ テ ィクスよ り
】
数 を組│ み合わせ る こ とで 十価 外岳L 力
準 か れ るヤ ヨ ビ行
//1と
討を
価 が l l 能とな るこ とが示 され た。
利1 み合 わせ て ザ( との 「
4 . お わ りに
′
t 分枚柿J 御の 有
, F 究を た験的 に検i iす
で は吏に │ を
1得
にるために様 々な文校 を行 ったが 本稿
I iド
亡
本l l l 究
【
1 、本伊F 究の 成果は座 にマ イクロア クチ ュエ ー
では 行略す る。 │ 卜
細 は参 考文献 を参H 化された い。 ド
タと組[ み合わせ て 人 l i 紡
肉の祐, 御にチ
こ展で きる もの と期 待 して い る。 その ときは じめて ヒューマ
ノ イ ドロボ ッ トの′
われ る。
U、
夢が実際 の もの にな るので はな いか とフ
い た。
││!さ
せ て1 束
l i文こt i実験
び' 財
た何f 究助 成 は + 1 の
│:及
に に イf 効にi 岳
I J からご援 助 ! r t い
高和‖化′
央心 よ り感, 1静中し 1 1 けます。
- 2 0 -
参考文献
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-21-